今週末はU23世界選手権ですね。本日7/19(水)~23(日)まで、5日間と少し長めの日程です。

23歳以下の世界選手権ということで、年代別チャンピオンとしては18歳以下の世界ジュニア選手権よりも上の年代となります。ちょうど大学生世代の世界大会ですから、学生の皆さんは同世代のライバル動向として関心が高いのではないでしょうか。



ところで6月あたりから7月はずっと、ボート週間が続きますね。
毎週のようにビッグイベントが続きます。


5月1週 朝日レガッタ 滋賀県大津市 琵琶湖
5月2週 
5月3週 
5月4週 全日本軽量級 埼玉県・戸田

6月1週 全日本マスターズ 埼玉県・戸田
6月2週 全日本ジュニア選手権 熊本県・菊池市 斑蛇口湖
6月2週 西日本選手権 大阪府・高石市 大阪府立漕艇センター(浜寺漕艇場)
6月3週 ワールドカップ第2戦 ポーランド・ポズナン
6月4週 全日本社会人選手権 JAPANコックス選考

6月末~7月1週 ヘンリーロイヤルレガッタ イギリス・ヘンリーオンテムズ
7月1週 関西選手権 大阪府・高石市 大阪府立漕艇センター(浜寺漕艇場)
7月2週 ワールドカップ第3戦 スイス・ルツェルン
7月3週 東日本選手権 埼玉県・戸田
7月4週 U23世界選手権 ブルガリア・プロブディフ
7月5週 全日本中学選手権 福井県・美浜町 久々子湖ボートコース


8月1週 世界ジュニア選手権 リトアニア・トラカイ
8月1週 インターハイ(全日本高等学校選手権または全国高校総体) 宮城県・登米市 アイエス総合ボートランド(長沼ボートコース)
8月末~9月1週 インカレ(全日本大学選手権) 埼玉県・戸田

9月2週 アジア選手権 タイ・パタヤ
9月4週~10月初め 世界選手権 アメリカ・フロリダ州サラソタ

10月1週 愛顔つなぐえひめ国体 愛媛県・今治市 玉川湖ボートコース
10月2週 アジアジュニア選手権 シンガポール
10月4週 全日本選手権 埼玉県・戸田

11月2週 全日本新人選手権 埼玉県・戸田



こんなスケジュールになっています。詳しい日程は書きませんでしたが、ほぼ毎週末にボートの大会があるなということで、私も最近は毎週ボートの大会についてブログを書いている気がします!

毎週毎週、ボートのビッグイベントが続くのは大事なことだと思います。生粋のRowingファンなら、ボート三昧で幸せなことですよね。まさに夏がボートのシーズンであるわけですから、日々ボートの大会にふれて、ボートの話題にふれることがRowingファンには日々の刺激と関心になるのです。
上に書いた以外にも、選手の皆さんは国体の代表選考や県予選や国体ブロック予選などがたくさん詰まっていただろうし、高校生のインハイ予選、あるいは地方レガッタなど多くの大会があって、毎週のようにレースや大会があったりして多忙なことと思います。

そうです、例えば高校生の皆さんは、もうインハイ本戦が間近であり、最後の追い込み期間に青春を捧げていることでしょう。また、中学生の皆さんは来週全中ですね。
そして大学生の皆さんはいよいよインカレクルーがほぼ決まってきて(今週末あたり選考のチームもあるかもしれません)、最後の夏のトレーニングに入っていくことでしょう。
このように、梅雨明けとともに夏到来、夏本番のボートシーズンがいっそう加速するのです。






さて、そこで本題のU23世界選手権です。今年はブルガリアのプロブディフという都市で行われます。

U23世界選手権は、比較的新しいFISA主催大会となります。18歳までが参加できる世界ジュニア選手権が1967年に第1回が始まっていたのに対し、U23はもともとFISA主催ではなくNations Cup(日本では通称U23ネイションズカップ)という名前でした。23歳以下の選手のための大会として1976年に初めて開催されました。この23歳以下はシニアBという分類で、現在BLM1Xなど種目コードの頭にBをつけるのはここから来ているようです。いわゆるA代表に対するB代表ということでしょうか。(サッカーA代表などとは少し意味合いが違いますね)
2002年にWorld Rowing U23 Regatta(日本では通称ワールドU23レガッタ)と改称し、ここからFISA主催になったようで、2005年からWorld Rowing U23 Championships(U23世界選手権)の現在の大会名となり毎年開催しています。
World Rowing U23 Championships(Wikipedia)

例えば2015年の世界選手権では75の国と地域が参加していましたが(五輪の年は種目も少なく43か国と参加が少ないので2015年を例に挙げました)、今回2017年U23世界選手権は53の国と地域が参加していますね。アジアでは中国の参加がありませんが、香港、インドネシア、日本、カザフスタン、タイ、ウズベキスタンが参加しています。
意外と参加していますが、やはりFISAとしてはもっと世界的なボート普及をすすめ、参加国数を多くしたいところなのでしょうか。日本のインカレだと70以上の大学チームが参加するわけですが、U23で53チーム845人の規模というのはどうでしょうか、選手数ならインカレ単独に匹敵するくらいか。世界選手権での70前後のチーム数はどうでしょう、100か国以上の参加を目標としているのでしょうかね。このへんも、インカレや日本ボート事情と比較すると面白いですね。日本もインカレでは1500人、100大学を目標にしたい。




U23世界選手権は種目数が男子12種目、女子9種目で行われます。

軽量級種目も確保されていまして、男子はLM1X、LM2-、LM2X、LM4-、LM4Xと5種目あり、女子はLW1X、LW2X、LW4Xの3種目。日本が参加しやすい理由でしょう。しかしこの女子軽量級種目はスカルオンリーで付き艇なしというところで、日本も国内の強化重点種目が影響を受けている感じがあります。

このほか、オープンの男子にはM2+はなく、代わりにM4+があるのがU23の特徴ですね。M4+ファンには注目ですよ、世界レベルのM4+が見られますから。以前は世界選手権にもM4+あったんですけどね~。1998年世界選手権でトムキンスとジンが乗っていて圧倒的に優勝したオーストラリアM4+、当時ビデオテープが擦り切れるほど見ましたよ。今回のU23世界選手権、BM4+はルーマニア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、イタリア、フランスの7か国がエントリー。何かおなじみのフォア強国ですね。

そして日本です。
今回、日本のU23代表クルーの紹介が日ボでアップされましたね!要望を言えばもっと詳しい紹介をしてほしいところですが、こういうのはぜひこれからもどんどんやってほしいですね!
2017年U23日本代表選手

日本のU23出漕種目は、
女子がLW1X、LW2X、W2X。
男子がLM1X、LM2X、LM4X。
この6クルーです。

U23種目にはLM4-やLM2-があるのにスイープ種目の派遣がないのは残念ですが、五輪にはもう2つしかない軽量級種目、すなわち明らかにLM2XとLW2Xの強化のための出漕でしょうから、仕方のないことではあります。その分、2009年U23世界選手権のLM4-準優勝のとき以来日本は決勝やメダルの多いU23世代、ぜひ結果を求めて全力で戦ってきてほしいですね!
それから、今回軽量級クルーの活躍にも期待したいのですが、画期的なのはBW2X、オープンの女子ダブルスカルの出漕です。ボートを進める能力やテクニックはこれからというところなのでしょうが、エルゴやフィジカル的には大きな可能性を秘めた選手だと思います。ぜひ世界の漕ぎをまたヒントにして、今後の飛躍になるような、新しい日本ボートの扉を開くようなレースを経験してきてほしいです。
いや、ホントに男子も女子もオープンのダブルやフォア、エイトで勝負できる時代をすぐに実現しなければいけません。




では、世界のU23世代の情報をこれまでチェックしていませんでしたが、急ぎで調べて種目ごとに展望を。


LW1X T島選手(M大)
T島選手は国内実績2016インカレW1X優勝など。2014世界ジュニアW4X2番。2015U23世界選手権LW2Xバウ。2016U23世界選手権LW1X。
ちなみにこの2014年の世界ジュニアJW4XはS:O原選手(現T波大)、3:T橋選手(現T波大)、2:T島選手(現M大)、B:T本選手(現M大)。先日のワールドカップ第2戦では世界シニアのレベルにまだ勝負させてもらえず、U23を迎えて調子を上げているかどうか。2013年O石選手が3位銅メダル、2015年T田選手が準優勝銀メダルを獲った相性のいいBLW1Xで、T島選手も先輩に続くことができるか。特に、2015年のときはあのユニバーシアード優勝後のT田選手銀メダルであり、このときも同じブルガリアのプロブディフの地での活躍だった。
今回、BLW1Xは全17クルー。少し調べたが、ワールドカップ第3戦でLW1X2位だったオランダのマリーケ・カイザー選手という世代を超えたトップレベルの強敵がいる模様。この選手、皇帝を意味するカイザーという名前もすごいが、World RowingのRising Starにも載っていて、昨年のU23LW1Xチャンピオンであり一昨年の世界ジュニアLW1Xも優勝。Keijser選手、発音的にはカイゼル、ケイゼルでもいいのでカイゼル選手にしましょうか。オランダのサッカー選手、スナイデル選手(Sneijder)と綴りや発音は共通です。マリーケ・カイゼル(World Rowing)
この選手が断然優勝候補ではないだろうか、ほかはまだ実績これからという新星が多いか。


LW2X S:N瀬選手(M大)、B:K谷選手(R大)
N瀬選手は国内実績2015全日本W1X優勝など。2014世界ジュニアW2Xストローク。2016U23世界選手権W2Xストローク。
K谷選手は国内実績2016インカレW1X3位など。2015世界ジュニアW4X2番。2016U23世界選手権W2Xバウ。T島選手と同様、昨年飛び級でU23代表に選出された。
このN瀬選手とK谷選手は昨年のU23に引き続き同じLW2X種目、同じシートでの挑戦となる。昨年は17クルー中の14位、7'19というタイムでFinal C2着。かみ合えば爆発力を秘めていると思うが、U23でもメダル圏内にいくには一昨年T田選手とO石選手並みの7分近いタイムが必要だ。
今回、BLW2Xは全14クルー。予選で日本はいきなり強豪イタリアと当たっている。このイタリア、Sセザリーニ、Bフランカラッチというコンビで、今月ワールドカップ第3戦でLW2XFinal Aの5位で、バウのフランカラッチ選手は昨年BLW4X優勝している。おそらくこのLW2Xは7'00前後をマークする実力だろう。2人とも21歳と20歳、日本の3年N瀬選手と2年K谷選手と同い年だ。ちなみにストロークのセザリーニ選手はプロフィールに163cm49kgとある。体重、ホントでしょうか!?


W2X S:Y川選手(W大)、B:C条選手(Dソー)
Y川選手は国内実績2015インカレW1X優勝、2015全日本W4X優勝、2016インカレW4X+優勝など。公式エルゴ記録で日本レコードの6'44を持つ。
C条選手はボート歴初年度で2015全日本新人W1X5位など。
2人とも代表初選出のようだ。オープンW2X結成ということもあり、日本にとっても色々なチャレンジとしてのクルーだろう。しかし前述のように、日本オープン種目飛躍のための第一歩としてほしい。ここから、W2-、W4X、W4-、W8+と夢が広がる。
今回、BW2Xは全14クルー。ライバルにビッグネームはなさそうだが、当然W2XとなればLW2X以上のタイムが必要になる。予選同組、アメリカあたりは実績があって強そうだ。また、ギリシャはジュニア世代をU23に抜擢してくることが多い。また、別組でもドイツ、イタリア、NZなど強豪国は強いだろう。


LM1X F米選手(N大)
F米選手は国内実績2016インカレM1X優勝など。2014U23世界選手権LM1X、2016U23世界選手権LM1X。
たいへん実績豊富で、全日本M4Xなどでも優勝している国内トップスカラーのF米選手。比較的小柄な選手だがテクニック抜群、こういう選手にぜひ頑張っていただきたいと思います。
今回、BLM1Xは全34クルーと多数。この記事を書いている途中にBLM1Xの予選が終わってしまった。現状、Final Aには厳しい位置だが、Final Bはまだまだ可能性がある。素晴らしい修正と集中力で、準決勝A/Bに進んでほしい。ブラジルに素晴らしい選手がいるようだ。ほか、予選タイムが良いのはチェコ、チュニジア、スロバキア、キプロス、スロベニア、メキシコ、タイなど、かなりバラエティに富んだ国ばかり。ボートであまり聞かないような強豪国以外の国からも一流選手が続々と出てくるのも、1X種目の魅力のひとつ。


LM2X S:F井選手(Tレ)、B:T田選手(K電美浜)
F井選手は国内実績2015全日本軽量級LM1X優勝など。2013世界ジュニア(M4X?)、2015U23世界選手権LM1X6位、2016U23世界選手権LM4-5位、2017ワールドカップLM1X。
T田選手は国内実績2016全日本M4X優勝など。2014世界ジュニアM4X3番、2016U23世界選手権LM2Xバウ。
現在、日本の軽量級男子若手実力ナンバーワンがこのF井選手でしょう。2015年にU23のLM1X決勝も経験し、ワールドカップにおいてもシニアで勝負ができるレベルにまでもう少しのところまできている。ワールドクラスの選手になる素質じゅうぶんです。
ジュニア期から代表歴のあるT田選手との艇の共有がうまくいけば、上位進出も可能だろう。はたして日本LM2Xのスピードはどうか。
今回、BLM2Xは全22クルー。BLM2Xは今年は混戦ではないだろうか。日本にもチャンスがあるはず。しかしとんでもない新星が登場するのも世界大会。どんな勝負が展開されるか。


LM4X S:M浦選手(C大)、3:F田選手(M大)、2:I本選手(C電)、B:U田選手(W大)
M浦選手は国内実績2016インカレM4-優勝など。
F田選手は国内実績2015インカレM1X優勝、2016全日本M8+3位など。2014世界ジュニアM4Xストローク、2016U23LM2Xストローク。
I本選手は代表初選出か。
U田選手は国内実績2015インカレM8+優勝など。2013世界ジュニア(M4X?)。
I本選手の国内実績が分かりませんでしたが、C電の主力選手であることは間違いなく、またかなり今年に入ってからも一気に伸びてきた期待の選手のようです。いずれも強豪高校の出身者ですが、このクォドはF田選手とU田選手という大学でもリーダー格の実績者と、M浦選手、I本選手というたいへんな成長株とのフレッシュな選手とのクルーとなるようです。この4人がどこまで艇速を伸ばし続けるか。
今回、BLM4Xは全13クルー。予選は終わり、予選タイム順では1位オーストリア5'57、2位スイス5'57、3位アイルランド5'59、4位フランス5'59、5位イタリア6'01、6位イギリス6'02、7位スペイン6'03、8位デンマーク6'05、9位日本6'06、10位ドイツ6'07、以下略。ということで、かなり修正して爆発しないと決勝には上がれない位置にいます。しかし予選タイムは参考にしかなりません。5秒ならじゅうぶん逆転可能な差であり、ぜひイタリアあたりまで上回るような予選コンディションで6分切りをめざしてほしいですね!ガンガン攻めて、2'59-2'59のイーブンで決勝へ進み、さらにそこからトップ争いにまで絡んでもらいたいと思います。





見てきたように、若き代表選手たちは世界での戦いで経験を求めてはいるものの、東京に向けて結果が問われる勝負となります。
やはり、海外に行ってきて思い出づくりのためではなくて、代表は日本ボートを代表しているのですから日本を代表した艇速と人間性とを示してほしいのです。そして素晴らしいボートマンたちとのレースと交流とによって、大きな収穫と成長を持ち帰って来て下さい。

23歳以下の世界チャンピオンが、またこの週末にたくさん誕生します。
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