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さて、東日本選手権の展望に続きまして2回目の更新、同じく今週末はワールドカップ開幕ですよ!

え?もう開幕してる?
いえいえ、サッカーのW杯もいいですが、ボートのワールドカップ第2戦も熱いですよ!!サッカーとボートのワールドカップ、4年に一度しか言えませんが実にありきたりのセリフを言ってみました!
まあ、私も録画して日本-コロンビア戦は観てしまいましたが。逆風をはねのけた日本代表には団結を感じました。こうした団結力、逆境を力に変える底力、そして緻密なゲームプランと研究心で一つの戦いにすべてをかける本番への強さ。ボート競技も見習いたいですよね。勝負の世界なので今後どうなるかは分かりませんし、終わりよければ、というところがあるので世間やメディアの手のひらは最終的に表か裏のどちらに返すか分かりませんが、これからもスポーツの原点であるひたむきさを感じさせてくれる戦いをしてほしいですね。そして心技体を極めていく姿勢、気持ちの伝わるプレーをしてほしい。勝っても負けても、残るもの、刻まれるものがきっとあります。

やはり国と国の勝負はいっそう真剣勝負。下手すれば生死をかけた戦いという感じにまでなりますが、それくらいの覚悟や緊張感がつきまとうものの、やはりスポーツなので楽しむこと、そしてライバルを尊重し謙虚に振る舞う競技者精神を持ちたいものですよね。観戦者や支援者はプレッシャーをかけすぎることなく、選手ファーストで最大限の尊敬をもって応援する、そして選手は周りへの感謝と自分を高めてくれるライバルや支援者の存在を尊重して自分が偉いと思い違いをしないで競技力と人間力を発揮する。現実がすべてそうなることは難しくても、そういう理想の体現をめざしていくことこそが大事なのだと思います。
特に、選手に要求する以上に、支援者や応援者が自分自身謙虚さと向上心をもって関わらなくてはいけないと思います。




さて、それでボートのワールドカップですが、FISA主催にして世界の転戦シリーズであるワールドローイングカップ、通称ワールドカップは、現在の形で行われる形式は1997年に始まったという比較的新しい大会であり、だいたい4月から7月くらいまでの期間に世界の主要なRowing国で行われるポイント制のレガッタシリーズです。7位までのクルーにポイントが入り、最終戦後に総合優勝が決まります。第1回1997年の総合優勝国はFISAのお膝元、スイス!ボートトリビアですね。その後ドイツが何と9連覇、以降イギリス4連覇~ドイツ優勝~イギリス2連覇~NZ3連覇~イギリス優勝、で現在に至ります。
1990~1995年でもワールドローイングカップの名前で年に3~6回の頻度で世界各地において行われていましたが、この頃の種目はM1XとW1Xだけでした。ヨーロッパにはもともと、1893年から続くヨーロッパ選手権という伝統と歴史ある大会がある。しかし、ボート競技は今やヨーロッパだけのものではありません。ボートは1Xだけでもありません。多くの種目、そして北米、オセアニア、さらにアジアや他の地域の世界普及も視野に入れ、さまざまなニーズからアトランタあたりの時期を機に、いまの多種目、そして初夏のボートシーズンに世界選手権までの真剣勝負と力試しができるA級国際大会としての体裁を整えたのでしょう。
現在はオープン軽量級からなる男女各10種目以上に加え、パラローイングもたいへん充実した大きな大会になっており、国ごとに複数エントリーも可能ですが、やはり第2戦、第3戦とシリーズが進むにつれて世界選手権に向けたクルーオーダーが多くなり参加国も増えてくる傾向がありますよね。総合優勝はそこまで重視されていないような気もします。

詳しくはWord Rowing CupのWikipediaなどを参考に!
「World Rowing Cup」Wikipedia



さて、毎年ワールドカップは3戦とも別の国で開催されます。今年は第1戦がセルビアの首都ベオグラード、今週末の第2戦がオーストリアのリンツ-オッテンスハイム。第3戦が私の言う世界の戸田・おなじみスイスのルツェルンです。ワールドカップ第3戦はほぼ7月にルツェルンです。たまにポーランドのポズナン、そしてたまにドイツのオーベルシュライスハイムです。22回中17回がルツェルンであります。

今年の第2戦、リンツ-オッテンスハイム。リンツとオッテンスハイムはオーストリア北部の街です。リンツは、ウィーン、グラーツに次ぐオーストリアの第3の都市で人口20万人ほど、ドイツを源流に黒海まで流れる国際河川、ドナウ川のほとりにある都市です。以前の東欧Rowing紹介シリーズでもふれたドナウ川は、リンツを通ると200~300km下流には首都ウィーンを流れていきます。そしてリンツ中心街から7、8kmとほど近いオッテンスハイムという町にドナウ川に建設された大きなダムと水力発電があります。ここに1972年、リンツ-オッテンスハイム国際レガッタコースが建設されたのです。オッテンスハイムの住民は、ほとんどリンツの市街に出て働いているそうです。
そしてこのリンツ-オッテンスハイムのコース、2019年世界選手権の開催地になります。来年のプレ大会に当たる今回のワールドカップであるわけです。今シーズンは、その地元開催に向け、オーストリアの多クルー参戦と著しいレベルアップが目立ってる感じがします。さすが、地元開催効果!




では、今回は詳細にではなく簡単にワールドカップ第2戦の見どころを。
第2戦リンツ-オッテンスハイム大会は、21日木曜の現地時間からはじまります。
さっそくワールドカップ第2戦のプレビュー記事がWorld Rowingサイトにも本日アップされていましたので、ご興味ある方はこちらも。私は特別こうした記事を参考にするわけではなく、独自の視点で勝手に注目クルーや種目を調べますが、だいたい有力クルーは実績があるので見立てはある程度共通するようです。
Who to watch; World Rowing Cup II, Linz-Ottensheim
今週末は東日本選手権もあって、海外レースも国内レースも好きなボートファンにはチェックが大変でしょうね。今週も怒涛のボートウィークであります。もちろん、海外ばかりでなく身近なチームをしっかり応援してくださいね!



私の注目は、ワールドカップ第1戦で一気に躍進したオランダチームですよ。
数年前から強化が進んでいるのが目立っており、4年に一度覚醒するなんてことを言っていましたが、LW2Xのブレイク、M8+とW8+の強豪化をはじめとして、多くの種目で強くなっており、また大挙して複数エントリーするという積極的なレース参加を見せています。今回オランダは、M8+で2杯出し、W4-でも2杯出ししていますからね。代表エイト2杯出しは、イギリス、ドイツ、アメリカなどボート大国以外ではなかなか難しいと思います。M4-2杯、W4-2杯、W8+1杯を出す中国なんかもすごいんですが。

ちなみに今回、出漕クルー数ランキング
イタリア 26クルー
イギリス 24クルー
ドイツ 23クルー
オーストリア 21クルー
中国 17クルー
オランダ 15クルー
ニュージーランド 15クルー
オーストラリア 15クルー
フランス 14クルー
ポーランド 14クルー
ウクライナ 13クルー


2ケタ出漕は以上の11か国。
開催国オーストリアがご覧のように出漕数4位ですからね。来年はかなり上位争いしそうな強化を遂げるか。


それでそのオランダですが、世界戦をチェックされている方はご存知かもしれません、日本にも大きなライバルとなるLW2X、オランダはリオ五輪金メダルでLW2X6'47の世界ベストタイムを持つイルセ・パウリス選手(173cm24歳)は今シーズンから若手の新星、マリーケ・カイザー選手(身長170cm以上?21歳)とLW2Xを組み、ワールドカップ第1戦を快勝しています。ジュニアとU23のLW1Xで無敵だったカイザー選手、当然五輪種目のLW2Xに選ばれたのは既定路線といってよいでしょう。
このカイザー選手、2015世界ジュニアLW1X権優勝、2016U23世界選手権LW1X優勝、そして昨年シニアデビューで2017世界選手権LW1X準優勝だったのですが、19歳の一昨年のシーズンですでにエルゴ7'05で回していたらしいです。このオランダLW2Xのフィジカルは現在2人とも6分台は間違いないだろうと思いますが、これからチャンスがあればまた世界ベストを更新しそうな、世界一のLW2Xになるでしょう。東京五輪、最大の優勝候補です。
日本LW2Xは、この2人を擁するオランダをはじめ、NZ、南アフリカ、中国、イギリス、ポーランド、オーストラリア、ドイツ、イタリア、アメリカ、スイスなど名だたる強豪国相手に最低3位にならないとメダルを獲れないわけです。世界一を皆めざしているのですよ。
このオランダとともに今回注目は、昨年世界選手権LW2X優勝のルーマニアです。Sベラーガ(177cm)、Bコズミウク(179cm)の長身軽量級ダブル。バウのコズミウク選手は昨年レハチ選手でしたが、結婚して姓が変わった模様です。NZももちろん強く、今回のワールドカップは世界選手権へ向けた壮絶な勝負の第一章といったところです。オランダ、ルーマニア、NZ。すさまじいライバル争いが世界選手権まで続きます。


五輪種目で言えば、LM2X。こちらはアイルランドのオドノバン兄弟は不在ですが、フランスが依然本命でしょうか。しかし、昨年のアズー選手電撃引退により、若手のピエール・ウァン選手(184cm24歳)と新たにパートナーを組むのは、リオ五輪LM4-銅のクルーで2番だったトマ・バルク選手(185cm30歳)のようです。バルク選手は、昨年はオープンに階級を上げ世界選手権でM2+敗復落ちと思うようにいかなかったシーズンだったようですが、また軽量級に戻ってきました。はたして今シーズンの新生フランスLM2Xはフィットするのか。ワールドカップ第2戦では例年通り、NZと豪州のオセアニア勢が参戦を始めます。LM2XではNZのみですが、昨年世界選手権LM1X2位のマシュー・ダナムを擁し強力です。また、LM2Xではベルギーが力をつけています。ポーランドも好調ですし、何といってもフランスよりイタリア(Sルータ、Bオッポ)の方が優位な気もします。ハイレベルな争いをし、各国は世界選手権に向けてそれぞれの思惑の中、レース経験を積むことでしょう。


そしてオープン種目。M1XではNZが世界ベスト男対決です。昨年衝撃の6'30を出したマンソン選手と、彼に破られるまで6'33の世界ベストを持っていたマーヘ・ドライスデール選手、NZの2人が出てきます。新旧世界ベスト対決の決着は、新たな世界ベストか!?このほか、リオ五輪で写真判定銀メダルに敗れたクロアチアのダミル・マルティン、キューバのロドリゲスなど有名選手が多いですね。チェコのシネク選手は不在ですが、見どころたっぷりのM1Xです。


M2-は今シーズンもスイープやります、クロアチアのシンコビッチ兄弟です。今度こそぶっちぎりなるか、しかし昨年の劇的なスパートを見せたイタリアが、メンバーは1人代わりますが今年も出ます。今年のイタリアはロド、アバニャーレのコンビ。そしてまた注目は昨年の世界選手権M4-優勝メンバー、オーストラリアのアレクサンダー・ヒルとスペンサー・トゥリンがM2-にもダブルエントリーしています。この2人も強力ではないですか。NZが昨年ほど強くはなさそうですが、キウイペア不在でも、クロアチア、イタリア、豪州の勝負はたいへん面白そうです。


M4-は昨年以上にイギリスの力がやや落ちそうな気がします。豪州M4-の2連覇なるかに注目。しかし、イタリアが強力メンバーを乗せてきていますし、さらに確実に力があるのはリオ五輪M8+銅メダルメンバーを主力とするオランダです。このオランダM4-、ヴィーテン選手とヘンドリクス選手がリオ五輪銅なのですが、この中にジャスパー・ティッセン選手がいます。S田ローの方はピンときたでしょうが、2015年に来日しマシンローイング近畿大会に出たTissen選手その人です。このとき6'03というエルゴスコアを出し、Tissen選手はマシンローイング大会で優勝しました。当時は22歳でしたが、今25歳になりオランダM4-クルーとしてワールドカップに出ているんですね。是非応援しましょう!


M8+はドイツに死角なし!という雰囲気ですが、イギリスがどこまで復活しているか。世代交代は難しいですが、ウィリアム・サッチ、トム・ランズレー(どちらもリオ五輪M8+金)、そしてモハメド・スビヒ(リオ五輪M4-金)など実績ある選手を戻してきています。フェラン・ヒルからイギリスM8+正COXの座を受け継いだヘンリー・フィールドマンの舵取りやいかに。ドイツの円熟の域に達したマルティン・ザウアーの戦術に対抗しうるか否か。NZのキウイエイトも、相変わらずやりそうな雰囲気はあるのですがどうでしょうか。あと、オランダは2杯出しですが、Bクルーが女子のエリ・ノールト選手のCOXですね。


女子については、W1Xはスイス、W2XW2-はNZという大本命がそれぞれいますが、ライバルの急成長でいずれも面白いレースが期待できそうです。
そしてW8+ではルーマニア、NZ、イギリス、オランダの勝負が面白そうですが中国と豪州も食い込んで6艇横一線だと白熱します。


このほか見逃せない種目ばかりですね!







ボートもサッカーもワールドカップを楽しみながら、日本の熱い戦いも注目しつつ、手に汗握るエキサイティングな週末をお過ごしください!


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