では前回に引き続き、2017世界選手権についておもな種目の展望を見ていきたいと思います。
見どころたっぷり、たいへん面白そうな種目が目白押しです!





2017世界選手権、各種目の見どころ②


M4X
男子クォドは、なかなか読みにくい混戦模様な感じですね。ワールドカップ第2戦で優勝したイギリスは、第3戦でリトアニアに敗れ2位となっていますが、このリトアニアM4Xにはリオ五輪M2X銀のリッターが乗っていました。リッターは今回はM2Xに出るのでM4Xは少し艇速が落ちるかもしれません。しかしこのリトアニアM4X、リッターの代わりに乗るのが弱冠20歳のドヴィダス・ネメラヴィチウス(192cm87kg、2017U23世界選手権BM2X3位)。このようにシニア世界選手権にデビューする20歳の選手もいます!大学生の皆さんは、U23ではなくシニア代表に飛び級で選出されるくらい高い目標で頑張ってくださいね!世界のライバルは日々目覚ましく進化を遂げています。
他にはこのイギリスが有力、そしてポーランド、NZ、オランダ、イタリア、フランスなどなど、相変わらずM4Xはどこが勝ってもおかしくない種目ですね。



M8+
リオ五輪で宿敵ドイツに完勝し金メダルの栄光に輝いたイギリスは、今年はもうFinal Aにも残れるかどうかな、という無印のクルーかもしれません。ビッグネームはごっそり引退し、リオ金のメンバーはトム・ランズレーただ一人のみ。

本命はドイツ。6月のワールドカップ第2戦ポズナンで5'18とワールドベストを更新し、未知のスピードへいっそう磨きをかける。
Sハンネス・オーチック、7リヒャルト・シュミットという不動のストロークペアとドイツM8+の頭脳であるCOXマルティン・ザウアーが健在。今年もテクニカルかつ緻密な高級ドイツ車のようなM8+が水上のサーキットを疾走します。冷徹な理論を持つチームだが、ゲルマン魂は理性を超えてさらに激しく熱く。シュトルム・ウント・ドランク、それがドイツM8+なのです。
2017 World Rowing Cup 3 Germany Eight World Rowing
疾風怒濤のドイツM8+、東京五輪へ照準を合わせる
World Rowingより写真転載

しかし今回、世代交代で力の劣るイギリスに代わってライバル登場です。まず、打倒ドイツに名乗りを挙げたのが、豪州M8+であります。これまで、あまりM8+強豪のイメージがなかったオーストラリア、今シーズンはワールドカップ第3戦でその最強ドイツにカンバス差まで迫る力漕を見せました。しかしクルーをよく見たら、ヒル、ハーグリーヴス、トゥリン、ヒックスの4人が乗っており、この4人は今回M4-出漕なんですよね。ドイツM8+を追い詰めたオージーM8+の主力はM4-を選んだ、ですからM4-ブレイク必至だと思われるのです。強いオーストラリアM8+も見てみたいですが、この主力が抜けた中でどこまで健闘できるか。

それから、オランダです。リオ五輪M8+銅のメンバー5人を残してきました。私の中では、Rowingにおけるオランダという国は4年に一度五輪の年に覚醒するという、「こち亀の日暮さん」的なイメージなのですが(笑)、今回はオランダM8+も1年ごとの世界選手権に照準を合わせてくれるのでしょうか。できれば毎年活躍してほしいですからね。基本、イーブンペースなので画面外からじわじわ上がってくるか、最初からドイツに張り付いていたら要注意ですね。オランダは第2エイトもワールドカップ第3戦で決勝5位になるなど、層が厚くなっていますね。

そのほかのライバルとして、まずNZ。ワールドカップではまだ仕上がっていなかったですが、本番でどれだけ急成長を遂げるか。あとは、楽しみなのはルーマニアですね。男女ともエイト復活の予感ですが、M8+のほうはまだドイツなどとは差があるでしょうが、メダル争いに食い込むか。ポーランドも、リオ五輪5位のメンバーを多く残していますのでこちらもメダルなるか。
イタリア、中国、ロシア、ウクライナなどダークホースもいます。
開催国アメリカも、驚きを見せてほしいというような期待をWorld Rowingでは記事に書かれていますが、どうでしょうかね。

M8+は今回、12か国も参戦しているので、予選から各国の駆け引きやサバイバルを楽しめること間違いなしです。Rowing通は、やはり予選からどんな勝ち上がり方をして、決勝でどう化けてくるのか、大会全体の流れを見て各チームの思惑やなりゆきを楽しむ見方をすることだと思います。必ず、勝負所のターニングポイントがあるのです。注目の国やお気に入りのクルーに感情移入して、自分がなりきるのも面白いかもしれません。



LM1X
続きまして、軽量級種目を見ていきましょう。LM1X、意外と激戦ですね。優勝候補は、ワールドカップ第2戦、第3戦と両方とも優勝し今シーズン勢いのあるポーランドのアルトゥル・ミコライチェフスキ選手(182cm70kg、27歳)でしょうか。リオ五輪ではLM2X6位でしたが、これで世界選手権LM1X優勝すれば、フランスのアズー選手並みのトップスカラーかもしれません。東京ではLM2Xで必ず来るでしょうから、ポーランドのこの選手、覚えておいたほうが良さそうです。
ポーランド LM1X ミコライチェフスキ選手 2017WRC2優勝 World Rowingより
ポーランドLM1X、ミコライチェフスキ選手。地元ポーランド・ポズナンでのワールドカップ第2戦優勝し、第3戦も優勝。実績者相手に本番も勝てるか
World Rowingより写真転載

アイルランドはリオ五輪LM2X銀オドノバン兄弟の弟ポール・オドノバン、ノルウェーはリオ五輪LM2X銅のクリストファー・ブルンが出てきます。アイルランドもノルウェーも、リオ決勝ではフランスと半艇身以内の超絶追い込みでしたね。このように、LM2Xのメンバーが分かれてシングルで強化を進めるパターンも多いですよね。どちらも五輪のパフォーマンスから落としてしまっているようですので、世界選手権には万全で臨むのでしょうか。

ギリシャのコンソーラス選手は世界ベストを含む2回の世界選手権LM4X優勝を誇ります。また、NZの若手で惜しくもリオのLM4-メンバーから漏れてしまった22歳のマシュー・ダナム選手にも注目したいですね。あと、個人的に応援したいのは、東欧Rowing特集でもふれたハンガリーのゲランボス選手と、スロバキアのババツ選手。実績者相手に、メダル獲得してほしいです。ブラジルのウンカス・バティスタ選手も気になります。

LM1Xは、M1Xと同じく世界各地域から出漕が多いです。中南米のグアテマラやセントビンセント及びグレナディーン諸島、ベネズエラ。アフリカではチュニジア、ウガンダも参加していますよ。あまりボートでは聞かないこうした国も、ぜひ活躍してほしいですよね。
日本は、O智選手がLM1Xにエントリーしていましたが、スペア、つまり補漕に回ったということで残念ですが、日本も来年以降上位争いしてほしい種目です。



LM2X
LM4-は残念ながら6杯エントリーのみ、しかも一線級は見当たらず閑散としてしまっています。そのぶん、唯一の男子軽量級五輪種目として以前にもまして激戦種目となるのがLM2Xです。今回24か国のエントリーです。

やはりド本命はもうすっかりおなじみになったリオ五輪金のフランス(Sジェレミー・アズー28歳、Bピエール・ウァン23歳)でしょう。東京でも金は濃厚か、いや、このフランスに勝てるクルーを日本が作らなければならない。果たしてフランス出身ギザビエコーチの思惑は?母国フランスの打倒に執念を燃やすことができるのでしょうか。
アズーとウァンは、圧倒的なエルゴのフィジカルをベースに(アズーは5'57のエルゴ記録保持者)、テクニックもさることながら戦術面でも自在で勝負強く基本イーブンペースを核にしながらスタート先行もできる。唯一、ウィークポイントはラストも強いのですがスプリント自体にキレがないことか。アイルランドLM2Xのようにジャックナイフのような軽快で鋭い切れ味のあるスパートなら、1艇身以内で差せる感じもしますが。
2016 rio フランスLM2X World Rowingより
リオ五輪で金メダルの栄冠に輝いたフランスLM2X。間違いなく東京へ向け五輪2連覇を狙ってくるだろう
World Rowingより写真転載

さて、フランスに次ぐ有力クルーはどこか。ワールドカップ第3戦でフランスの2位だったイタリア(Sルータ30歳、Bオッポ23歳)が打倒フランスの急先鋒。LM2Xといえば、イタリアとポーランドのイメージを持つ方も多いのでは。相変わらずのぶっとびスタートとぶっとびスパートで、フランスを打ち破ることができるか。
ポーランド(Sヤンコフスキ27歳、Bコヴァルスキ29歳)もワールドカップ第2戦3位ですのでもうひと息優勝争いしたいところ。
伸びてきている若手の成長株は、イギリス(Sコープス24歳、Bモットラム22歳)と、ベルギー(Sファン・ザンドヴェーガ21歳、Bブリュス25歳)ですね。ベルギーは最近強化が進んでいる国のひとつという印象。軽量級スカル種目で、オランダとフランスに似たイーブンペースとラストスプリントが強烈なRowingスタイルです。
このほか、チェコ、スペイン、デンマーク、中国とFinal A争いは熾烈なものとなるでしょう。

日本もじゅうぶんFinal Aに食い込むチャンスと力があると思います。
日本LM2X、S:S藤K選手23歳、B:IK田選手29歳のコンビです。ポズナンのワールドカップ第2戦ではFinal Aで優勝したフランスとは余裕残しだったとはいえ5秒差、順で6'17をマーク。日本はもう少しで無風6'20を切れる艇速になっていくと思いますが、LM2Xでの優勝争いには、そこからが果てしなく遠い、あと8秒は必要だと見ています。だいたい6'20前後ですと、やはり決勝ぎりぎりの線なので強豪相手に僅差で落とすことが多くFinal Bどまりになることが多いので、確実にFinal Aに残る地力と勝負どころのさらなる水中迫力と加速によって、フィジカルでまずメダル圏内の力をつけてほしいと思っています。今シーズンはそこの壁にはね返されFinal Bか下手すればFinal Cになる可能性もありますし、突き破ってFinal Aに残り次のFinal A常連へ定着というチャレンジに進めるかどうか、ひとつの勝負ですね。
Crew Japan 2017世界選手権LM2X Facebookより
新生日本LM2X、強豪国相手にまずはFinal Aを確かなものにしたい
日本ボート協会「Crew Japan Facebook」より写真転載



LM4X
LM4-に代わって、LM2Xの強化種目として今後ますますエントリーが増えそうなこのLM4X種目。バラエティにあふれた17クルーがエントリーです。
有力どころは、ドレール選手を擁する軽量級の層の厚さナンバーワンのフランス、それからLM4Xで近年強さを見せる現世界ベストタイムホルダーのギリシャ、今回ピーター・チェンバーズはLM4Xに乗せてきましたイギリス。そしてLM4Xといえばこの国、超ハイレート殺法でスタートから突っ込んでいく特攻のイタリアはワールドカップ第3戦でも優勝し絶好調です。このイタリアLM4X、Sアマランテ、3ゴレッティ、2ミケレッティ、Bムーラスと、最強メンバーを揃えてきました。オーストラリア、チェコなんかも本番では強そうですし、中欧のオーストリアも結構やりそう。個人的にブラジルLM4XとナイジェリアLM4X、これは気になりますねえ~。サッカーW杯の決勝トーナメントみたいな面子になってきましたね!?そして香港も、リオ五輪代表の趙選手と鄧選手が出てきますよ~。そろそろ、香港との決着をつけておきたい!しかしよきアジアのライバルです。

日本は、S:N良選手25歳、3:F井選手22歳、2:N村選手27歳、B:O元選手33歳というLM4Xで挑んでいきます。これは、久しぶりに日本LM4X、ハイレベルなメンバーが揃いましたね。まだまだ伸び盛りで未知のポテンシャルとパワーも持久力もあるミドルペア、スカル能力と戦術眼に長けたストローク、そして世界戦の経験豊富なリオ五輪代表O元選手をバウに持って来るという、今まであまりなかったシートのアイデアだと感じます。単にスカラーを並べたクォドではなく、クルーとして組織で最高の艇速を生み出すかたまりとしてのJAPANクォドをめざし、今大会は奇跡を起こせるか。個が組織となるJAPANクルーはまだあまり見たことがありません。その日本の強みを発見する大会となって、東京への道を切り拓きクルーボート挑戦のステップにしてほしいですね。
Crew Japan 2017世界選手権LM4X練習風景 Facebookより
歴代最速をめざすJAPAN男子クォド。2000年世界選手権優勝LM4Xの艇速を超えられるか
日本ボート協会「Crew Japan Facebook」より写真転載





LW1X
ここは2強対決、オランダの若きスカル姫のマリーケ・カイザー(20歳)が飛び級のU23チャンピオンからさらに飛び飛び級のシニア世界チャンピオンへと飛躍し名前どおり"皇帝"として素晴らしいシーズンを締め括るか。それとも南アフリカの実績者キルステン・マッキャン(170cm29歳)が阻止するか。このほか、スイスのパトリシア・メルツ(166cm24歳)、スウェーデンのエマ・フレド(166cm27歳)、アメリカのメアリー・ジョーンズ(30歳)も優勝を狙ってくるでしょう。
オランダLW1X マリーケ・カイザー World Rowingより
オランダLW1Xマリーケ・カイザー。20歳と若いので女王と言うよりスカル姫と名付けさせていただきました(笑)。早熟の天才カイザーはLW1XをステップにいつLW2Xへシフトするか
World Rowingより写真転載



LW2X
ここはNZ(Sキドル、Bマクブライド)とポーランド(Sデレシュ、Bドロチャク)の頂上対決ですかね。ちょっとこの2クルーは抜けていそうです。コープランドを擁し実績のあるイギリス、ユリアン・ラスムッセンの乗るデンマーク、イタリアやドイツなども速いのではないかと思います。



LW4X
ワールドカップ第3戦ルツェルンと同じクルーで臨む、オーストラリア(6'26)、イギリス(6'29)、日本(6'40)。これに加えて、中国、カナダ、イタリア、アメリカ、そして何とアジアよりタイとベトナムもLW4Xを出漕してきます。この中ではイタリアがメンバー的にオーストラリアとイギリスの争いに入ってくるのではないでしょうか。
日本はワールドカップのままだと勝負になりませんが、シートを替えてきてS:T屋選手(23歳)、3: Y領選手(25歳)、2:K本選手(23歳)、B:F本選手(29歳)という編成になったようです。やはり経験豊富なベテランがバウとして戦局とクルー全体のコントロールをし、ストロークはリズムを作るのが得意なテクニシャンT屋選手、パワーがあって伸びしろが無限大のミドルペア、という構成になりましたね。まだまだかなりエルゴの出力が必要だと思いますが、10秒差というのは短縮できる上限ぎりぎりのタイムかと思いますので、ぜひ予選から果敢なチャレンジで決勝に残り、ビッグレースに期待したいと思います!
Crew Japan 2017世界選手権LW4X Facebookより
シートチェンジでガラッと変わり身を期待したい、JAPAN女子クォド
日本ボート協会「Crew Japan Facebook」より写真転載



W1X
ここからはオープン種目に戻ります。W1Xは、リオ五輪までの有名選手が一気に引退してしまったようで、若い選手たちによる競争が再び始まるといった様相です。今シーズンの経過で見ると、やはりワールドカップからの頂上決戦再び、という印象になりそうです。スイスのジャニーヌ・グメラン(170cm27歳)が本命、カナダの長身選手カーリング・ゼーマン(187cm26歳)、オーストリアのマグダレナ・ロブニヒ(180cm27歳)、地元アメリカのフェリス・ムーラー(28歳)。そしてイギリスのソーンリー、ドイツの昨年W4X金のティーレも今シーズンはW1Xです。これ以外に新たなトップスカラーの出現なるか、注目ですね。



W2X
まずは何といっても、ワールドカップ第2戦、第3戦と連勝しているキウイダブルのNZ。ニュージーランド(Sブルック・ドナヒュー、Bオリヴィア・ロウ)はワールドカップ第2戦で世界ベストにあと2秒の6'39を出し、強さを見せています。しかし、このNZと優勝争いで勝負できそうなのがフランス(Sエロディー・ラヴェラ=スカラモジノ、Bエレネ・ルフェーブル)です。メンバーが1人代わったものの、リオ五輪W2X銅のリトアニア(Sアドマヴィチュイテ、Bヴァルチウカイテ)も出ていますよ。実績のあるオーストラリア、そしてチェコやアメリカも好漕しそうです。



W2-
オープン女子は、今大会スイープが面白いですよ!W2-、これは一見の価値あり、NZのキウイW2-です。ニュージーランドはSケリ・ギャラー(181cm23歳)、Bグレイス・プレンダーガスト(183cm25歳)のペア、ワールドカップ第2戦で世界ベスト6'49を出し、2014年にW4-で6'14を出した2つの世界ベストを持つ2人です。この水中迫力、全く落ちないスタミナとどこまでも伸びる加速感、このW2-はヤバい!しかし、ライバルも対策を練って来るに違いないので、両方とも2位で食らいつこうとした地元アメリカのSトレーシー・アイサー(27歳)、Bメーガン・カルモウ(34歳)との激しい一騎討ちになることを期待。この2クルー、今年のヘンリーレガッタW2-決勝でも対戦しており、いずれもキウイW2-が水をあけて勝っています。アメリカの2人も2015世界選手権W4Xの優勝経験があります。地元の大声援で、最後の最後にアメリカがNZを逆転することができるのでしょうか。
NZ W2- Sギャラ―、Bプレンダーガスト World Rowingより
イギリスに代わって早くもW2-のニューヒロイン誕生。NZキウイW2-、五輪女王へまっしぐらとなるスタートが切れるか。
Sギャラー(左)、Bプレンダーガスト(右)
World Rowingより写真転載



W4-
五輪種目に決まったW4-は12か国エントリーと、かつてないエントリー数になりました。W8+やW4Xもあるのに、オープン女子4人を揃えるのはなかなか大変だと思います。まあでも、出漕はだいたい予想されるおなじみのボート強国ばかりになりましたね。オーストラリアが今のところ順調に来ているようで、世界選手権4-種目男女アベック優勝という渋い快挙も実現するでしょうか!?8+アベック優勝のほうが目立つ感じですかね。しかし4-は4-でかっこいい種目です。アメリカ、ポーランド、中国、ロシア、カナダ、オランダ、どこも速そうですし、ルーマニアやフランスにも期待したいです。純粋に、戦国時代のW4-で頂点を獲るクルーのスピードを楽しみたいですね。
オーストラリアW4- World Rowingより
W4-を得意種目にしたいオーストラリア
World Rowingより写真転載



W8+
W8+はエントリーが8クルー。
さあ、アメリカの12年連続世界一なるかというところが焦点です。しかし女王アメリカ、リオ五輪金メンバーがだいぶ抜けちゃいました。残ったのは、エミリー・レーガン(29歳)、ローレン・シュメッターリング(29歳)の漕手2人と、COXのケイトリン・スナイダー改め結婚して姓が変わったケイトリン・グレジャン(30歳)です。しかし、新メンバーで臨んだワールドカップ第2戦ではNZに1艇身差の3位、第3戦は出ずにまたメンバーを入れ替えてこの世界選手権本番に挑んでくるようです。女王の貫録、というものを見せられるシーズンではなさそうで、新たなチャレンジャーとして臨むのではないでしょうか。
アメリカW8+2017世界選手権へ World Rowingより
アメリカW8+。世代交代による大幅なクルー入れ替え、その不安を吹き飛ばし世界一をまた決めるか。COXケイトリン・グレジャンのリードにも期待
World Rowingより写真転載

本命に推したいのは、NZのキウイW8+、といきたいところですが、今回のW8+、実力がたいへん拮抗していますよ。
NZは主将格のベテラン、6番レベッカ・スコウン(176cm34歳)が今度こそアメリカに勝ちたいと意気込んでくるでしょうし、エマ・ダイク(22歳)とスプーアス(183cm26歳)のストロークペア、そして中核のビバン・ケルシー(174cm、27歳)など安定しています。そしてCOXはサム・ボスワース(23歳)、男性です。W8+に男子COX、少し違和感がありますがキウイW8+を力強くリードします。

それから、一番アメリカに勝ちたいのは、かつてW8+女王の座を奪われたルーマニアではないでしょうか。アトランタからアテネまでのW8+3連覇以来、東京五輪で再び女王復権といきたいところでしょう。ワールドカップ第3戦ではNZとのマッチレース、タフな競り合いから見事なスパートで下し久々の優勝。競り合いに持ち込めばルーマニアの並んでしぶとい勝負強さという持ち味が発揮できそうです。エリザベータ・リパら偉大なOGの勝負哲学を継承し強いルーマニアがよみがえるか。ストロークはリオ五輪では6番だったラウラ・オプレア(187cm23歳)が勇ましく東欧女性騎士8人の先頭に立ち、COXはリオ五輪銅のときと同じくダニエラ・ドルンセアが舵を引きます。
W8+2017世界選手権へ、ルーマニア、NZの対決か? World Rowingより
世界選手権では少ししか見られないCOX対決も見もの。奥がNZのボスワース選手、手前がルーマニアのドルンセア選手
World Rowingより写真転載

この争いの中に確実に入ってくるのは、イギリスです。リオ五輪W8+銀、その実力はアメリカに隠れてしまいがちですがたいへん素晴らしいW8+ですね。見た目のフォーム、テクニックは女子スイープの中では随一で本当に美しく理想的です。そして先行力があるので、序盤からレースをリードし、アメリカ、NZ、ルーマニアの先手を取るようなら要注意。そしてラストスプリントも強いのがイギリスの特長ですから、NZのコンスタントに対し、イギリス、ルーマニア、アメリカの猛追でゴール前の熱いデッドヒートも予想されますよね。エイトのつばぜり合いは迫力満点です。イギリスCOXは新顔のマチルダ・ホーン選手です。

このほか、完成度はまだまだこれからかもしれませんが、オランダ、中国、カナダ、ロシアも割って入ってくるとさらに楽しめるでしょう。





常夏のフロリダで、たくさんの世界的ボートマンたちの競演によって、巻き起こす旋風でハリケーンなんて吹き飛ばせ!
Rowingの魅力を存分に見せてほしいですし、ボートマンたち自身が世界一楽しんでほしいですね!




GB Rowing 2017WRC表彰式 British Rowingより
こんな誇らしい歓喜と精一杯の喜びのシーンもあり
British Rowingより写真転載



2017ジュニア世界選手権の1コマ World Rowingより
健闘むなしく力及ばずとも、クルーの仲間をたたえあい信頼と結束に感謝するシーンもあり
World Rowingより写真転載



感情がぶつかり合い、世界中のボートマンの心大きく動かす世界一の大会として、World Rowing Championships、いま開催しようとしています!
Rowingの魅力は、Rowingを通じての心技体の全力の表現、そしてRowingに関わる人々の交流にあるのです。
また今シーズン、技も体も、そして心もいっそうの成長を。


スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://rowingcox.blog.fc2.com/tb.php/332-ca04260a