これまでは、新勧の意義や大まかな枠組み、基本となる目標設定などについて見てまいりました。
これ以降は、いよいよ具体的なノウハウや分析などについてふれていきたいと思います。

こうした新勧研究は、人が人と接する中において将来的にも役立つような、多くの社会的能力の向上に役立つことと考えています。相手の考えや立場を理解し知っていきながらも、こちらの提示する価値観を理解してもらい、目的や理念への賛同を得てともに一つの目標をめざす仲間になってもらう。そこには、相手を知って相手のニーズを満たしていくことが不可欠です。新勧とは、「人を動かす」ことに通じています。




1.新勧を研究する
新勧研究、じつはこれが新勧力を向上するために最も大事なことではないでしょうか?
学生らしく、新勧を研究対象のようにして考えていきましょう。勧誘が上手い人も、コツみたいなものだったり見た目の爽やかさやコミュニケーション上手なところで成果を上げていると思いますが、新勧を突き詰めて考えていくことでさらに成果を高められますし、周りに教えることもできるでしょう。
ボートで結果を出す人は、常日頃からボートのことを考えていると思います。しかし、新勧について常日頃から考えるような人は滅多にいないのではないでしょうか。期間が限られているし、そんなこと思いもよらないことでしょう。
しかし、大学でたくさんの入部者を集めている運動部やサークルは、必ず新勧についてのものすごい努力をしています。かなりきちんとしたノウハウも持っています。それでこそ、大量入部を実現しているのです。ボート部でも大きな国立大は、新勧で30人とか40人の入部をさせるところが実際にあるのですから。別に学生数が多い大学とかではなく、ひとえに新勧力の差だといえます。

ビジネスでは自分が扱うサービスの専門性をとことん突き詰め、商品をわかりやすく説明・紹介できることで信頼性を得ていくことができます。そしてもちろん、常に世の中や顧客のニーズについて応えようという姿勢が社会や人から必要とされるサービスや価値を生み出します。

新勧は、信頼の積み重ねです。そして、いかにボートの魅力やボート部の価値、自分自身の人間的魅力をアピールしていくかです。そしてまた、新入生自身を知り、自分たちを知ってもらう。ニーズに対して、それに応える価値やサービスを提供して満たしていく。これらの研究が必要ですよね。他部やサークルとの競争でもありますので、ナンバーワンかつオンリーワンをめざすことです。

2014年2月のブログ記事「新勧必勝法」シリーズでもふれておりますが、今回はもう少し具体的なケースを想定して、新入生を入部に導く方法を考えていきたいと思います。
それらは、ただ人数をクリアするのではなく、「ボート部を強くする」、「自分が新勧を通じて人間として成長する」、「ボートを好きになり、新入生や周りの部員にも好きになってもらう」、「社会やボート界に対する貢献にもなる」、といった多くの大事な目的に沿うこと、そのために私はこのような記事を書いています。もちろん、現状で部員減に悩む大学や高校が復活してほしいですし、こうした新勧意識の高まりからボートに向いた逸材が何人も新規に得られる、そしてボート界の競争意識が高まり国際的な競技力にもつながる、このようなところまでが動機になっています。

ただ人数さえ入ってくれればいい、というような考えには私は賛同できません。新入生に対する責任が生まれますからね。やはり新勧はボート部において組織の目的にもなりうる主要なマネジメント、自分とチームと社会とすべてにおいて真摯さをもっていくべきテーマなのです。




2.新勧の流れ
今日の本題は、新勧の流れについて見ていきます。
新勧の流れとは、大学の新歓期間で新入生と出会ってから、入部へ至るまでの過程です。
2015 新勧の流れ用 N村&T本 正門前



Ⅰ.ファーストコンタクト(出会い、キャッチ)
Ⅱ.セカンドコンタクト (食事・試乗会等のイベント)
Ⅲ.サードコンタクト  (電話やメール、直接会って説得)


私が新勧研究用に作った資料に沿っての話になっていきます。R大だけでなく多くの大学でこのような流れになると思われますので、こうした流れが前提として話を進めさせていただきます。
ファーストコンタクトだとかキャッチとかこれは私の用意した用語です。(キャッチは普通に使われているでしょう)
新入生がボート部を希望して説明を聞きに来るケースもありますが、多くはこちらから積極的にキャンパス内を歩いている新入生に話しかけ(キャッチ)、興味がありそうなら出店やブース、教室などに連れて行きパンフなどを見せてざっとボート部についての説明をします。これがファーストコンタクト(最初の接触)です。

さらに関心をもってくれたなら、食事会や試乗会などのイベント参加を勧めます。これがセカンドコンタクト。ここに来てくれる新入生は、実際に多くのボート部員と話したり試乗会ではボートそのものにふれて、自分に合っている競技なのか環境なのか人なのかということを実感してもらいます。また、質問や相談によって、お互いをもっと知るようにしていきます。

そして、新入生がイベント参加していくなかで、ボート部への理解度や本気度を見極めていく必要があります。連絡をとりつつ個別に接触をして、よりボート部について詳しく話し、新入生の考えや人間性を知っていきます。悩みを取り除き、時には協力して課題を解決し入部に近づけていきます。これがサードコンタクトです。

それ以降は、ⅡとⅢを繰り返す形で、新入生とおもに担当する部員との関係を深めていきます。(この担当は柔軟にチェンジする場合もある)


いろいろ聞いていますと、3回くらいイベント参加すればだいたい入部を決めてくれるのが平均的のようですが、いきなりビビッときて即決で入部宣言してくれるような人もいれば、5回以上来ても決断できず、中には1~2週間では決まらず1カ月以上決断できない人ももちろんいて、実にさまざまです。ときには夏になるまでかかる人もいます。単に優柔不断なだけではなく、そこには新入生それぞれに解決すべき問題が出てくるからです。
ちなみに私自身は、試乗会も参加していないし1カ月近く決めきれなかったやや特殊なケースでした(笑)。対校戦は観に行きましたし、すでに練習も陸トレなどガンガン参加していたのですが。しかし、他の同期と同じくGWには合宿入りしましたが・・・。

こういうのはしかし、本当に就活のプロセスにも似ていますよね。
就活は学生の方から企業に応募していくイメージが強いですが、本来、企業側が採用募集をかけるもの。企業からすれば優秀かつやる気のある新人が必要なので採用情報を広く広報・宣伝してⅠで有望な学生にアプローチ。ここでは新入生が色んな部やサークルを回るように、就活学生も色んな企業や候補を考えますよね。Ⅱで会社説明会や各種イベント、時にはインターンシップなども利用し集団で参加する中で、自分に合ったところかどうかも判断しながらお互い候補として絞り込みます。Ⅲで個別に最後の詰めとして、エントリーシートなどで申し込んだり志望していき試験や面接を受けると。これを繰り返し、企業の方でも適性や将来性や本気度を見極めながら、限られた枠の中でさらに入社を確定するかどうか絞り込んでいくわけです。




3.ファーストコンタクト 前編
大学キャンパス内で出会って最初の説明です。新勧力が最も問われる場であるといって過言ではありません。
ここはもう「第一印象」という点でいかにボート部を印象に持ってもらうか、そして次の食事会、試乗会へのセカンドコンタクトへつなげるか、そこが目的です。当たり前ですが、ここで入部をいきなり決める人などいません。

このファーストコンタクトの中でも流れがあります。


①声をかける(キャッチ、ハント)
②連れてくる
③相手が話を聞く態勢をつくる
④話をする(ボートの説明、ボート競技の良さ、部のアピール)
⑤話を聞く(質問をして相手のことを知る、真剣に聞いて信頼感を与える)
⑥自分を知ってもらう(自己紹介、自己アピール、顔と名前を覚えてもらう、誠意・熱意を伝える)
⑦次の約束をする
⑧確認をする(顔と名前、約束の時間・場所)
⑨礼儀(ありがとう、よろしく)


①の新入生に声をかけるところは、大学によってキャッチ、ハントなど色々な呼び方があるようです。街なかでの怪しい勧誘とは違いますからね!キャンパス内での声かけは体育会やサークルの勧誘だと新入生も分かってますから、大学公認団体として堂々と、そしてさわやかに体育会のアピールをしたいところであります。時間がありそうなら拠点へと連れていってじっくり説明、時間がなさそうならビラやパンフを有効に使い、その場で簡単な説明をしてイベント参加の約束にこぎつけます。

そして、この①が最大のポイントなのです。この最初の声かけによる成果は、人によってたいへんな差が出るところです。積極性、声をかける人数、有望な新入生の見極め、話を聞いてもらえるかの力量。毎年ここで、多くの可能性を失っていることを改善しなくてはいけません。有望な感じで体格もいいが、手ごわそうだし他部がガンガンアプローチしているので競争率も高い。ここに気後れしたり臆したりしてはいけません。やはりボートは体格や気力が優れた印象の新入生には積極アプローチしてください。先手必勝、スカウト一本釣りです。
2015 大学構内の会話

そして、話を聞いてもらえないことが続いて気疲れしてしまいひと休み・・・、いや、休んでいる暇はありません!素早い気持の切り替えが大事です。そもそも弱気でいると、話を聞いてくれそうなおとなしそうな新入生をついつい探してしまってキョロキョロ時間を浪費しがちです。おとなしく人に流されやすいクルーの雰囲気と、自分をしっかりもっていて賑やかで盛り上げ上手なクルーの雰囲気、どちらがいいのですか!?やはり声をかけて実際話してみないと分かりませんので、自分に自信をもって話しかけてください。このようなことができる、事前のトレーニングが新勧には必要です。新勧リーダーは今のうちに勧誘部隊を精鋭揃いに鍛えてください。

また、多くの新入生は気さくに出店や教室についてきてくれるかと思いますが、「ボート部」と聞いただけで「いや、特に興味ないんで」と断る新入生も多数いると思われます。街頭のティッシュ配りよろしく、自動ビラ配りマシーンと化してはその他大勢と何も変わりません。ボート部に入ってほしい情熱をアピールするどころの話ではなく、行動に出せないのでは何もしていないのと同じです。
ここを、「じゃあ話だけでも」という反応に変えられるかどうか、第一印象と話術を工夫してください。無視するような新入生以外は必ず説明を聞いてくれるはずです。逃げたり断ろうとする人は、その他大勢の勧誘を相手にするのがいやなだけで、そして「自分で選んで決めたい」主体的な考えを持っているのだと思います。少し我の強いタイプかもしれませんが、「ボート部?何か他とはちょっと違うな」となるような工夫をしてください。

こうした最初の行動次第で、目標人数の達成や、ボート部を背負って立つ人材の確保へとすべてつながっていくわけです。
できるだけ入部者候補を作るための大事な入り口です。はっきり言って、もろに試乗会参加者数に響くところなのです。


とにかく、新勧で最も重要なのは、自信です。
ボートが好き、誇りを感じているというところまで伝わればなおいいと思います。

「えー、ボートですかー?」
「面白いからやってみようぜ」
と自信持って、笑顔で楽しそうにボートの良さを語れば、全然知らないことでも、ちょっと気にはなりますよね。
「これが実際やってみるとすごい奥が深くて、感動が味わえるスポーツなんだよ」
自信を持って言い切ることです。素直に、本心で伝えるのがポイントです。相手にゴリ押しではなく、自分が好きである感じが伝わること。生き生きと魅力的に話してくれる好印象の人を虜にするスポーツってどんなのだろうと、それは気になりますよ。
強引に連れていくよりは、ボートをやれば間違いないよと信頼を与える印象が必要ではないかと思います。(多少の強引さもかなり必要ではありますが)

また、ボートが好きで、楽しんでいることが伝わる。何か、応援したくなりますよね。まずボートに興味が向くというより、ボートをやっているこの人に興味が湧く。そして、この人を夢中にしているボートというスポーツに興味が出てくる。

こうした姿勢は、別に新勧でなくとも重要なことではないでしょうか。




4.ファーストコンタクト 中編
②③で出店や教室などの拠点に連れてくる際に、落ち着いて話を聞きやすい環境を作ってください。次のガイダンスまで時間がなくて話がうわの空だったり、隣がうるさすぎてよく聞き取れないなどであれば場所を移すとか、きちんと環境や相手の雰囲気を意識。

④話をする
ここで多くは、きれいな力作のパンフレットを渡して、ボート部の説明をしていくと思います。しっかりとボート競技とはどんなものかをビジュアル中心に説明して、大まかな部の雰囲気や1年間のスケジュールなど、パンフを使った説明をしていきます。どこの部やサークル勧誘でもやっている、定番の風景でしょう。しかし、ここでまた他と差別化できるサプライズがあると効果的なのです。贈り物作戦とか、学校案内、学校情報、雑談なども重要です。
そして重要なのはボート競技を印象付けることであり、「大学から始める人がほとんどで、スタートは横一線」「初心者でも頑張れば必ず勝てるスポーツ」といったボート競技の入りやすさや、「皆が一つの目標に向けて頑張っており、人間的に成長ができる環境」「一生の仲間ができる素晴らしいチームスポーツ」というようなボート部の環境アピールなど、何か新入生に覚えてもらうことですね。
新勧パンフ説明

⑤話を聞く
一方的な説明ではうまくいきません。新入生の情報を知らなくてはいけませんし、こちらが話すこと以上に実は大事な部分です。「聞く力」というやつですね。新入生の情報とは、やはり顔と名前、学部や経験スポーツ、身長や出身高校、そして重要なのがやはり連絡先ですが、このご時世なので個人情報を聞き出すタイミングや扱いには慎重に。

⑥自分を知ってもらう
自分のほうから自己紹介して、ボート部だけでなく勧誘した自分自身の顔と名前、漕手やマネージャーなど役割や学部、などボート部員である自分の情報をきちんと伝えます。こうすれば相手も安心しますし、地元が近かったり経験スポーツが同じだったりすると、共通の話題として話も盛り上がりますよね。(地元トーク、昔の部活トーク、学校・学部トークは新勧あるあるです)
自分自身がボート部で何をめざしていてどういう役割をしているのか、知ってもらうことで「ボート部の○○さん」を覚えてもらうのが重要なのです。

私は今でも最初に声をかけてくれた2人組の先輩(しつこかった・・・いや、熱心でした(笑))と、出店でCOXについて熱く話してくれたCOXの先輩や漕手の先輩が誰でどんな話をしてくれたかを鮮明に覚えていますし、食事会の飲食店で会ったマネージャーの先輩や同期、漕手の先輩方なども思い出せます。しかし、他に誘われたサークルや他部の先輩のことはあまり覚えていないのです。場所とか風景は記憶にあるんですが、どんな人だったかいまいち思い出せない。ボート部以外は熱心なのは最初だけで、その後自分を追いかけてくれなかったのも、ボート部に傾く大きな要因でした。

新勧の最初の時点でいかに覚えてもらうかとは、そういうことなのだと思います。新勧力とはそういう差です。できれば強い印象を残すことです。粘り強いアプローチや、熱意、誠意もあとあと響いてくるわけです。




5.ファーストコンタクト 後編
⑦次の約束をする、ここをしっかり締め括らなくてはいけません。いわゆるクロージングです。
これまでずっと良い新入生を引っ張ってきて、色んな話ができても次の食事会イベントや試乗会、ボート部のところに来てくれなかったらすべて水の泡です。
新勧とは、小さい約束を積み重ねながら、最後の入部という最終的な大きな約束につなげていく、契約や取引にも似た活動です。お昼に誘ったり、学校案内をしてあげたり色んな相談に乗ったり、そして食事会や試乗会のイベントの約束をしていきながら、最終的に入部の意思確認、練習の約束、合宿所入りの合意などにつながるわけです。

新入生も色々忙しいですから、しっかり予定を押さえて、新入生のスケジュールを把握しないといけませんよね。何かと理由をつけて一緒にいる時間を作らないと、相手もボート部やボート部員のことを知ってもらえないし、自然に通ってくれるまでは毎回、約束を直接とることが重要です。携帯スマホは音信不通になる可能性があるので直接、その場で約束が良いと思います。

⑧確認をする、これはきちんと相手に覚えてもらうために確認します。1度ならず2度以上、相手に伝えてください。
人は聞いた話を少ししか理解していないと言われていますので、初日に聞いた話など全部覚えているわけがないのです。皆さんの経験上でも、自分が言ったことを全部相手が理解してくれることなんてないでしょうし、人が話してくれた内容も、あまり覚えていないし覚えている部分は自分に都合のいい箇所だけ自分の考えに変換してしまいますよね。
要するに、相手が「覚えていない」前提で行動しましょう。
自分の顔を覚えてもらい、ボート部員である自分の名前、そしてイベントの時間や待ち合わせ場所など、相手に復唱してもらうように心がけます。

そして、⑨礼儀正しく、あいさつをして別れましょう。
このへんは、イベントを重ねるごとに、「ボート部の人はとてもよくしてくれる」という印象につながるはずです。
ボート部員は、新勧でも普段でも礼儀正しい組織の一員であるべきです。




6.セカンドコンタクト(食事・試乗会等のイベント)
最初の接触が終わったら、次は食事会や試乗会、チームによってはボート部説明会やいきなり練習会だったり新入生合同ナックルレースなどもあるでしょう。
とにかく、大勢での交流会によってボート部員と新入生との親睦を深め、また新入生同士でも仲良くなって楽しんでもらい、ボート競技やボート部のことをより知ってもらうための次のステップだということです。
新勧食事会風景

効果的なのはその日のうちにその足でキャンパス近くの飲食店に来てもらったり、コースでの試乗会で実際にボートにふれてもらうことです。しかし、戸田コースだけでなく、試乗会や艇庫に来てもらうイベントでのチーム事情は全国で色々だと思いますので、環境に合ったスケジュールを立てているかと思います。
わざわざ来てくれる新入生は、すでに候補者であるかもしれませんが、中にはサークルの新歓コンパ的なかなり軽いノリでタダ飯目当ての新入生や、入る気さらさらないのに人数稼ぎで強引に呼んだとか色々あると思います。しっかりイベントでの趣旨や方針を決めて全部員が共有してください。

ここではおもに、ボート部の雰囲気を感じてもらい、部と自分をさらに売り込みます。他部やサークルがガヤガヤしていたキャンパス内の場所とは違い、ホームアドバンテージの中で、熱く説得できる場となります。勢いと雰囲気の中で、入部に心が傾く新入生も多くなると思いますし、しっかりとホスピタリティ精神(おもてなし、ほめる、サービス)を発揮して、新入生に楽しんでもらいましょう。
新勧は新歓ともいいますね。歓迎イベントはアイデアいっぱいでエンターテイメントにあふれる催しも企画し、新入生を楽しませるといいですね。
試乗会では、もちろんボートを実際に体験できるので、百聞は一見にしかずといった絶大な効果があります。やはりボート部に入ってもらうにはボートにふれてもらわないといけません。
試乗会の風景

このように、勝負の場となります。ファーストコンタクトでは、あまり多くの時間がとれなかったでしょうから、こうしたイベントや、またそれ以外の個別の食事などを通じて、じっくりとコミュニケーションをとって関係を深めてください。
実際、最後に皆の前で新入生に自己紹介をしてもらうパターンが多いのではないかと思いますが、入部宣言が多くみられたりします。

そういうことから、いかに新入生を集められるかです。食事会や試乗会、一回あたりでの目標人数を決めてファーストコンタクトに当たる必要があると思いますが、この人数が実際の入部人数に直結します。
このようなイベントに来てくれる新入生がどれくらいボートに関心があってどれくらいアプローチが進んでいるかにもよりますが、私は最悪10%、良くて30%が入ってくれると辛く見ていますので、延べ人数ではなく合計で100人参加があればそのうちの10~30人入部してくれる見込みがあるのではないかと。20人くらいしかイベント来てくれなかったら、2~6人程度かも。それくらいボート部や合宿など入部へのハードルは高い気がしています。

しかしこんなのは概算でしかありませんので、実際にはもっと来てくれる分母を増やし、そして入部してくれる分子を増やす、これは部員の熱意と新勧力とにかかっていると思います。
誰が来たかの把握もしっかりと行い、ここではチーム内で新入生の情報を共有します。現状把握は部全体で共有しないと目的意識が共有できませんし、部員1人だけしかこの新入生に対応していない、知らない、とかでは困るためです。




7.サードコンタクト(電話やメール、直接会って説得)
いっぽう、新入生の側でもこうしてボート部のことをよく知っていく中で、他の部やサークルなどと比較して候補をまた絞っていくわけです。自分に合っているかどうか、大学4年間をかけてもいいのか、きつそうだけど続けられそうか、他にもっといいところがあるのではないか、そういう基準や考えで選んでいくはずです。それらに応えられるアピールや価値を、しっかりと伝えるようにしてください。他部よりもサークルよりも、ボート部が一番だと思ってもらえる新勧が必要なのです。

そこで、できれば次の約束は現場で行いたいですが、電話やメール(今はさすがにLINEが一般的ですかね!)で確認したり、イベントに来てくれたお礼がてら感触を聞き出します。
数日が経過すれば、どの新入生がボート部に関心を持って反応が良い、つまり「入部見込みのある候補者」なのかが分かるでしょうから、そうした見込みがあって入部に前向きになってきた新入生とは、深い話もしていく必要があります。
深い話とは、親には話しているのか、お金やその他の問題など入部に対する障害は何もないのか、そういう話も聞き出していくわけです。本音や相談事が出てきますし、ネガティブな話も当然あります。悩みをよく聞きつつ、味方になって誠意をもって真剣に答えてあげることです。

そういうところで、電話やメール、LINEなどの個別の通信は重要ですし、また個別に会うためにお昼やフライ(オフ)に誘ったり、イベントの中でも個々に話し合う機会というのが重要なのだと思います。
大学生活を決める決断ですから、慎重に、そして食い違いのないようにお互いを知らなければいけませんからね。調子のいいタイプの新入生に気をつけなければいけないのはこういうところでしょうし、誤解があったまま入部してしまったとなると、途中退部にもつながりかねませんから、勢いだけで進めないことが大事であると思います。

新入生が入部を決断するには、検討期間の長さにかなりの個人差があります。即決派、慎重派、直感派、優柔不断派と色々です。あまりにも長期戦になる場合は期限を設けたり、フェードアウトがないよう練習や会合・食事の約束などで定期的に会うことはしてください。しかし、急かしたり決断を迫ったりしすぎず、こちらがじっくり待ってあげることも大事です。

以前にも言ったように、最初の対応が肝心です。コミュニケーションを深めてお互いを知る中で、誠意をもって対応してください。入るときは、ボートを頑張る意志があるかどうかを直接間接に確認してください。新入生の人間性や性格をよく見極めましょう。





これらはおもに、私自身の考えや見聞きしたことをベースにしています。それ以外にも他大学の資料や新勧について考えているブログなども参考にしていますし、色んな本などにあるような人の心理について個人的に考えたことやさまざまなアイデアなどが発想になっています。
それだけ私の関わってきたチームでは新勧の意識改革やノウハウの研究が重要だと感じていたわけで、そして多くの大学でも同じ課題を抱えていたりするのではないでしょうか。

まだまだ私の分析は甘いかもしれませんが、今後もっともっと新勧や人材獲得の研究が進んでいけば、ボート界にとってより多くの人材が得られるようになっていくのではないかと思います。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://rowingcox.blog.fc2.com/tb.php/266-f408c76c