ちょっと連載を中断して、ある話題を入れます。
それは、本日アップされた日本ボート協会公式サイトの「全国のオアズパーソンへの手紙 第52信」に関する件です。

O久保会長による全国ボート関係者やボートのファンに対する記事であり、たびたびこうした情報発信は貴重であるとこのブログでもご紹介してきました。これ以外に、協会役員や強化部、そのほか理事や役職のある協会の方がたくさんいるにも関わらず、ボートファンに向けて発信するボート情報は少なく、あとは広報からの公式記事などしかないので、会長自身の目から見たボート観、会長自身の考えやボート情報はたいへん貴重なのです。



簡単に言えば今日の一件とは、今年の全日本選手権での優勝クルーの紹介が記事中であり、M4-で優勝したR大が掲載されていなかったという内容です。
21時過ぎ現在は修正されています。(記事が仕上がったのは午前1時過ぎ。記事作成に3時間以上かかってますね笑)

最初に掲載された全文を載せておきます。

「11月10(木)~13日(日)という変則的な日程の全日本選手権でしたが、最終日はお蔭で風もなく暖かいボート日和にめぐまれ、熱戦がくりひろげられました。

男子8種目の勝者は、やはり実業団が強く、大学は4+(仙台大学)2+(日本大学)の2種目の優勝にとどまりました。関西電力美浜が強さをみせ3種目(2-、4-、4x)を制し、1xは18歳と若い野村颯士朗君(トヨタ自動車)が優勝し、皆を驚かせました。2xはアイリスオーヤマがみごと5連勝、そして8+はNTT東日本が日本大学に1艇身差で快勝しました。NTT東日本は、昨年残念な事件のため3ヵ月間活動自粛したあとだけに、期するところがあったようで、応援に来ておられた山村雅之社長ともども喜びの歓声をあげていました。

女子5種目では明治安田生命が2x、4xの2種目を制しました。1xでは男子につづいてこちらも若い20歳の栗山咲樹さん(富山国際大学)が優勝、2位は17歳の大門千紗さんでした。2-は立命館大学がみごとな3連覇、そして8+は明治大学が4連覇を遂げたのは立派でした。

優勝した13クルーには、心からおめでとうと申し上げます。

ところで、全日本選手権の開催時期については、いろいろ考慮しなければならない条件があって、決定に苦慮しています。来年は愛媛国体(10月6日~9日)のあと、10月27日~29日を予定しています。

再来年以降については、さらに相談・検討していきたいと思っています。」


これが、男子優勝クルーの間違いに気づいた関係者の指摘があったようで、数時間後には以下のように訂正されました。

「男子8種目の勝者は、やはり実業団が強く、大学は4-(立教大学)、4+(仙台大学)2+(日本大学)の3種目の優勝にとどまりました。関西電力美浜が強さをみせ2種目(2-、4x)を制し、1xは18歳と若い野村颯士朗君(トヨタ自動車)が優勝し、皆を驚かせました。」



私は実は今日は休みだったので、この記事が今日アップされたことを知っており、訂正前の記事を目にしていました。
そのときは、まあ自分のチームがなかったことになっていたので、残念な気持でいっぱいでした。「それはないよなあ」と、怒りというよりはただただ残念でした。
しかし、「誰にでも間違いはあるし、おそらくすぐに訂正はされるだろう。誰かすぐ気づいて指摘してくれるだろうな」と思い、すぐに問い合わせしたりするようなことはしませんでした。繰り返しますが、誰にでもミスはあります。
(細かすぎて恐縮ですが、来年の全日本の日程、「10月27~29日の3日間じゃないでしょ」と突っ込みどころがあります。)

ただ、仕方ないなと思っていたのが私の心の中ですが、その後、SNSなどで内輪の関係者のやりとりを見ると、チーム関係者はみな共通して憤慨しており、別に記事の間違いの非を責めたいわけではなく、以下のいくつかの点に対して怒っていました。そうした思いに私も思うところがあり、今回のことを記事に書いた次第です。

・会長自身の記事といえば最も責任のある文章となるのに、周囲で校正やチェックをしっかりせずに更新しているのか
・間違い自体は仕方ないことだが、当該チーム関係者へのお詫びも記載がなく何事もなかったように訂正しており、二重にR大チームをばかにしている。創部以来の宿願となる初優勝の喜びに水を差された。出漕していないのに優勝したことになっていたK電チームに対しても同様に失礼だ。1チームの努力や思い、活動や存在を軽視していると捉えられても仕方ない対応ではないか
・大学から競技を始めたクルーが全日本優勝したことは、ボート界の今の時代にあってはそれなりにインパクトと価値のある出来事だとチーム内では認識していたが、ボート協会には全く認知されていないことが残念だ。このことをすごいと言ってもらいたいとかそういうことではなく、ボート協会自身も競技経験年数に関わらず結果を出せる競技だと、外部へアピールにつながる話題のはずなのに、興味の外なのではないか


主張するからには、偉そうなことを要求するからには、それなりに自分もできていなければいけないので、我が身を省みなければいけないし、私もブログで誤字脱字や間違いなどは注意しているつもりですが変な間違いだらけでしょう。実際、記事をアップしてから後でどんどん手直ししていくこともしょっちゅうです。拙い内容で至らない点ばかりであることは自覚しています。しかし、今回は一事が万事、色々な点が現れている感じがしましたので、自分ができていないこともありつつも、あえて言わせていただくことにしたのです。

おそらく会長ご自身もこれを聞けば困惑されることでしょう。「そんなつもりではなかった」と。
あくまでも、ミスは誰にでもあります。会長はご多忙の中こうした貴重な発信をしてくださっており、むしろ他の協会の人の情報発信に関するやる気のなさを問題にしたいくらいです。私には会長の名誉を棄損する意図は全くなく、人間完璧ではないので改善点を指摘し合い、これから良くしていけばいいのです。一方的に攻撃的に自分を棚に上げて文句を言うのは私は大嫌いですから、そのつもりはありません。人格を攻撃する人は絶対に許せません。
これからのボート界のプラスになってほしい記事の意図で掲載したことを明確に記しておきます。

そして、私自身は特別この件に関して責めるつもりも全くありませんが、改めてきちんとした対応をとっていただきたいことと、「現状のさまざまな要素から見えるボート協会のリーダーシップの欠如と本気度をもう一度見直して目を覚ましてほしい」ということが言いたいのです。
実は、今回の件などは大きな問題というわけではなく、さまざまなことが浮き彫りになるような氷山の一角にすぎません。




まず、以前から感じていますが、協会は視野がせまいのです。
自分たちが手塩にかけて育てたり発掘したタレントや代表のいるチームは身内のように扱いますが、そのような強豪チーム以外のチームの存在を軽視しがちです。結局、それは今回の件にもあらわれているし、これまでも直接関わっている人や団体には親しくしているようですが、それ以外、知らない団体にはあまりふれることはありません。知らないことは仕方がないですが、でも、国内のボート情勢やボート情報をよく分かっていない協会って何なのでしょうか?

こんなことではいけません。まあ、R大は昔から軽く見られて、トップ選手ばかり集めるN大M大に負け続ける存在で、それを反骨心にして弱小の立ち位置で下剋上を狙うチームですから別にいいんですよ。(しかしそんなチームの、何十年かに一度の奇跡と関係者の努力くらいは記憶してほしかったなとは思いますが・・・。全国の、特に未経験チームを励ます出来事となっていれば最高です。第2、第3のR大チームをもっと超えるチームが出てきてほしいのです)
この軽視を良い意味でバネにして、本気で目の色を変える。優勝で浮かれるひまなど私にはなく、危機感しかないです。現役には常に退路を断って本気でトップをめざしてほしいですね。

ただ、例えばそのN大M大にしても、学生という永遠の挑戦者である立場として○TTM8+にあと少しで迫っていました。N大は他の種目でも活躍し、M8+、M4+、M4Xの3種目で準優勝、M4-4位、M1X5位、そしてもちろんM2+で優勝です。M大は対校をM8+にしたぶん、男子では決勝はM8+のみでしたが(M4X5位)、その代わりに何十年ぶりかのM8+3位、それも○TTと競るところまでいき、2位N大と0.11秒差です。このものすごい奮闘、N大はもちろん、M大の快挙にも大きくふれていただきたいです。
S台大も同様で、M4+優勝とM4-3位、M4X3位、M2-5位にM1X7位というたいへん輝かしく素晴らしい結果でした。
果たしてM8+、M4+、M4-でのスイープ大人数種目での学生クルーの結果を見て「実業団がやはり強かった」と、社会人が圧倒した大会として全日本の総括をするのはどうかなと思います。実業団チームの出漕が種目によっては少なめだとしてもです。実業団も戦力の確保とチーム強化や環境作りに苦労されている感じがして、勝てる種目を確実に狙う、学生チームに似た戦略も感じています。
男女13種目中、6種目が大学チーム優勝です。13種目中、決勝を戦ったチームは、大学生が30クルー、社会人が21クルー、高校生が1クルーでした。社会人はもちろん強いですが、学生もかなり互角で勝負しているところに来ていると私は感じていますが、間違いでしょうか。
その上で、○TTやK電、IリスオーヤマにT自動車、MY生命の真の強さや努力の過程を称えていただきたいですね。社会人トップチームが本当に強いチームだからこそ、周りのチームも強くなれます。



毎年の全日本選手権は、何のために行っているのか?世界に出て勝てるクルーを作る目的ではないのか?
もしかして単なる年中行事のつもりでいるのでしょうか。だとしたら話になりません。
毎年、国内でこの成果があった。海外でここまでステップアップした。課題はこうだ。普及においてはこういうビジョンで、PDCAはこうだ。強化においてはここをクリアできれば目標にはこれくらいで到達できる。来季は目標を上方修正する。資金目標金額と競技人口目標数は必ず達成する。全日本来場者やネットアクセス者はこれくらいで、潜在的なボートファンがこれだけ今年は増えた。
こういう組織リードが、日本ボート協会の仕事であり、その上で全ボート関係者1人1人を大事にしてその幸福度や満足度追求のための環境整備、マネジメントに動くべきなのです。お偉いさんの寄合ではありません。厳然たるマネジメントを行う組織チームでなければいけません。
そもそも、会長とか監督とかコーチとかは、ちっとも偉くありません。権限と責任をもって、組織の中で正しく機能すべき存在であって、問われるのは能力です。そこに必ず人格も備える必要があるので、皆が敬意をもって認めてくださるのです。リーダーは自分が偉いと思ってはいけません。リーダーは謙虚さと真摯さをもって、常に能力と人格を磨くべきです。それは組織が目標達成、理念の実現を目的とするためです。
ふんぞり返って誰かが来るのを待っているのが仕事ではなく、たくさんのチームを回って状況把握と人脈作りと親近感、人望や徳を高めることをすべきだと思います。



もっと日本ボート=日本ボート協会として、ひいきチームを作るのではなくオールジャパンを自覚してほしいと思います。チーム=自分、自分=チーム、という感覚が必要なんです。公平に、全体に目を配って心を配って、漕手1人1人の力と知恵と責任とモチベーションを限界以上に引き上げることに全力になるのが、ボート競技ではないのですか。
数年来、いくつかのチームでボート関係者を恥ずかしくさせる不祥事が出ています。「指導者のみなさんは、いま一度ネジを締めなおして下さい」などと不祥事を出したチームはしっかりしてほしいなんて、俺は悪くないとか関係ないみたいな他人事のコメントはいけません。「日本ボートの不祥事として受け止める。私自身の責任だ。今後再発がないように各チームの徹底指導とモラル向上に協会を挙げて努める」と、具体策を実行するべきです。
今回も、会場問題で「形はどうあれボートがメディアを賑わせてよかった」などと言っていますが、こんなことでは駄目なのです。ボート競技に関わる関係者自身の力で、悪い印象のニュースではなく素晴らしいニュースでメディアを賑わせるようでなくてはいけません。会場も本来はもっとお金を使わずに済む方法を考え、税金で作ってもらうのだからその出資者の国民が納得する考えを示し、多くの人に競技を応援してもらうように努めるべきです。


基本的に、現場の関係者や指導者が努力して強い選手を育てています。それを主導し育成している素晴らしいリーダーであると、協会がトップに位置付けられて信頼されている現状だとは到底思えません。
少なくとも、各チームのボートマンはボートに命を懸けています。仕事のかたわら、勉強のかたわらでボートをサブの趣味でやっている人なんて、トップをめざしている人においては1人もいませんよ。少なからず仕事やプライベートを犠牲にしてボートにほぼすべてを捧げています。ボートのために生きています。僭越ながら、私もそれを少しは自負できます(今は立場も変わったのでそうではありませんが、以前はそうでしたね)。
協会の方は、どうですか?命を懸けて世界トップをとろうという気概があるのですか?
会長自身が、「俺は世界一になる」と本気で言えるのでしょうか。

今までの日本を見ると、やはり世界に挑戦することで満足してきてしまったように私には感じられてしまうのです。挑戦しても負け続けてきました。もっと以前はそうではなかったと思うのですが、今は情報もあります。国内でこれしかエルゴとタイムが出ていないのに、私が日本代表コーチだったら「勝てる見込みはない」のが正直なところでしょう。勝てるとは、最低限世界のAファイナル、できればメダル圏内であってもです。
「やってみなければ分からない」と思って海外遠征しているのでしょうか。しかし、「これなら勝てる」という状態を作って出すべきです。それを実現するための強化と普及に、日本ボートをリードする主役の日本ボート協会が、命がけでこれまで環境作りや人集めや資金作りを果たしてきたのでしょうか。


私はこのブログではできるだけネガティブなことを書かないことをポリシーにしていますが、代表とボート協会に対しては別です。
リーダーがどう動くか、どれくらいの能力と志があるのか、具体策があるのかで我々全体の運命が決まってしまうのだから当たり前です。もちろん素晴らしいボートの仕事をされていると思うのですが、やはりトップを狙うとなると(メダルなどとそこで謙虚にならなくていい、優勝です)、要求が高いのは当然です。
日本ボートを背負う、会長や協会チームの重責は生半可ではありません。たいへんな苦労と困難は私の想像などつかないものだと思います。そこに配慮しながらもしかし、世界一になるには世界一のリーダーシップがなければトップに立てません。

私は日本ボートが弱いのは耐え難いからです。日本には勝てるポテンシャルがあるのに本気にならない、今のボート協会が本気でないから言っているのです。選手と現場に失礼ではないでしょうか。
もっと世界のボートを勉強して、自らの高い見識を皆が共有できる情報として発信してください。現場をもっと引っ張って、優れた指導者を多く育成してください。多くの世界のボートマンを集めて、日本ボートを活性化してください。協会自体が私欲と見栄を捨てて、日本の勝利のために先頭に立って邁進してください。最後には、選手が主役になり、リーダーは陰になるのが理想です。
会議室で内輪だけで話していたって、日本のボートは強くなりません。そして、誰よりも「自分が勝ちたい」「日本を勝たせたい」と、協会が、会長が率先して発言して本気になってほしいと思います。
それができると思うから、私はあえてこういうことを言っていきたいと思います。戦うのはまず若い選手ではありません。最前線で戦うのは大人です。


いまの日本ボートの現状だと、負ける姿しかイメージできません。危機感も全く感じないからです。
日本ボートの現状とは、リーダーや協会の雰囲気ですね。本気になって目を覚まし、目に見える成果を今シーズンから上げていくには、今変わるしかないのです。今シーズンに対しどれだけの覚悟があるのか?

大改革をして、世界基準で戦いさらにトップの争いをするために、具体的に情報発信をしてさまざまな強化をしていく必要があるのですから。
それこそ、日本ボートが世界でトップになることは何百年に一度の奇跡を起こすわけですので、組織全体が本気で限界に挑むアスリート集団になり、限界を破る最高のリードとマネジメントが必要なのです。





今回の記事中における、失礼な表現や文章の数々、ご容赦いただきたく思います。
しかし、日本のボートが強くなってほしいという思いでブログを続け、別に公表する必要もないかもしれないような自らの考えや調べてきたことを発信し続けてきたのもその思いがあったからです。

あと4年しかありませんが、あと4年で大きく変わりましょう(実質は3年半)。そして、4年後がトップにあるべきだからこそ、1年が勝負であり、さらに短期目標の重要性が無限に増してくるのです。4年のプランと、1年のプランを明確に。






※追記(12/8) 今回は少し誤解を招く内容だったかもしれません。
補足として、以下の記事も読んでくだされば幸いです。

「日本のボートが強くなってほしいという思い」
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