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さあ、今年もボートシーズンは世界でも日本でもクライマックス、大詰めを迎えようとしています。
世界選手権が9月24日~10月1日、そして全日本選手権が10月26日~29日に行われます。

今回は、世界Rowingの水先案内人をめざす(!?)当ブログが総力を挙げて、2017世界選手権の見どころを紹介してまいりたいと思います。相変わらずネット情報をもとにした記事ですが(笑)。





開催地アメリカのRowingについて


今年もボートの世界チャンピオンを決める季節がやってきました。すでにマスターズの世界チャンピオンは続々誕生したわけですが、これも機会があれば詳しく見てみたいすごい大会ですね。
2017世界選手権は、アメリカのフロリダ州、サラソタ-ブレイデントンでもう3日後に行われます。第47回を数える世界選手権、アメリカでの開催は1994年インディアナポリス以来実に23年ぶり、アメリカでは2回目の開催となります。

意外ですよね、アメリカでは世界選手権がまだ2回しか開催されていないなんて。ちなみに47回の中でカナダは3回開催、オセアニアは豪州で1回とNZで2回の計3回、アジアは2005年の日本と2013年の韓国で2回ですが、2021年に中国で開催するようなニュースがありましたね。世界選手権は、47回の歴史のうちヨーロッパでは38回行われています(1978年はオープンウェイト大会がNZ、軽量級大会がデンマーク開催、この2回分を含む)。まだまだ、Rowingというスポーツはヨーロッパが中心というところがこういう事実にも表れており、もっと世界規模での普及が望まれるところですね。


アメリカのRowingは、栄光の歴史に彩られており特に五輪の歴史においてはまだまだその実績に陰りを見せるものではありません。五輪8+金メダル獲得ランキングがそれを物語っています。

五輪M8+金メダル
1位 アメリカ 12個
2位 ドイツ  6個(ドイツ連合1、東ドイツ2、西ドイツ2もすべて合計)
3位 イギリス 4個
4位 カナダ  3個
5位 オランダ 1個
5位 ニュージーランド1個

五輪W8+金メダル
1位 アメリカ  4個
2位 東ドイツ  3個
2位 ルーマニア 3個
4位 カナダ   1個

男子エイトでは断トツですし、女子エイトもリオでの金により単独トップに躍り出ました。
とはいえ、M8+でアメリカが真に強かったのは1920~1956年の五輪8連覇のとき。1964東京五輪での金以来、2004年アテネでは40年ぶりのM8+金を奪回しましたが、その後はまた男子エイトはやや低迷、ご存じのようにカナダが台頭したのちにドイツとイギリスの2強時代となっていきましたね。ゲンのいい東京で、2020年アメリカM8+復活なるかというところです。

また女子エイト、こちらはボートに詳しい皆さんご存じのように黄金時代の真っ只中にあります。2006~2016年のリオ五輪まで、五輪を含む11年連続世界一をアメリカW8+が成し遂げています。本当に強いW8+ですね。
しかし、今年2017年世界選手権はライバルが揃っており、アメリカは世代交代の最中ということで私は少し調べている中で実は12連覇は危ういのではないかと見ています。


アメリカRowingは、潜在能力世界一、競技人口も世界一、特にカレッジスポーツとしてのRowingがさかんでいかにもRowingの本場というイメージがあります。五輪M8+8連覇の強かった時代は、その大学ボートのレベルの高さで世界に冠たるボート王国を築き上げましたが、ナショナルチーム体制によって集中強化を図るほとんどのボート強国によって覇権は取って代わられた感があります。
90年代、カナダへコーチ留学に行かれたS藤コーチによる海外コーチ研修レポートにも、「アメリカRowingは大学ではプロコーチが多くおり個々に高いレベルの選手がたくさんいるが、代表では意見がぶつかってまとまらない。あれ、これはどこの国のことだっけ」といったような記述がありましたね。そんな、代表強化に課題をかかえ世界のトップから遠ざかっているイメージの国、アメリカ。しかしその代表強化に関し、女子においては大卒の高い能力の選手を選抜し長期間にわたる集中強化によってW8+を完成させ、11年連続世界一というおそらくボート史上初の偉業を達成し続けているW8+は、M8+と比べると対照的ではあります。


アメリカで今回行われるフロリダ州のサラソタ-ブレイデントンは、フロリダ半島の西側に位置します。世界的なリゾート都市であるマイアミはフロリダ半島の南端にありますが、サラソタも観光地ですね。このサラソタ市とブレイデントン市の間あたりに位置し、カリブ海のサラソタ湾からおよそ10kmほど内陸の道路沿いにあるネイサン・ベンダーソン・パークが今回世界選手権が行われるレガッタコースです。全長ほぼ2000mぎりぎりといった人工池の感じでしょうか、新しく建設された美しいコースとのことです。
R大のルーキー1年、アメリカ帰りのM藤君も高校ではここでボートを漕いでいたそうです!なかなか運命的ですね。
サラソタ・ブレイデントン レガッタコース
フロリダ州サラソタ市とブレイデントン市の境あたりにあるレガッタコース、ネイサン・ベンダーソン・パーク
World Rowingより写真転載





2017世界選手権、各国の出漕状況


今回は世界中から69か国900人の選手参加。全26種目(男子12種目、女子9種目、男子パラ4種目、女子パラ1種目)、参加選手数ランキングは地元アメリカが26種目中25種目エントリーの選手数73名でトップ、イギリスが20種目の選手数58名で2位、イタリアが21種目の選手数50名で3位、ドイツが19種目の選手数47名で4位。ということでおなじみのボート大国となっております。いや、4位には中国ですね。19種目選手数50名であります。日本は男子4種目女子1種目の5種目で選手数12名。うーん、選手数の上では中国には完全に相手にならないじゃないですか・・・。

選手数はあくまで派遣の規模なので、必ずしも実力を示すわけではないかもしれませんが、インカレ特集などでも見たように参加規模はやはりそのボートの実力を反映する数字でもあり、当然国際競技力の高い選手をどれだけ抱えているかのいわばボートの国力を示すものでもあろうかと思います。かたや五輪メダルを多く獲っている中国で今回も大勢19クルーも派遣している。かたや実力が足りない選手は世界大会に出さない方針を決めているとはいえ、東京でメダルをめざすと言っている日本はたった5クルーの参加。クルー数だけで見ればアメリカに近いためか今回多数派遣したメキシコ10種目のたった半分ですからね(メキシコは小艇ばかりですが)。日本は、参加規模でも中国レベルをめざし、たくさんの代表選手とそれに準ずる代表候補を増やすことが必要ではないでしょうか。
男女各1種目のみに減らされますます競争が激しくなる軽量級だけに固執することなく、重量級やパラローイングの強化を進め、勝てる種目を増やす戦略をとるべきではないでしょうか。私の言っているインカレ戦略の世界バージョン、世界戦略です。


日本は世界においては現状残念ながらまだ弱小国、しかしポテンシャルはたいへん高い。少数クルーの派遣でいつかメダルに手が届いても、たぶんそれは50年に一度か100年に一度ではないでしょうか。大規模派遣で、毎回優勝やメダルを獲る国をめざすのが日本の「競技力、普及、ガバナンスの全ての面で世界の強豪国となる」というVision、2014年に示した強化戦略プランを実現する方法ではないでしょうか。
大規模に増やすには、大型漕手を増やすこととパラローイングの普及、指導者のレベルアップと増員。何より資金力と世界Rowing情報力を高め、世界基準のRowing意識を持つことです。

当面、男子185cm以上の漕手と女子170cm以上の漕手はエルゴでそれぞれ6'00切りと6'40切りを当たり前にし、たくさんある重量級種目の中で日本の得意種目を作っていくことだと思います。M2X?M2-?M4-?M8+?それともW2X?W4-?W8+?やはり個人能力の比率が高い小艇よりは、4人乗り以上を狙うべきか?それとも、2Xや2-は意外と狙い目かもしれません。
軽量級ではフランスを手本にし、世界選手権の軽量級種目すべてで優勝やメダルを獲る勢いのある厚い軽量級選手層を築き上げないといけませんね。軽量級といったら日本。それくらい、スーパーな代表チームを作る必要があります。




さて、日本ボート強化論はこれくらいにしないと止まらないのでまたいずれ。(笑)
世界選手権参加種目(クルー)数ランキングは以下のとおりです。(選手数だとまた前後します)

1位アメリカ 25種目 (男子M2+以外フルエントリー)
2位イタリア 21種目 (男子フルエントリー、女子6、パラ3)
3位イギリス 20種目 (男子10、女子9、パラ2)
4位ドイツ 19種目 (男子10、女子6、パラ3)
4位中国 19種目 (男子6、女子フルエントリー、パラ4)
6位フランス 14種目 (男子8、女子4、パラ2)
6位オランダ 14種目 (男子6、女子6、パラ2)
8位ニュージーランド 13種目 (男子7、女子6、パラ0)
8位ポーランド 13種目 (男子7、女子4、パラ2)
10位オーストラリア 10種目 (男子5、女子4、パラ1)
10位ロシア 10種目 (男子6、女子3、パラ1)
10位メキシコ 10種目 (男子4、女子3、パラ3)
13位カナダ 9種目 (男子4、女子5、パラ0)
13位ルーマニア 9種目 (男子5、女子4、パラ0)
13位ウクライナ 9種目 (男子4、女子2、パラ3)
16位デンマーク 8種目 (男子4、女子4、パラ0)
以下、内訳は省略
17位タイ スイス、チェコ、ハンガリーが7クルー
20位タイ ブラジル、アイルランド、ノルウェー、南アフリカが6クルー
24位タイ 日本、アルゼンチン、オーストリア、キューバ、リトアニアが5クルー
29位タイ ギリシャ、イスラエル、韓国、セルビア、スウェーデン、ベネズエラが4クルー
以下、省略





2017世界選手権、各種目の見どころ①


さあ、それでは種目ごとに見どころを見てまいりましょう・・・。
いや、全26種目はさすがに見れませんよ(苦笑)。いくら長文に定評のある(?)当ブログでも、それは読者の方にも書く私にとっても酷であり迷惑とさえ言えるでしょう。


やっぱり、人気のある種目や私の勝手な注目の種目のみを厳選して見どころを見ていきたいと思います!
今年は2017年、リオ五輪の翌年ですので、世代交代やチャレンジクルー的な先を見据えた編成の国も多く、必ずしもその国の実力が発揮される大会にはならないと思います。例えば、今年M2-挑戦で話題のクロアチア・シンコビッチ兄弟などは、今年は語弊があるかもしれませんが気分転換のシーズンかもしれませんので、また2Xに戻る可能性はあるでしょう。
そんなこともありながら、各種目、話題満載かと思いますので、ざっと見ていきたいですね。



M1X
ワールドカップ第2戦で一気に注目を集めたワールドベスト男、NZのロバート・マンソン選手が一躍優勝候補筆頭でしょう。かなりの順とはいえ、あと少しで6分20秒台の6'30はすごい。NZ躍進の象徴だったキウイペアに代わり、この選手がNZのエースと目され次々に世界ベストを更新することを期待!Rowing界のボルトはこの俺だ!?
しかし、ライバルも多い。リオ五輪0.00秒差写真判定での銀メダル、クロアチア悲劇のヒーロー、ダミル・マルティン選手。五輪では銀銀銅と無冠の帝王、世界選手権4回の優勝を誇るチェコのオンドレイ・シネク選手。キューバのトップスカラー、アンヘル・フォルニエ・ロドリゲス選手。他にも若い選手や急成長の選手が続々と出てきていて、ワールドカップ第3戦のファイナリスト、スイスのニコ・スターベルク選手(25歳)、デンマークのスヴェリ・ニールセン選手(23歳)、ベラルーシのスタニスラウ・シャルバチェニア選手(32歳、リオ五輪5位)などが活躍しそうです。
日本のA川選手はどこまで食い込めるのでしょうか!?
NZ M1X ロバート・マンソン World Rowingより
NZマンソン選手。シネク、マルティンら強豪を退けるか
World Rowingより写真転載



M2X
シンコビッチ兄弟がM2-に移ったあと、本命となったのはNZ。Sクリストファー・ハリス、Bジョン・ストーリーの2人は、M1Xのマンソンと同じくNZのハイコンスタントを見事に体現しており、たいへん強力です。これぞイーブンペースのレース展開をご覧ください。
しかし、ワールドカップで不在だったリオ五輪銀のリトアニア(Sサウリウス・リッター、Bミンダウガス・グリシュコニス)がエントリーしていますね。久々の実戦かもしれませんが、この高速ダブル、無敵のNZ艦隊の必勝作戦を破壊するか見ものです。
ワールドカップで3位、2位と調子を上げてきたポーランド(Sビスクプ、Bジータルスキ)や、イタリア(Sランバルディ、Bモンデッリ)なども次点候補ですし、トゥフテの乗るノルウェーもまだまだ健在。スイス、フランスも決勝レベルです。



M2-
何度もふれている、クロアチアのシンコビッチ兄弟の新たなM2-チャレンジのシーズンに立ちはだかるのはワールドカップ第3戦ではまだまだ不安定でスイープに不慣れだった彼らを得意のコンスタントで終始リードして封じ込めた、NZ(Sジェイムズ・ハンター、Bトーマス・マレー)。ストロークのジェイムズ・ハンターは、LM4-主力メンバーでしたが階級を上げてきて見事にM2-にフィットしています。また、バウのトーマス・マレーはキウイエイトのバウでしたがこちらもM2-にシフト。マレーとボンドが引退したいま、新キウイペアとして連勝街道を引き継ぐのでしょうか。
それから、ワールドカップ第2戦で優勝したフランス(Sテオフィル・オンフロワ、Bヴァランタン・オンフロワ)のオンフロワ兄弟も力があります。そのほか、強力なM2-が現れて優勝争いに絡んでくるかもしれません。
激戦 M2- CRO NZL World Rowing
クロアチアM2-と新生キウイペアとの火花散る対決の行方は
World Rowingより写真転載



M4-
M4-といえば、五輪5連覇を果たしたイギリスです。今年のクルーは、リオから多くの選手が引退したと見られるGB代表において今や主将格とまで見なされるであろうイギリスのエルゴキングであるリオ五輪M4-金モハメド・スビヒを筆頭に、リオ五輪M8+金のストロークであるウィリアム・サッチ、そしてマシュー・タラントと、新たにマシュー・ロシターを乗せてきました。スビヒとサッチの実力は折り紙付きですので、勝負は2人のマシューにかかっているのではないでしょうか。
そして真っ向からイギリスM4-に挑むのは、ワールドカップ第2戦で久々にイギリスを破って優勝したオーストラリアです。M8+とともに充実のシーズンを送りそうなオーストラリアのスイープ陣、オーサム・フォーサムのM4-は(Sハーグリーブス、3トゥリン、2ヒル、Bヒックス)というメンバーです。シートは代わるかもしれません、実力者のアレクサンダー・ヒルがストロークか?平均25歳、今が最も伸び盛りのクルーであり、イギリスM4-の覇道に待ったをかけるのはオージーしかいない!
このほか、安定のイタリアM4-とオランダM4-、そして階級を上げたリオ五輪LM4-金のメンバーのジョン・スミスやローレンス・ブリテンらを擁する南アフリカM4-など、銅メダル争いは混戦か。
australia 2017 world cup2 World Rowing
豪州M4-、久々の復活なるか。ライバル英国との戦いに挑む
World Rowingより写真転載



以下、次回へ続く予定です。


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