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ワールドカップ第2戦が終わりましたね。
世界大会とはいえ、ボート強国は調整や課題克服、現状確認のために出漕する大会という色合いが強いでしょう、シーズン目標はあくまで世界選手権かと思います。
今年の世界選手権は例年よりやや遅く、9月24~10月1日の期間、アメリカのフロリダ州サラソタ・ブラデントンで行われるとのことです。

よい順風の中、コンディションも要因にありましたが世界ベストがいくつか出ましたね!ここ日本でもボートファンの間では話題になったのではないでしょうか。日本でも世界大会の結果やパフォーマンスに夢中になったり話題がもちきりになるのは良い傾向だと思います。サッカーW杯や、野球のWBCなどは、そのスポーツ界全体だけでなく日本の現役トップ選手までも皆が注目している話題でしょうからね。ボートファンがもっと増えればこうしたニュースは社会にも広がりを見せるでしょう。
世界Rowingの魅力をお伝えするのも、私としては意識して当初から引き続き今後もいっそう取り組めればいいですね!



日ボHPでもさっそくワールドカップの速報が記事に載っていて、Final A進出し6位だったLM2XのO元選手とN良選手、ギザビエNSDのコメントがありました。大会翌日にすぐ選手コーチコメントが出るなんて、これは今まで記憶にないことで私はすごく良いことだと思っています!
どの大学チームでも当たり前にやっていそうなことが今までできなかったのが日ボなので(皮肉ではありません。事実です・・・。日本ボートを愛するがゆえに日ボには厳しく言ってしまうことをご容赦ください。日本ボート愛です!!)、こうしたファン目線のサービスをどんどんやってほしいです。人手が足りなかっただけだと思いますが、本当に重要なことなので、ぜひ続けてほしいです!これだけで好感度急上昇ですし、ますます応援したくなります。
大学チームがなぜやるかというと、OBや父兄、学校関係などに需要があるからです。大会前、大会中、大会後とお知らせしていくことで、関心を常に寄せることができ、応援や注目や支援へと必ずつながります。代表でも同じこと。それは他でもない、まず選手や協会自身が大きなパワーをもらえます。また、日本ボート全体が代表に注目していき、ボート界全体のパワーや活力になる。ファン獲得にもなる。ボートに関わるすべての人のためになるのだから、やらない手はありません。
コメントなどは、別に詳しすぎる内情や本音を全部伝える必要などなく、しかし出せる範囲で色々知ってもらうことが大事なのです。ただ、例えばシーズン終わりに選手やコーチの総括的な文やちょっと本心的な何か振り返りのシーズン報告などがあると人気が高まると思います。選手やコーチのパーソナリティにふれられるほうが、ファンはいっそう増えると思いますからね。

あと全然関係ないですが、ポーランドのポズナンが「ポズナム」と表記されていましたが、調べたところ、ポーランド語ではNはヌかニとしか発音しないようです。Poznan(nの上に´の記号が付く)は、「ポズナン」または「ポズナニ」。厳密の発音は「ポズナンニ」だそうで、日本語で表すには「ポズナン」でよさそうです。たぶんドイツの「ポツダム」と混ざってしまったのでしょう。
私も色々間違いがあるかと思いますが、誤字脱字やその他を少なくしていきたいですね。




M1Xでは、NZのマンソン選手が6'30という世界ベストを出しました。ドライスデールに代わる新たな世界的スカラーの誕生か?NZの星ドライスデールの世界ベストを衝撃的なレースで破ったのは、やはりNZの新星でした。もちろんタイムもすごいのですが、レース内容、すごいですよね。500mではドイツとスイスが先行争いする中、さあここからリオ銀のクロアチアが出てくるのかと思っていたら、スタート力漕をそのまま続けていく黒いスカラーが。何とずっとSR38ですね。そのまま誰も追いつけず、結局順風に乗って最後は8秒差の大勝、世界ベスト3秒も短縮のおまけつきとは。1'38-1'38-1'38-1'36の絵に描いたようなイーブンペース、まるでM1Xのキウイペアといった快速ハイコンスタントでした。
このロバート・マンソン選手(27)は今年で28歳、189cm87kgでリオ五輪ではM2XFinal Bの5位、全体の11位でした。いきなり世界ベストという印象で彗星のごとくという感じがしてしまいましたが、新星と呼ぶには失礼なくらいキャリア十分な選手です。昨年もワールドカップ第3戦ポズナンで6'08の好タイムでM2X優勝していましたので経験豊富だったわけですが、その1か月半後のリオで思うような結果が出せず五輪以降に壮絶なトレーニングを送ってきたことが容易に想像されます。今年の朝日レガッタに出ていたカール・マンソン選手(26)のお兄さんなんですかね?


それから、M8+は予想どおりドイツ圧勝でした。リオ五輪銀のクルーから5人も選手が入れ替わっていますが、ストロークスリーの前3つのシートにリオ五輪銀のメンバー3人を固めてきたオーダーで、同じく大幅に若手に入れ替えてきたイギリスと完成度の違いを見せつけました。第2でセーフティをとる安定したコンスタントで後続を順調に離し、やはりかなりよい順で5'18の世界ベスト。ベテランCOXマルティン・ザウアーも健在、ストロークペアのオーチックとシュミットは不動ですね。
NZはもう少し前半のスピードがほしいところですね。しかし他の種目のように、まだまだ強くなって、ドイツ、イギリスの争いに割って入るのでは。NZのエイトには昨年LM4-主力のジェイムズ・ラッシュ選手をバウに起用。このように今回見られたのは、LM4-の主力が階級を上げてM8+やM4-に乗っていることですね。LM4-が五輪種目から消えることでこうした現象が今後もあるかもしれませんが、LM4-レベルは高かったですからオープンでも主力になる選手がたくさんいるかと思います。


また、個人的に注目したのがW2-の6'49。W2-も6'50切りましたか!全日本M2-優勝できるじゃないですか・・・。
NZのW2-は、優勝したNZ1クルーがSケリ・ギャラー、Bグレイス・プレンダーガストのコンビです。この2人は、リオ五輪4位に入ったW8+の6番ペアですね。さらには、2014年世界選手権で世界ベスト6'14を出したNZのW4-の3番とバウでした。このときのW4-ストロークのビバン・ケルシーはW8+で今回優勝しました。
キウイW2-は、やはりM1Xマンソン選手と同じように、ほぼイーブンペースで中盤抜け出すと、後続に水をあけ続ける独走を披露しました。漕ぎ方といい、世界ベスト2つも樹立した強さといい、まさに女子のキウイペア誕生といったところですね!漕ぎもめちゃくちゃ似てます。女ボンドと女マレーですね。スタニングとグラバーの最強イギリスW2-がいない今、すぐにナンバーワン女子ペアが誕生したもようです。今後は、キウイW2-としてW2-連覇伝説を受け継いでいくのか、それともW4-、あるいはW8+の主力に戻るのか。NZのW8+が今回優勝したことでこの2人がいなくてもベストメンバーのアメリカと戦える力を身につければ、W2-スペシャリストの道を続けそうな気もします。


他の見どころいっぱいの種目も合わせて、これらはまた東京に向けた新たな最強伝説の序章なのかもしれませんね。




そして、LM2Xです。日本のJPN2(S:O元選手、N良選手)がFinal Aで6'17の6位、JPN1(S:I田選手、B:S藤K選手)がFinal Bで6'18の総合7位。これはやや順ということを考慮しても久しぶりに6分20秒切り、素晴らしいタイムを出したと思います。日本が新たに未知のタイムを出し、未知のゾーンで勝負しに突き進む。それができるか、これから躍進できるかどうかを占う上で大きな意味を持つ大会になったのではないでしょうか。

JPN2の決勝は、おなじみフランスとアイルランドがおり、フランスも余裕残しの感じですしアイルランドはまだ五輪のミラクルな感じを取り戻してはいませんのでトップと勝負できた感じではありません。しかし決勝を戦うこと自体が自信になり、まずはその自信が何より大切ですので、それが大きいと思います。
展開としては日本はフランスに対抗すべくスタート飛び出しにかかるも300m付近で失速し始め、コンスタントでなかなか世界レベルの中盤力についていけないいつもの展開という感じなのですが、ベストの漕ぎをして終始流れの中にいてレースできたように思います。しかし、まさに日本の課題はここの300~2000mの大部分のところなので、その地力養成にはまだまだ時間がかかると思います。コンスタント力をつけていってはじめて勝負できるのですが、レースというのは実はそのタイムだけではなくて、まさしく勝負のポイントの所にあります。序盤、中盤、終盤と勝負どころが存在します。コンスタントは地力なのでここが大前提ですが、世界の戦いでは特にラストの重要性もきわめて高いです。日本がもし1500mで先頭にいても、各国の強力極まりないラストアタックを前にしてはまだ勝てる気がしません。アイルランドのオドノバン兄弟、あのラストスプリントに日本が上回れるとはまだ思えないのです。
例えば、M4-では久々にオーストラリアの優勝を見た気がします。漕ぎ的にオーストラリア派の私は嬉しかったですし、あのコンスタントは必見です!ただ、相変わらずオージーはコンスタントはどこよりも強いがラストスプリントがやや重い特徴があり、案の定イギリスにグイグイ詰められていました。1500mで水をあけたオーストラリアでさえそうなのです。思い返せばシドニーでギザビエ・ドルフマンのフランスが勝ったLM4-決勝も、オーストラリアに対しラストスプリントで再逆転した炎のレースでしたが、このように決め手まで備えて世界一は成し遂げられます。そのへんは、そのギザビエコーチご本人に期待をしていきたいです。




さて、このように日本ボートが成長期に入っていくかどうか、そして6'18前後のタイムを見て私は思い出しました。
およそ20年前、2000年シドニーに向かっていた時の日本と似ている感じがするのです。かなりの順風の中、1999年日本LM2Xは国際大会で6'18という日本初のLM2X6分10秒台をマークし、あのときは世界選手権で優先出漕権を得ました。そして、最強のスカルチーム4人で切磋琢磨し、高いレベルの4人を作り上げ、翌年には世界選手権LM4X優勝と五輪初の決勝を果たしたのです。
歴史は繰り返す!?

というわけで、前ブログより私の記事を引用します。前ブログは実名掲載でしたので、何卒ご了承ください。


「そして各国が出場権をかけて鎬を削りレベルが格段に上がるオリンピックイヤー前年。
1999年カナダのセントキャサリンで行われた世界選手権で、LM2X(S武田選手、B長谷選手)はFinal Bを堂々1着で7位入賞を果たし、目標のシドニー出場権を勝ちとるのです。
出漕したのは'98も'99も武田選手と長谷選手のコンビですが、このスカルチームには、バルセロナとアトランタを経験しボート選手として最も脂の乗っている28歳の三本選手と、前年日体大2年という若さでシニアの代表入りをしていた新進気鋭の久保選手を含めて、4人の候補がお互いに良い競い合いで切磋琢磨してきていたのも見逃せない要因です。男子軽量級スカルチーム4人は大林コーチのもと、シドニーまでの期間、エルゴやテクニックにおいて素晴らしい成長を遂げていったということです。
4人のエルゴは6'20前後で、この当時から言われていた世界軽量級トップクルーの平均値6'10前後にはまだ遠いという課題はありましたが、LM2XクルーはFinal Bで好順風ながら6'18というタイムをマーク。トップとの差はおおよそ5秒程度というところにまで達し、アトランタからわずか3年で、オリンピック決勝どころかメダルにももう少しというところまでレベルアップしたのです。

他のクルーはどうか。LM4-に向けては、阿部コーチのもと6人のメンバーで男子軽量級スイープチームを構成しました。
'98世界選手権では15位と、強豪と競りつつももう一歩というところですがこちらも順で6分ひとけたのタイムと向上してきていました。翌'99年世界選手権ではLM4-(S小畑選手、3浦選手、2田辺選手、B佐藤寛選手)で臨み、こちらも敗復ではかなりの順だったのでしょう、5'55というタイムも飛び出しましたが、最終的にはFinal C3着の15位という結果でした。
以前もこのブログでお伝えしたとおり、LM4-の接戦といったら半端ではないのです。このときのFinal Bは6杯すべてが2.9秒(1艇身と1/3程度)の中におさまり、Final Aはラストスプリントで一気に縮まり逆カンバスの間に4艇がなだれこむ。まさに2000mの流れの中で、ミクロの差を争うのが世界トップのレースです。LM4-は特にそれが顕著です。予選、敗復の結果だけでは、準決勝や決勝での各国のアタック、極限の勝負は測れません。
そしてLM2-(S村井晋選手、B村井啓選手)もスイープチームとして、こちらは11位となりました。

LW2X(S狩野選手、B吉田選手)はFinal Cで16位でしたが無風に近い状態で7'09を出すなど上位との差を大きく短縮し、LW1X(岩本選手)は8分を切る実力がついたとのことでしたがFinal Bで11位でした。女子軽量級チームも、強豪国の激しいレベルアップの波にもう一歩ですが、だいぶ追いついてきていることを実感。」

「シドニー!風の歌を聴け 後篇」より



いかがでしょうか、このときと同じく、日本ボートが上昇の波に乗ってさらにこのときまだまだ成し得なかった五輪種目で世界一をめざす盛り上がりを見せれば。
残念ながらLM4-は東京五輪ではなくなりましたが(LM4-ファンとしては復活希望!)、日本の果てしなき夢であるM8+挑戦やあるいはM4-挑戦なども見てみたいですね。やっぱり、COX付き種目、また4人乗りは日本ボートのためには絶対必須です。
そして女子はLW2Xが核ですが、いずれオープンでW4-、W8+を見てみたいですね。軽量級もオープンも成功していると言える中国がやっているんですから、日本も人材集めでできないことはないと信じています。
これからの時期、強化はもちろん、普及、広報とすべてのマネジメントも日本ボート全体としてレベルアップしたいところですね。飛躍の序章、2017シーズンをそのようにしていただきたいのです。


今回日本LM2X2クルー、6'17と6'18は、無風で6'20前後の評価ができるタイムだったのではと思います。
しかし、もちろん20年前の状況より、世界はレベルアップしていますし、日本もレベルアップしていなければその争いについていけません。これからあと5秒で五輪決勝、7秒でメダル、10秒でフランスに勝って優勝という感じでしょうか。先は遠いです。この一里塚ならぬ、この一秒塚を一つ一つ越えていくのは。しかし数秒一気に飛躍し進化してブレイクするのもまたボートです。


LM2X以外では、LM1XとLW1X、M1X、W1Xはまだまだ良い漕ぎができなかったと察しますが、単純に実力不足というところもあるのでしょう。ギザビエ氏は1X能力を重視されているようです。私はクルーボートに活路を見出してほしいですが、それでも個人能力がまだまだLM2Xに比べさらに足りないのかもしれません。とにかくコンスタントのタイム短縮あるのみです。






このように、ポズナンではさまざまな話題がありましたが、ボートのワールドカップはやはり前哨戦。本番の世界選手権でそのシーズンの評価がなされるところがあり、それは国内のインカレや全日本に対する位置づけと同じではないでしょうか。
トップクラスも多く参戦していましたが、ワールドカップは3つありますし各国の出漕状況やクルー数は世界選手権の半分程度といった感じではないでしょうか。(例:今回の2017年ワールドカップ第2戦は出漕39か国。2013世界選手権は69か国、2014世界選手権は60か国、2015世界選手権は75か国)
そしてボート強国はさらに編成を変えさまざまな調整をしてシーズンの目的を果たそうとしてきます。さらには、照準は次の東京五輪なのです。
まずは2017シーズン、より層の厚くなる世界選手権の本番でボート強国がシーズンピークを合わせてボートに関する叡智と経験をもってトップを狙ってくる中、日本も世界で近いうちにトップに立つため、世界一のシーズンを送ってほしいです。

世界選手権で優勝し、そして東京五輪での世界一をめざして。

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