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ラストクォーターに入りました、このシリーズ。今回は、COXにとってメンタルが改めて重要であるということをテーマにしてみたいと思います。メンタルの強さやあり方というのは、漕手だけに重要なことではありません。COXも、日々メンタルの浮き沈みと戦っています。乗れないとき、乗っているとき、練習の日々、レースに向かう気持。そして、クルーの艇速や勝敗を握っているという重責。
いつも、心の状態や考え方が一番大事です。ボートに関われば関わるほど、心の重要性というものを考えさせられ、自分のあり方というものに向き合わざるを得ないのです。アスリートは、自分との戦いの日々です。
心の強いCOXになりましょう。クルーにとって必要不可欠の存在になるのです。



1.メンタルで勝つ
前回、前々回の「声」や「コール」の記事をはじめ、たびたびふれてきたように、COXはクルーのメンタルにとって重要な役割を果たすことができます。漕手のメンタル面をリードできるということは、すなわちCOXである自らがメンタルを強く備えていなくてはなりません。「絶対できる」「必ず追いつく」「勝負はここからだ」「もっと突き放す」「いける」「やれる」「自分たちは強いんだ」
このようなことを自分自身が強く信じて念じていなければ、こうした言葉もなかなか出ません。漕手だけメンタルを強くしろと言っても説得力がありません。COXは、まず率先してメンタルの強さを獲得するように努め、それを繰り返し漕手へと植え付けるために、言葉と行動で示すことが必要です。

クルーが順風満帆のときでも油断せず常に行く手に障害物が潜んでいないかどうかを確かめ、気が緩んでいると見えたら引き締めることも必要です。逆境のときはまさにCOXの真価が問われるところで、叱咤激励したり力強い言葉で支えてフォローしたり、クルーの気持が弱気になったりバラバラになったりしないように一つにまとめる強い統率力が必要なのです。
順逆どのような状況においても、クルーをゴールへと導く。COXはクルーの気持をしっかりとコントロールしていく、船長であると言えます。


いつも、「ムード」と呼ばれるクルーの心の状態を察知し把握する能力が必要ですね。どのようなムード、モチベーションや士気というものが、最も艇速につながり、勝利につながるのか。いつも感じてこれをコントロールするように努めましょう。

「ムードが落ちてるよ」「これじゃやる気が感じられない」「声が出てない!」このようなマイナスの事実を指摘するような言い方は、あまり効果的でないと感じます。言っている方はこの状況を何とか変えたいと思って発言しているのですが、こうした言い方はクルーを糾弾し批判するように聞こえてしまいます。言われた側はおそらく、何か違う立場の人に文句を言われたり自分が否定されているように受け止めやすくなってしまうのです。否定的な言い方も、時には有効なこともあります。感情を爆発するように喝を入れた場合など、はっとクルーを目覚めさせることがあります。
しかし、もっと仲間意識にあふれた、ある方向へと一緒に良くしていこう、という言い方があるはずです。通常はできるだけ具体的な原因を見つけてその一つにクルーを向けていくことが、一体感のあるムードを築くのには役立つように感じます。

原因を見極めてそこを集中的に改善するコールを入れていくと、ムードを変えていくためのきっかけになると思います。
「もっとフィニッシュを加速しよう。フィニッシュから安定すれば、よいサイクルが生まれる。リズム変えていくぞ」「艇の揺れを感じて、もっとシビアに、繊細にコントロールしよう。息を吐いてリラックス、気持も冷静にするよ」「少しでも良くなったら、どんどん指摘し合おう。みんなで。クルー全員で盛り上げていこう!」
全体がしっかりとポイントを意識しこれを直そうという気持がクルーの方向を一つに向け、それが高い集中とやる気のあるムードを再び生み出していきます。ベクトルが合うことで、クルーが良い方向へと回り出すのです。良くなったら、承認し認め合って、自信を高めていくという好循環へと導く。
悪いとき、うまくいかないときは必ず、個々の意識がバラバラです。その個人レベルでもあれがダメだから今度は違うところを意識して、でもこっちもうまくいかない・・・、ということを繰り返しています。バラバラであっちこっちと意識が散漫な状態になっているものです。COXもどこから手を付けたらいいか手をこまねいているまま場当たり的なアプローチとなり、その日のモーションは何もうまくいかず終了、となりかねません。

メンタルとはかなり具体的な処方によって改善することができます。そして、「メンタルの力」というのは何かゲームのように能力パラメーター値や数字で示されたような能力のことではなく、積極的なものの考え方やとらえ方、習慣や思考のくせを変えることで高められるものなのです。トップアスリートにしても、「辛い練習はきつくて嫌だ」と公言する選手はたくさんいて、鋼のように丈夫でタフなメンタルを持った人たちばかりでもありません。しかし、目標に対する情熱や意識、日々の考え方や継続、行動力や工夫、逆境への対応などが並の選手と大きく違うために、あれだけの差になって現れるのです。
M﨑



2.「心」を具体化する
「俺ってメンタル弱いな~」「私っていつも心が折れて長続きしないんだよね」「マジ、メンタル豆腐すぎる」
こんな自虐的なセリフが口癖になっていませんか!?周りを笑わせるためにネタとして自虐を駆使するならまだしも、自虐的な口癖が染みついてしまうのは、傷つかないように防衛線を張っていると見せかけて本当にネガティブな人間になってしまうかもしれません。ポジティブな考え方のほうが、絶対に幸せになれると断言できます。もちろん、鬱などにならずに健康でいられます。というふうに、多くのメンタル本には書かれています(笑)。
しかし、これらは確かにそうなんですよね。考え方ひとつで、アスリートとして大事なメンタルの力がつくのですから。

勝つためには、心技体が必要です。「心」とは、モチベーションや考え方や意識の高さ、積極性と自信とあきらめない気持と継続する意志と集中力など、思いやりや共感力や協同性、優しさや厳しさやチームワークや誇りや敬意や自発性や自律性など、見通す力や目標設定力や計画性や実行力や修正力や理解力や責任や判断力、スポーツでも仕事でも生活においてさえたいへんに重要なことばかりなのです。「心」というと漠然としがちですが、具体化して挙げていくと、本当にどれも具体的に必要なことばかりですよね。

いずれのメンタル力も、具体的に言葉にして「意識化」することと、意識し理解した上で「行動化」することで、向上したり身につけることができるようになります。実は技術や体力も同じことですね。そして、上に列挙したようなメンタル力の要素を向上するには、これらについての知識や経験がどうしても必要になりますが、実はみなさん、日頃のボート部生活を通じてこうした経験は培っているはずなのです。どれをとっても、日頃からこうしたメンタル要素を鍛えるべくこれらと向き合わざるを得ない日々を過ごしているはずです。より理解して心を鍛えていくためには、自ら考える、つまり自分で情報を求め分析したりまとめたり例えを使ったりして理解しようとしていく、これによって「意識化」して、さらに言動を意識して実際に「行動化」していくことだと思います。決してわけもわからずキツイことにひたすら耐えていくのが心を鍛えるわけではありません。ボート競技は、上をめざしていく競技生活を通じて、選手もマネージャーもたいへんにメンタルを鍛えられるスポーツだと思っています。
メンタルの本や心理学に関する本などを読むのはおすすめです。



3.ピンチへの対応
あるメンタルの本によると、弱いメンタルを強いメンタルに変えていくには、「習慣や考え方の癖を、上書きしていく」ということが必要なのだそうです。そのためには、まず自分の考え方の癖を知らなければいけません。

ここでは、逆境指数というものがあるそうです。
アンケートで色々な質問を投げかけて、よくないことが起こった時にその人がどういうとらえ方をする傾向があるのかを数値化したものです。
質問には、
「試験で不合格だったのは、」→「A、自分の勉強量が足りなかったからだ」「B、自分の能力がないせいだ」
「就活の面接での失敗は、」→「A、面接官と相性が悪かった」「B、これからも続いてしまうだろう」
などといったもので、こうした2択のアンケートに答えていく中でその人がどういうタイプかを判定します。

判定のタイプは色々とありますが、
否定的にとらえるタイプには、「自分が全部悪いんだ(自責自滅型)」「運が悪かったからどうにもできない、あきらめるしかない(自信喪失型)」「どうせうまくいかない(失敗増幅型)」「嫌な予感がする(不合理型)」「私は何をやってもダメ、できない(自己不信型)」があります。
これに対し、肯定的にとらえるタイプは、「次はきっとうまくいく(余裕綽々型)」「自分ならやれるはず(自信磐石型)」「失敗なんて気にしない、前へ前へ(意欲強靭型)」「気持ち切り替え、何とかなるさ(楽観思考型)」「逆境むしろ燃えるぜ(完全屈強型)」というとらえ方をしていき、いずれもピンチに対するとらえ方や対応がポジティブなものになるということです。


「メンタルが弱い」と漠然と感じている人は、自分の考え方の傾向に気づくことから始めます。
「ちょっとしたことですぐ慌てたりパニックになるのは、心配事を気づかないうちに自分で増幅させていたからかも」
「自信のなさが、ネガティブ思考や心の弱さのもとにあるのかな」

ものごとは、自分の本質以外の要因のせいで決まることがほとんどです。だから、基本的に自分を責める必要はなく、その上で自分にできる方法を考えて思い切りぶつければいい。さらには、「この問題は自分が何とかできる」と思える人は強いということです。
たとえば仕事がうまくいかないとき、
「○○の部分の詰めが甘かったかもしれない」
「手順を変えたらもっと効率良く動けるんじゃないか」
「資格をとって、スキルアップする必要があるな」
「もっと違う角度からアプローチしたらどうだろう」
このように、その理由を自分の側に引きつけて考えられるのが、「原因を自分がコントロールできる」と考えるタイプの人です。こういうタイプを「内的統制型」というそうです。
これに対し、何でもかんでも人や周りのせいにして「原因を自分はコントロールできない」と考えるタイプを「外的統制型」といいます。これだと、自分を責めることがないのはいい点だとしても、困難に対してどうすることもできずすぐあきらめたり逃げてしまったり、自分を守るために周りを攻撃したり損害を与えるような人間になってしまいますよね。

内的統制型は、悪い状態、納得いかないことがあると、それを改めようと自ら進んで行動を起こす場合が多いのです。そして、自分やチームにとってのメリットや利益、報償などを積極的に求めていきます。反対に、デメリットや損害、罰などは回避しようと努力します。
いざ身にふりかかったピンチは、とらえ方ひとつでベストな形で切り抜けられるのです。



4.ピンチに強くなる
「私ならできる」という自分への信頼感を安定して持つことが、何かにチャレンジする上で欠かせない心のエンジンになります。
メンタルの弱い人は、自分のことを「こういう性格だから仕方がない」「能力がないんだからしょうがない」とあきらめてしまうかもしれません。しかし、自信というのは「目の前の出来事をどうとらえるか」という、いわば考え方、思考法のパターンの問題なのです。性格や、ましてや能力の問題ではないのです。

脳の思考や行動パターンは、いつでも、どんなふうにでも変えることができます。今はものごとをネガティブなほうへ考える癖が身についていても、新たなパターンを自ら選び、それが脳に定着するまで繰り返せばよいのです。意識の上で記憶の上書き、つまりこれが「学習」です。「こういうときは、こうすればいいから大丈夫」、これが自信です。違うパターンに遭遇して、改善が必要と感じればまた上書きし直します。「対応力が備わっている」「引き出しが多い」「経験豊富」ということにつながるかもしれませんね。
たくさんの基礎が身につけば、遭遇したことのない場面でも、今までの経験を生かして応用によって新たな場面に対応できるようになるでしょう。

特に、逆境や困難を目の前にしたときの、気の持ちようや反応の仕方です。逆境を目の前にしてもそれをポジティブにとらえ、くじけない思考回路、そして考えたとおりに実行できる行動パターンを、潜在意識の中に記憶させてしまえばいいのです。そうすれば、ピンチを目の前にしても、逃げ出さずに立ち向かうメンタルの強さを自分のものにできます。「つらい、逃げ出したい!」から「もう一度頑張ろう!」「ここを乗り越えれば勝てる!」という思考へと上書きをして、新たな自分自身のパターンとしてしっかり脳に定着させるのです。

大目標の直前の時期に、「追い込み」を設けているチームは多いと思います。多くはトレーニングの負荷や強度を最大にして、1週間ないし2週間くらい前からは強度を維持しつつ量を徐々に減らして、本番へと体力をピークに仕上げていくために行っている調整法です。この追い込みは体力的なものだけでなく、心理的にも追い込みをかけることができると思います。乳酸耐性を高める「耐乳酸」のトレーニングがありますが、ストレス耐性を同時につけることもできると考えます。耐ストレス、耐ピンチのためのトレーニングです。さまざまな、実戦で想定される場面や逆境の展開などを取り入れ、ケースバッティングならぬケースローイングで実戦の引き出しを培うこともありかもしれません。国内のレース展開を見ると、自滅するケースがとても多いと感じるからです。優勢なら、そのまま逃げ切り押し切る展開力、競り合いや劣勢なら、逆転に燃えて高い集中力を発揮し一つにまとまるピンチ克服力をこの実戦を想定したトレーニングで養いたいものです。

ピンチを楽しめるようになったら、日常のうまくいかないことや、レースでの極限の状態などでも「楽しい!」と感じられるようになると思いませんか?少なくとも、最後まであきらめることなく、自分を奮い立たせて頭や身体をフル回転させられる姿勢が出せると思います。
ラストスパートcox



5.ミスはつきもの、禍転じて福となす
ミスをしても、くよくよしないことがコツです。すぐに気持を切り替えましょう。引きずらないで、「立て直していこう!」です。
ミスしたり失敗をして、自分が下の立場だったら、怒られたり叱られたりすることもあるでしょう。注意されても、自分が全否定されたとは思わないことです。自らが否定された気持になり「自分はダメだ、生きていく価値がない」などと落ち込む必要は全くないのです。たとえ心ない叱責や罵倒が浴びせられ、性格や人格まで否定する言葉が含まれたとしても、「自分は絶対できる。今に見てろよ。それに、今できないのは性格や考え方を見直す必要があるのかも」というように、必ず自分自身の存在そのものではなく、原因や理由を問題にすることが大事です。性格や考え方は前項で見たように、必ず変えられます。
ところで、世の中には残念ながらこのような罵詈雑言があるものですが、だいたいこうしたものはその人が本当に憎いのではなくて、自分自身の憂さ晴らしややり切れない感情の発露だったりします。このような負の感情は正面から受け止めるのでなくて、うまくかわしたり、逆に相手を思いやることがコツかもしれません。

注意されることは、改善ポイントがあって、向上できる要素がはっきりしたということです。この事実を指摘されることがほとんどなのですから、それを自分の中で認識し、自分なりにしっかりと修正していきましょう。


優勝クルーやオリンピックチャンピオンだってミスがあるのです。それくらい、ミスや失敗はつきものなんだと考えてください。しかし、彼らはミスを怖がらず、さらにうまく挽回してミスさえも利用することがあります。

学生の間は、何度ミスしても許されますし、取り返しができます。いや、社会人になっても、世間的に許されない悪行や犯罪などは別にして、かなり大きなミスや過ちをしでかしても、やり直しはききます。
そうです、ミスというものは挽回し、取り返しがきくものなのです。ミスしたら絶対に取り戻す、腹を切ったら必ず追いつき追い越す、負けたら次までに絶対ライバルを越えてみせる。ミスや失敗、敗北は試練であり、乗り越えて強くなるためのチャンスです。あとで振り返ったら「あの失敗や挫折があったおかげで今がある」というようにすべきチャンスです。

ミスなんてお互いがカバーすればいいじゃないですか。たとえミスオールしたり腹切りしても、全く気にせずむしろ怒涛のように挽回に燃えるクルー、最後まであきらめないで向かってくるクルーは、どんな強豪クルーでも怖れをいだくものだと思います。

一見、ミスがなく完璧に見える人や組織には、周りの見る目も信頼しすぎることがあり、「この人(組織、会社)は絶対に間違いない」などと「信仰」「崇拝」すら抱いてしまう例があると思います。しかし、完璧、完全などないわけですから、こういう間違った信仰はいずれ取り返しのつかない破滅や立ち直れないノックアウトが起こって破滅や裏切りに遭ってしまうのではないかと思います。むしろミスやうまくいかないことが、多くの足りないことを教えてくれる良い機会だったりするのです。


ミスはつきもの。必ず起こる可能性をいつも想定して、いかに対処するかがいつも重要であるということを大事にしたいですね。
また、ミスやうまくいかないことは、それを結果的に乗り越えて逆転すればどうにでも挽回がきくということを、頭においてください。ミスは必ず取り返す、負けは必ず勝ちにつなげる、が鉄則です。



6.COXは選手でありマネージャーでもある
COXは、クルーにおいては漕手のメンタルをコントロールすべき存在ですが、COX自身のメンタルはどうコントロールするのか。
これについても、状況を理解しその場に合わせて考え方を工夫することで、自身のメンタルをしっかり安定させることです。

COXは、そのポジション特性から、クルー編成時に選ばれない、乗れないということが多々あります。
私自身、現役時代には乗艇機会が少なかったです。インカレに出ることができたのは、4年のときに最初で最後の1回だけでした。しかし、そのように出漕機会や乗艇機会に恵まれないCOXは多いだろうと思いますし、チーム事情から最後のインカレに出ることができないCOXだって何人もいます。
3年のときもチームはM4+のみしか付き艇をインカレに出す意向を持たなかったため、私は当時の主将に直談判して、何としても下級生中心のオッ盾ででもレースに出たいという要望を認めてもらったということもありました。

色々なチーム事情がありますので、このような行動は必ずしも適切ではないでしょうが、COXはマネージャーではなくあくまで選手なので、チームにおいて、あるいは代表レベルに至るまで、COXがレースに出る環境を勝ちとることはまさにCOX次第であるのだろうと思っています。私はコーチも長くやりましたから、いつもCOXを乗せてあげるわけにもいかない立場も理解していますが、COXは第一に選手であり、常に自身のパフォーマンス向上と心技体を高めることを忘れてはいけないのです。

このように乗れないときは、モチベーションを保つのに苦労して私自身も全くやる気が起きなかった時も正直ありました。しかし、それではチームにとっても自分にとってもいいわけがありません。
ここではしっかりと自分に求められる役割を考えて、伴走、ビデオ、食事、さまざまなサポートやマネジメント、雑用などに至るまで完璧にこなし、それどころかこれらのスキルを向上していくようにしていきましょう。特に伴走やビデオなどは艇や漕手の動きを見る目を養う絶好の機会ですし、実は乗艇しているのと同じ効果も得られることがあります。外から艇や漕手の動きを向上させることができるわけですから。また、エルゴや陸トレでは声を出す練習にもなりますしこれも漕手の身体技術を高めるアドバイスができる、チーム運営のマネジメントの仕事はクルーを組織の面から向上させることもできます。あるいは、自身のトレーニングによって、イメージや自らの身体技術を高めます。
私自身は、2年連続で新人指導をしたことで、技術について分析的に考えたり人に分かりやすく伝えたりする力がついたりしたのではないかと思っていますし、ビデオや伴走、学連参加などは多くのレベルの高いクルーやチームにふれ、自分のチームを客観的に比較し考えるためのよい機会であったと感じています。

いざ乗艇ができるときには、こうした乗れなかったときの経験を十分に生かすことができます。乗艇においてCOXが力を思う存分発揮するには、日頃の準備が大事だからです。これも、結果的にCOXとしての力がついて、こういう時期は必要だったんだと思えるようにしていくことが必要ですね。マネージャーの気持もよく理解できるようになり、怪我をしたときの漕手も含めてですが、チームには全員の力が必要だということが分かるようになります。マネージャーや乗れない選手のサポートへの感謝が身をもって感じられるのです。マネージャーというのは、勝つために必要な役割であり、チームにとっては選手とマネージャーが協力して勝利をめざすことが不可欠なのです。

こうして、乗れない日々もある中で、いざクルーとして乗艇ができるとき。練習においてはクルーの艇速のカギを握り、レースにおいては勝敗の行方を左右する、という重責を担っているわけです。レースにおいては、誰よりも貪欲に勝利をめざすのが、COXが選手であることの証明です。誰よりも強いメンタルをもって、クルーを一番にゴールへと導いていくのです。戦う気持が重要なのです。
このようにして、COXは立場や状況に応じて、しっかりとメンタルをコントロールしていくことが大事なのだと思います。
そして、基本的にはいつもポジティブな気持ちや考え方で明るくふるまうことが、周りの人間、つまりクルーやチームを前向きにさせてくれて、大きな力を与えることにつながるのです。


メンタルについては、競技においても日常においてもたいへん大きなテーマですので、スポーツ心理学やさまざまなメンタル本まで、幅広いメンタルスキルを参考にすることをおすすめします。知らず知らずの無意識などに惑わされず、色んな場面に対応したものの考え方を備えるようにするとよいと思います。
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