12月5日付のブログ記事「日本ボート協会は、本当にボートに本気なのか?」に、コメントを下さった方がいました。

私としては珍しくかなり強い語気の文章を書いてしまいましたので、やはりというか反論のようなコメントをいただきました。
と言っても、無記名・数行であり、しかも返信先のアドレスが無効だったのでその方に返信することができず、非公開で頂いたコメントではありましたし返信を求める内容でもないようでしたが、このブログ上でお答えします。他にも「何だ!あのけしからん文章は」と思われた方がいらっしゃるかもしれないと思ったからです。

まず一見して、協会批判、会長批判という印象の文章になっているかもしれませんが、何度も念を入れて「会長や協会の名誉を傷つける意図はない」旨と、「私自身偉そうにものを言っているが、一方的な文句を言うつもりではない」「人格を攻撃するのは嫌いです」と述べた上で、私は自分なりの要望と提案を必ず記載しています。行動やあり方の要望を提示することと、人格をけなすことは全く別です。人格の尊重、人を大事にする、これが大前提です。
そして、以前から私は自分が絶対正しいことを言っているとも思いません。いつも未熟な考えを書いているという自覚があります。
その上で、この記事は協会批判、会長批判ではありません。不満を爆発させたものではありません。
しかし、現代では「批判=文句や否定」となりがちですが、本来の批判の言葉の意味は、「人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること」とあります。あるいはカントが大成した哲学による批判主義。この本来の意味からすると、先日の文章は「批判」に当たるかも知れません。私は日本ボート協会が誤っているとは思いませんが、検討を加えて吟味していくと良くなる要素がたくさんあるのではないかと考えています。


SNSとか何かで拡散されてたまたまこのブログにアクセスしたり初めて記事をご覧になった方は、「何だこの人、生意気にも協会に文句言ってるな」と思われるのは仕方がないかもしれません。この記事だけで見てしまうと捉え方によってはやっぱり何か怒っている感じも受けますが、私自身は何も怒ってませんからね!
しかし、ずっと私のブログをご覧いただいてきた読者の方は、「ああ、いつも言っていることを今回は自国開催の五輪まで時間がないから強めに言ったんだな。今シーズンは今まで以上に日本にとって本当に大事な勝負の年だから」と感じてくださっていたなら有難く思います。
実はR大のことは出すべきではなかったかもしれません。これも反省です。しかし、全体を統括するリーダーは全体を見てほしいことを伝えたいために使わせていただきました。(ただ、選手やチームが頑張って出した結果を軽く見られることは許せなかったのはありました。自分のことではなかっただけになおさらです。負けたときに選手やチームは色々辛い思いをしてしまうのですから、勝ったときは大いに誉めてほしいのです)
ですが私はそもそも、R大のことだけしか考えていなかったら、このような今のブログはやっていません。
また、一方的な協会批判の急先鋒を買って出たように見えてしまったなら、その意図はありませんしこのブログがむしろそうした批判を助長するような影響があってほしくありません。決して無責任に文句を言ってボート界の方々を困らせたいのではありません。


会長はご多忙でありながら、本気で日本ボートのことを考えてくださっています。日本ボート協会ももちろんその本気の意志のかたまりだと思います。その上で、本気レベルには限界はないし、もっと視野を広げられるし、もっと基準を高くできる、たくさんの行動やアイデアがある、ということを言いたいのです。別に前に書いたことを撤回し反対のことを言っているのではなく、頑張ってくださっている前提で、もっと上をめざすための1つの考えを述べています。その意味では、まだ本気ではないといえます。もっと意識を高くできるという意味で、意識がまだまだ低い。
情報発信をもっと多くしてほしいことや、日本代表はもっと強くなれるはずであり、マネジメントも普及ももっと色んな方法があるので頑張ってほしいという私なりの要望です。
私自身、協会やボートの先人に対してボートという素晴らしい競技を受け継ぎ大きくしてきてくださったことに恩義しか感じていません。こんな生意気なことを言うのは自分でも罰当たりだと思います。

ただし、私はコーチ経験その他を通じて、人や組織に現状の仮の姿ではなくて無限のポテンシャルを見てそこにアプローチしていくことの大切さを学びました。人や組織は、関わり方次第でいかようにも変化していくこと。それを、ボートを通じて気づかせてもらったのです。目標を高くすること。当たり前の基準を上げること。知識やトップレベルの研究や発想転換で、今までの限界や慣習や常識を書き換えること。分析し、具体化すること。数値目標を追求すること。過去の歴史を知って学び、今を変え未来をつくり出すこと。ライバルを作って競い合いそれをモチベーションとして超えること。それ以外にもたくさんあります。
「世界で勝てる」と、選手だけでなく選手に関わる人たち皆が考え方や意識を変えていく必要がありますから。変わらなかったら、変わるように工夫しないといけません。COXは認めて自信を与えるコールも必要ですが、艇速が落ちないための未然にかけるコールも必要ですし時には激しくクルーを叱咤する必要もあります。




今回の記事では、今までより強めに言ってしまっています。協会にリーダーシップをもっととってほしいために、協会の可能性に大きな期待をしているからこそこうした内容を書きました。

もちろん選手には勝っても負けても「よく頑張ってくれた」と私は言うと思います。
選手はいつどんなときも全力で頑張ってますよ!!


選手に対してではなくて、強化と普及に責任と権限を持つ協会に対して、私は要望を言っています。
選手はどこの団体であっても、このハードなスポーツで全力を尽くしていて本当にすごいと尊敬していますよ。
その選手のレベルを引き上げることができる人(リーダーやマネジメント)に対して、「もっとできることがあるんじゃないか」ということを意見として私は言っているつもりなんです。

例えばの話でいうと、良い例えではないかもしれませんが、あまり強くない大学が何度インカレに出ても勝てない。(私自身弱い選手でしたので、今でも自分が弱く未熟だという意識でいます。)
自分がそのOBだったら、
「選手の素質が悪いんじゃない。しかし勝つためにもっと方法がある。指導者がもっとレベルアップしてしっかり教えてあげてほしい。今も努力していると思うがもっと視野を広くできるんじゃないか。強いチームの指導者に教わるとか、トップレベルのタイム基準を意識できるのでは。もっと本気で挑戦してほしい、やればできるから!その意味でまだ本気になれていないと思う。そして今まで勝てなかった歴代のOBのためにも優勝してほしい。自分たちOBも勝ちたかったが今から思えば知識や経験が足りなかった。自分にできることで役立つことがあれば、俺も協力するよ」といったような話をするでしょう。
そのとき、こういうOBもいるでしょう。
「いや、よく頑張った。別に勝たなくてもいい、インカレに挑戦しただけでうちは十分なんだから。大学の代表として誇りをもってよく頑張ってくれたよ。出るだけで素晴らしいんだ」
このどちらかのスタンスを選ぶとして、私であれば前者のほうが現役もOBもエネルギーが湧いてくるだろうと思っています。大きなチャレンジだと思います。
日本代表もレベルこそ違いますが、同じことです。そこがもし記事を読んでも伝わっていなかったら、申し訳ないなと思います。




重ねて言いますが、協会批判をしたいという意図ではありません。協会がなければ、日本でボート活動をすることは困難ですからね。
私たち一介のボート関係者がリーダーたる協会を盛り立てて、また主体的に競技を盛り上げなければいけないと思います。
しかし、もっと動いてもらわないといけない点が多々あると考えます。それは私たち関係者もリーダーに求めていく必要があるからです。リーダーに強くなってもらうことで、私たちも強くなりより多くの成長ができます。
そのせいで少し今回は厳しめに書いてしまい、不快に思われた方が多いならそれは私が大いに反省すべきだと思います。ただ、私が悪者になってボート界でもっと議論が起こったり活性化して強くなるならそれも良いと思っていますが。


また、東京五輪でメダルを獲る基準において、今の状況が果たしてベストでしょうか?

日本ボート協会の強化委員会はリオ五輪の後に総括でこう言っています。
「今後のオリンピック競技大会において過去最多の決勝進出・メダル獲得を目指す。日本のボートは決勝進出(2回)こそあれ、メダル獲得がない。まずは、複数種目での 決勝進出及びメダル獲得を目指す。」

しかし、残念ながら現状ではアテネ以降は3大会(北京・ロンドン・リオ)続けてとてもメダルを狙うレベルでの上位で争えてはいません。選手の方々は必死の思いでベストを尽くしていたと感じます。
それは、選手のポテンシャルの問題ではなく、ヘッドコーチが兼任のパートタイムになってしまったり大会直前に何度もヘッドコーチを変えていたり体制をうまくまとめられなかった指導者や強化責任者の側に原因があると思うのですが、いかがでしょうか。選手に原因があるなんて、私は絶対に言えません。本当はこの10年の分析と総括をすべきだと思いますが、もちろん、そこを責めるのではなくて、協会も色々なご苦労や人知れず辛いことが数えきれないほどあったことでしょう。それらを反省して経験にするしかありません。しかし、まず課題は人です。人材確保と人のマンパワーを上げる、ボート意識をひたすら追求する。最強のボート組織作り、人作り。だから今が大事なのです。これからなのです。
私は何度も、「日本の選手は力がある。指導者や強化をリードしマネジメントする点においてもっと向上すれば日本はトップになれる」という趣旨のことを言っています。

私などが別に何も言わなくても影響などあまりないとは思うのですが、何か力になりたい、何かの足しになってほしいと思っています。
何も言わなければ誰かが気づいたり動いてくれるまで待つしかありませんが、残念ながら私も病気を経験してもう待てないところもありましたし、今の選手の方々の選手生命も長くはないのです。若い人は、自分の命が有限であることをなかなか想像できません。しかし、命には限りがあります。限られているからこそ、とことん燃やすことで輝けます。
何か言って変われるなら人を傷つけないように注意しながらも、色々言うべきだなと思ったのが私の現状です(特にこの3年ほど)。今頑張っている選手のため、志半ばで後輩に託した先人のため、そして次世代のためを思うなら。みんなのために、そして自分のためにです。自分たち自身のポテンシャルを、どれだけ開拓するかです。




自分なりには日本のボートをこれまで考えてきたつもりです。
そのあたりの思いが伝わればありがたいと思います。そして、私などよりもっともっと日本ボートのことを真剣に考えている方々が大勢おられると思います。
何もいがみ合いたいわけではなく、もっと日本のボート界は手をとりあい、一致団結しなければいけないと思っています。全体の力が必要ですから。


もしよろしければ、最近の記事しか目にしたことがない方は、面倒かと思いますが過去のブログの文章にも目を通して下されば幸いです。
以前からずっと日本ボートに対しての提言や、ボート競技の魅力を伝えるために、今回だけでなくずっとボートに関する記事を書いてきました。(どちらかといえば、ボートの魅力を伝えるブログばかりで満載になればいいのですが、強く主張することも時には必要です。気持を伝えたいからです)

長々と失礼しました。



「日本ボートのゆくえ」

「2014世界選手権レビュー④~軽量級種目・後編」

「全日本選手権、情報発信と共有について」

「日本ボートのゆくえ②」

「2015世界選手権レビュー⑤~総括」

「日本ボートのゆくえ 2016」

「2016 リオオリンピックが終わり、そしてまた次へ」

「リーダーシップと人間性」



ほかにも色々見ていただくと嬉しく思います。


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