今回は違った角度から、Rowingを深く見ていきたいと思います。
リズムの重要性と、Rowingの持つ音楽性について語っていきます。選手も観客も、Rowingに対する感性を深めていくと、よりこのスポーツを楽しむことができると考えています。



1.Rowingの持つ魅力
競技スポーツは、支えてくれる人、見てくれる人、評価する人や価値を見出す人がいるからこそ成り立っています。我々は表現する側であることを誇りにして、そして必要としてくれる人たちのために高みをめざします。必要とする人とは、自分自身であり周りの人たちのことでもあります。マイナースポーツでは、多くは自分自身と自分以外の多くの人とをファンにしていくための活動が必要になりますが・・・。いや、これはすべてのスポーツに言えることですね。
Rowing愛、Rowing文化とはその活動によって大きくなっていくものだと思います。

Rowingには人を巻き込む大きな魅力があります。それは、エモーショナルで感性に響く部分と、アーティスティックな表現力を持っているからです。

Rowingの魅力は、レースで目標を達成するべく能力を高め能力を発揮する術を身につけ、心技体の限りない向上を水の上で艇速と勝利として表現する点にあります。しかし、それだけが魅力ではありません。観客にとっては、その鍛えられたクルーが見せるパフォーマンスそのものだけでなく、最高の艇速を追求する心の姿勢、ほとばしる感情に引き込まれます。このような純粋な心が、技や身体の表現につながります。統率されたテクニック、強靭なパワーと限りないエネルギーとして表現されるのです。特にRowingをよく知らない人からは、どちらかといえばプレーのすごさよりも、選手や応援者たちの真剣なまなざしやひたむきなようす、レースの一瞬にすべてをかける情熱などがとても魅力的に感じられる部分ではないかと思います。

また、Rowingの芸術性。礼儀正しく、献身的で、一糸乱れぬ統率されたクルーの動きや、心が艇の動きとなって表現された果てしない加速感というのは、一つの生きた芸術と呼べるかもしれません。特に、エイトは漕手とCOXとコーチ、そしてチームが長い時間をかけて作り上げ完成させる芸術作品といわれます。もちろん、エイトだけではありません。フォアやクォド、ペアやダブルやシングルスカル、すべてが水上のキャンバスに描く軌跡は、情熱の芸術作品といえるでしょう。とても絵になる、映像としてもダイナミックな美しさと、切りとった場面としても造形美をそこに感じることができます。

そして、Rowingはたいへん音楽的なスポーツです。この、とても生き生きとしたリズムに溢れたスポーツを音楽的な感性をもって鑑賞すると、また違った魅力と奥深さに引き込まれるはずです。素晴らしい艇の動きには、リズムとメロディが込められ、はじけ、躍動しているようです。クルーと応援者など支えるスタッフや観客は、一つになって最高のレースとパフォーマンスを作り上げていきます。それは、オーケストラとそれを支えるスタッフがともに作り上げて聴衆と共有する最高の演奏のように、心を震わせ感動を与えてくれるものなのです。クラシックコンサートで演奏者と聴衆が音楽の喜びを共有することを目的とするように、クルーと観客がRowingの喜びを共有できるような、素晴らしいレースを「演漕」していきましょう。
COXは、指揮者としてこの表現のなかで中心となって活躍ができるのです。



2.水上の音楽
Rowingは、水上の音楽です。身体の音楽です。
リズミカルで起伏のあるメロディと、同調して合奏するパワーの調和を、永遠に継続させることで優美なコンスタントを描きます。身体のリズムが、艇速や艇の動きとして表現されます。艇速とはパワーとリラックスの律動であり、スピードの波を滑らかな旋律でダイナミックに奏でて表現します。艇跡とブレードの波紋形状は、水上に描かれた譜面のようです。音符のようにブレードで刻まれる泡の形状はパワー濃度や長さ、そしてこの泡の間隔はテンポと艇速の伸びやかさを表し、水面に永遠に刻み付けられるものならば、一度きりのそのレース、艇速の音楽は、再現してもう一度鑑賞できるのかもしれませんね。

身体動作やパワーにおいて、雑音やリズムの破綻にまみれては、ギクシャク、バタバタ、音楽として成立しません。トップクルーのレースパフォーマンスはたいへんリズミカルでなめらか、力強い中にも美しい動きを見せてくれるのが共通しています。これを「技術が高い」とか「うまい」と称賛するわけですが、Rowingにおいて一流のスピードを出すというのは、必然的に艇とオールと人の動きが美しいリズムとなって表れるのです。

よい艇速はドライブが強く安定し、サイクルが一本の線上につながって一定のリズムに乗ってそれをパワーとリラックスがスムーズにつないでいきます。身体にリズムが生まれるので、ハンドルやブレード、そして最も重要な艇の動きもたいへんリズミカルで矛盾のない動きをすべて連動して引き出すのです。これは、漕手とCOXによるRowingの音楽的なイメージが、パワーとリラックス、呼吸、体重のコントロール、全身の協調性と筋肉や骨格の各部位の動作制御として表現されているわけです。関節の位置・角度やスピードの微調整などが、リズムとして感じる中で一本のイメージに乗せて常にシンクロする。必要とあればこれらのリズムそのままに、一気にテンポアップする。

これらの動きは見て合わせるのではなく、身体で、リズムで感じて、感覚で合わせてイメージに乗っていくことによって生まれます。どんなにハイレートで激しく本能的に動いていても、スローで脱力しきったノーワークでも、いつもこうしたリズムのイメージが漕手とCOXの頭にあり、身体が感じる、ということがRowingでは最も基本となるところだと思っています。パワーや脱力や動きや体重を、音楽として感じる。起伏や動と静、一定の律動などとして感じる音楽センスが間違いなく必要なスポーツなのです。

音楽では、耳で音色や音波を感じて、これをさまざまな楽器で身体操作に表し、音色や音波を奏でていきます。この音は、強く出したり優しく出したり、高くしたり低くしたり、長く伸ばしたり短く間をおかなかったり、途切れることなくなめらかにつなげたり短く切ったり間を持たせたり、一定のリズムを保ちテンポを上げ下げして速度を調節し、加速したり徐々に強く大きくして盛り上げたり、このようにしていって、音やリズムに意味を持たせたさまざまな音楽表現が可能になります。このような表現は心の動きや身体の動きも連想させるので、人の心や感受性に訴える表現力として聴く人に伝わっていくわけです。
Rowingも、見る者に訴える力はとても大きなものがあると思います。表現する対象がパワーや体重、それとも音色なのかというだけで、リズムを感じ身体操作として表現するということについて、本質的には同じものではないかと思っています。

心から心へ。Rowingは情熱的な、エモーショナルスポーツです。
Rowingでは表現方法が身体動作と艇の動きというところで、アスリートとは一種の表現者でありアーティストなのかもしれません。
女子エイトcox、水上の音楽



3.レースにおける艇速とリズムメイク
トップクルーが見せるパフォーマンスを自ら表現するには、どうしたらよいのでしょうか。
それは、素晴らしいRowingイメージやリズム感を持っているコーチや選手に教えてもらうこと。それ以外には、この素晴らしいイメージが余すことなく表現されている実際のパフォーマンスを見て感じ、自分のものにすること。現代では、わざわざ世界選手権に行かなくても、ビデオやDVDや動画がありますので、ひたすら世界最高の表現をものにしてください。(もちろん、トップクルーを実際に自分の目で見ることがなお良いと思います)そして、できればそこから触発されるイメージ以上のものを考えてその先へと到達することも可能ではないかと思うのです。チャンピオンは、いつも「その先」を見ています。

最高の艇速とそれを具現化するリズムや動きのイメージが、頭の中にいつも定まっていてそれに沿って身体やメンタルを同調させてコントロールします。COXやコーチはそれを漕手に提示する役目をします。

世界最高の音楽家たちも、全く同じではないかと思うのです。家庭や学校で一流の経験を先行して備えた先生や指導者に学び、ひたすら最高の演奏を再現するCDやコンサートDVDなどで繰り返し聴いているはずです。自分だけの発想と考えだけでこうしたトップの表現や経験にたどりつくのは難しいために、常に一流にふれる機会をたくさん持つことが、トップの競争に加わり自らの感性や知識を深めるには必要です。
漕手もCOXも、最高のRowingイメージを一流の表現を見て感じることで作ってください。


では、トップレベルの艇速やリズムとは、どのようなものでしょうか。
これは私の個人的なRowing観ですが、全日本級など一定以上のレベルになるレースでは、勝つクルーと負けるクルーの能力上の違いは、まずエルゴにおけるパワーと持久力と集中力。そしてエルゴには出ない、艇を感じる力や艇を動かす力。それに加えて、リズムや調整能力ではないかと思っています。絶対音感ならぬこうしたRowingイメージの差ではないかと思います。
速いクルーと遅いクルーを比較して相対的に「速い」と感じるのではなくて、このクルーを単独で見ただけで「速い」かどうかを感じる能力です。こうしたら速くなる。こういう動きやリズムは艇速がトップレベル。これを確かに感じ分けるセンサーを身につけてください。リズムとパワーを感じ分ける調整能力です。

その総合力がいわゆる地力の差、特に中盤の強さに表れます。結局、中盤で支配し後半の勝負に耐えて決められるクルーが勝つ。世界トップはこれで勝敗が決まります。スタート飛び出しは戦術の王道ですが、実際に勝負しているのは中盤。中盤力が強いクルーがスタートも鍛えて、スタートからスピードを出すことができ主導権を握ることができます。中盤力がないクルーがポンと飛び出しても途中で必ずつかまるだけです。中盤力とは、コンスタント力。ほんとうの艇を進める力。コンスタントという言葉はスタートからの失速をイメージさせてしまうという理由からあえて使わないチームもあるそうですが、コンスタントとは、リズムとスピードとパワーと持久のコンスタントを意味すると私は思っています。エネルギー効率のよいクルーが、中盤のサバイバルに勝って、後半の勝負を決める体力とメンタルを残せます。

前回に述べた戦術は、無理してでもリードをつけるための部分を作ったり配分して、心理的・物理的な駆け引きを作り優勢を生むためのレース展開の調整法です。世界のトップでのレースは、この戦術とエネルギー運用の両方を駆使しています。コンスタント力がないと、準決勝や決勝でのスピード・フィジカル争い、戦術駆け引きに生き残ることはできません。


隙を作ってはいけません。わずかな綻びで、MAXスピードのリズムは簡単に崩れ、再びリカバリーするのが困難になります。理想ラインへと回復できてもかなりの時間がかかるため、その時間と距離のロスは致命傷になりかねません。
理想のRowingリズムとパワーを維持するためには、隙のない極度の集中でリズムを紡ぎ続ける、ベストをつないでいって2000mをコンプリートする途方もない作業なのです。

艇速とリズムをキープし続けるためには、ミスしてはならないということです。パワーとリズムが綻びを見せないようにしたい。
ここでいうミスとは、リズムをミスする、外すことによって生まれる不調和です。ほとんどのミスオールはリズムのずれがきっかけとして崩れ始め、立て直せないとその後に目立ったミスオールやミスバランスとして誰の目にも明らかな形で現れます。艇を最もよく進めるリズム、パワーと脱力を最もよく発揮できるリズム、こうしたリズムに合わせて身体を動かし調律させる、リズム身体能力が重要なのです。
スタートでのゼロからMAXスピードまで高めるペースアップ、コンスタントの「一定に一定に」永続させるペースキープ、ラストの出し切りオールアウトのアタックのためのペースアップ。ボートは見て合わせるのではなく、感じて合わせることが必要である、感覚のスポーツであることがこうしたチェンジオブペースの局面からもイメージできるかと思います。

ミスを怖れてはいけないが、実際にミスをすると脱落する。やられる。
ミスの前には小さい乱れや予兆があるものですが、これを予兆の段階でコールで抑えたり、未然に修正することに神経を集中します。いかによいサイクルに乗っかって、そこに安住せず次のリズムを生み出し続けるか。小さい乱れを作らないようにするか。この細心さ、緻密さ、リズムに乗り続ける集中力が、全体の安定を生み出して継続します。

私は、Rowingのレースは、ピンと張りつめた最高速度の道すじからなるべく外れないようにする、綱渡りのようなイメージを持っています。この最高速の道は、ミスしたら落ちてしまうのですが、そのスピード感やスリルや緊張感、そしてそこのラインに挑んでキープし続けるライバルとの競り合い、張り合いの独特のバトルが、レースというスポーツの本質だと思っています。時にはこの最高速度の道をさらに高めるチャレンジも行われるので、これがアタックと呼ばれライバルにプレッシャーをかけて競り落とすトライですね。
しかしこの緊張感とは失敗を恐れるようなものではなくて、高揚感と積極性に満ちた冒険だといえます。最高の艇速にチャレンジする気持、実際にその艇速が出たときの喜び、さらなるチャレンジ。クルーみんなが、レースを見ているみんなが、スピードにときめく瞬間です。
世界選手権やオリンピックの決勝などは、まさにそのようなレース本来のスリルの極致を見せてくれます。だから見ているほうは手に汗握る緊張感を感じるのです。そしてそこに、美しいリズムと数多の精神性を見出すがゆえに、刹那と永遠の相反する芸術性も感じさせてくれるのではないかと思っています。
女子エイト レースシーン



4.指揮者としてのCOX
COXは、クルーというオーケストラをまとめリードする指揮者の役割を担っています。このオーケストラは、パワー、そしてリラックスや体重やリズムを使って艇速としてRowingの表現をする演奏者たちです。

オーケストラの指揮者の能力や資質として必要なものはたくさんあり、音楽的な力、指揮の技術、リーダーシップと多岐にわたります。音楽的な力とは、楽譜から作曲者の意図を読み取り、実際にどのように再現させるかという音楽の構成力や、個々の演奏者の音を聞き取り聞き分けるすぐれた耳など、楽譜からよい演奏を実現させる力です。
自らのビジョンや音楽イメージを演奏家に伝え、そのめざす方向性へと100人規模のプロフェッショナルの演奏者を導き、ともに素晴らしい演奏に向けて共創関係をつくるコミュニケーション力と統率力が必要なのです。

特に一流の指揮者の手腕は、本番までの練習において発揮されるといいます。チームスポーツにおける、多くの監督やコーチとその働きは似ています。オーケストラチームの場合、普段は演奏者の個人練習が中心で、講演スケジュールが詰まっていて全体での練習時間があまり多くとれないことが日常です。1日とか数日といった限られた時間で、しかも中には指揮者と初対面の演奏者もいる中で、細かな一つ一つの音の出し方やリズム、バランスやテンポにこだわりながら、ほんの数箇所の重要なポイントを抽出し合わせることで、全体を一気に掌握し短時間にイメージする音楽へとまとめあげるのです。

演奏者もプロですから、最高の音を出すトレーニングを積み重ねてきており、指揮者の意図と要求さえ理解すれば、しっかりと素晴らしい音楽を奏でることが可能です。そこには楽譜という共通の設計図があり、指揮者の求める音や微妙なイメージにおいて調整され、演奏者の最高の技術を全体として調和させ音楽表現として体現させるのです。
この点、普段は個人練習や小艇主体で、代表遠征等でチームを離れ、全日本選手権など大きな大会でクルーを組んで短期間で仕上げクルーの最高艇速へとまとめる社会人チーム、あるいは国体選抜チームに似たところがあるかもしれませんね。


指揮者であるCOXは、オーケストラにおける指揮者と同じように、卓越したRowingイメージを持っていることが必要です。自ら表現しようとする音楽のイメージが指揮者には必要で、そこからさまざまなアプローチ方法が生まれます。Rowingにおいても、COX技術は、Rowingイメージのもとにすべて成り立つのです。Rowingイメージを養い、考え方を深め、Rowing観を確立していきましょう。

またCOXと指揮者の共通点は、指揮者がオーケストラで唯一音を出さないのと同じく、COXはクルーで唯一漕がない、という点にもあります。指揮者と同じく、COXはいかに漕手の能力を引き出すかがその仕事であり、組織としてのクルーの艇速を実現することが最大の役割となるわけです。
練習において組織をまとめ、素晴らしいRowingとして完成させ、本番で一度しかない最高のパフォーマンスを表現します。
本番では当日の調子、クルーのムードをしっかりと掌握し、レースにおいて最高のパフォーマンスが発揮できるように準備し、かつ実際のレースにおいてはそのRowingイメージを遺憾なく発揮するようにします。わずかなパワーやリズムの乱れも出さないよう、出たとしてもすぐに修正し整えながら、むしろダイナミックに表現して、素晴らしい「演漕」を完了できるように努めましょう。

エイトは8人の漕ぎを、フォアやクォドは4人の漕ぎを、ペアは2人の漕ぎを、一つのRowingとして表現します。COXはその一体感を体現し艇速として引き出す指揮者として、リードを果たし、勝負を決めてレースという作品を完成させてください。



5.クルーというパワー・オーケストラ
これまで見たように、Rowingと音楽には多くの共通点があります。
音楽では楽器を身体操作で奏でて音を感じさまざまに組み立て調整して表現をしますが、Rowingではオールと艇を身体操作で動かしパワーや重さを感じて調整して表現をします。

音楽には、楽譜(スコア)がありますが、西洋でオーケストラが発達した大きな理由に記譜法(楽譜の書き記し方)の発明があると言われています。これによって、何百年も前に作られた曲を、作曲家の意図した通りに忠実に再現することが可能になったのです。
Rowingでも、ストロークの長さやテンポ、体重の動きを楽譜で記すことができたら、偉大なクルーのレース再現が可能になるかも!?これらを書き記し計算して表す方法は実用化されていませんが、ビデオなどの映像が鮮明に残っていれば、こうしたパワーやリズムを見て頭の中で再現することで、そのクルーのイメージは自分のものにすることはできます。

決まりきった2000mレースという形式。毎年数回繰り返されるこのオーケストラに、一つとして同じレースはありません。クラシック・オーケストラに一つとして全く同じ演奏がないのと同様です。これが、ライブとしての音楽やスポーツの魅力なんですね。
人も違えば、クルーも違い、展開も何もかも全く違います。さまざまな背景とストーリーを抱えた選手、コーチ、関係者やスタッフ。観客や応援者と共有するこのレースは、毎回同じ曲を演奏しても違うように聞こえて異なる感動を共有させてくれるオーケストラとたいへんよく似ているのです。響き合う心とパワーのシンフォニーは、たった一瞬しかない、一期一会のレースなのです。


今回、オーケストラや指揮者をテーマにして書くにあたって、『ドラッカーとオーケストラの組織論(PHP新書 2013刊)』という本も一部参考にしました。そこでは、オーケストラの組織は、指揮者という一つの強いリーダーシップが必要であるが、自律的な責任によるコミュニケーションに基づく組織であり、きわめて高度な知識や技能をもった専門家集団として、これからの新たな時代に求められる自立したチームの組織像としてドラッカーは注目していたということです。
そして、こうした組織は従来の組織像と比べてよりフラットで、トップ→ミドル→ボトムというヒエラルキー形の「権限」によってでなく、「情報」によって互いに互いを支えていく特徴があるというのです。まさに、Rowingにおけるクルーの関係性ではないかと思うのです。

オーケストラにおける指揮者が、今日のRowingで求められるチーム組織のリーダーシップとの共通点を持っているのは、自己規律を持ったパフォーマンスを要求し、全体の成果の総和を高める点にあります。
旧時代のリーダーシップでは、トップダウンで組織を管理統制し、命令と抑制、報酬や忠誠などによるコントロールで成果を上げようとしてきました。しかし時代は変わり、現代のリーダーシップは、チーム組織型であり、自己規律に優れた専門化集団を統率しながら求める最大の成果をともにめざすという形が理想とされるようになっています。
彼らは、単にすぐれた個人ではありません。組織として機能するからこそ、より深みのある表現とRowingの喜びを共有させてくれるのだと思います。

「偉大なソロを集めたオーケストラが最高のオーケストラではない。優れたメンバーが最高の演奏をするものが最高のオーケストラである」
このドラッカーの言葉には、多くの示唆があるのではないでしょうか。


Rowingには、音楽的なセンスが必要です。これは、誰にでも備わったセンスです。
ゴールは勝敗を決めますが、本当の目的はもっと先にあって、ゴールはずっと目指す先にあるのだろうと思います。
最高のRowingをめざして。
エイト、coxの視界は果てしなく

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