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大学生ボート選手の最大の祭典にして最高の舞台であるインカレが、たいへん熱いバトルの連続で今年も幕を閉じました。



私は初日と最終日の2日間もレースを見ることができました。
これで現役時代の1995年から数えて2019年・・・25年連続でインカレのレースを見続けることができています。ついにインカレ25連覇を達成したわけですが(別に優勝とかしてないですが!笑)、月並みな表現ですが毎年インカレには魔物が棲んでいるということも改めて思い知らされます。選手の皆さんの実力を遺憾なく発揮することを阻む心理戦。タイムやデータや情報に惑わされることも多々あります。そして後述もしますが、昨シーズン以上に藻の存在がクルーの勝敗に影響を及ぼすところまで大きくなってきました。目の前で腹切り、フィンやラダーに絡んでの操舵不能、目の当たりにしたのは1度や2度ではありませんでした。
こうした相手にも打ち勝ち、これまで培った力をしっかり出し尽くすために、自らの準備と対策はもちろんのことボート界としてさらに協力していくことも必要になるのでしょう。
藻が大変だったとはいえ、最終日は台風の直撃がやや遅れたために台風による悪影響はほとんどありませんでした。自然の中での競技ゆえに、常に影響を受けながらのレースと運営になりますがこうした影響下にあって最善のレースができるようにしていきましょう。

こうした中で、大会4日間、素晴らしいレースの数々と感動的な交流とを見せていただきました。
全ての大学ボートの選手やマネージャー、全てのボート関係者、運営に尽力された方々、応援者の皆さんに感謝をいたします。インカレは、大学ボート、高校ボート、中学ボート、社会人ボート、そして日本ボートに関わる全員で作り上げている大会です。



さて、また今年も経験者、未経験者の対比をまじえたインカレ記事を書きたいと思います。
今年強い印象を受けたのは、未経験者中心の大学の中でも高校からのボート経験者とのクルーによって栄冠を掴んだり好結果を出したクルーが多かったことです。ほとんどの種目で、こうしたクルーが決勝や順位決定で活躍していました。
以前からこうした傾向はありましたが、未経験だけで組むクルーもたくさんありますが、確実に高校から一般受験で大学でも続けたい、あるいは続ける気はなかったが大学でさらに本気でボートに取り組みたいという選手が増えてきているのです。

高校ボートやそれ以前からのボート経験者は、やはり素晴らしいのです。未経験の方は、経験者はただ経験があるから強いと思われるかもしれませんが、違います。ただ競技歴が長いだけではありません。ボート経験者はやはりボートが好きで、ボートに対する意識が高いから強いのです。勝負強いし、ボートに関する興味や知識も優れているし、それでこそトレーニングや日々の生活における取り組み方と意識レベルが、未経験者より上回っていることがほとんどです。未経験者は、まずボートに対して本気かどうかが、経験者より上回っていないと勝てないのです。そこがスタートで、その上でトレーニングや技術の質で勝るようにしないといけない。

敗復や準決勝の勝負どころにおいて、経験者が結局、準決勝や決勝に進み、未経験者は経験が少ないゆえにぎりぎりのところになるとぎりぎりで負けてしまう傾向があります。これは未経験が弱いのでなく、経験者が追い込まれた時の力の発揮、あるいはスタート飛び出しや中盤駆け引き、ラストスパートでの流れの引き寄せ方、さまざまな引き出しがあるからです。しかしその紙一重の差で明暗が分かれるのがインカレです。私も何度も味わってきましたが、この僅かな差に大きな差があるので、インカレを想定した1年をしっかり送り、またレース研究をしたり積極的にレース出漕をしないといけないのです。その意味で、経験者と未経験の融合したクルーは、経験者の駆け引きや経験値を生かし、未経験の爆発的な伸びしろを生かすという、理想的なクルーになる素質を秘めた組み合わせと言えます。









ではここで、インカレ総合順位を見てみましょう。
World Rowingのメダルテーブルのようなものであり、1位5点、2位3点、3位2点、4位1点として各チームにポイントが付き総合優勝を決めるインカレの順位。これは決勝に残っていないとポイントが付かないので、たくさん順位決定に進めても総合ポイントは増えません。総合優勝のためにはやはりインカレ決勝に進めることが重要であるということを意味してもいます。


●2019インカレ総合順位  (未経験者中心のチームは赤)

男子 総合優勝 S台大(インカレ男子初の総合優勝)
1位 S台大 23点
2位 W大  9点
3位 M大  8点
4位 N大  7点
5位 D大  6点
6位 C大  5点
7位 R大  4点
8位 T京海洋大 3点
8位 H政大 3点
8位 T国際大 3点
8位 M江高専 3点
12位 O阪府大 1点
12位 K都大  1点
12位 N体大 1点


まずお伝えしたいのは、S台大が男子4種目優勝とインカレを席巻し、創部初のインカレ男子総合優勝を勝ちとったことです。さらにインカレM8+も優勝まであと一歩の準優勝。S台大がすごいのは、エルゴ等の選考でスイープ重視の編成をとっているはずなのですが、何と今回はM1X、M2X、M4Xのスカル種目をすべて優勝していることです。M2-は惜しくも準決勝まででしたが、M4+も5位であり、4種目金、M8+銀、M4+5位と男子7種目中6種目で結果を出しました。おまけにOX盾も社会人C電まで6秒差の8位入賞。全部のクルーがここまで強かったのは、N大7種目優勝のときにも迫るようなものすごいチーム力だと思います。さまざまな苦難を乗り越え、ここまで強い「全員ボート」を体現したS台大チームの皆さんに拍手を送りたいと思います。
また、S台大は完全にオール経験者ではなく、これまでも相撲・アメフト・柔道などをやっていてS台大でボートを始めた未経験者もおり、今年も1人だけ1年未経験者が入りM4+に乗っていたそうです。何でも高校野球の福井県ベスト4に進んだエース投手らしく、ご両親はボート選手だというのです。S台大も本当に素晴らしい人材の宝庫です。
S台大は以前から強かったですが、2013年はなんと最終日ゼロ。そこから2014年5位、2015年8位、2016年6位、2017年2位、2018年2位と階段を上がってきての今年の総合優勝という栄冠でした。


続いて、W大が総合2位。M2-優勝、M4+3位、M1X3位のポイントで9点、M8+は7位です。W大として総合2位は2010年以来となり、この2010年はM8+対校ではなくM2-優勝をはじめ小艇に力を入れた年でしたので、今年は対校をM8+としながらもすべての種目で高い総合力を見せました。特にM2-では2年未経験M田選手が乗っての優勝は特筆で、私の知る限りW大の未経験2年が優勝したのは近年では初めてではないでしょうか。
これまでにW大の男子総合優勝は2回。小艇に分けてM1X、M2X、M2+で優勝した2005年と、劇的なM8+初優勝とM2+、M4-で優勝した1996年の2回です。やはりM8+で素晴らしい優勝を見せM2+も優勝した2015年はN大、M大に次ぐ3位となっています。この勢いでめざすは2020年男女アベック総合優勝でしょうか。


3位はM大。M8+3位、M4-3位、M4X3位、M2-3位と4つの銅で8点となりました。M大としてはすべて3位で総合も3位となると、やはり悔しい結果だったのだろうと推察しますが、たいへんな総合力には違いありません。今年はかなりスイープに力を入れた編成という印象もあります。


4位、まさかのN大。M8+は4位で、3連覇が阻まれたと同時に、総合優勝も13連覇の長きにわたるN大黄金期にピリオドが打たれ、記録的な連覇がストップしました。今年は優勝ゼロ、M4-銀が最高でした。N大がひとつもインカレ優勝がなかったのは2003年以来16年ぶりのことです。他の種目でも、代表選手を擁しながらM1X4位、M2X3位のほかにも多くの実績者が今年はもう一歩といった印象でしたが、負けてニュースになるのはこれもすごいこと。怪我による不調や藻の影響もあったのではと思います。来年は再び強いN大を見せてほしいと思っています。


そして5位にランクインしたのが未経験者チームのD大です。M4+優勝は2017年M1X以来2年ぶりのインカレ優勝、そして創部初のクルーボートによるインカレ優勝です。何度もお伝えしてきましたが、全国一の大所帯チームを作り上げ、そしてスタッフの充実と学生主体のチャレンジ精神、「日本一のチームを作る」その思いの結集と、昨年の悔しさがすべて2019年インカレに凝縮されたのではないかと思います。M4+優勝以外にもM4-4位、M2X5位、M1X8位、さらにこちらは女子ですがW2X6位、W4X+8位。インカレ出漕42人のうち、約半分の19人が最終日、そして優勝も決勝も。ほぼ未経験でもこれだけできるのです。インカレで大活躍を続けるH橋大に匹敵する結果であり強さだと思います。ちなみにH橋大男子は決勝には進めなかったことで総合のランクには載ってはいないのですが、男子4種目最終日、女子決勝ひとつ含む2種目最終日で42人中26人も最終日を実現しています。未経験者中心チームでもこれだけやれる。全国にD大、H橋大を超える目標を持つ大学が次々と現れてほしいですし、D大の果てしない挑戦を今後ますます期待したいと思います。


6位に見事インカレM8+優勝したC大。かつてはインカレM8+はC大という時代が長く続きましたが2005年に2連覇したのを最後に優勝には遠ざかっており、実に14年ぶりの栄冠でした。C大の男子最終日は意外にもM8+のみでしたので、総合順位は6位にとどまりましたが、M8+のポイントも他種目も同じ扱いのランキングなのでこれは仕方がありません。しかし、M8+優勝こそが総合力ともいえるかもしれませんので、素晴らしいインカレとなりました。過去には2015年M8+敗復落ちを受け、そこから這い上がるために2016年4人乗りにわけM4-&M4Xの2種目優勝で若手がブレイク、2017年M8+3位、2018年M8+3位ときての今回のM8+優勝です。C大として試練と苦難を乗り越えた歓喜のM8+優勝杯奪回でした。


7位にR大。M4+銀、M2X4位、ポイントには反映されませんがM4-6位。R大男子も依然未経験者中心で、今シーズンもほぼ未経験者の4年男子9名が部を引っ張っての結果となりました。3年漕手は6人ですが経験者3人、2年漕手は8人で経験者1人。1年には漕手8人中経験者4人が入部し、未経験がまだ比率では多いものの前述したように経験者との融合により各クルーの戦力が確実に底上げされました。しかし男子の経験者は高校のトップで活躍した選手は一握りで、今回活躍したほとんどが高校の実績はあまりない選手ばかり。大学で未経験とともに切磋琢磨しボート意識を高めていくというチーム状況を作り上げています。
D大にはわずかに及びませんでしたがM4+には初めてのインカレとなる未経験漕手2年が2人乗っての準優勝、これはD大と同じ学年構成です。今や未経験2年をいかに育てるかが未経験チームの重要なカギです。そしてM2Xは未経験3年が経験者1年をリードして決勝へ進めることができました。M4-については6年連続インカレ決勝はなりませんでしたがM4-もオール未経験で常に奮闘、M2-も未経験で7'09を出し最終日までわずか、未経験でも日本一のクルーをめざしてきました。D大やH橋大ほどの規模ではありませんが引き続き大学からボートを始めた未経験中心でも優勝をめざせるというチームスタイルを続けてほしいですし、その中に経験者も大きく成長ができるチームとしてともに高い目標を掲げる意識を持ち続けてほしいと思います。


8位にT京海洋大、H政大、T国際大、M江高専。T京海洋大はM2X銀、H政大はM2-銀、T国際大はM4X銀、そしてM江高専はM1X銀です。
T京海洋大のM2X、まさに未経験と経験者の融合で院生1年と3年のダブルです。他の大学以上に実習や学業で練習時間が思うように確保できず、乗艇できる回数が限られた中で、N大を破りS台大に次ぐ準優勝は素晴らしいの一言です。
H政大、T国際大ともに男子は高い総合力をもっており、決勝1クルーなのが意外なくらいであり、来年はさらに素晴らしいチーム力で優勝争いを増やしてくることは確実です。
M江高専のA郷選手は今シーズン一気に躍進し最後はI瀬選手、A部選手、K村選手という新旧U23とU19選手に一歩もひけをとらない驚異的なレース、I瀬選手と一騎打ちを展開しての準優勝でした。間違いなく代表の力をもっています。高専がインカレ優勝できる歴史的な日を待っています。


12位にO阪府大K都大の関西の未経験チーム、そしてN体大です。
O阪府大は対校M4+にこだわってきて、しかし男子全体高いレベルのチームを作ってきたのもポイントです。その原動力はエルゴ6'10秒台を誇る4年主将のO村選手を中心とした対校M4+のクルーだと思いますが、関選でM8+準優勝、今回そのエイトを分けたM2-とM2Xも速いクルーでした。先頭でリードしてきたO阪府大M4+、全日本決勝、インカレ決勝とともに創部初の快挙とのこと、関西勢の躍進はこれからさらに加速するでしょう。
K都大はM2-決勝、そして院生のM1Xも6位でした。小艇に力のあるクルーを出漕させましたが、K都大はあくまで対校M8+にはこだわるでしょう。今回6分は切れませんでしたが来シーズンM8+で飛躍するか、あるいはスイープ中心に各種目強力なクルーを送り出してくるか。
N体大はおそらく対校に据えたM4Xが決勝4位。ハイレベルなM4Xでメダルを逃してしまいました。昨年は男女の決勝と最終日が多く、総合力の強さを見せましたが今年はM4X4位、M2-5位と最終日2クルーで昨年と比べると苦戦したようです。インカレは常に激戦ですのでいかに強豪N体大といえども毎年優勝争いは難しいですが、高い能力の選手が揃っているので来シーズンは必ず挽回するでしょう。



インカレ男子の歴代優勝クルーの一覧表を掲載しますので、こちらもご覧ください。


2019インカレ男子統計






次に女子の総合順位です。

女子 総合優勝 W大(2年連続、通算16回目)
1位 W大  14点
2位 R命館大 6点
2位 M大    6点
2位 R大   6点
5位 T国際大 5点
6位 S台大  4点
7位 C大   3点
7位 H政大  3点
7位 N体大  3点
10位 T経大 2点
10位 R谷大 2点
12位 H橋大 1点



だいたい今の大学ボートの勢力図どおりに順位が決まった印象なのでしょうか。
もちろん、インカレの成績がすべてではありませんが、インカレの結果によって強い大学のイメージがついてしまうところはあるかもしれません。ただ、ボートの魅力はインカレの結果だけではありませんので、もちろん結果至上主義にならないようにお願いします。
男女のポイントをプラスすれば、男女総合というのもできるかもしれませんが、世界のメダルテーブルは男女合わせてですが日本の大学ボートは男女別のランキングですね。まあ、N大のようにほぼ男子だけというチームもありますから・・・。
また、順位決定のように最終日にたくさん進めているチームもありますので、総合順位は必ずしも総合力を示すわけでもないかもしれませんね。


1位のW大はW2-金とW4X+金、W1X銀、W2X4位、W4+5位。出漕すべて5位以上という驚異のチーム力を見せ、2年連続総合優勝を果たしました。1997年に初めて女子総合優勝をして、2001年から2019年までの19年間で15回の総合優勝。通算16回目です。2001年から2019年まで19年間、インカレすべての83回の全種目で40回の優勝を誇り、半分近くW大が優勝するというまさに女王W大にふさわしい結果を今年もおさめました。今年も力のある新戦力が加わっており、今後も強いW大が常勝時代を続けそうな予感です。U19代表などが主力ですが、毎年の夏の強化合宿でしっかりインカレに照準を合わせてくるところも特筆で、インカレで強い特長も存分に発揮しています。


2位は3つの大学が並びました。W4+金とW2-4位のR命館、W1X金とW4X+4位のM大、W2X金とW1X4位のR大です。
R命館はU23のT野選手を筆頭に全日本優勝W2-と全日本優勝LW2-で組んだ最強のW4+でインカレ優勝を成し遂げました。予選の7'09、決勝の7'10はW4+としては素晴らしく、予選タイムはコースレコードかつ日本ベストだと思います。
M大はU23の4年主将T島選手がW1X出漕、国内最強1X選手の力を見せつけ決勝では13秒差の圧勝劇で優勝を果たし、T島選手は個人でインカレ4連覇を果たし有終の美を飾りました。(W1X金、W1X金、W2X金、W1X金)M大はW4X+も完成度が高かったですが惜しくも4位。W2X5位、W4+6位と、W大に次ぐ女子総合力は少なくとも2番手にある現状には誰も異論がないでしょう。
R大はU23の4年主将K谷選手がW2Xで出漕、2年の成長株とともに、ライバルH政大と昨年W2X準優勝のT国際大、W大を相手にラストで差し切るレースで創部初のインカレ女子優勝を成し遂げました。これまでR大女子はインカレで勝てずにいましたが、女子部ができて20年という節目の年に全日本とインカレを優勝することができ、これから強豪チームの仲間入りを果たしたいところでしょう。W1Xでも決勝に進むことができメダルまで0.7秒とあとほんの少し、しかしW4X+とW4+では最終日に残れず総合力はさらなる精進が必要です。


5位はT国際大。W2-銀、W2X銅、そしてW4X+6位、W4+7位です。W2-はW大に猛追及ばず優勝まであと0.6秒、W2Xも一時はトップに立ちあと1艇身半の差。4人乗りも決勝までもう一歩であり、変わらず総合力の強さを見せておりM大、R命館と並んでもおかしくないチームです。


6位はS台大。対校のW4X+銅、そしておそらくセカンドW4+も銅。優勝をめざしたW4X+ではW大、C大のトップ2にやや離れましたがM大を競り合いで制し銅メダルを獲得、またW4+でも対校のR命館とN体大についていけずも最後方からイーブンでH橋大を差し切り銅メダル。S台大らしい後半と競り合いの強みを生かしての決勝でした。


7位にC大、H政大、N体大
C大はW4X+銀、決勝で6'57を出しましたが6'54を出したW大に敗れてしまいました。涙を流しながら一糸乱れぬブレードでクールダウンに向かうクルーの姿が印象的でした。来年こそはという気持ちでいっぱいでしょう。
H政大はW2Xの死闘でR大、T国際大、W大との優勝争い、一度は水をあけながら第3で攻勢にあうも、ラスト再び盛り返し2着に差し返した執念のレースでした。W4X+5位、W2-7位とこちらも総合力はトップクラス。
N体大はW4X+やW2Xも出していましたが、W2-とW4+のスイープに力を入れていたかもしれません。特にW4+はおそらくトップクルーで、最強R命館に唯一追随、結局2艇身差ではありましたがW4+で7'16も立派なタイムです。


10位にT経大、R谷大
T経はW2-銅、かつて2011年インカレ優勝した種目です。女子のインカレ決勝は5年ぶり、メダルはその2011年優勝以来で8年ぶりです。女子の名門T経大の復活、来年も期待しています。
R谷大はW1X銅、昨年O西選手に続いての今年はS沼選手による2年連続の銅です。W2-6位、W4X+は最終日ならずですが女子の総合力と言えばR谷大が元祖。W4+でのチャレンジも見てみたい大学です。


そして12位、H橋大。対校のW4+、素晴らしいクルーを作ってきて決勝に進みましたがS台大に逆転され4位メダルならず。しかし予選、決勝と7'23をマークし、セカンドのW2-も8分を切っての8位。着実に進歩を遂げ、来年はさらなる高みに上ることは間違いないと思われます。


インカレ女子の歴代優勝クルーの一覧表です。

2019インカレ女子統計




このほか、この総合のランキングには載らなかったものの、当然のことながら素晴らしく躍動したクルーも多く、順位決定も熱いレースばかり。もちろん、インカレと言えば敗復と準決勝にそれぞれドラマがたくさん生まれるものであり、執念と奇跡の連続であり、今年はさらに藻のコンディションも大きく作用しました。

この藻につきましては、さまざまなところで言われているように、トップを走っていたクルーが藻に引っ掛かって舵が効かなくなったりミスオールで停止してしまうなどこれらの総合結果にも影響を大きく及ぼすほど深刻な状況になっていました。
自然条件であり藻の影響を受け止めるという前提で全チームが大会参加しているというように聞いてはいますが、それでもこうしたアクシデントやトラブルによってこれまでの努力が発揮できず結果を出すことができなかったクルーの悔しさや無念は言葉で言い表すことができないほどでしょう。
しかし、藻が原因で敗れたクルーもいるいっぽう、藻は勝ったクルーにもすべて引っ掛かったり絡んだりの影響を与えています。前向きに改善策や対応を考えていくことが大切だと思います。
運営のほうでもこれ以上はできないくらいに尽力されていたと思いますが、今後もできる限りの対策をして、良い環境づくりに努力していただければと思います。
今年も学連の方々、運営の役員の方、学生の手伝いの方々が朝から晩まで必死に動いて大会運営に奔走していらしたのを見ています。審判の方や多くの支援者協力者の方など多くの努力があって大会が成り立っています。毎年反省をして課題をクリアし年々向上をめざすのは選手も運営も同じ。完璧な人間はいないのですから、また来年はベストを尽くし、一歩ずつ前進していきましょう。














●2019インカレ全種目 結果一覧 (未経験者中心のクルーは赤)
※未経験クルーは私個人の調べと独断によります。正確な事実ではないかもしれませんのでご了承ください
※未経験者が半数以上となるクルーを未経験とさせていただいています。2人乗りでは、経験者・未経験の組み合わせは未経験クルーとしますが、代表や過去優勝したような経験者とのコンビは未経験クルーとは呼べないので経験者とします。


決勝
男子7種目、決勝28クルー(経験者20、未経験8) 」
M1X 優勝 S台大 I瀬選手、2位 M江高専 A郷選手、3位 W大 A部選手、4位 N大 K村選手  「全38大学(経験者12)」
M2X 優勝 S台大2位 T京海洋大、3位 N大、4位 R大  「全31大学(経験者14)」
M2- 優勝 W大、2位 H政大、3位 M大、4位 K都大  「全26大学(経験者11)」
M4X 優勝 S台大、2位 T国際大、3位 M大、4位 N体大  「全29大学(経験者11)」
M4- 優勝 S台大、2位 N大、3位 M大、4位 D大、  「全22大学(経験者11)」
M4+ 優勝 D大2位 R大、3位 W大、4位 O阪府立大  「全39大学(経験者10)」
M8+ 優勝 C大、2位 S台大、3位 M大、4位 N大  「全17大学(経験者7)」

女子5種目、決勝20クルー(経験者19、未経験1) 」
W1X 優勝 M大 T島選手、2位 W大 M井選手、3位 R谷大 S沼選手、4位 R大 M嶋選手  「全36大学(経験者13)」
W2X 優勝 R大、2位 H政大、3位 T国際大、4位 W大  「全27大学(経験者10)」
W2- 優勝 W大、2位 T国際大、3位 T経大、4位 R命館大  「全12大学(経験者8)」
W4+ 優勝 R命館大、2位 N体大、3位 S台大、4位 H橋大  「全13大学(経験者9)」
W4X+ 優勝 W大、2位 C大、3位 S台大、4位 M大  「全21大学(経験者9)」


順位決定
男子7種目、順決28クルー(経験者18、未経験10) 」
M1X 5位 K應大 O下選手、6位 K都大 F森選手、7位 E媛大 Y崎選手、8位 D大 F岡選手
M2X 5位 D大、6位 R谷大、7位 T経大、8位 R命館大
M2- 5位 N体大、6位 N大、7位 K應大、8位 H橋大
M4X 5位 N大、6位 H橋大、7位 H政大、8位 R谷大
M4- 5位 K應大、6位 R大、7位 H橋大、8位 T経大
M4+ 5位 S台大、6位 N大、7位 R谷大、棄権 H政大
M8+ 5位 K應大、6位 T北大、7位 W大、8位 H橋大

女子5種目、順決20クルー(経験者12、未経験8) 」
W1X 5位 N医大 A垣選手、6位 M山大 K原選手、7位 F岡女子大 S原選手、8位 K屋体大 S方選手
W2X 5位 M大、6位 D大、7位 K屋体大、8位 G習院大
W2- 5位 N体大、6位 R谷大、7位 H政大、8位 H橋大
W4+ 5位 W大、6位 M大、7位 T国際大、8位 K戸大
W4X+ 5位 H政大、6位 T国際大、7位 T北大、8位 D大





経験者中心チームについては先ほど総合順位でほとんどふれているので、ここでは未経験チームについてのお話をします。
では、今年を含めた過去9年間におけるインカレでの未経験中心クルーの結果です。

過去9年間で未経験クルーの結果

2011年 男女決勝に7クルー、優勝なし、メダル3個(銀1、銅2)
2012年 男女決勝に7クルー、優勝なし、メダル4個(銀2、銅2)、
2013年 男女決勝に8クルー、優勝なし、メダル4個(銀1、銅3)、
2014年 男女決勝に10クルー、2種目優勝、メダル8個(金2、銀4、銅2)
2015年 男女決勝に8クルー、1種目優勝、メダル5個(金1、銅4)
2016年 男女決勝に8クルー、1種目優勝、メダル5個(金1、銀2、銅2)
2017年 男女決勝に8クルー、2種目優勝、メダル5個(金2、銀1、銅2)
2018年、男女決勝に6クルー、1種目優勝、メダル4個(金1、銀3)
2019年 男女決勝に9クルー、2種目優勝、メダル4個(金2、銀2)

今年のメダル獲得の内訳はW大がM2-で金、D大がM4+で金、M4-決勝(4位)。R大がM4+で銀、M2X決勝(4位)。T京海洋大がM2X銀。
ということで、未経験とはいえいずれのクルーにも経験者が1人か2人乗る編成でした。W大は経験豊富な経験者4年のK田選手がストロークで引っ張っていましたが、未経験2年のバウM田選手が初めてのインカレでの優勝なので、未経験とさせていただきました。今年の未経験決勝9クルーとなりましたが4位も多く、メダルまであと一歩のレースが多かったです。


こう見ると、2014年に未経験チームがかなり躍進してのち、経験者チームが厚みと規模を増して少しずつ元のように押し返されている感じも受けてはいたのですが、2019年の今年、未経験チームも経験者の手助けを借りながら力を伸ばしてきたといえるのではないでしょうか。
私の理想は、やはり経験者にインカレ上位を独占されてはいけないのです。ものすごく強い未経験チームがいくつも現れて、大学ボートは経験者も切磋琢磨でもっと強くなれる舞台でないといけないのです。経験者も大学で大きく成長しなくてはならないからこそ、そして未経験者は大学から始めてもっと結果を得てボートの楽しさを知ってほしいからこそ、未経験者の活躍を求めているのです。たいへん厚い経験者の壁を、さらに越えるべく、お互いに越えようとしていくことが大切ですね。


順位決定を見ると男子はかなり勝負できていますし、女子については近年から見ると今回かなり躍進しています。
女子の決勝と順位決定を含めた未経験の最終日進出クルー、2014年には6クルー(決勝2)でしたが、2015年が5クルー(決勝0)、2016年が2クルー(決勝0)、2017年が4クルー(決勝1)、2018年が5クルー(決勝0)、そして2019年は9クルー(決勝1)と増えました。
未経験クルーが男女を含めて全12種目に最終日進出を果たしたのは久しぶりです。


もう一度男子を見てみますと、M1Xは変わらず鍛えた未経験スカラーが活躍する種目ですが、今年は順位決定に2クルーでした。
M2Xでは、M2Xというこの経験者有利な種目において、T京海洋大が銀メダルを果たし、R大は準決勝でD大との未経験対決を制し決勝4位。
M2-は個人的にK都大とK應大に優勝争いしてほしかったですが、準決勝で当たりともに7分を出しての激戦で決勝にはK都大だけしか見れませんでしたが、未経験2年の乗るW大が優勝してくれました。
M4+では経験者のW大も強かったですが、D大とR大の未経験クルーが優勝を争うという未経験ワンツーは、私自身今まで見たことがなかったかもしれません。しかもO阪府大もあと一歩で、未経験メダル独占を見てみたかったです。そのチャンスはもちろんあります。また、D大とR大は、漕手が3年2人と2年2人、そして4年COXが率いるということでそのメンバー構成もたいへん似通っていました。合宿交流もお互いしていますし、これからも違うチームで部員同士交流をしていくのは未経験や経験者に関係なくボート仲間の輪を広げていってほしいですね。
M4-はD大のみ決勝、しかしこの種目もH橋大やR大が得意種目であり続けることができれば優勝のチャンスが今後も増えるでしょうし、未経験チームにとって対校種目にする価値のある面白い種目です。経験者ライバルがM4+以上に多いことがあり技術的にも難しい種目であるのと、COXが乗れないのがネックではあります。M2+種目がなくなり、M2-、M4+、M4-、OX盾に分散していったような印象がありますね。
M4Xも経験者有利、しかし昨年はD大が優勝までほんのわずか。かつては2006年I城大も優勝目前でS台大に差されて1秒差で優勝を逃したのですが、現在そのS台大が2連覇中で再び得意種目にしています。未経験の優勝がないのはインカレ男子ではこのM4X種目だけです。1997年にT北大が優勝していますが、オール院生のクルーだったので未経験?うーんという感じで未経験認定も最近難しくなっています(笑)。未経験の定義はあいまいですが、未経験者中心の国立大、私立大には頑張っていただきたいところからこのような対決をクローズアップしています。
そしてM8+も1995年T北大の優勝以来、未経験の優勝がありません。準優勝は何度もあります。1995年以降は、T北大が2回、K都大が1回、H橋大が3回準優勝しています。(最初2回と書いてしまいました。昨年をカウントし損ねていました。訂正いたします)3位はもっとあります。M8+の未経験クルー、今年の最高位はT北大の6位。インカレM8+で優勝するには、エルゴと乗艇練習タイムと、2杯くらい同じ強さのM8+が組めるような選手層と部員数。M8+1杯ぎりぎりの戦力ではやはり不十分です。だからこそ、8+種目はチーム力が試されるのだと思います。




女子の未経験クルーについては、H橋大のW4+4位が唯一の決勝で最高順位。しかし先ほど言ったように、順位決定で未経験クルーの最終日進出が増えました。
特にW1Xではやりましたね、N本医科大の3年A垣選手が初めてのインカレで5位。そしてF岡女子大の2年S原選手がボートを始めて1年で7位。M山大のK原選手も素晴らしかったですが経験者のようであり、未経験者というところに注目すると、この2人のインカレ最終日は素晴らしいと思います。来年は決勝めざし未経験旋風を巻き起こしてください。ほかにも準決勝では未経験の強豪スカラーが目白押しであり、ハイレベルなW1Xでした。
W2Xは以前から経験者有利になって久しいですが、順位決定に2クルー。D大が素晴らしいパフォーマンスを見せて6位、G習院も準決勝で未経験対決を制し進んだ順位決定、5年ぶりとなる最終日と実力を示し8位となりました。
W2-はチャンスがある種目。H橋大は最終日接戦を演じ8位。
そしてW4+、H橋大は対校として挑みましたが前述のようにS台大に差されてしまい4位。H橋大は来年以降もチームとしてインカレ女子初優勝に全力を傾けるでしょう。K戸大も対校で挑んで昨年と同じく8位。来年はW4Xがなし艇になると思われるので、未経験チームがW4+でトップクルーを組む流れが加速しそうです。
W4X+、女子未経験の強豪であるT北大が再び強いクォドを作ってきました。そして今年女子の躍進はD大。伝統校復活の狼煙を上げた100年以上の歴史を持つT北大とD大は、男子とともに、女子も未経験随一の強豪をめざします。今はまだその途上に過ぎず、必ず女子の名門チームに育っていくでしょう。


女子チームの中では、T北大、H橋大がチーム総合力として上位にありますが、D大が急激に伸び、大所帯かつハイレベルなチームになろうとしています。ここに競っていくには、安定した新勧力と育成する指導陣やスタッフの充実。K戸大は最終日常連なので決勝に進むことでこのチームに肩を並べるでしょうし、N古屋大もそのポテンシャルがあります。このほか、関西勢をはじめとして毎年女子漕手を一定数確保できさえすれば全国に未経験で強いチームはいくつもできると感じています。
戸田にはG語大、G習院、T大、T波大、I科歯科大など女子未経験のチームがインカレ好成績を継続して一時代を築いてはこれを5年以上続けるのは難しく、やはり女子部員の確保が課題だと思われます。S城大、S蹊大、K立女子大も女子で強い時代はあり、今が大切でしょう。
国立大はH海道大から、今勢いのあるK沢大、そして関西にはK都大、S賀大、O阪市大、O阪府大、O阪大をはじめ多くの女子強豪がありますが、何とか全国レベルで上位に入りたい。私大でもD大に続きたい、K西大、K西学院大。そして国立のO山大、Y口大、T取大、S根大。K州大。
このほか本当にたくさんの大学が未経験から強くなり、地元の高校からの経験者も加わって、強い男子、強い女子のチームを築き上げ、周辺の大学でも休部から復活したり新しいボート部が立ち上がり、インカレが100以上の大学で覇を争うような今以上に大きな大会になっていくことを願います。









今年もインカレは激闘の末に幕を閉じました。

男子で王者に君臨し続けたN大が苦戦をし、新しくチーム力向上に努めてきた新たな大学が総合力でアピールしました。しかしこれは以前からと同じく一人一人がボート意識を主体的に高めた結果です。それをサポートしたリーダーの方たちの高い意識と経験、そして支援者も間違いなく増やしています。


未経験者の爆発的なポテンシャルを、経験者が常にライバルとして先輩として引き上げていく。そして経験者は常に上の目標を見てチャレンジ精神を示すことで、未経験者は驚くほど短期間で急成長を遂げていく。


ボートを経験した人たちが、たくさんの仲間を集めてRowingの素晴らしさや喜びを共有できるチームを作り、育て、強化し、そしてまた競技そのものを育てていくことが大事なのだと思っています。
そしていつも新しい発想や、既成の競技界の枠にない才能は外からもたらされ、それらはRowingに必要な宝として集めなくてはいけません。新陳代謝を繰り返し、レベルを飛躍的に高める。風を起こし、多くの人たちをRowingの渦に巻き込んでいくこと。
新たな時代は、伝統と革新の両者が融合し、先に経験した者と後から経験する者がお互い尊重し合って目標をひとつにコミュニケーションと信頼によって力を合わせる。
社会人でも大学からボートを始めた者たちが新鮮な風を与えて、今大会、ついに○TTM8+は戸田レコードの5'38"20を叩き出しました。インカレ王者たちがさらなる成長を遂げた結果です。世界はまだ遠い。しかし、インカレのような急激な爆発力と情熱で、代表も日本ボートもさらに強くなる。経験者たちは、未経験者の可能性を評価し始めていますし、より謙虚にしかし優勝をめざして世界にチャレンジします。



それぞれに魅力たっぷりなボート経験者とボート未経験者、お互いの協力とレベルアップのために!競い合い、助け合い、仲間としてライバルとして、インカレで生き生きと光り輝いてほしいですね!
そして、インカレを楽しみに見に来てくれる人たちの中に新鮮な風として吹き抜け、爽やかさを残し、心を動かしてほしいと思います。
素晴らしい熱戦を、今年もありがとうございました。







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