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またまた過去の記事を使用してしまいます。
私のブログでは、ある程度年間スケジュールや時期ごとに意識した話題を書いているつもりですので、過去記事も時期に合わせて読める内容もあるのではと思います。

今回は、新しく入部した新人に対する方針について参考にしていただける記事をまた数回にわたり掲載します。





大学ボート界、高校ボート界も4月下旬は新歓期が一段落する頃で、新人の入部もだいぶ決まってきて、通常運転、シーズンモードへと入っていく時期ではないでしょうか。

先日は熊本県斑蛇口湖コースで全日本ジュニア選手権が行われました。そして戸田の対校戦第一弾、NRM三大学レガッタが天候も危ぶまれましたが盛大に行われましたね。
今週末はWKレガッタがあります。

これから、まだまだいくつもの対校戦が行われます。そして中日本レガッタ、朝日レガッタ、戸田レガッタ、諏訪湖レガッタ、その他多くの大会が全国で開催される時期になってきました。全日本レベルでは、全日本軽量級選手権、そしてシニアRowerの方々には全日本マスターズも控えています。4月、5月はボートの大会が目白押しなのです。


上級生部員にとってはこのようにレースへ向けてのトレーニングに集中しやすくなるのだと思いますが、しかし同時に新しく入ってきた1年生部員にとっても未知のスポーツとして飛び込んだ「ボート競技」を知って、色々なことを覚えて、ボート部の環境に慣れていくために、今がとても重要な時期であるのです。(昨年この記事は5月初旬に書きました)
私の考えとして2015年11月に掲載し最近も再掲載した「新勧プロジェクト」シリーズでも述べたように、新人への対応は最初が肝心。この時期の対応や指導がたいへん重要になってきます。



ちなみに、新しく組織に加入した人のことを「新人」といいます。会社やスポーツでよく使われる言葉で、一般にはやはり1年目の社員や部員を新人と呼びます。しかし、高校や大学での新人戦は2年生まで参加できる大会が多いです。一番上が引退した後の新体制チームが初めて迎える大会だからです。


今年もたくさんの新人を獲得できた部が全体的には多いのではないでしょうか。特に、これまで少数だったチームに10人、20人と新入部員が大量に入ってくれた!という声を聞けるととても嬉しいですね。ぜひ、「離脱者を出さず!(これが大事)」、ボートを好きになってもらい、ボートを通じて成長できる環境を作っていきながら、「新人とともに上級生も成長できるように!(これがさらに大事)」、これからが本番ですからね、しっかり頑張っていきましょう!
「新勧、継続、育成」を完成させて、1人前の部員、1人前のボートマンに育てていきましょう。

新入部員はボート界全体にとっても宝なのです。そしてもちろん、少し前まで新入部員だったあなたももちろん大事な宝です。ボート界全体で成長して、日本ボート界が成長して強くなる。その一つの基盤に、新人教育があり、これを向上させることで、教育される側だけでなく教育する側も大きく成長できます。このような、相互に成長しあうイメージを、私はこれからのボート界に思い描いているところがあります。



では、その「新人教育」とは何をするのかということですが、やはりまずは色々な知識をもってもらい、ボート競技に特有の世界を色々と知ってもらうことですね。皆さん、ボート競技にふれるとボート独自の文化とか用語にたくさんふれて、「こんな世界があるんだ」と、ちょっとしたカルチャーショックを受けつつ新鮮な刺激や興味を惹かれていった記憶があるかと思います。まさに、新人たちも今そういうタイミングで、見ること聞くことの全てが驚きの連続ではないかと思うのです。
新入生の指導1

その中でボートを知っていくのに効果的なことや、またある種のルールや必須事項を身につける必要があるということで、できるだけ新人にはレクチャーを行っていきます。レクチャーとは一般に講習などの説明のことを言いますが、座学や講義ばかりだと退屈してしまうし(もちろん大事な講習であることを理解させる)、新人には経験がともなわず結局よく分からなかったりする場合もあるので、実地で訓練、研修といった形が必要なようにきちんと体験してもらうことが大事です。要するに、実際に艇に乗ったり一緒にトレーニングをする中で、適時新人に教えて確認しながら進めていくことが大事ですが、同時に効率面や規律の面からも、新人には集団形式で教えていくことも必要であるわけです。
個人の意識もチームの意識も育てていきます。どちらのアプローチも欠かせません。



ではレクチャーの項目は?
だいたい皆さんが思いつく基本の内容であり、多くのチームではこうした新人指導が確立しているかと思いますが、毎年新人担当が変わってしまい引き継がれていないチームもあるかもしれません。
このブログでは、新人指導の参考にしていただくために、例としていくつか挙げていきます。


1.艇、オール、道具など、ボートの基礎知識
2.技術(艇を進める原理、艇を進めるイメージ、フォームや動作、基本技術、エルゴ)
3.安全(環境、天候・風、航行ルール、事故の例、沈の回復、メディカル)
4.トレーニング知識(アップ・ダウン、ストレッチや怪我予防、身体の知識、トレーニング原則、自チームのトレーニング方針、自己管理、メンタル、目標設定やPDCA)
5.リギング、整備
6.栄養(トレーニングとの関連、食事の基礎知識、栄養の知識、休養)
7.競漕規則(大会の航行ルール、レースまでの流れ、レース準備、レース前後の対応)
8.その他、ボート競技に関するさまざまな知識や情報
9.自チームの歴史、自チームの各種情報・周辺情報
10.他チーム情報、日本ボート、世界ボートなどRowingの社会性


他にもあるかもしれませんが、ざっと挙げてみました。項目によっては、より詳しい内容を繰り返し指導する必要があります。
これらについては、いくつかの項目は過去の私のブログ記事から参考になるものがあればまとめていただいても構いませんし、初心者用としては「OZAWA ROWING」さんのサイト内容から抜粋したりしながら、自チーム用の資料を作ったりしてもいいでしょう。(機械的に新人に配布するとかではなくて、指導する上級生や新人コーチが自分の資料として活用するのが効果的だと思います)
ジュニア・ロウイング・マニュアル


どれも重要なことばかりですが、できるだけ新人が興味・関心を惹くように話したり伝えたりすることがポイントです。ですから、普段の雑談の中で関連付けてこれらを伝えていくのが実は一番効果的であると私は考えています。さらには自分なりのボート観やボート競技の意義など伝えるとさらに良い。
例えば艇の形状やストレッチャーやリガーなどの説明も、その人の体形や経験スポーツに合わせてイメージしやすい説明をしたり、技術の実践の中で重要性やはたらきをリンクさせていけば覚えやすいと思います。自分の体験や身体を動かす中で教わると、より記憶にも残りやすいといえます。
ただ、技術講習、リギング講習、トレーニング講習、安全講習、栄養講習、競漕規則講習、初の試合前ミーティング、レースビデオ講習、などなどやっぱりどこかのタイミングでまとまった時間をとって、ノートにつけたりもしてもらいながらレクチャーしたい内容ですよね。



また、高い目標を持つチームの方へ。私は、初心者をあまりにも初心者扱いしないほうが、相手は認められていると感じて高いレベルを意識してくれるようになることを経験的に感じています。最初から上のレベルを想定した情報や指導を与え、褒めて、期待することで、当たり前のレベルを最初から上げやすくします。
その意味で、基礎は重視しながらも、どの項目においてもできるだけトップレベルを意識した教え方をしていくことで、新人の目線が高くなってくれる効果が表れやすくなると考えています。ですから、新人コーチの人選は重要で、高いレベルのRowingを考えられる人が適任であるわけです。新人を教えることは、刺激をもらえるし、自らの意識レベルを高めるチャンスになります。
ハイレベルな選手やコーチは、ハイレベルな新人を育てます。教える側もこれによりたいへんレベルアップできます。

エルゴのタイム、技術のイメージビデオ、フォーム指導。これらの基準は高めを紹介していく。あるいは、トレーニングにおいてもトップ選手の鍛え方や身体的特長などの知識を伝えると、最終イメージを最初から持とうと思えるので、高校3年間、大学4年間で結果を出すには良いのではないでしょうか。
例えば野球では大谷選手であるとか山田選手や柳田選手のトレーニング方法やフォーム研究を知識として与えていくと、最初は初心者には到底理解はできないとは思いますが、誰でも知っている憧れのトップ選手の話は興味が湧きますし、教える側が初心者に分かりそうな自分なりの例えや説明を加えてあげれば、相手の興味と目線は高まるのではないでしょうか。
そのいっぽうで、新人はまだ経験も知識も足りない初心者で、これから色んな失敗や経験を繰り返してステップアップしていく存在なので、一歩一歩着実に上のレベルに到達するために必要な能力やスキルを身につけられるように、目標を見据えた色々な働きかけをしてあげてください。

こうしたことを、新人コーチはもちろん、上級生の全員が意識して1年生と関わるようにしていきます。(もちろん、3年以上は2年にもまだまだ関わってください)
このようなレクチャー、指導、コミュニケーションが、実は自分がよりRowingを考えて、よりRowingの情報や技術を求めて理解が増すことにつながるのです。さらには、新人との人のつながりも強くなり、チームワークが向上します。無関心、無関係が最もチームワークを弱体化させます。




そして、これらの新人レクチャーは、選手限定ではないということも付け加えておきたいと思います。
私はまだ自分自身が現役の頃からずっと感じていたことでしたが、マネージャーもボート部の大事な不可欠な戦力であり、チーム力を左右する重要な存在です。マネージャーは自分の仕事だけやっていればよくてボートのことはあまり知らなくていい、などということは決してありえないのです。
以前からマネージャーについての記事も多く書いてきました。マネージャーは選手と同じようにボートの専門家である必要がある。そもそも、ボートについてよく知っているからこそ、必要な仕事を生み出せるのです。選手にとってのトレーニングが決して受動ではなく能動であるのと同様、マネージャーにとってマネジメントは決して受け身でなく主体的でなくてはならない。それでこそ、マネージャーが勝てるチームを作れるというものです。
ボートをよく知るマネージャーは、チームの大黒柱となり大きな活躍ができます。本当になくてはならない存在です。


ぜひ、こうした新人レクチャーや新人教育には選手マネージャーの区別なく「ボートを知るための」指導をしていただきたいと思います。可能ならば、マネージャー候補であってもとにかく新人選手と一緒にまずはボートを漕いでほしいくらいです。マネージャーは、選手と同じくボートを通じて心技体を高めてください。選手目線のチームマネジメントが行えるようになって、選手にもマネージャーにも厳しく指導ができるボート部員としての上級生になっていただきたいです。マネージャーは人間として成長し、立派なボートマンとなって新人や後輩をしっかりリードしてください。

また選手も積極的にマネジメントに関わるべきで、しっかりとボート部員全体が、ボート部を支えるメンバーとして自覚と責任を持ち、皆が一人前のボートマンになるために、まずは夏へ向けて成長していただきたいと思います。

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