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艇の研究シリーズ、この10回目で最終回となります。
艇への関心や考察を深めるための記事はこれからも機会があれば書いてみたいですが、色んな資料やデータがないと書けないところでもあります。




さあ、この記事では各チームの艇庫にお邪魔するイメージで、チームによって特徴の出る所有艇を調べさせていただきましたのでご紹介いたします。
OBが久しぶりに自チームの艇庫を訪ねてみたり、あるいは現役選手の方も他チームの艇庫に入る機会などがあったら、整理整頓されているかどうかも見てしまうかもしれませんが、まずどんな艇があるのかアームに乗っている艇を見てしまいますよね。

新しい艇が色々と出ているんだなとか、このメーカーの艇ははじめて見たとか、色んな艇を眺めて楽しむことができると面白いと思います。艇庫の中は、ワクワクの不思議発見ワールドですね!エルゴがずらっと並んでいたり練習器具が増えていたりとか。




あくまでも参考の情報記事ですので、他にもたくさんのチームの所有艇を調べることができれば面白かったのですが、今回は15チームの所有艇をご紹介させていただきます。
直接メール等でお聞きしたチームもありますし、HP等でネット公表されているチームはそちらを調べさせていただきました。ご了承ください。

製造年や購入年、型式、体重設定など詳しい情報はここでの目的ではないため記載せず、あくまでも各ボートチームがどの艇種をどれくらい所有していて、どのメーカーが多いのか、というのを参考にしていただくだけの目的です。
それだけでもチームの特徴が出ますし、チームの方針や考え等を知ることができるものと思います。しかし興味を引く特記事項や、差し支えのない情報は私個人の感想とともに色々と付け加えるいつもの書き方をさせていただきたいと思います。

レース艇とトレーニング艇もすべてカウント、多くは古い艇やグレードの低い艇、重い艇などはトレーニング艇として使っているはずです。艇庫の奥に眠っていたり一番上のアームに長年保管しているような使わないままの休眠の艇はカウントしない、といった形で現役で使っている艇を基本的にはまとめています。
チームはおなじみ伏字で書かせていただき、実在の団体・個人とは関係ない建前で記載させていただきます。

それから2X/2-、4X/4-などのスカルスイープ兼用艇の表記については、メーカーHPやカタログではX/-の順番が一般的ですが、ここでは便宜上チームで使用することの多いと思われる艇種を先に書いたりして、あえて統一しませんでしたのでご了承ください。



今回、調べに快くご協力くださったチームの方々、全日本やインカレでお忙しい中で本当にありがとうございました。
この場を借りて深く感謝を申し上げます。











各チーム所有艇










S台大

S台大 漕門館看板記事 S台大大学HPより
宮城県柴田町に位置するS台大合宿所の漕門館。艇庫は合宿所からすぐの場所にあるようです。
S台大学HPより写真掲載させていただきました



S台大 所有艇

男子
1X  フィリッピ7(レース艇)、カンファ9(トレーニング艇)、ベスポリ1艇(A部監督個人艇をトレーニング用に寄贈)
2X  フィリッピ2
2-/2X エンパッハ1、フィリッピ2
2-  フィリッピ3
4X  フィリッピ1
4-/4X エンパッハ1(例の青いエンパです!)
4-  フィリッピ2
4+  エンパッハ2、フィリッピ1
8+  エンパッハ3

女子
1X  フィリッピ4、桑野1、カンファ3(トレーニング艇)
2X  フィリッピ1、桑野2
2-  桑野1
4X+ エンパッハ1、桑野1
4X  フィリッピ1


これは今回調べた中でもかなり多い数ですね。さすがに年々大きくなっているチームならではです。
S台大で最も詳しい方に聞いたのですが(笑)、色々な情報も教えてくださったのでいくつか書かせていただきます。

まず男子2Xと4Xのフィリッピ、2019年購入の新しい艇はどちらもアリアンテ。このアリアンテとは最近よく聞くと思うのですが、フィリッピだけの言い方のようで、要はいわゆるバックウイング、バウマウントのリガーです。「アリアンテ」とはイタリア語で「グライダー」を意味するそうです。その名のとおり、今にも空を切り空を舞ってくように軽快で宙に浮いたようなデザインです。 自由に風に乗るグライダーを彷彿とさせる、立体的なフォルムがこのバックウイングリガーですね。
2019インカレM2XS台大


S台大所有のフィリッピは、すべて世界選手権やワールドカップで使用した払い下げ艇だそうです。部員が増えてたくさんの艇が必要になる大学チームは、こうした払い下げや他チームから安く譲ってもらう艇も必要になり、ほとんど使っていない艇ならぜひとも欲しいところであり、このようなやりくりをして十分な数の艇を揃えています。
エンパは一部を除き新艇ということで、エンパへのこだわりが見えます。しかし例えば、男子の2009年購入したエンパ8+艇は、北京五輪でオーストラリアのW8+が使用した艇だそうです。オープンのW8+なら、日本の大学男子にはぴったりでしょう。
女子が4+と8+を編成するときは男子から借りることもあるが、原則として男女別など、これはどのチームも色んなやりくりで男女共用もしつつ基本は男女別にしていることでしょう。


ほかにも日ボ造艇研究会がアテネ五輪に向けて設計した型を10年後に特注しているとか、さまざまな背景のある艇をお持ちであり、艇の購入・製造・入手法などかなり多彩です。
監督やコーチは、こうした面からも普段から人脈作りをしていくことで、艇や設備の購入など資金や物のマネジメントに役立てていくことが求められます。S台大は海外の艇も払い下げで交渉し購入してしまうということで、さすが元代表コーチという感じがしますね。


S台大 M4+ S台大大学HPより
S台大学HPより写真掲載させていただきました















T北大

T北大 釜房艇庫 T北大HPより
東日本大震災により名取市・貞山堀の艇庫が津波で流されて以来、現在はここ宮城県川崎町の釜房艇庫を拠点とするT北大。
T北大HPより


T北大戸田艇庫 T北大HP
こちらの戸田艇庫のほうが皆さんおなじみですね。ホームと戸田に2か所の艇庫を持つのはT北大とT波大くらいか。
T北大HPより



T北大 所有艇

男子
1X  桑野7、キウイ4、フィリッピ3、デルタ3、エンパッハ2、ヤマハ1
2+  桑野1
2-  フィリッピ2、ベスポリ1
2-/2X 桑野3、ウィンテック1
4-/4X フィリッピ1、サイクス1
4-  フィリッピ1
4+  スイフト2、デルタ1、ベスポリ1、エンパッハ1、フィリッピ1
8+  エンパッハ6

女子
1X  デルタ4、スイフト4、桑野1、ベスポリ1、フィリッピ1、キウイ1
2X  フィリッピ1、デルタ1
2X/2- ウィンテック1、アイリングス1、桑野1
4X  サイクス1、フィリッピ1
4X+/4+ スイフト1、サイクス1


確認してはいないのですが、釜房艇庫と戸田艇庫の両方を合わせた合計数だと思います。
メーカーがたいへん多彩です。ヤマハ1XがあるのはT北大ならではでしょうか。(H内浩太郎さんが監督を務めた歴史あり)また、キウイというのは私も知らなかったんですが、NZのボートメーカーで、今はLASZLOというメーカーに変わったそうです。興味ある方はHPがあるのでご覧になってみてください。あとでメーカー追加するかもしれません。

LASZLO BOATS NZ

T北大、こちらもなかなか特徴が出ていて面白いですよね。S台大のようにエンパ、フィリッピを中心に、桑野もうまく購入しつつトレーニング艇は1Xでカンファを使うのでほとんど、という購入と比べ、T北大ではメーカーが多彩です。セレクション私大は特定のメーカーに集中、国立大はかなり色んなメーカーをまんべんなく揃えるという傾向があるように思います。私立は特定のキーマンである監督やコーチの人脈で買い、国立はあまり偏った買い方はしないなどさまざまチーム事情や方針も表れます。


T北大はまず部員が多いので、艇の数は豊富です。2000年代前半、1Xトレーニングと1Xでの代表選考が日ボから推奨されたのでこの当時1Xを買い揃えたところもあるかもしれませんが、国産の桑野とデルタは小艇で比較的多いですね。T北大の1Xは男子が20、女子が10と十分な数があります。桑野はやはり高品質なので、レース艇での活躍が多いですよ。
2019インカレW2X T北大 FBより
2019インカレではW2XやW1Xなど、緑ラインに仕様を揃えた桑野艇が活躍。
以下、すべてT北大Facebookより掲載させていただきました。


そしてやはり8+に力を入れるチームなので、エンパの8+艇が6艇(!) もちろん、2000年前後あたりから購入を重ねてきての数だと思います。インカレM8+出して、さらにオッ盾に3杯は出せるチームですからね。釜房にも2杯くらいはあるでしょう。
しかし、意外にもエンパはほぼM8+のみで、4+もエンパを持っていますがM4+ではスイフトをよく使っている印象があります。そして4X+ではサイクスを使っていました。男子は8+以外の種目はフィリッピのイメージが出てきています。
T北大 フィリッピを出艇 FBより


海の森で活躍し、2019年インカレではM8+6位。インカレM8+制覇に力を入れるチームの一つですが、小艇ではフィリッピや桑野やデルタ、ウィンテックやサイクス、スイフトやベスポリなど多くの艇を活用しM8+の艇速につなげてほしいと思います。
また、女子も国立大としてナンバーワンといってもいいくらいの実績・実力・総合力を持っています。インカレではこれまで通りスカル主体のW4X強化路線で行くか、W4+、W2-にシフトしW8+制覇も視野に入れるのか、今後の動向に注目のビッグクラブです。
T北大フィリッピ4- 出艇 FBより 















H橋大

H橋大艇庫 H橋大新歓ブログより
では戸田に移りまして、H橋大です。もう真っ赤な艇がたくさん、というイメージのチームです。
私も戸田に行った際、H橋大艇庫の前を通るときに移動式ラックにずらっと積んだたくさんの艇を思わず横目で見てしまうのですが、知られざるHUBCの所有艇に迫ります。
H橋大2020新入生歓迎ブログより



H橋大 所有艇

男子
1X  フィリッピ2、エンパッハ2、サイクス2、ウィンテック10、スイフト5、桑野8
2-  フィリッピ2、ウィンテック1
2-/2X フィリッピ1、エンパッハ2、ウィンテック1、ベスポリ1
4-/4X エンパッハ1
4-  フィリッピ1
4+  フィリッピ1、エンパッハ1
8+  フィリッピ3、エンパッハ4、サイクス1

女子
1X  フィリッピ2、サイクス1、ウィンテック6、スイフト3
2X  フィリッピ1、サイクス1
2-  スイフト1
2-/2X フィリッピ1
4X+ ベスポリ1
4+  エンパッハ1


H橋大もメーカーの数は豊富です。見たところ、使っていない艇や処分した艇もけっこう多いのでは、というくらい整理されている感じを受け、私の勝手な想像ですが比較的新しい艇が多いと思われます。2-や4+はもっと多い記憶がありましたので。
H橋大といえば戸田でも一、二を争うくらいに艇庫が大きく、そしてたくさんの艇を持っているイメージです。そして資金力は国立大とはいえOB会費や寄付金が素晴らしく、大学から出ている私大に負けない豊富な経済力がH橋大という全国有数のビッグクラブを支えていると思います。
H橋大艇庫アーム 新歓ブログ
H橋大2020新入生歓迎ブログより


男子1X、ウィンテック10!スイフト5!桑野8!ということで、男子1Xだけで30艇くらいお持ちなのはすごいの一言。30ですよ!?男子の1Xだけで。そして女子1Xも12艇です。さすが!
H橋大 艇庫内 新歓ブログ
H橋大2020新入生歓迎ブログより


2-も稼働している艇は8艇ですから、8+2杯分のシートレースやトレーニングができる環境です。H橋大は、冬場のUT、夏場のUTで1Xだけでなく2-を活用するチームです。
4+はもう少し持っている気がしますが、8+は8艇!!すごいですね。男子漕手64人、COX8人いても安心です。


何度か指摘させていただいていますが、H橋大は対校M8+やM4+に関してはエンパッハからフィリッピを使用しているようです。赤い艇は、ウィンテックや桑野だけでなく、対校艇の最高グレードではフィリッピが多いですね。他のチームでも見られるのですが、修理やサービスの点で、特定のメーカーを中心に所有するチームが多くなっています。そのへんの事情と、あとはやはりフィリッピが良いという選択をされているのだと思われます。
H橋大2019全日本 FB
現在の対校M8+「白虎」はフィリッピ艇で、赤い塗装に金のラインがまぶしいH橋大カラー。
H橋大の8+艇は、「四神会」の名の通り、伝統的に青龍・朱雀・白虎・玄武のいずれかの艇名が付けられています。
H橋大Facebookより



H橋大では、2020年の目標をインカレM8+優勝、インカレW4+優勝と明確に掲げておりますので、女子はW4+優勝をめざしていきます。おそらくW4Xには余力がなければエントリーはしないでしょう。W4+、W2-を重視し用意するのはエンパッハ。女子艇にもまた最新艇を求め素晴らしい環境を整えてインカレ制覇に挑むことでしょう。
2019インカレW4_ H橋大エンパ
2019インカレW4+決勝4位のH橋大。今シーズンはM8+とともに悲願のインカレ女子初優勝に挑む。















M大

M大 2019 艇庫 朝練時
次はH橋大のお隣、M大を見せていただきたいと思います。こちらも艇がたくさんありますね。奥行きもかなりあります。
以下、M大Facebookより写真転載させていただきました。



M大については男女の艇の区別が分かりませんので、一緒に掲載させていただきます。

M大 所有艇

1X  エンパッハ8、フィリッピ4、桑野1、ウィンテック1
2-  エンパッハ1
2-/2X エンパッハ1、フィリッピ1
2X  エンパッハ1、フィリッピ1、サイクス1
2X/2- フィリッピ1
2+  エンパッハ1
4-/4X エンパッハ2
4X  エンパッハ1、フィリッピ1
4+  フィリッピ1、エンパッハ1、サイクス1
4X+ エンパッハ1
8+  フィリッピ2、エンパッハ1、ベスポリ1
8X+ ベスポリ1


2-/2Xは2-メインの兼用艇、2X/2-は2Xメインの兼用艇、というように思っていただければいいかと思います。一緒にしようかと思いましたが別々にしました。

これまで大会の艇を調べてきた感じからすると、上記の中で女子艇は
1Xが5~8艇、2Xが3艇、2-が1艇、4Xが1艇、4X+が1艇、4+は共用、といった感じではないかと思われます。男子は2人乗り、4人乗りを普段の練習では活用しているように思いますね。


M大はイメージほどには多くの艇を保管してはいないようですが、良い艇を必要な数だけ購入し、良い艇を長く大事に使うという、大学チームとしては多くみられるスタイルかと思います。なかなかレース艇とトレーニング艇をしっかり使い分けるほど艇庫スペースや艇数に余裕のあるチームは多くないと思っています。
また、新人を一から多く育てる必要のある未経験チームと、高校エリートがトップをめざすためにいきなりハイレベルな艇を使用するチームと、所有する艇が異なるのは当然ですので、各チーム艇数やメーカーやグレードの特徴が変わってくるのも必然なわけですね。その上で、クラブの資金力、経済力が大きく関わってきます。
M大 トレーニング後、エンパを揚げる男子


またM大はエンパッハ、フィリッピをメインとしてかなりの数所有しており、トップチームとしてレース艇のクオリティはたいへん高い艇を揃えていると思います。どれもけっこうグレードは高そうに見えますね・・・。高校トップの実力者が揃っているので、高価でも良い艇を所有していくようになるのだと思います。
M大 M4X


M大は対校M8+にはH橋大と同様、フィリッピを使用しています。
白い8+に紫紺のブレード、私は近年のM大にそのイメージが強くなっている感じを受けます。
M大 M8_フィリッピ


男女ともに大学ボートをリードするトップチームとして、最高の艇を乗りこなしながら強さと魅力を備えたチームとして、これからもM大らしさをアピールしていただきたいと思います。
M大 夕日のW2X















H政大

H政大 艇庫 グリーンレガッタtwitterより
H政大は昨年全日本M4+優勝し、実力だけでなく最近は広報にも力を入れておられ、チームのイメージアップが進んでいるように感じられます。さまざまな努力や工夫によって、魅力をアピールすることは周りからの関心だけでなく自分たちの自信や誇りにもつながっていきますよね。
GリーンレガッタTwitterより



H政大 所有艇

男子
1X  フィリッピ1、スイフト3、桑野1
2X  フィリッピ2、スイフト1
2-  フィリッピ2
4-/4X フィリッピ1、エンパッハ1
4+  フィリッピ2、エンパッハ1
8+  フィリッピ1、エンパッハ1

女子
1X  フィリッピ1、スイフト2
2X  フィリッピ1、エンパッハ1
2X/2- スイフト1
4X+ スイフト1
4X  フィリッピ1、エンパッハ1
8+  スイフト


これはいまのH政大らしい特徴が出ましたね。かなりメーカーは絞られています。
フィリッピとスイフトが多くなっていたという私の印象も当たっていました。

聞くところによりますとH政大ボート部として近年、修理の事情でスイフトかフィリッピしか新たに購入していないそうです。修理と部品関連、サービス、これはボートクラブとして大変重要なポイントです。事故や過失で接触、破損のリスクが常につきまといますし、自動車や自転車その他考えてみても分かりますよね。経年劣化や使用していれば細かい部品やリギング関連で交換が必要になる消耗品もたくさんあります。
こうしたときのアフターケア、サービスがしっかりしてくれるメーカーの艇を買って、長くお付き合いしようということになるのです。実際、私も記事ではレアなメーカーやシェアの少ないメーカーを応援するようなことを書いていますが、融通が利かない、サービスが悪い、その上品質もよくない艇はやはり使えませんので、そのへんは特定のメーカーが支持されシェアが高くなるのは当然の話ですよね。
日々のメンテナンス、いざというときの迅速な対応、こうした総合的な信頼によって、所有艇は決まってくるのがユーザーの本音になるのですね。
H政大 トレーナーPVより
H政大PVより


H政大はフィリッピ、スイフトに絞って今後は揃えていくということですが、H政大カラーの艇も増えてきました。
他のチームでも見られますが、H政大も体育会全体としてチームブランド、H政ブランドを高める取り組みが行われているようです。ボートチームとしてのH政大、かつて70年代や80年代は小艇のH政と言われ2Xや4+で抜群の強さを見せていました。昨年は全日本M4+を53年ぶりに優勝し復活を高らかに宣言しました。今後、再びM8+を獲りに行く路線にチャレンジするのか。あるいはフォアやダブル、ペアで常に存在感を示す方向に進むか。チームオレンジの動向に注目です。
H政大 M8_ pv
H政大PVより



そしてH政大女子も強豪としてのイメージが浸透して久しく、W8+艇もしっかり保有しています。
全日本W8+の優勝は2回。しかしインカレはまだ優勝がないということでどの種目を獲りに行くか。大学トップレベルのチームなだけあって、やはり女子についてもどんな戦略でくるか楽しみです。
H政大 W2X H政スポーツインフォメーションより
H政スポーツインフォメーションより















K應大

K應大艇庫 PV
次は対岸に移りまして、K應大です。こちらも戸田で有数のたいへん大きな艇庫、付属校ボート部や医学部ボート部、カヌー部と共同で使用しており艇庫スペースと敷地は広大です。
付属の経験者、全国の経験者に加えて、未経験者も新勧でたくさん入れる方針をとっていますので、全学だけでも一時は部員80~100人近くになっていたかと思いますが、その大所帯が合宿できるキャパがあるようです。
K應大PVより



K應大 所有艇

男子
1X  エンパッハ3、フィリッピ1、スイフト6、桑野3、ジェイツー2
2X/2- エンパッハ2、ウィンテック3
2+  フィリッピ1
4-/4X エンパッハ2、フィリッピ1、ウィンテック1
4+  エンパッハ2
8+  エンパッハ2、ベスポリ3

女子
1X ジェイツー3、スターライン1
2X/2- スイフト3
4+ スイフト1、ウィンテック1
8+ ベスポリ1


こちらもK應大らしいラインナップですね。ジェイツーの1Xがあるところや、何といってもベスポリ8+ですね。男子3艇、女子1艇。90年代からおなじみのIWAOも現役であります。
また、対校M8+、対校M4+、対校M2-、対校1X用にエンパをまず揃えているのは強豪チームとして当然という感じですが、部員が増えたことにともなってウィンテックやスイフトを増やしているように見受けます。
K應大はフィリッピのイメージは全くありませんでしたが、今年新艇で1Xのアリアンテ(バックウイング)を購入されたようです。ウィンテックのコブラも2-/2Xで2艇買われたようで、ウィンテックのイメージも出てきそうですね。2017年インカレW2-優勝もウィンテックでした。
K應大 2019インカレM2- 
こちらは2019インカレM2-。ウィンテック2-のバックウイングですね。しかしエンパM2-のイメージもあります。
以下、K應大Facebookより写真掲載させていただきました


K應大もたいへんな伝統校ですので、基本対校はM8+。多くの部員数は、WKレガッタのためでありそしてインカレM8+優勝も至上の目標としているため、1年生の部員からオッ盾に出漕させるなど、8+のレース、8+でトレーニングすることが基本方針として持っていると思います。
まず8+でトレーニングをし、そして4+も使用する。2-や1Xをそれほど持たないのはそうした考えがあるからだと思われ、所有艇はチーム方針を表しているともいえます。あとは冬場全員が小艇というチームもあれば、冬場はフォアやエイトでユニフォーミティをひたすら磨くチームも存在し、K應大や例えばC大とかT大なども後者といえるでしょう。小艇も使いますが全員使うことはしないイメージです。もちろん、潤沢に艇数を抱えるチームはわずかですから、限られた艇数を有効に使うということもありますね。
K應大 2019 WKエイトクルー
K應大、近年のWKレガッタでは黒いベスポリ8+のイメージが強いですね。


また、K應大の女子について、2000年代は数人の女子部員で高校トップレベルの経験者が推薦制度やAO試験などで入部し、有名なところではA山選手や現在MY生命で活躍されているU田選手などもいてW1X、W2X、W4X+で数々の戦績をおさめてきました。(一般受験でK應大を希望したかもしれません)
現在は女子部員も増え、新勧で未経験者を多く入れることが多くなっており、小艇よりもWKを見すえたW8+、そしてインカレではW4+を目標にしているようですね。2017年インカレW2-優勝はその方針のもとでのスイープ強化が結果につながったことと思います。
K應大 2019東日本W8_
W8+の積極的な出漕も多いK應大女子。


男子においては常にK應義塾高、K應志木高の付属校の選手がチームの核となり多数派・中心を占めていると思いますが、その中でも優れた未経験者が育ってインカレ優勝を常に窺う戦力を整えてきたK應大。
ファミリーのような強固なチーム意識と愛校心、K應スピリットを胸に宿した驚くべき精神力を合わせ持って、8+優勝に邁進するK應大にはこれからも大学ボートのリーダーとして大きな活躍を期待しています。
K應大 2019インカレM8_















R大

R大艇庫 佐藤秀HPより
では全国のR大ファンの方、お待たせしました。(笑)
戸田の合宿所群の中で最も高さがあるといわれるR大艇庫を見てみましょう。埼京線の電車の中からでも見えます。4階建てに見えますが3階建てです。
高いけど細いビルみたいな印象を持つかもしれませんが、奥行きがけっこうあるので艇庫の中はそんなに狭くはありません。ただ、これまで紹介した大きな艇庫のチームほど艇の収容数、いわゆるキャパは多くはないのでアームの艇の位置を入れ替えする作業は頻繁におこなっています。



R大 所有艇

男子
1X  エンパッハ1、フィリッピ1(OBによる寄贈)、桑野1
2-  桑野1
2X  ウィンテック1、フィリッピ1、桑野1
2+  ウィンテック1
4-/4X エンパッハ1
4-  エンパッハ1
4+  ウィンテック1、ベスポリ1
8+  ウィンテック1、エンパッハ1

女子
1X  ウィンテック1、フィリッピ1
2X  フィリッピ1
2-/2X ウィンテック1 ※男子も使用
4X+/W4+ 桑野1、アイリングス1
4X  フィリッピ1
8+  フィリッピ1


これで以上かと思います。この10年で10艇近く購入ができており、比較的新しい艇を増やすことができています。
ウィンテックが目立っていますね。男子艇の核となる8+、4+、2Xでウィンテックを対校として使用している数少ないチームになるかと思いますので、ウィンテックや桑野の実績を上げたいところです。4-はエンパッハを使っており、選手の希望が強かったと記憶しています。
R大 M4- 2019インカレ
青い4-は「サラミスⅢ」という艇名、エンパッハ。


女子もようやく女子専用艇が揃ってきました。男子と同じくウィンテックが多かったのですがここへきてフィリッピが増えましたので、R大女子はフィリッピを中心にウィンテックもあるというイメージになっていきそうです。
R大と言えば青いカラーリングの艇でしょうか。S橋ヘッドコーチのチームブランディング構想、チームプロモーション構想により2008年から推し進めてまいりまして、艇庫の中は真っ青なブルーに染まるまでになりましたが、白や黄色の艇もまだそれなりにありますよ。
R大 青い艇 S橋コーチTwitterより
S橋コーチTwitterより写真をいただきました


R大も1Xや2-の小艇の数はまだまだ不足しているといえますが、部員数的には男子漕手30名まで、女子漕手15名ほどの規模なのでこれだけの艇があれば運営できます。部員の数だけ1Xや2-を確保するべきという考えのチームもあると思いますが、艇庫の収容問題もありますし、アームの使い勝手を考えれば出し入れしやすい艇数は限られるので、実際問題としてはよく使う艇は大きめの艇で数を絞ったほうがいいという現場の事情もあります。
そういうところも含めて、1X、2-は活用はしますが、スカルは2Xや4X(4X+)活用、スイープでも4+、4-を使いつつ時期になったら8+を出すという年間のトレーニングが定着しているかと思います。個人トレーニングよりもグループトレーニング中心ということですね。
R大 W4X_ Twitter




今後は男女8+の強化を進めながらも、最もRowingを楽しめる艇を選択して思いきりレースを楽しむ。
そのために1Xでも2Xでもいいですし2-もいい。4+、4-、4Xそして8+と、どの艇の良さも感じて勝負できる艇、自分たちが一番Rowingを楽しんで成長もできる艇を選んで、全力でスピードと心技体の限界に挑んでいってほしいですね。
R大 W8_全日本優勝
2020全日本、インカレでは新たな目標に向け、チーム全体で挑戦し青い風を吹かせてほしい。















◯TT東日本

◯TT東日本 艇庫から出る ○TT HPより
スペシャルバージョンとして、現在日本一の社会人チーム◯TTの所有艇も調べてきましたのでご紹介させていただきます。
社会人の実業団トップチームなので、1Xをはじめ最高級の艇を完備しているイメージですね。
以下、◯TT東日本ボート部HPより写真転載させていただきました



◯TT東日本 所有艇

1X個人艇  エンパッハ12、フィリッピ2
1Xチーム艇 エンパッハ4
2X/2- エンパッハ3、フィリッピ1
4X/4- エンパッハ1
4-  エンパッハ1
4+  エンパッハ1
8+  エンパッハ2


おお、エンパが勢揃いですね。
社会人トップチームは1X艇を個人で購入するように求められることがあります。MY生命などはそのように聞いていますね。◯TTでもギザビエ体制になってからHOA(ヘッドオブアラ)での1X選考が義務化されたので、個人艇を購入する選手が増えたそうです。
当然、愛着を持ってプロとして道具を大事にし、しっかりとメンテナンスをしていくことと思います。学生ではありません、社会人ボート選手なので商売道具と同じです。
ですので、一見エンパばかり!たくさん!と思うかもしれませんが、チームとしてはほぼクルーボート中心に購入していけばいいわけですね。
◯TT東日本 艇庫内



◯TTの2大目標は、全日本M8+優勝と、日本代表でメダルをとることだといいます。
そのため特にM8+の購入に関してはかなり頻繁に買い替えており、しかし何艇も保有しておくことはなく使用サイクルがかなり短いそうです。これも資金がかかってかなりお金を使っていると思われそうですが、トップチームとしては当然のことであり、目標達成のために最新の艇を使うことが必要となれば、全力でトレーニングに励むのと同じことです。
長く艇を大事に使う大学チームやクラブチームとは根本的に目的が異なり、性能のいい艇を求め、必要最小限の艇を管理しサイクルが早くなるわけですね。そして少し古くなった艇はおそらく他のクラブに譲渡して常に新陳代謝をしていることと推測します。効率の良い艇庫と艇の管理だと思います。
◯TT 艇庫内打合せ



代表選手が多いので、◯TTの選手の皆さんも個人で最新艇を必要とするでしょう。艇購入については、車の購入などよりも艇の選択や買うタイミングを皆さんかなり考慮して悩んだりするのでしょうね。
自分の艇で、代表に選ばれるかどうか決まるのですから、艇のチョイス、整備などについては、テクニックやフィジカルと同じくたいへん重要になりますよね。
◯TT A川選手 エンパバックウイング 後ろ向きの写真



現在、◯TTのM8+は2杯。
日本代表と並び、全日本M8+優勝というチーム最大目標に向けて、そして日本代表エイトの実現もおそらく視野に入れて、日本ボートをリードする◯TTの大戦略は日本の未来をたしかに見すえています。日本一と世界一をめざす最前線基地として多くのRowingの夢と構想を実現してほしいですね!
◯TT 最前線基地

















D大

D大艇庫 コギカジさん
さて、今度は関西にいきますよ。
関西のチーム、まずは瀬田を拠点とするD大艇庫へバーチャルにお邪魔してまいりました。
コギカジさんサイトより写真掲載させていただきました



D大 所有艇

男子
1X  エンパッハ2、フィリッピ2、桑野8、ヤナセック1、ベスポリ1
2-/2X フィリッピ1、ウィンテック1、桑野1、ファルコン3
4-/4X フィリッピ2
4X  フィリッピ1、ベスポリ1
4X+ 桑野2 (1艇は宝くじ号)
4+  エンパッハ2、フィリッピ1、桑野1
8+  エンパッハ3、ハドソン1、桑野1

女子
1X  エンパッハ1
2X/2- ウィンテック1
4X  エンパッハ1
4X+ 桑野1


D大では1X、2Xだけでなく、4X+、4+、8+の大艇にも桑野が多いのは関西の大学チームらしい特徴という感じがします。
しかし聞いてみるとけっこう古い艇も入っているので、この中にはあまり使っていない艇も含まれるそうです。なるほどたしかに、宝くじ号は久しぶりに聞きましたね。桑野かデルタか、宝くじ関連の資金でたくさん作られ全国の艇庫や大学高校チームが持っていたりする艇ですね。ハルが赤い艇が多い気がします。「宝くじ号」と書いてあるんですが、1990年前後くらいの艇ではなかったでしょうか。詳しい方教えてください。

それからM8+のハドソンは日本では少ないというかここだけかもしれません。実はTレから買った艇だそうで、2009、2010年の全日本M8+でTレが使用していた艇とのことです。◯TTの際にもふれましたが、社会人チームの状態の良い艇はじゅうぶん使えると思います。払い下げの艇、中古艇もほとんど使っていない状態の良い艇が多く、大学チームでは重要な対校艇となりえます。海外クラブもこういった艇を活用しているはずです。
D大 M8_ ハドソン Twitter
D大はこのハドソン8+で2018年インカレM8+7位入賞を果たした。このハドソンでマークした最高タイムは決勝まで0.57秒に迫った準決勝の5'48。
これ以降はD大Twitterより写真掲載させていただきました


近年のボート部はめざましい活躍により2020年度から大学強化指定クラブになったということで、これからはこれまで以上に戦える艇をどんどん購入していく予定だそうです。
部員も増えて、もちろんもっと良い艇も必要でしょうし、艇も揃ったらいよいよ多くの種目でD大が優勝争いすることは間違いないでしょう。すでに2019年のインカレM4+優勝はその序章かもしれません。
D大 M4X Twitter
スイープもスカルも隙のない布陣、多くの種目でD大は躍進を続ける。



艇の名前、すなわち艇名にはチームの特徴というかそれぞれ特色があってこれも面白いエピソードの一つです。
D大では8+は伝統的に「Wild Rover」の艇名。これはD大創設の新島襄が初めて渡米した船の名前であり、D大のアメフト部のチーム名にもなっていますが、ボート部のフラッグシップである8+の艇の名前にぴったりのネーミングです。
4人乗りはラテン語のことわざ、2人乗りはD大設立に貢献した人物の名前。1Xは適当なネーミングとのことで、これから統一していきたいそうです。

2Xには覚馬、八重という名の艇があるとのことですが、どちらもD大設立に貢献しています。覚馬は「同志社」を命名し新島襄と2人で結社した、会津出身の藩士にして京都府顧問、現在の今出川キャンパスの校地を譲ったと言われる山本覚馬が由来。その覚馬の妹である八重は新島襄の妻、大河ドラマ「八重の桜」で有名ですよね。幕末のジャンヌダルクと呼ばれ会津戦争で最新銃と刀を手に勇敢に戦った男勝りの八重は、兄のいる京都に移り新島襄と出会い同志社設立に尽力。
男女平等を望む八重は西洋帰りの夫をジョーと呼び捨てにし、レディーファーストの新島襄は勝気な妻・八重をハンサムウーマンと称するのです。夫の死後には日本赤十字社にも貢献し日清、日露戦争で看護婦として果敢に従軍を申し出ます。看護婦の地位向上に努めたとして政府から皇族以外の女性として初めて叙勲を受けた人物でもあります。

新島襄が海外で出会ったスポーツ、Rowing。同志社でもボートを見たいとの思いを胸にボート部創立の1年前に新島は亡くなりますが、八重が見守る中1891年に第一回春季水上大運動会が石山で開かれ、これがD大ボート部創部となるのです。
D大 2019W2X U治川さん
ウィンテックのW2X艇、「八重」がD大女子の先陣を切って戸田を快走。D大W2X最高位の6位入賞を果たした勇敢な漕ぎは八重の名前にぴったり。
太平洋を越える冒険心とキリスト教精神の理知を合わせ持ったD大男子と、勇ましく戦いハンサムなD大女子は、これからもともに手を取り合って歴史を作ってくれるだろう。そして、多くの後輩たちをRowingの世界に引き込んで、自治自立の精神を広めてくれるだろう。
D大女子も、まだ見ぬインカレ優勝へ。思いはつながり、志は受け継がれる。


D大 W8_ Twitter
D大W8+もいずれ全日本で見てみたいですね!















O阪大

O阪大艇庫 2019PV
関西編、お次は淀川をホームとするO阪大です。「ハンダイ」が略称ですね。
淀川は琵琶湖から流れ出る唯一の河川であり、瀬田川の下流域の名前です。瀬田川、宇治川そして淀川と名前が変わって大阪湾に注ぎます。そこまで長くはないが、たいへん大きな川であり瀬戸内海に注ぐ川の中では流域面積は最大です。
O阪大PVより



O阪大 所有艇

男子
1X  桑野6、ユーロチャンプ1、ヤマハ1
2X/2- ファルコン1、ウィンテック1、桑野1、エンパッハ1
2+  桑野1
4+  フィリッピ3
4-/4X エンパッハ1
8+  エンパッハ3、桑野1

女子
1X  ウィンテック1、桑野1
2X  ウィンテック1
2X/2- エンパッハ1
4X+/4+ ファルコン1、サイクス1
4X+ ウィンテック1、中国艇1(いわゆるチャイナッパ)


稼働していない艇もいくつかあるようですが、ウィンテック、桑野などが多いのは関西チームの特徴という感じがしています。東日本のチームも多くもっていますが、関西は地元なだけにそれ以上に付き合いが長い感じです。
男女で兼用している艇もけっこうあるみたいなのであまり男女と分けなくてもいいかもしれません。ほかのチームと同様、少し古めの艇は下級生用だったり、新しく性能の良い艇は対校艇として使われており、ここ5年くらいでも対校8+や対校4+、対校4X+など新艇を揃えているようであり着々と体制を整えています。
O阪大 天澪 新艇
2017年の新艇、「天澪(てんりょう)」はファルコンのバックウイング。女子4X+躍進のための艇だったようだが、今後は4+として大いに活躍することになるか。W4X+には「天游(てんゆう)」というウィンテック艇もある。
以下、O阪大Facebookより写真掲載させていただきます


O阪大は1896年創部でやはりたいへん歴史のあるボート部です。長く対校M8+にこだわりチャレンジを続け、インカレには対校M8+で挑んできましたがここ数年はM4+などで狙うこともあります。2011年全日本新人M4+2位もあり、2017年には関西選手権M8+優勝もしておりポテンシャルはいつも関西トップレベル。戸田での実力発揮をものにすればいつ頂点へ駆け上がってもおかしくないチームです。昨年でしょうか、S藤H志コーチも招聘し、躍進の準備はできています。D大、K都大、K戸大、O阪市大、O阪府大らに負けてはいられず、関西の雄として全国に覇を唱える日は近いですね。
O阪大 M8+ 2017関西選手権優勝
戸田でエイト「白鳳」が翔び立つ瞬間を見てみたい


女子も常に鍛えられ、国立であるためやはり文武両道は厳しい道ですが勉学に励みながら激しいトレーニングを乗り越えて良いクルーを作ってきます。
O阪大 2018朝日 天澪















O阪府立大

O阪府大艇庫 浜寺 大阪府立漕艇センター 大森工務店HPより
O阪府立大は、大阪府立漕艇センターをホームとする唯一の大学チームです。地元、高石市のT石高校も使用。O阪府大は真ん中の艇庫を使用しているようで、ここ浜寺のコースにはいくつもの艇庫スペースがあり、もちろんセンターが管理所有する艇が1X、2X、4+、KFなどいくつもあります。浜寺公園にある府立漕艇センターということで、戸田公園の国立艇庫や県立艇庫みたいなものですね。
艇庫の対岸にはプール、バラ園、松林などもあり、この浜寺公園は明治6年(1873年)完成の日本最古の公園のひとつだそうです。
大森工務店HPより

浜寺コース 大阪府HP
この大阪府立漕艇センターは、大阪国体(1997年)に向けて1996年に作られた施設。浜寺コースは東京の海の森と同じく海の運河のコースで、浜寺水路を利用した静穏な水面で直線2000mの6レーンがとれる、まさにボート競技のための水域です。
毎年、6月頃に西日本選手権2000m(大阪ボート協会)、7月頃に関西選手権2000m(関西ボート連盟主催)と大きな大会も行われます。関西では貴重な2000mレースが経験できるため大学チームだけでなく社会人も参戦していきます。日本で2000mの大会ができるコースは限られています。戸田、浜寺以外だと長沼、長良川ですか。そして海の森が加わったくらいで、他の水域で2000mはなかなか難しいですね。
この西日本選手権、昨年は4月開催で春開催になりそうですが今年はコロナの関係で9月26、27日に行われます。全日本には出ずに西日本~インカレという出漕プランの大学チームもありそうですね。3つ出るとなると2週間おきに大会、1カ月で3回の大きな大会に出ることになりかなり集中日程になりますからね。
というか、西日本の1週前、9月18~20日にこの大阪府立漕艇センターでインハイ代替大会、全国高校ボート選手権特別大会が開催されるのです。(1000m、M1X、M2X、M4X+、W1X、W2X、W4X+。各最大48クルー)
9月の浜寺、大忙しです。

さて、O阪府大の艇を見させていただきます。



O阪府立大 所有艇

男子
1X  ウィンテック1、桑野1
2-/2X フィリッピ1、スイフト1
4-/4X フィリッピ1
4+  エンパッハ1、スイフト1
8+  ウィンテック1

女子
1X  ペイシェン1
2X  桑野1
4X+/4+ フィリッピ1、ペイシェン1


保有艇としてHPに掲載されていた艇を調べさせてもらいましたが、新しい艇が多く、男子対校M4+エンパッハ、女子対校W4X+フィリッピはいずれも2017年購入、2Xフィリッピも新艇、8+ウィンテックも含め最近5年くらいでかなり新たな艇を揃え、戦闘準備万全という中で部も大きく飛躍していき対校M4+はインカレ最終日常連となりそして2019年、全日本M4+3位、インカレM4+4位というO阪府大史上最高位の成績をおさめるという最高のシーズンを送りました。
O阪府大 2019全日本 M4+3位 エンパッハ
浜寺から戸田へ大きく羽ばたいた、鷹の輝き、「鷹輝」は2017年エンパッハのウイング。
以下、大阪府大Facebookより掲載させていただきました


ホームでおこなわれた関西選手権でも、2019年シーズンはM8+2位。
こちらはウィンテックの対校M8+、トップ4のM4+メンバーだけでなく男子が全体として成長しチームとして強くなった証です。
O阪府大 2019関選 M8+ウィンテック O阪府大HP
2019年関西選手権M8+では5'57をマークし準優勝、ライバルD大やK都大も破っての銀メダルはエンジの鳳凰、「鳳臙」と名付けられたウィンテックで達成。


そして、女子も大きくレベルアップしています。
2019西日本選手権ではW2X2位、そして2019関西選手権ではW4X+4位。インカレにはあと一歩で最終日というシーズンも多く、全日本級の舞台でも飛躍する日はすぐそこです。
O阪府大 2019関選 W4X+フィリッピ O阪府大HP
女子の対校艇、フィリッピの「隼流(しゅんりゅう)」はバックウイング、昨年2019年関選W4X+4位。2018年は関選W2X3位、2017年はもう一つのペイシェン艇で関選W4X+3位、7'07をマークしこのクォドは速かったですね。浜寺はコンディションにより超順のタイムが出ることも多いようです。近年では鳥にちなんだ艇名が多いみたいですね!















K西大

関西河川スポーツ共同艇庫
K西大の本拠は、大阪と兵庫の間を流れる淀川水系の神崎川です。大阪の大学チームは、関東の戸田のように一か所ではなく、おもに淀川、大川、浜寺、そしてこの神崎川と4つの水域に分かれています。

艇庫は「関西河川スポーツ共同艇庫」という広い2階建て、実は大阪府吹田市のK西大は、兵庫県西宮市のK西学院大と、神戸市のK南大の3チームで同じ艇庫で合宿をしています。艇庫だけでなく合宿も同じ場所だと、特に関関戦のライバルでもあるK西大とK西学院大はライバルとしてよりも、同じ仲間の意識が芽生えるかもしれませんね。もちろん、部屋は分かれていて6部屋のうち3部屋がK西大使用とのことですが、トイレやシャワー室、ミーティング室やキッチンなどは共有だそうです。
どちらもマネージャー含め4学年合計で総勢70名近くに部員が増える年もあり現在は30~40名ずつくらいが合宿しているものと思います。K南大も負けずに部員増やしてほしいですね。
関西河川スポーツ共同艇庫 グルコミより
神崎川の共同艇庫 グルコミより

共同艇庫を構えることになったのは、K西大は1934年の室戸台風で、K西学院大は1977年に火災でそれぞれ艇庫を失って以来、長い間拠点を転々としていたそうです。この共同艇庫は1994年に完成、K西大、K西学院大、K南大の3大学で立ち上げたものです。今はこの神崎川で続く関関戦、ボートの対校戦は他の競技より歴史はずっと古く、1957年に始まり60回を超えています。



K西大 所有艇

男子
1X  桑野1
2-  桑野2、ベスポリ1
2+  ベスポリ1
2X/2- 桑野1
4-/4X ウィンテック1
4+  ウィンテック1、ヤマハ2、エンパッハ1(借艇)
8+  エンパッハ3、桑野1

女子
1X  桑野1
2X  桑野1
4X+ サイクス1


K西大の所有艇は、関西チームらしく桑野とウィンテックが目立ちますね。
女子1Xの桑野、男女2Xの桑野はA1とのことで、これは海外トップグレードと並ぶ最高の剛性と性能ですから素晴らしい艇を持っています。1Xはいずれも対校艇のみ記載だったので、もう少しトレーニング用などお持ちかもしれません。
2019西日本M2X K西大
2019西日本M2Xはチョープロに次いで2位、桑野A1で浜寺を駆け抜けた
以下、K西大HPやFacebook、Twitterより


先に見たような拠点が定まらなかった歴史もあるためか、1923年創部しあと3年で100周年を迎えるK西大、全国への挑戦はまだまだこれからいっそうの上昇気流にあります。昨年の全日本ではM4+7位となり、男子の全日本最終日はK西大初の快挙とのこと。
2019全日本M4+ K西大


M8+では、今年バリバリ新艇のエンパッハ、「千里15世 KAISERS」が7月に進水とのこと。大きな活躍が待たれます。
M8+の艇名は伝統的に「千里(せんり)」の名前が付けられ、これはK西大の千里山キャンパスが由来のようす。4+や2Xは「紫紺」ですね。K西大のスクールカラーとチームカラーは紫紺です。関東の紫紺・M大と並び関西にも紫紺のK西大あり、ですね。
K西大 M8+ 紫紺エンパ
1999年のエンパッハ、千里Ⅻ世はもともとエンパッハイエローだったが2018年にチームカラーの紫紺に塗装、内外装をリニューアルし対校艇として今なお活躍。



また、K西大女子部は過去10年たいへん優れた女子スカラーを何人も輩出し、関西タイトルを数多く重ねてきました。
2015全日本軽量級W1X4位、2015全日本W1X5位のR木選手(現・MY生命)、2018関西選手権W2X優勝のY本A奈選手(現・デンソー)やM選手などですね。関西の未経験チームの女子は毎年必ずそうしたトップレベルの選手が出てきます。これからも日本一、日本代表をめざすようなトップアスリートが関西から出現することを期待しています。
2018関西選手権優勝 K西大W2X
2018関西選手権W2X優勝は桑野A1で果たされ、バウのY本選手はデンソーで活躍中。















O山大

O山大艇庫 O山大大学HP
中国の雄、O山大です。
岡山市内の百間川(ひゃっけんがわ)を本拠としています。
O山大大学HPより

O山大は2004年インカレM4+優勝しており、中国ブロックでは唯一のインカレタイトルを所持する大学チームです。2017年にもインカレM4+3位になっており未経験でありながら常に大学トップレベルのクルーを作ってくる素晴らしいチーム。やはりM4+のイメージが強いですかね。M1XのF見選手もインカレのメーカー実績編で紹介しましたが、未経験者で2010全日本W1X4位、2010インカレW1X4位、2011インカレW1X3位というN崎選手も輩出しており女子ももちろん強いチームです。



O山大 所有艇

1X  スイフト3、桑野3
2X/2- ウィンテック1、スイフト1、フィリッピ1、桑野3
4X ウィンテック1
4X+ フィリッピ1
4+  エンパッハ1、フィリッピ1
8+  エンパッハ2、桑野1


こちらもHP調査、男女別ではなかったのでまとめて掲載させていただきます。
しかしおそらく女子は1Xが2艇、2Xが2艇、4X+と4Xが1艇ずつというあたりだと思われます。
やはりこだわりのある対校M8+、対校M4+はエンパッハを所有しながらも、最近はウィンテックやフィリッピを導入するという他のチームにも見られる方針という感じがします。

とはいえ、2004年のインカレM4+優勝はフィリッピ(2000年製造)の「桃太郎 '02」で成し遂げ、2017年インカレM4+3位はエンパッハ(2015年製造)の最新艇、カーボンウイングの「六花」で果たしています。艇名の桃太郎、O山大っぽくて好きなんですけどね。
ちなみに、この2017インカレM4+3位は未経験者4人と経験者1人の構成。前年インカレを経験しているのはこの中でわずか1人、しかもM4+は出しておらず準決勝4着と敗復落ちという最終日ゼロからの、いきなりの翌年インカレM4+メダル。予選トップタイム、決勝も最強N大と終始競って、最後にN大にやや離されS台大にも本当にトップボール差で差された6'36の3位でした。O山大はいつ爆発してミラクルを起こすか、まさに夏に六花の雪が降る、信じられない奇跡を起こす桃太郎パワーです。
O山大 エンパM4+ 六花
エンパのカーボンウイングM4+、「六花(りっか)」はO山大ボート部のシンボル。
旧制六高時代から継承するO山大ボート部、この最新艇には六高の意志を引き継ぐという意味で名付けられたとのこと。
O山大Twitterより

O山大はM4+対校を核に、M2-やM1Xも常に上位をめざすという体制で、M8+は選手が揃えばオッ盾、という形で今後も軸がぶれない方針を貫きそうに思われます。部員規模が拡大してくれば、エンパのM8+も持っていますしいずれはM8+も視野に入れているかもしれません。


O山大 W4X水恋
女子については、こちらも選手が揃えば基本対校W4X+路線、そうでなければ対校W2Xという方針のようですが、このたび2020年はインカレ種目が変わるということで今年2月に新しいW4X「水恋」が進水したようです!ウィンテックの新艇、スイスイと艇速を伸ばし百間川を快走するでしょうか!















H島大

H島大艇庫 H島大HPより
もうひとつ、中国ブロックの大きなチーム、H島大。
といっても中国地方はS根大、T取大、Y口大とすべて甲乙つけがたいチームですね。中国5県、いずれも強豪高校とともに各県国立大は水域の中心チーム、ボート文化の担い手になっています。
太田川を本拠としており、実はこのコースも2000mはとれるようですね。レーンは5レーンまでみたいです。



H島大 所有艇

1X  ウィンテック2、フィリッピ1、桑野2
2-/2X ウィンテック1、エンパッハ1、スイフト2、ヤマハ1
4-/4X ウィンテック1
4+/4X+ ウィンテック1、スイフト1、桑野1、フィリッピ1、デルタ1
8+  ベスポリ1、桑野1


男女まとめさせていただきました。
基本的にはOB会購入、大学購入の2通りのようですが、意外と多いのがOB個人の寄贈。ボートが好きで個人で購入しそれを現役に寄付するケースもありますが、かなり資産があったりなどOBの方にこうした篤志家がいらっしゃるとボート部としては感謝ですよね。やはり艇は常に必要になりますから。かつては部でバイトして集めた資金で艇を購入というチームも多かったと思いますし今もあると思いますが、何となく全国のチームを見回してみますとバイトはするが別の必要な備品購入にあて、艇はやはりOBか大学からの援助で購入というチームがほとんどかなと思います。

H島大には、みささ会というしっかり運営されているOB会があります。関東の私の大学まで毎年熱心にいつも会報を送ってくださっていました。この「みささ」というのは、H島大のホームである太田川の別名「御篠川(みささがわ)」に由来しているようです。太田川は広島市という大規模なデルタ地帯、水の都を形成していますが、その細やかに分かれる支流・分流が笹の葉を重ねた形に似ていることからこのように呼ばれたそうです。
熱心なOB、熱心なOB会は、強いボート部には欠かせない影の存在だと思っています。


H島大の所有艇、最近ですと対校4+や対校1X艇などは紺と白のチームカラーを用いたツートンカラーで塗装していますね。
H島大 2019インカレM4+ウィンテック
H島大Twitterより


H島大 2018インカレM1X2位 N口選手
H島大大学HPより
インカレM1X、2016年と2018年に2位に輝いたN口選手はそれぞれ違う艇でしたがどちらもウィンテックに乗っていました。
そして2017年インカレM4X6位でもウィンテック、いまのH島大はウィンテック乗りですね。
現在の桑野社長がH島大ご出身のO澤さんというところも関係はありますでしょうか。


H島大 インカレM2X
大黒柱のN口選手は2018年を最後に引退し、H島大として新しく中国ボートを引っ張るために、インカレへの挑戦は続く。















K本大

K本大艇庫
では最後は九州にいきまして、K本大の艇庫を訪れてみました。
K本大の本拠は江津湖です。この隣にはK本高、S々黌高、K本学園大、K本学園大付属高など艇庫が並んでいます。
江津湖は湧水の湖、74万都市・熊本市の水道水100%を地下水でまかなう熊本の泉であると以前ご紹介しましたね。1895年創部の由緒正しい九州一の歴史をもつボート部、夏目漱石も部長を務めたエピソード満載のチームです。
最近では震災、水害など災害の多さもあって、このたびも九州を襲った台風の被害の影響が出ていないか心配ですが、そのたびに力強く復活し全日本級で活躍する変わらず熱いK本大エネルギーをいつも見せてほしいと思います。
以下、多くはK本大Twitterより掲載させていただきました



K本大 所有艇

男子
1X  フィリッピ1、デルタ2、桑野1
2X  桑野1
2X/2- ウィンテック1、スイフト1
4-/4X ベスポリ1
4+  エンパッハ1、桑野3
8+  デルタ1、桑野1

女子
1X  ウィンテック1
2X/2- エンパッハ1、ウィンテック1、スイフト1
4X+/4+ エンパッハ1


調べておっと思ったのは、2011年製造のデルタの8+艇があること。毎年のようにオッ盾にバンバン出ていますね。
最近ではウィンテックも活躍しています。男女2X/2-のウィンテック2艇は、2013年東京国体でW2Xが優勝したことを記念して部に贈られたそうです。(東京国体は、悪天候のため決勝進出の全艇優勝)男子ウィンテックはなんと学長が寄贈。そして女子ウィンテックはOB会が購入したものですが優勝クルーのY領N実選手とY本A加選手の名前をとって「彩夏」という艇名が名付けられたそうです。夏を彩るという意味を込めてもいるそうですが、OBの名前がつく艇はありますが、選手の名前が由来の艇はなかなかレアですね。でもかっこいいです。そうです、K本大は日本代表Y領選手の出身校なのです。(T筑高出身の経験者)K本大は男子の名門でもありますが、女子の名門でもあります。
K本大 W2X岸蹴り
ウィンテック艇の「彩夏」(あやかと読むのでしょうか?)、K本大女子の頼もしいパートナー。

それから、やはり対校艇となるとエンパへのこだわりでしょうか。K本大の対校M4+、対校W4X+はエンパで固め、そしてW2Xでは2018年に新艇の「Walküre(ワルキューレ)」もエンパのウイングとして新たに購入しています。
K本大 艇庫内 T1PARKより
艇庫の中の風景は、どこも共通したものがありますね。しかしチームによって、和気あいあいとしたコミュニケーションの場だったり、凛とした厳粛な雰囲気であったりとさまざまか。
K本大は、K本大医学部ボート部と艇庫を共用しています。


K本大 ワルキューレ
K本大W2X、ワルキューレが戸田を自在に駆けめぐる。2018年インカレW2X5位。


K本大のホーム水域である江津湖には、日本の高校トップチームのひとつであるK学(K本学園大付属高)もおり、日夜厳しいトレーニングを乗り越えながらも、青春の場でもありみなRowingライフを心から楽しんでいます。
九州から全国制覇を掲げるK本大、素晴らしいボートマンが見守りながら今日もトレーニングに励みます。
K本大 江津湖練習M2-


とはいえ、K本大は8月に入ってからコロナウイルス感染者が大学学内で出たため6月下旬に活動再開していたボート部は再び活動休止を余儀なくされてしまったようです。
大きな試練をボート界にも与える2020年、全国でもまだ活動ができないでいるボート部、ようやく活動が少しずつ再開、というチームがたくさんあります。
K本大でもまた活動できるようになったとき、精一杯漕ぎ抜いてまたインカレに挑む姿を見せてほしいと願っています。

















以上、各チームの所有艇を見てまいりました。
いかがだったでしょうか。またしても意外な長編ストーリーになってしましましたが、所有艇とともに、かなりチーム紹介的な記事にもなりましたね。

しかし、艇庫内に入る雰囲気は皆さん好きだと思いますし、たくさんの艇が並んでいる光景にはテンション上がりますよね。
私がボートの世界に踏み入れるきっかけになったひとつは、レースを見たことよりも、艇庫の中の艇がずらりと並んだ光景に感動したことでした。思わず圧倒されるのは皆さんも覚えがあるのではないでしょうか。
そして、今なお新しい艇を求めて増やす、ボートチームの息吹とエネルギー、ボート部を強くしたいという人たちの熱い心もそこに感じることができるのではないでしょうか。艇速を求めRowingの喜びを追求するために、ボートの形、ボートの数、ボートの移り変わりはまさにその情熱のあらわれだと思います。

艇も人もボートチームの財産です。その宝を大切に、艇を研究することでよりよく知って活用してください。
ボートに自分の思い、みんなの心をのせて、今日も水という自由な空を翔け、ボートとともに前に進んでいきましょう!












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インカレ、メーカーの実績・後編






2015年インカレ

最終日実績
エンパッハ 39艇 優勝10
フィリッピ 40艇 優勝2
ウィンテック 6艇
桑野     6艇
スイフト   5艇


では、後編は最近5年間になりますので、今度こそ駆け足で・・・。
エンパ、フィリッピは最終日実績はほぼ互角、しかし優勝実績ではエンパッハが大きく圧倒しました。


M1X、M大1年のF田選手がルーキーながらU19代表ということもあり実力の優勝、エンパのカーボンウイングでした。2位はT経大のエースO澤選手が前年より順位もパフォーマンスを上げましたが2秒届かず2位、フィリッピのバックウイング。3位には前年M2X優勝のT波大・O智選手がフィリッピのカーボンチューブ搭乗でした。そして4位は未経験、常に鍛えあげて優秀なスカラーを育てるI科歯科大のY橋選手がフィリッピのバックウイングで見事インカレ決勝。Y橋選手は医学部5年目、5位、7位ときてのインカレM1X初の決勝でした。

M2XはN大優勝、N村D貴選手1年とF米T知選手2年のU19代表経験コンビでエンパ。2位はT山国際大フィリッピ、そして3位には国立大の躍進、C葉大がフィリッピで銅メダル。4年K子選手、3年M井選手のコンビです。このお2人エルゴ平均はベストでは6'35を切るくらいだと思います。春先から速いダブルで、6月の東日本では全日本3位になるJPOWER/CGとコンマ差の接戦もしており、インカレでは予選タイム2位でしたがコンスタント型だったため決勝のN大とT山国際大に先行される展開となりました。C葉大は普段は松戸市の江戸川で練習をしていますが積極的に戸田や遠征で試合経験を積んだり他チームと交流したのが躍進の秘密だったようですね。
2015インカレM2X C葉大PVより
国立C葉大のインカレ3位は素晴らしい。グレーのブレードが決勝で光り輝いた。
C葉大PVより



M2-はN大、R命館大が両方エンパで優勝争い、N大が6'55とやはりレベルの高いタイムで優勝。クルーはI藤S汰選手とM選手でやはり納得の実力です。3位にはI城大エンパのカーボンウイング、4位H橋大フィリッピとこちらも関東の国立大が活躍。
M2+はW大エンパが1年コンビで優勝。S木T雅選手とI藤D生選手の埼玉コンビを2年COX・S藤S平選手がリードして、この3人はW大のリーダーになっていきます。2位はK應大フィリッピでWKの優勝争い、H橋大フィリッピは2年連続3位、4位M大エンパでした。


M4-は昨年の悔しさを爆発させたR大がライバルのM大を破り、エンパ対決を制しました。R大は全員未経験、S:H木選手4年主将、3:K又選手3年、2:A藤選手3年、B:N田選手3年というメンバーで、このときはまだエルゴ平均6'28くらいだと思いますが6'12のインカレM4-レコードで優勝しました。次の年、全日本M4-優勝したときはエルゴ平均6'24に上がっていたと思います。
3位K應大はフィリッピ、4位N大はエンパです。
2015インカレM4-ゴール後回漕
R大のエンパ、「サラミスⅡ」は2002年インカレM4-で初優勝したことを記念して2003年購入した艇。13年目にして、ようやく2度目のインカレ優勝という宿願を果たした。これを記念して翌2016年、同じエンパッハの「サラミスⅢ」がチームカラーの青い姿で購入されR大史上はじめての全日本優勝を果たす。人だけでなく、艇にもチームの思いと魂が受け継がれている。


M4XはM大フィリッピが2連覇。N大エンパ、C大エンパが引っ張るレースでしたがM大、G阜経大エンパが追走し後半全く落ちなかったM大が徐々に上がるとラストスパートでその力を爆発させて水をあけました。
M4+は若い選手を起用するチームが増えてきます。N大は1年3人を4年Y地選手がまとめる構成で優勝。M大は4年2人がいましたが2位、エンパ対決です。3位のS台大も漕手全員1年で4年COXのために奮戦。4位はH橋大フィリッピ。


M8+はついにW大が優勝、1996年以来実に19年ぶりのインカレM8+優勝でした。N大は前人未到インカレ9連覇でストップ。N大はユニバーシアードLM4-優勝のメンバーが乗った最強世代だっただけに悔しさもたいへんなものだったでしょう。3位H橋大フィリッピ、4位S台大エンパ。
W大M8+は、インカレの前から歴代ベストのタイムを連発して叩き出し絶対の自信をもってインカレに臨んだといいます。しかしながらレース展開はぎりぎりの競り合いで、スタートは頭ひとつカンバス出るも、N大とは抜きつ抜かれつ一進一退。ラストの決め手で半艇身以上の2秒差で優勝しました。
2015インカレM8_ W大PVより
1996年以来、2度目のインカレM8+制覇、W大。あのときも全日本優勝した絶対本命のC大を破り、今度はN大という絶対的な王者を破った、節目の王者キラーとなったエンジの軍団。
W大PVより





W1XではW大・Y川選手が優勝。2位M大のN瀬選手と、U19代表経験での争いとなりましたが、前年W2-優勝N古屋大のS根選手が3位で素晴らしいパフォーマンス、上位3クルーはエンパでしたが4位にG阜経大のU松選手が桑野使用でした。準決勝も激戦であり、N体大のK本選手(フィリッピ)、K都大のH口選手(桑野)はともにあと1秒でインカレ決勝を逃してしまいました。
W2X、決勝は全部フィリッピ。W大のK野田選手とI上選手のコンビは強力、5秒差で逃げ切り完勝。2位M大、3位には女子初のインカレメダルとなったC大(S:K祖選手、B:K井選手)が光りました。翌年のW4X+初チャレンジにつなげます。4位N体大。

W2-はW大エンパがスタートから1艇身リードを保って優勝。2位R命館大ウィンテック、3位N体大フィリッピ、4位M大エンパ。W大はストロークにT口選手2年、バウにK村選手1年というクルー、T口選手は翌年もストロークとしてインカレW2-連覇するが、2015年はバウサイで優勝、2016年はストサイで優勝するスイッチ漕手です。
W4X+はW大がエンパでT屋選手、S原選手の4年コンビ、K下選手、S藤選手そしてCOX・K本選手という対校クルーで優勝。T山国際大フィリッピも過去最高のクルーを擁し2位、M大に先着して強さをアピール。3位M大エンパ、4位N体大のフィリッピは赤いのでおそらくH橋大からの借艇と思われます。


2015インカレW2X W大PVより
こちらはW大のW2X優勝。W大は2002年以来、インカレ女子4種目完全制覇を達成。男子のインカレM8+優勝と女子インカレW4X+のインカレ男女メイン種目アベック優勝は初の快挙。M2+優勝も含め、まさに2015年はW大の年となった。
2002年のときはインカレW4X+初採用の年でありインカレW4+がまだ行われていて、またW4X+もダブルエントリー可だったため、純粋に女子完全優勝は2015年のみといえる。
W大PVより













2016年インカレ

最終日実績
フィリッピ 49艇 優勝7
エンパッハ 32艇 優勝5
ウィンテック 8艇
桑野     4艇
スイフト   3艇


この年は艇数、優勝ともにフィリッピがエンパを上回りました。E対Fはますます熾烈な戦いが続きます。


M1XではN大の3年F米選手が優勝。このF米選手のフィリッピは水色で塗装されたオリジナルなカラーでした。2位H島大のN口選手2年も紺と白のチームカラーで塗装されたPOSEIDON Ⅲという艇名、どうやらウィンテックのようです。N口選手はY子東高出身のインハイチャンピオン、H島大に進み経験者としてH島大の躍進に大きく貢献されました。F米選手に対しスタートで1艇身差をつけますがF米選手は慌てず後半勝負を仕掛け第3で抜き去り勝負を決めました。
3位はM大のN村選手、4位はT大のM垣選手でどちらもフィリッピです。
2016インカレM1X F米選手 日ボHP
水色のフィリッピを操りインカレM1X優勝のN大・F米選手。U19、U23代表となり、インカレはM1X、M2Xで3度の優勝、全日本はM4Xで3回の優勝を果たし、170cmの小柄な身体でもトップ選手としてやれることを証明。類まれなボートセンスと高度なボート頭脳をもつ明晰な戦術家で、クレバーに戦況を見通し幾度もN大に勝利をもたらした。
日ボHPより


M2XはT山国際大がフィリッピで優勝。4年N川選手、3年K地選手のコンビで、前年N大に敗れたリベンジを果たしました。2位N大、3位M大は前年M1X優勝の2年F田選手が1年K畑選手と鳥取M2Xを組みますがおよばず。どちらもエンパ。4位H政大はフィリッピ。
M2-はH橋大が4年M本選手、3年N江選手のコンビで水をあける強い勝ち方をして優勝。2位W大、3位S台大、4位はT波大で全部フィリッピ。
M2+、K應大が1500mまでトップを走るがN大が優勝。ともにフィリッピの対決。R大もK應大に続き2番手でしたが第3で息切れし3位、新艇のウィンテック2+。4位S台大フィリッピ。

4人乗りではC大が鮮やかな復活。
M4-、C大とN大が先行の構え、しかしC大の先行力はトップをひた走り突き進みます。R大が第3、第4と繰り返しアタックしていきますが1艇身差届かずC大が優勝。クルーはS:MY浦M之選手2年、3:O田N樹選手2年、2:K保Y竹選手1年、B:K津S亮選手3年で、この年はM4-対校。現◯TT、MY浦選手がブレイクした大会となりました。エルゴ平均は6'25でC大とR大は互角でした。R大は怪我で1週間くらいしか練習できていなかったので、ベストの対決を見てみたかったです。3位までエンパ。
2016インカレM4- C大 日ボHP
C大のエイト復活につながるキーマンがこの2016インカレM4-優勝クルーに集結していた。
日ボHPより


M4XもC大。M大が3連覇を狙っていくもC大がロケットスタートでトップを走り驚異の粘り腰、N大、T山国際大も追いつけずM大が最後にラストスパートをかけるが0.25秒差でC大に軍配が上がり2種目優勝を果たしました。C大、M大、T山国際大がフィリッピ。

M4+ではN大がエンパで優勝。2位のT海大フィリッピは一時かなりN大に迫ったが、ラストで突き放されてしまい惜しい星を落としました。3位H橋大フィリッピ、4位T大エンパで久しぶりのインカレ決勝でのTS揃い踏み。
ちなみに、順決ではT北大、K都大、K應大、O阪府大の対戦でしたがK應大のフィリッピ以外、スイフト対決となりました。

M8+では前年優勝のW大、2位のH橋大がともに決勝ならずという波乱。ともにインカレM8+決勝は4年連続でストップ。M8+の決勝争いは毎年熾烈をきわめます。優勝はN大エンパ、2位には何十年ぶりかM大がフィリッピでインカレ決勝そして準優勝。予選タイム1位の5'49を出したときは優勝の期待もありましたが、N大の壁はまだ高かったか。3位S台大エンパ、そして4位にK應大エンパ。このK應大エンパはカーボンウイングの最新艇でした。
そして7位にはO阪市大がおそらくM8+初めての最終日。赤い艇、白い2本のラインを塗装したチームカラーの艇はウィンテック。ウィンテックのM8+がインカレ最終日に来るのも初です。




W1XはU19がやはり活躍、優勝はM大の1年T島選手フィリッピ。2位にR谷大2年・O西選手エンパ、3位にR大1年・K谷選手ウィンテック、4位にK屋体大4年のN近選手フィリッピ。
W2Xでは予選で敗れたR命館大に対しリベンジして優勝を果たしたW大フィリッピ。前年と違いバックウイングの艇になっています。2位は1年黄金ルーキーT野選手をW2Xに起用しましたが惜しくも決勝でW大にやられてしまったR命館大エンパ、しかし素晴らしい内容。3位M大フィリッピ、4位T山国際大。
W2-、W大エンパが優勝し2連覇。3年連続2位となってしまったR命館大はこの年からエンパ、そしてN体大、M大。

W4X+はW大が優勝。2位M大、そして3位にはインカレW4X+初挑戦でいきなり決勝メダルのC大。ここまでエンパ。そして順位決定がずっと続き悲願のインカレW4X+初決勝のT波大、しかし惜しくもメダルに届かず。












2017年インカレ

最終日実績
エンパッハ 39艇 優勝8
フィリッピ 47艇 優勝3
ウィンテック 6艇 優勝1
桑野     2艇
スイフト   1艇
サイクス   1艇


艇数はフィリッピが優勢ですが、優勝回数でエンパが水をあけているためエンパを上にしています。


M1Xは新星誕生、未経験の星が次々出てきました。D大3年のS間選手が未経験ながら優勝。高校時代は陸上の中距離選手で188cm85kg、エルゴはこの時点で6'15と破格の素質、シングルスカルも本格的に漕いで2カ月という快挙でした。
そして2位のT波大の修士2年・H谷選手も未経験で異色の経歴、T波大入学時はハンドボール部で鍛え、何と大学院に入ってからボート部に入りたった1年半のボート歴でインカレM1X2位となりました。2人に共通するのはボートを始めるまでの競技で基礎体力が並外れていたということ。そしてボートの動きさえ覚えてしまえばM1X経験がまだ少なくてもトップレベルというか優勝もできるということです。3位M大・N村選手と4位K本学園大・N條選手はともに高校経験者。その2人にも勝った未経験パワー、今後もたくさんの新星が現れてほしいと思います。
ちなみにS間選手もH谷選手もエンパ。素質ある未経験は指導力と資金力のあるチームに所属していることもポイントになるでしょう。
2017インカレM1X D大S間選手 日ボHP
S間選手は、現在◯TT所属。同じように大学からボートを始めたA川選手とともに、日本ボートをフィジカルの面で今後大きな進化をさせうるリーダーの一人。エルゴはこの2人によって5'40秒台まで達成してほしい。
日ボHPより


M2XはN大が4年F米選手と3年N村選手のコンビ再びで優勝。2位はR谷大でどちらもエンパ、3位H政大、4位T国際大はフィリッピ。
M2-はN大優勝、2位S台大ともエンパ。3位H政大、4位T北大がフィリッピ。3位のH政大は小艇で2つのメダル、復活の兆しを見せています。
M2+ではN大が7'18という驚異的なM2+日本レコード。このタイムは従来のレコードを10秒近く縮めるタイム、すごいです。2位S台大は両方フィリッピ、3位M大、4位R命館大桑野。また、順位決定では7位にT取大がフィリッピで入賞。

M4-はC大が2連覇達成でエンパ艇。2位S台大フィリッピ、3位R大はエンパ。4位W大はフィリッピでした。
M4X、N大優勝でエンパ。2位M大フィリッピ、3位N体大フィリッピ、4位S台大エンパ。6位にはH島大が紺と白に塗装したウィンテックを使用。
M4+ではN大がエンパで優勝、2位にこの種目久しぶりにN体大が入りました。3位はこちらも久しぶりのインカレ決勝、O山大です。O山大M4+のインカレ決勝は優勝した2004年以来ですね。エンパのカーボンウイング、素晴らしい艇を用意してのメダルでした。そしてK應大エンパもM4+決勝は久しぶりで4位。

M8+においてはN大優勝、2位M大ということで2位が2年続くと印象が定着する感じがありますね、M大は完全にM8+強豪と刻まれた感じがあります。そして、前年M4-とM4Xで優勝したC大がインカレ決勝の舞台に戻ってきました。3位ではありましたが存在感はさすがです。4位にS台大。
そして順位決定、5位K應大エンパ、6位W大エンパに次いでT工大フィリッピが7位と健闘。全員未経験、T工大のインカレM8+最終日は1997年7位以来、実に20年ぶりです。8位にN体大でした。
この2017年、未経験クルーの活躍が見られながらもN大が6種目優勝と驚異的な強さを見せて、N大健在の印象を強くしました。






W1XはT島選手がフィリッピで2連覇。2位にT山国際大のK山選手がフィリッピ、3位W大1年・Y井選手はエンパ。そして4位H政大1年・I垣選手はフィリッピです。
W2X、N体大がT橋Kほ選手とS井R夏選手の最強コンビでぶっちぎり優勝、7'14で2位に11秒つけたのもすごいですが、1000m通過が3'28ですでに9秒つけておりもはや男子並みの艇速です。もうN体大はほぼ例外なくフィリッピですので省略します。2位W大フィリッピ、3位R命館大エンパ。そして4位R大はエンパを借艇。

W2-、K應大が見事な優勝を果たしました。そしてインカレ女子で初のウィンテック艇優勝。2位T国際大、3位R命館大までメダルがすべてウィンテックというのも特筆です。4位にはS台大が桑野で、やはりW2-種目は多彩なメーカーが使われますね。
K應大はS:N方選手4年主将、B:K山オリビア選手というクルーで、バウのオリビア選手はアメリカからの留学生でした。アメリカで漕いでいたオリビア選手は前年9月に来日して1年の間、K應大で学業とともにボート生活をともにし、WK戦にも出てシーズンを戦いインカレに出ることとなりました。
予選ではR命館大に出られ主導権を握られたまま2着、敗復回りとなり2連覇中のW大と敗復で決勝をかけたレースとなりますがスタート出てコンスタントでも勝ち切るレースをして決勝に進みます。決勝では予選と全く違いました。K應大はT山国際、R命館、S台大の戸田にいないW2-強豪チームとの決戦に臨み、敗復のようにスタートを決め、コンスタントを優位に進めると最後は素晴らしいスパートを決めてインカレW2-レコードとなる7'33の素晴らしいタイムで見事優勝を果たしました。
2017インカレW2- K應大 日ボHP
K應大女子としては8年ぶりのインカレ優勝。W2-種目は劇的なエピソードが多い気がします。
日ボHPより



W4X+はコンスタント力にまさったM大がW大の連覇を5で止めて6年ぶりに優勝。そしてW大は第4クォーターで失速し、加速したC大と入れ替わり2位にはC大が入りました。3位W大までがエンパ、4位T国際大は赤いフィリッピのためおそらくH橋大の借艇と思われます。
2017インカレW4X_ M大 日ボHP
喜び爆発、永遠のライバルW大に正攻法をもってコンスタント力でねじふせて優勝を勝ちとったM大クォド。S:Y田選手、3:T本選手、2:N瀬選手、B:U松選手、C:Y本選手
日ボHPより













2018年インカレ

最終日実績
エンパッハ 43艇 優勝7
フィリッピ 46艇 優勝6
ウィンテック 11艇
サイクス   1艇
桑野     1艇
アイリングス 1艇
ハドソン   1艇

エンパッハとフィリッピ、こちらもほぼ互角。甲乙つけがたい2強争いに、ウィンテックも少しずつ実績を伸ばしています。


M1Xはアジア大会に出ていた関係か、M1XチャレンジしたC大4年・MY浦選手が素晴らしいテクニックを見せて優勝。逆風の中加速し続け、エンパで2位に9秒差の完勝。2位には2年ぶりM1X出漕のH島大4年・N口選手が入り、今度は白いウィンテックを使用していました。3位にはN大1年・K村T一選手エンパ、そしてS台大のK島選手がフィリッピで4位でした。

M2XはN体大がT山選手とT野選手のコンビで優勝。2位T国際大、3位H政大までフィリッピ、4位R命館大エンパです。
M2-はH橋大がK美選手、N尾選手のペアでこの種目3回目のインカレ優勝、フィリッピです。2位M大は珍しくウィンテック使用だったようで、これは借艇か。3位S台大、4位N体大はフィリッピ。
M2+はN大優勝でフィリッピ。2位W大、3位M大はエンパ。4位S台大はフィリッピ。

M4-はM大が優勝、2位R大はともにエンパ。3位S台大フィリッピ、4位C大がエンパ。
M4Xではあの青い稲妻スプリントのS台大が青いエンパで優勝。惜しくも2位D大のクォドはフィリッピ。3位R谷大エンパ。4位M大フィリッピです。
M4+はN大がエンパで優勝、これでインカレM4+5連覇達成です。2位にはN体大、そして3位S台大とフィリッピ。4位H橋大フィリッピでM4+にしては珍しくフィリッピ優位でした。
2018インカレM4_ N大 日ボHP
インカレM4+5連覇を決めるN大。この年まで、なかなかN大の写真がありませんでした。1500mまで先頭だったN体大を第4のスパートで差し切る得意の展開で、変わらない勝負強さを見せた。
S:E畠R斉選手、3:T橋S丸選手、2:S藤I選手、B:N原T朗選手、C:F田D智選手



M8+はこの年もN大が完勝。若手が育って、3年主体のクルーで優勝しました。2位には復活のH橋大。前年は9年ぶりに敗復落ちを喫してしまうも、その敗復落ちからの劇的な準優勝です。M2-も優勝し、おそらく精神的にも一皮むけてまたチームとして上昇気流に乗りたいところ。しかし準決勝では勢いの増したD大と0.5秒差の接戦を制し薄氷を踏むような危ない橋を渡ってきました。インカレは常に緊迫したサバイバルです。3位H橋大に競り負けたC大、4位S台大ということで、H橋大フィリッピ以外はエンパです。
2018インカレM8_ N大 日ボHP
N大はM8+9連覇で途切れてからの3連覇。常に大学ボートにおける超えるべき目標であり続けてほしい。
日ボHPより




W1XはW大・Y川選手が3年ぶり2回目の優勝。赤いラインのフィリッピでした。2位はN体大のS井選手、3位R谷大・O西選手が乗っていたのは黒い艇ですがフィリッピのようです。4位にK屋体大・S方選手はウィンテック搭乗。
W2Xではこの2人は強かった、M大がS:T本選手、B:T島選手のU23のアジア大会のままの最強コンビでした。調子は良くなかったそうですが決勝でも後続の視界から消えてしまいます。2位はT山国際大がともにフィリッピ。3位には前年に続いてエンパを借艇したR大。4位N体大でした。
2018インカレW2X M大 日ボHP
M大のU23代表コンビ。インカレでも敵なしの艇速で圧巻の優勝。

W2-、C大はS:T崎選手、B:H田選手のペアでインカレ女子初優勝。序盤はM大が飛び出しますが、C大はコンスタントで強く第3でかわし一気に突き抜けて優勝しました。フィリッピですね。2位はR命館大のウィンテック、3位H政大フィリッピ、4位はM大エンパです。
そして2018年インカレから新種目というか復活したW4+です。初年度は12クルーがエントリー、優勝は対校に設定したR命館大でした。エースT野選手が乗るとパワフルで、エンパのカーボンウイング、バリバリの新艇でW4+優勝のために購入したと思われます。2位にT国際大、3位N体大はフィリッピ、4位W大はサイクスでした。W大の「BOUGENVILLEA」、歴史のある艇ですね。5位のR大も実に26年目になるアイリングス4+を使用していました。6位H橋大、7位M大はエンパ、8位K戸大のエンパは新しいアルミウイングでしたね。
2018インカレW4_ R命館大 日ボHP
新艇でW4+初年度優勝、対校トップクルーで臨んだR命館大。


W4X+、W大の新世代が台頭。今のW大の中心は都立K松川高出身の選手ですね。優勝のW大は混戦のぎりぎりを制しましたが、ストロークのY井選手、バウのF田選手、COXのS田選手がK松川出身です。2位は0.4秒差で差され無念のM大、3位S台大、そして4位は1000mまでトップを走ったC大でした。全部エンパです。
ちなみに、順位決定ではN体大フィリッピ、H政大はエンパでしたが、7位のT経大はオレンジ色のスイフトを使用しておりこれはH政大から借艇したようです。また、8位に躍進して話題となったY梨大医学部はウィンテックを使用していました。












2019年インカレ

最終日実績
フィリッピ 42艇 優勝7
エンパッハ 35艇 優勝5
ウィンテック 13艇
スイフト   3艇
サイクス   2艇
桑野     1艇

いよいよラストです。フィリッピが首位となり、2位にエンパ、3位は離れますがウィンテック。そしてスイフトも伸びそうな気配。こんな感じで艇の実績は推移するか、あるいは新たな展開もあるか。


昨年のことなので、駆け足でいきましょう。皆さん覚えているでしょう(笑)。

M1XはS台大・I瀬選手がフィリッピで優勝。2位にM江高専・A郷選手はエンパ。3位W大・A部選手はフィリッピ、4位N大・K村Aきら選手はエンパでした。
M2Xは優勝S台大フィリッピ。そして2位のT京海洋大ですが、新艇のこれはウィンテック・コブラですね!N大の猛追抑えて見事な準優勝でした。3位にN大はエンパ、4位R大はウィンテックです。
2019インカレM2X T京海洋大 海洋大ブログより
インカレ2位のT京海洋大はウィンテックのバックウイング、コブラを使用。実はバウカンバスとスターンカンバスが色分けしてあり、海洋大のチームカラーに塗装していますね。

M2-は2年未経験が乗ってのW大優勝、フィリッピです。2位H政大もフィリッピ、そして3位M大エンパ、4位K都大はこちらもフィリッピだったようです。
M2+はなくなってしまい、残念。艇を所有しているチームのためにも復活を希望!

M4-、優勝のS台大はフィリッピ。2位N大と3位M大はエンパ。4位D大はフィリッピです。
M4Xは全部フィリッピ。優勝S台大、2位T国際大、3位M大、4位N体大。
2019インカレM4X S台大 日ボHP
スカル系のフィリッピ率はかなり高くなってきている。4人乗り、エイトでも以前よりはずっとフィリッピの評価はエンパとあまり変わらなくなっている印象がありますね。

M4+は優勝D大こちらはエンパでした。2位のR大はウィンテック、3位W大と4位O阪府大はエンパですね。

M8+では優勝が14年ぶりのC大、劇的な復活でした。2位S台大とともにエンパ、そして3位M大はもうフィリッピでおなじみ、そして4位N大はエンパ。
2019インカレM8_ C大 日ボHP
C大が新たな伝説を作った。インカレM8+、群雄割拠の戦国時代に入っていきそうな予感か。




W1X、3度目の同種目優勝となるM大・T島選手は4年連続インカレ優勝も果たしました。エンパのバックウイング、これは新艇のようです。2位W大のM井選手はフィリッピ、3位R谷大のS沼選手は黒いフィリッピ。4位のR大・M嶋選手は青いウィンテック。順位決定では5位のN医大はスイフト、6位M山大はフィリッピ、7位F岡女子大はウィンテック、8位K屋体大ウィンテックでした。
W2X優勝のR大はインカレ女子悲願の初優勝。バックウイングの青いフィリッピはこのために2019年購入した新艇です。2位H政大、3位T国際大、4位W大とすべてフィリッピ、全部バックウイング。やはりW2Xはフィリッピが好まれますね。
順位決定では5位M大フィリッピ、6位D大はグレーの艇、ウィンテックだと思います。7位K屋体大ウィンテック、8位G習院は桑野ですね。
2019インカレW2X R大 日ボHP
R大には少数派のフィリッピだが、女子艇ではフィリッピが今後多数派になりそうです。


W2-優勝はW大でフィリッピ。2位T山国際大はウィンテック、3位T経大フィリッピ。4位R命館大ウィンテック。
W4+優勝は2連覇となるR命館大が圧勝、エンパ。2位N体大フィリッピ、3位S台大と4位H橋大がフィリッピ。5位W大はおなじみサイクス、6位M大、7位T国際大がフィリッピ、8位K戸大はウィンテックでした。

W4X+、全部エンパ。W4X+は丈夫なエンパが良いのでしょうか。優勝W大、2位C大、3位S台大、4位M大です。
順位決定では5位H政大オレンジのスイフト、6位T国際大フィリッピ、7位T北大サイクス、8位D大がフィリッピでした。
2019インカレW4X_ W大 日ボHP

インカレW4X+の最終年となる2019年。やはりエンパが優勢でした。
これからW4Xに切り替えとなり、そのためにまた各チームW4X艇に買い替えを進める必要が出てきます。W4Xではどういう傾向が出てくるか。そして多くのチームでW4X+艇を持っているので、この活用も考えなくてはいけません。リガーを取り換え、W4+として使用するチームも多いかもしれませんね。















いかがだったでしょうか、4回に分けてお送りした、全日本とインカレのメーカー実績と振り返りの記事。
振り返りに関しては、メーカー関係なくなってる感じの記述も多かったので、途中から「艇の研究」というテーマと若干離れてる感じもしなくもありませんでした。


しかし、時期的に全日本、インカレそして関西では西日本も開催されますので、艇に対する関心とともに今年最後に向かう大会へのひとつのモチベーションや興味として多少の参考にしていただけると幸いです。


しかし重要なのは艇の性能と愛着だと思います。どんなメーカーだろうと、どんな型式だろうと艇を大事に、人を大事に。
艇やオールにも愛情もって、人艇一体で大きな目標に向け日々Rowingを楽しんでください!!






今回はインカレのメーカー実績を見てみましょう。
なるべく長くしたくないので、振り返り要素は最低限でいきたいと思ったのですが、やはり書いていくうちに振り返り要素満載となりました。まあ、インカレの過去10年を振り返る記事も書いているようであまり書いていないので、仕方ありませんかね。


メーカーは動画での調べになりますので、2010年からしか確認できず、過去10年間のインカレ決勝に進んだ艇を調べました。
そしてインカレは順位決定も熱いので、なんと順位決定も含めたインカレ最終日の艇のメーカー、全部調べました。2010年のインカレ決勝動画はありますが、順位決定動画は残念ながら見つかりませんでしたので順位決定は2011年から過去9年間の調べになります。


2010年からのインカレ決勝の艇、2011年からのインカレ順位決定の艇、合計920艇を調べて不明だったのが8艇のみということで頑張りました。エンパ、フィリッピはすぐ判明できるのですが、白くてロゴとマークのない艇、これが分からないんですね。
とはいえ、少しだけアバウトにこのメーカーだろうと決めつけたものもあるので、相変わらず正確性が若干怪しいのはご了承ください。



このインカレ編では、最初にまず集計結果を発表いたします。
繰り返しますが、決勝は過去10年間。順位決定は過去9年間の調べです。







2010~2019年インカレ決勝の実績

エンパッハ 237艇 49%
フィリッピ 196艇 40%
ウィンテック 22艇 4.5%
桑野     12艇 2.4%
サイクス   6艇 1.2%
スイフト   5艇 1.0%
アイリングス 3艇 0.6%
ベスポリ   1艇 0.2%
不明     2艇


うーむ、何ともやはりエンパとフィリッピで全体の9割近くを占める結果となりましたね。全日本とあまり変わらない・・・。
もう少し他のメーカーが、少なくとも3割くらいにならないと面白くないですね!




2010~2019年インカレ優勝の実績

エンパッハ 74勝 勝率61%
フィリッピ 44勝 勝率36%
ウィンテック 2勝
アイリングス 1勝


というわけで優勝となるとこれは独占禁止法を発動したいくらいですね。
エンパとフィリッピで97%はヤバい。他メーカーの奮起を期待したいところです。








2010~2019年インカレ最終日の実績

エンパッハ 392艇 42.9%
フィリッピ 373艇 40.8%
ウィンテック 57艇 6.2%
桑野     40艇 4.4%
スイフト   23艇 2.5%
サイクス   18艇 2%
ベスポリ   4艇 0.4%
アイリングス 4艇 0.4%
ハドソン   1艇 0.1%



ということで、最終日に広げるとだいぶ色んなメーカーが出てきます。
ウィンテック、桑野を足すと1割くらいになります。他ももう少し増えると面白いですし、もちろん出漕する全艇にまで対象を広げればもっと多彩な結果になるでしょう。多くのメーカー、見てみたいですね。






続きまして艇種ごとのメーカー実績集計です。便宜上、エンパ、フィリッピの順に統一いたします。
インカレ最終日に進んだ艇の実績と、インカレ優勝回数です。

M1X
エンパッハ 19艇 優勝7
フィリッピ 44艇 優勝3
ウィンテック 6艇
桑野     2艇
スイフト   2艇
サイクス   1艇
不明     2艇


全日本M1Xではフィリッピが圧勝しており、インカレM1Xでも決勝・順位決定ともにフィリッピの艇数が多いのですが、優勝となるとエンパが強かったですね。インカレM1X優勝が多いN大は2:1くらいの割合でエンパを選んでいる感じでした。また、近年だとM大・F田選手、D大・S間選手、C大・MY浦選手はみなエンパですね。書いてて気づきましたが、皆◯TTに行ってますね。




M2X
エンパッハ 24艇 優勝2
フィリッピ 40艇 優勝7
ウィンテック 8艇 優勝1
桑野     1艇
スイフト   1艇
不明     2艇


M2XはM1Xと同じくフィリッピが艇数で圧倒、そして優勝回数もエンパにまさっています。N大も意外にフィリッピ選んでいますし、T山国際大、T波大、N体大、H政大、S台大とM2Xの強豪校のフィリッピ率が高いです。小艇のフィリッピ、のイメージそのままですね。




M2-
エンパッハ 33艇 優勝5
フィリッピ 34艇 優勝5
ウィンテック 5艇
スイフト   4艇


これも全日本とは違って、エンパとフィリッピ互角ですね。実は過去10年間、M2-優勝校は過去10年にするとN大、H橋大、W大の3チームだけだったんですが、N大がエンパでH橋大とW大がフィリッピだったのです。




M2+
エンパッハ 17艇 優勝2
フィリッピ 31艇 優勝7
桑野    13艇
ウィンテック 4艇
不明     3艇

これもフィリッピ圧勝。しかしこちらも、過去10年だとN大とW大だけしか優勝しておらず、N大がフィリッピ、W大がエンパを使用しています。M2-と逆です。




M4-
エンパッハ 43艇 優勝9
フィリッピ 24艇 優勝1
サイクス   4艇
桑野     3艇
ベスポリ   2艇

これはエンパ圧勝。N大、M大、C大、R大とみなM4-ではエンパを使っています。




M4X
エンパッハ 40艇 優勝5
フィリッピ 31艇 優勝5
サイクス   3艇
桑野     1艇
ウィンテック 1艇


エンパのN大、フィリッピのM大、T山国際大というところですね。S台大はエンパとフィリッピ使い分けています。またN体大、T山国際大はフィリッピですね。




M4+
エンパッハ 42艇 優勝10
フィリッピ 25艇
スイフト   7艇
ウィンテック 2艇


エンパが多いのはそんな気がしていましたが、意外にも優勝もエンパのみ。過去10年間の優勝校、N大を筆頭にS台大、C大、D大はみなエンパで優勝しています。M大、T大、O山大などもエンパで、H政大、T海大、H橋大などはフィリッピです。




M8+
エンパッハ 56艇 優勝10
フィリッピ 16艇
ベスポリ   2艇
ウィンテック 1艇
ハドソン   1艇


これはもう、まさにエンパ帝国といった感じ。(笑)
基本エンパの対校M8+、のイメージは強いですよね。フィリッピを選択しているのはH橋大とM大。この2チーム、エイト以外もフィリッピのイメージあるのではないでしょうか。







W1X
エンパッハ 20艇 優勝6
フィリッピ 36艇 優勝4
桑野     8艇
ウィンテック 8艇
スイフト   2艇
サイクス   1艇
不明     1艇

そして女子を見てみましょう。女子はやはりメーカー数増えますね。
フィリッピ優勢なのですが、優勝ではややエンパが上。W大の女王、O智選手、O石選手がエンパ率高いです。Y川選手は半々。T田C愛選手やT島選手はフィリッピ多めですが、エンパを選択する場合もあります。




W2X
エンパッハ 17艇 優勝1
フィリッピ 44艇 優勝9
ウィンテック 5艇
桑野     4艇
スイフト   4艇
サイクス   2艇

やはりW2Xはフィリッピひとり勝ち感が強いですね。
N体大、T山国際大のフィリッピ選択は当然としても、W大もW2Xではフィリッピを選択しているんですね。M大はエンパだったのですが、最近フィリッピにシフトしています。しかし、女子ではけっこう色んなメーカーも多いのも特徴です。女子の傾向が男子にも影響すれば色んな艇が見られていいですね。




W2-
エンパッハ 28艇 優勝5
フィリッピ 23艇 優勝3
ウィンテック 15艇 優勝1
桑野     5艇
アイリングス 3艇 優勝1
スイフト   2艇


最も分散して色んなメーカーが活躍しているのがW2-、これは全日本と傾向が共通しています。初期のM大はアイリングス、そしてW大とM大はエンパを使ってきましたが最近W大は2-もフィリッピを使います。ウィンテックが2強に最も接近しているのもこの種目で、2017年K應大優勝をはじめ、ウィンテックユーザーは増えています。




W4X+
エンパッハ 44艇 優勝10
フィリッピ 20艇
サイクス   5艇
桑野     4艇
スイフト   2艇
ウィンテック 1艇

優勝に関してはW大とM大だけですので納得と言えば納得です。全部エンパ、という決勝もあります。フィリッピはT山国際大、N体大が実績を高めており、T波大、G習院など最終日が多いチームもフィリッピでした。




W4+
エンパッハ 9艇 優勝2
フィリッピ 3艇
サイクス   2艇
アイリングス 1艇
ウィンテック 1艇


まだ2年間だけなので、今後傾向が変わってくる可能性もありますが、やっぱりエンパ、となっていくのでしょうか。それともこれから女子用4+艇を揃えていくチームはコスパの高いメーカーを選ぶでしょうか。まあ、4+にシフトするとしたら4X+のリガーを替えられればそれが一番ですね。













それでは、メーカー実績とともに振り返るインカレ過去10年の歴史です。時間がある方はお読みください。


インカレ、メーカーの実績・前編


2010年インカレ

決勝実績
エンパッハ 26艇 (54%) 優勝6
フィリッピ 12艇 (26%) 優勝5
サイクス   3艇
桑野     3艇
スイフト   2艇
アイリングス 1艇 優勝1
ウィンテック 1艇

小艇種目がほとんどフィリッピでの優勝だったため、優勝実績はフィリッピがエンパに拮抗しています。
その中で、M大W2-アイリングスも優勝を勝ちとっています。


M1X、N大・K原選手が優勝。意外にもフィリッピを愛用されていました。N大は基本エンパのイメージですが、小艇ではフィリッピをチョイスする場合も多いみたいです。2位のT大・I藤T磨選手は全日本でもふれたように17年目のサイクスを使用し見事インカレ準優勝。3位W大・Y原Iたる選手はフィリッピ。4位K都府立医科大のI上選手エンパ。
2010 インカレM1X準優勝 伊藤琢磨選手シドニーローイング日誌より
M大~T大大学院を経て、さらに社会人でもJPOWERで長く続け母校・N津東高のコーチも長く務めボート界に貢献しているI藤T磨選手。
シドニーローイング日誌ブログさんより


M2XではT山国際大がフィリッピ優勝、2位R命館大エンパ、3位R大がウィンテックは当時新艇でした。4位M大エンパ。
M2-優勝W大フィリッピ、2位R谷大がエンパ。3位にK都大、これはスイフトですね。4位N大エンパ。
M2+はN大がこの種目についてはおなじみフィリッピ。2位M大と3位W大がエンパ、4位K都大は桑野。

さて、ここからは申し訳ありませんが全部の種目を詳しく見ることはせず、個人的な興味や特筆事項のみを書いていきます。

M4-は決勝全部エンパ。エンパが強い種目です。
M4Xは優勝N大はエンパですが、2位W大はサイクス使用していました。
M4+優勝N大はエンパ、T山国際が2位でフィリッピ、3位C大エンパ。そして4位のH海道大はスイフトです。白い艇にカンバスをチームカラーの緑で塗装した艇です。

M8+は優勝N大をはじめ2位S台大、3位C大、4位H橋大と全部エンパ。

W1X、優勝W大のO智選手エンパ。2位M大・N山選手エンパ、3位はこの年I科歯科大のS中選手がフィリッピで3位。この選手はもちろん大学からの未経験で、素晴らしい身体能力をお持ちでしたね。フィリッピです。4位O山大のN崎選手がフィリッピ。
W2X優勝W大はフィリッピですが、2位のH橋大、黒っぽいウイングの艇はサイクスのようでした。S木A由子選手とN村Aい選手のコンビで、H橋大のW2X最高位です。3位S台大フィリッピ、そして4位にメダルまであと一歩、G習院大がこの艇は桑野だったようです。桑野が決勝に来るとテンション上がりますね。
W2-は来ました元祖W2-強豪のM大がアイリングスで優勝、M大はこの年W2-3連覇を達成しました。前回も言いましたが、M大女子がはじめて全日本優勝とインカレ優勝を果たしたのはこのW2-種目です。

2010 インカレW2-優勝 明治アイリングス
M大はこのアイリングス艇でW2-優勝を多く積み重ね、女子の歴史を築いた

W4X+は優勝W大、2位M大、3位R谷大までエンパ、4位N体大フィリッピ。












2011年インカレ

ここからは、メーカーは最終日実績として、決勝だけでなく順位決定も含めた合計を掲載します。

最終日実績
エンパッハ 43艇 優勝7
フィリッピ 31艇 優勝4
桑野     8艇
スイフト   6艇
ウィンテック 2艇 優勝1
アイリングス 1艇
ベスポリ   1艇
サイクス   1艇
不明     1艇


エンパ、フィリッピの2強は最終日全体に広げても揺るぎないですが、桑野、スイフトなどメーカーは豊富になってきます。


この年のM1Xは誰にもチャンスがあるような戦国時代の印象でした。T大のW田選手が先頭を走りますが、中盤でトップに躍り出たM山大のT頭選手(エンパ)が優勝。愛媛県のM山大、初のインカレ優勝です。2位はR谷大のY田選手(フィリッピ)。3位T大のW田選手は白い艇にトップが黒くスイフトみたいな見た目の艇でしたがロゴなし、ご存知の方教えてください。4位はRowing DoctorでおなじみのS賀大医学部・N村D地選手はフィリッピでしたね。

M2X、R命館大の優勝はウィンテックでした。2009年N大・S崎選手に続いて2回目のウィンテック艇によるインカレ優勝でしょうか。2位T経大フィリッピ、3位R谷大エンパ、4位N体大フィリッピ。5位にはK洋大フィリッピが入っており、M2Xを得意種目にしていますね。
2011 インカレM2X優勝 立命館 桑野HPより
2006年以来、2回目のM2Xインカレ優勝のR命館大はウィンテックのイメージを高めた。
桑野HPより


M2-はN大の優勝で全てエンパ。また、順位決定では5位K都大と7位K本大がスイフト使用です。
M2+は優勝N大フィリッピ、2位M大はエンパでしたが、3位R命館大と4位K都大は両方とも桑野でした。桑野、決勝2艇です。そして6位にはK畿大が入っており、艇は不明ですがベスポリに見えます。

M4-は優勝N大エンパ、2位S台大青エンパ、3位M大もエンパでしたが4位K都大は桑野の4-です。K都大は得意種目のM2+とM4-で桑野を所有しているのです。
M4X、T山国際大がフィリッピでこの種目10年ぶりの優勝。
M4+ではN大、S台大、M大とエンパです。

M8+では優勝N大に、この年東日本大震災がありましたがS台大が当時最強N大に2秒差まで迫る準優勝。M4-、M4+も3種目準優勝と不屈の精神を見せました。4位K應大はベスポリでM8+決勝を達成。7位に入ったのはエンパK都大。K都大はこの年M2+4位、M4-4位の2種目決勝と、そしてM8+の7位を含むM4+、M2-で順位決定、合計5種目最終日を果たしており、オール未経験チームとしては素晴らしい層の厚さを見せました。何しろ、2007年インカレM8+でN大に迫り2位になっています。




W1XはW大2年・O石選手がエンパで優勝、2位以下は国立大の決勝というのも特筆でしたね。2位H橋大・S木A由子選手、3位O山大・N崎選手、4位N崎大・M本選手。いずれもフィリッピだったようですが、N崎大だけサイクスかもしれません、判別できませんでした。
W2Xは優勝N体大フィリッピ、2位にN本女子体育大の黒いスイフト艇が優勝まであと2秒でした。3位T山国際大フィリッピ、4位M大エンパ。
2011 日本女子体育大HPより インカレW2X準優勝 上野翔子選手、園田佳乃選手
N本女子体育大、2009年全日本W2X3位となったが、この年はインカレ2位でメダル獲得。

W2-はT経大がフィリッピで優勝。
W4X+ではW大が前人未到の10連覇を狙いましたが、魔の第3クォーターで落ちてしまったところをM大に勝負をかけられるとかわされてしまい、M大が劇的なW4X+初優勝を飾りました。2位無念のW大、3位R命館大、4位K應大で全部エンパでした。
ちなみに、順位決定では5位S台大、6位R大、7位H政大、8位K都大の4チーム、2010年も2011年も2年連続全く同じ順位、全く同じレーンという珍しい記録となっています。K都大W4X+も3年連続最終日なので、この当時男女ともH橋大と並んで未経験では大学トップクラスでしたね。












2012年インカレ

最終日実績
エンパッハ 45艇 優勝10
フィリッピ 33艇 優勝2
桑野     7艇
ウィンテック 5艇
サイクス   2艇
スイフト   1艇
アイリングス 1艇
不明     2艇

2012年はエンパが強く、これはほとんどの種目でエンパを使ったN大が7種目優勝をしたことも要因となっています。


M1XではN大1年・M崎選手が見事優勝、2008、2009に続き3度目のインカレ7種目制覇というN大最強伝説の一翼を担いました。艇はエンパ、見てみるとこの時のエンパはカーボンチューブでしたね。N大には個人が使える1X艇がありそうなので3点リガーを使う選手もいると思いますがこちらは新しかったのでしょう。
しかしこの年のM1Xも未経験は活躍し、2位はT大5年目・K村選手はフィリッピのカーボンウイングで優勝まであと一歩。3位はついにRowing Doctor・S賀大医学部のN村選手(フィリッピ)がインカレメダル獲得。4位、N藤選手(フィリッピ)はT波大。

M2X、N大優勝、ストローク1年O塚選手、バウに2年N良選手で今にして思えばすごいクルー。決勝は全部フィリッピ。T波大は前年8位から3位へと躍進。
M2-ではN大、M大、N体大とメダルはすべてセレク私大でしたが、Y口大が4位は初のインカレ男子決勝だと思われます。順位決定では常連ですのでメダルまであと一歩、この記念すべき初決勝はエンパのウイングで達成されました。
2012インカレM2-決勝 Y口大HPより
おなじみのオレンジのハチマキ、紺のチームカラーとともにインカレ決勝で映える。2007年にはインカレW1X3位もあります。
Y口大HPより

それから2012年M2-では順位決定が面白く、5位N古屋工業大(ウィンテック)、6位K州大(エンパ)、7位O山大(フィリッピ)、8位T波大(エンパ)と全部大学からの国立未経験で大接戦を演じました。

M2+はN大フィリッピが5連覇達成。

M4-はN大優勝、この種目も決勝すべて2艇身圏内の接戦でしたが2位はH橋大が3位M大に半艇身少しつけて準優勝は鮮やかでした。やはり全部エンパです。
M4XはN大。2位M大、3位R命館大とエンパ。
M4+はS台大が意地を見せN大の全種目優勝を阻止して優勝。第3クォーターの弱点を克服しハイレートの先行策で勝負に出たことが勝因とのことでした。N大は2位でしたが、それ以外の種目で全部優勝したN大のメンバーがM4+クルーに「よく頑張った。恥じることはない、最高の2位だ」と皆で出迎え健闘を称えていたといったエピソードを伝え聞いています。また常々、「全種目優勝はボート界全体のためにはよいことではない」とN大の監督がおっしゃっていたような気がします。N大は自分たちを負かしてくれるくらい強いライバルを望んでいるのだと。しかしこの年は特に強かった。3位には法政がメダル。

M8+はN大優勝、2位C大、3位W大までエンパ、4位H橋大は前年に続き赤いフィリッピで、H橋大の赤い艇もかなり定着してきました。
N大の年といってもいいくらいなのですが、N大の写真がないために画像でイメージをお伝えすることができません・・・。ご了承ください。




W1XはW大・O石選手2連覇はエンパ、2位のI鍋選手と3位S木A由子選手はフィリッピ、4位C大のS井選手はウィンテックです。
W2X、M大が4年ぶり3回目の優勝、クルーはストロークM岡選手(U一女)、バウにT田C愛選手(Y子東)の1年生コンビでエンパ。2位にH政大もエンパ。3位はN女体大でやはりスイフト。4位W大がフィリッピ。
W2-は優勝W大、2位M大アイリングス。3位H政、4位N体大。
W4X+W大が優勝しすぐに女王の座をM大から奪回します。このときのW大の対校クォドには2番に未経験のH比谷高出身・B内選手が乗っていました。2位M大と両方エンパ、3位のT山国際大はこの種目初めての決勝でした。男子は以前から強かったですが、2011年インカレW2X3位、2012年のこのインカレW4X+決勝3位ときてこのとき2年N呂選手と1年S尾選手を擁し、翌年もW4X+3位、この2人で組んだ2014年インカレW2X優勝、全日本W2X優勝につなげます。フィリッピのカーボンチューブの艇を使用していました。4位S台大エンパ。5位のG阜経大はこの種目最高位でした。












2013年インカレ

最終日実績
エンパッハ 47艇 優勝10
フィリッピ 33艇 優勝2
サイクス   5艇
桑野     3艇
ウィンテック 2艇
ベスポリ   2艇
スイフト   1艇
不明     3艇


引き続き、エンパ強し。N大だけでなく、C大、M大、W大なども得意種目ではエンパのイメージが強くなっていました。


M1Xはエンパに乗る2年のN大・O塚選手が2位に15秒差をつけて圧倒的な優勝。O塚選手はこの翌年以降M8+の主戦となりますが、高校で全日本M1X3位だったり、4年目にW大のN田選手と組んでユニバーシアードLM2X3位になるなどスカルのイメージも強い国際的な力をもつトップ選手です。2位争いは熾烈で、G阜経大・T中選手(フィリッピ)がO山大のF見選手(スイフト)を最後差して2位。F見選手は高校では卓球部だったといいますが、フィジカルを強靭に鍛えメダル選手となりました。4位は現在エリートアカデミーのコーチを務めていらっしゃるM大・H選手(エンパ)。
2013インカレM1X O山大 F見選手
O山大・F見選手は大学からボートを始め、現在は岡山県の社会人チームS川リフラクトリーズで活躍中。
インカレM1X決勝は毎年のように大学からボートを始めた未経験選手が活躍する種目で、2004年からだとこの2013年までの10年間、9年間は未経験選手が決勝で活躍している。その後も4年間未経験が必ず出ていたが、2018、2019は決勝に進めていない。
O山大HPより



M2XはN大がこの年もフィリッピで優勝。2位にT波大フィリッピ、3位M大がエンパ。4位T山国際大フィリッピ。

M2-優勝N大、2位R谷大、そして特筆は3位にT工大が実に27年ぶりのインカレメダル。表彰台はすべてエンパです。T工大は準決勝でH海道大水産、O山大、K本大の国立対決を制し決勝へ。特にH海道水産の猛追はすさまじかったのですが逆カンバスに抑えました。決勝では飛び出したN大とR谷大を追い、第3クォーターで勝負をかけ2番手R谷大を一度は差しますがラスト競り合いで差し返されての3位でフィニッシュしました。
T工大のクルーはストロークがK林選手・修士2年で実はH橋大からT工大の院に進んだボート6年目とのこと。バウには3年のU田選手。このインカレメダルが、T工大のその後の大きな復活につながった原動力になったのではないでしょうか。
2013インカレM2- T工大HPより
H橋大の赤い血がT工大の白いスピリットに輝きを与えた?色んなチームが影響を与え合い活性化する状況を、大学ボートはもっと作り出すことが大事ですね!
T工大HPより


M2+では強力クルーをぶつけてきたW大(エンパ)がN大(フィリッピ)の連覇を5でストップしました。3位H橋大(フィリッピ)、4位K都大(桑野)。
M4-でも6連覇を続けてM4-最強を誇ってきたN大に真っ向から勝負を挑んだのは打倒N大のためにM4-対校を組んだM大です。どちらもエンパがぶつかります。S:A木Y介選手、3:K岡Y太郎選手、2:K谷R選手、B:Y岡S選手のM大M4-はN大に1艇身をつけた得意のスタートと、上げてきたN大に対し入れたミドルスパート10本が勝因だったと語り、M大に9年ぶりのインカレ男子優勝をもたらしたのです。この2013年インカレM4-優勝以来、現在までインカレ男子優勝は6回を重ねており、いまのM大男子の基盤を作り上げたのはこの優勝だったといえるのです。


M4XもN大(エンパ)とM大(フィリッピ)の対決。しかしここは逆にスタートで出たN大が終始緊迫した競り合いながらも優位にレースを進め、N大が優勝。3位N体大(フィリッピ)、4位T経大(エンパ)。
M4+はM大がM4-に続く優勝を狙い1000mでは1艇身差をつけるも、ラストはC大をはじめN大とT海大も追い込んできて4艇が逆カンバス差におさまるという熾烈な大接戦。C大がトップボール差の激闘を制し優勝し、C大にとってインカレ6年ぶりの優勝を果たしました。ストロークのM尾選手は◯TTで活躍されています。


M8+決勝、トップをとったのは準決勝で5'47をマークし4年生COX・S々野選手率いるT北大。最強N大とW大が並んでコンスタント力を見せて第2でこれをかわしていくと、第3ではH橋大が満を持してスパート、しかし後半も強さの増したN大には届かず、優勝N大、2位H橋大、3位W大、4位T北大という結果でした。H橋大のみ赤いフィリッピ、他は新しいエンパ。
5位は久々にT大。C大、K應大、T経大の私大強豪を破っての順決1着。K應大のベスポリ以外は全てエンパ。



W1Xはこの年U23世界選手権LW1Xで銅メダルとなったO石選手が2位のN体大・K本選手に19秒もの大差をつける圧勝で3連覇達成。W大時代のO石選手の愛艇はずっとエンパでした。2位K本選手フィリッピ、そして3位M大のK保選手はこれは桑野のA1ですね。インカレのM2+以外では久しぶりの桑野艇によるインカレメダルではないでしょうか。
W2XはW大がフィリッピで優勝。T屋選手、S藤選手のコンビ。2位N体大のフィリッピはカーボンチューブ、3位R命館大のエンパはウイング。4位T北大はフィリッピのバックウイングでこの後の全日本選手権優勝します。
W2-優勝は3年ぶりM大、アイリングスではなく新しいエンパを使っていました。2位W大エンパ、3位H政大フィリッピ、4位H橋大で赤い艇なのでおそらくフィリッピです。

W4X+はW大が2連覇でM大に5秒近い差をつけての完勝。両方エンパ。3位は前年と同じくT山国際大フィリッピ、2年連続3位によってこれで女子クォド強豪の地位を固めた印象。4位にはH政大でエンパでした。
順位決定も熱く、近年最強の布陣で臨んだG習院大フィリッピがコンスタントの威力を見せて5位。T波大サイクス、S台大エンパ、R大桑野と続きます。












2014年インカレ

最終日実績
エンパッハ 43艇 優勝6
フィリッピ 40艇 優勝6
桑野     5艇
サイクス   3艇
ウィンテック 3艇
スイフト   1艇
ベスポリ   1艇


この年はE対F、エンパとフィリッピは拮抗しています。ほぼ互角といった様相です。
そしてインカレ成績においても、男子はN大一強、女子はW大一強の状況から変化の兆しが現れます。


M1XはN大1年のS賀選手エンパがT経大のO澤選手フィリッピを中盤でとらえて優勝。2位には前年3位だったO山大・F見選手が銀に輝きました。
M2Xでは3位、2位ときて三度目の正直、T波大がフィリッピにてM2X初優勝を果たしました。全日本では連続決勝に進めていましたが、インカレ優勝はやはり素晴らしい。ストロークはT波大附属高出身のN藤S太選手、バウはI治西出身のO智K太選手。ちなみに、T波大はM1Xで2度のインカレ優勝があり、種目は違いますがT波大は3度目の優勝ということになります。T波大初のインカレ優勝は1976年M1X、現在I治西で顧問をされているI出K敏先生であり、O智選手にとっては高校の恩師の後を追って、同じ高校・大学の優勝ということになるようです。2位R谷大エンパ、3位N体大フィリッピ、4位にN大エンパでした。
順位決定も未経験クルーは活躍し、H海道大水産ダブルは桑野艇、T波大に次ぐ予選タイム2位を出し期待を抱かせましたが準決でN大に敗れ順位決定、しかし5位で素晴らしい躍動で大変鍛えられた実力者でした。
2014インカレM2X T波大 FBより
優勝のT波大M2X。ストロークのN藤選手もおそらく付属の経験者、バウのO智選手は兄弟で活躍しこちらは弟さん、T波大は経験者がリードしつつ未経験者もともに強くなる国立大として少数精鋭の強固なチームを貫く。2000年前半は未経験中心で対校はM4+、2004、2005年の2年連続インカレ決勝もあった。
T波大Facebookより



そしてM2-では赤い旋風が起こります。H橋大がストロークT須選手4年、2年バウY田M孝選手2年というクルーで予選衝撃の6'52でタイム1位、決勝では3連覇中のN大の姿はなくS台大、T経大、C大という顔ぶれになりますがいつも通りスタートからぶっ飛ばし2番手S台大に1艇身リードを保ち、早めスパートでラスト鋭いS台大のスプリントに耐えきってインカレ初優勝。H橋大、全種目通じて正真正銘のインカレ初優勝は2014年M2-であり、4年と2年という若い未経験コンビが白いフィリッピ艇で成し遂げました。この優勝がすごいのは、H橋大は対校トップ8がもちろんM8+、M2-はおそらくM4+の次くらいのエルゴ序列で言えば3番手か4番手のクルーがM2-6'52、無風でも7分切るような実力で優勝してしまったということです。
H橋大が対校エイトだけでなく、全体の総合力が上がってどのクルーも決勝や最終日の力があるというのは躍進が始まって5年ですでに証明していましたが、それにしても素晴らしい優勝のトップクルーが3番手か4番手なのです。
2014年、H橋大のインカレはM2-優勝、M8+2位をはじめ、M4+最終日(順決で残念ながら失格、しかし準決全体4位タイムの実力)、M2+3位、M1X5位、M2X7位、M4-は敗復回りで優勝したM大と競って敗復2位タイムながら敗復落ち、M4Xは準決3着で最終日あと一歩、おまけにオッ盾の2年主体M8+がTレ、C電、◯TTに交じって決勝4位という、史上最強のシーズンと言える最高の総合力を見せました。
2014インカレM2- H橋大 動画より
H橋大、インカレ初優勝!
昭和初期には全日本M8+9回優勝、M4+9回優勝を誇る伝統校のH橋大、しかし1974年にスタートしたインカレではまだ優勝がなかった。この年を含め現在までM2-3回の優勝を達成することになるが、インカレまだ3回の優勝というのはむしろ少ないという印象だろう。
バウが普通の体格の2年目というのも素晴らしく、全国の未経験選手に勇気を与えるクルーだ。



M2+では何度も紹介してしまっていますが、R大の2年未経験コンビが予選で前年優勝のW大を破り、N大の4年主将副将コンビより7秒速い予選トップタイムを叩き出しますが、決勝では中盤の決め手に屈し2位となります。N大フィリッピ、R大フィリッピ借艇。3位はこちらも2年未経験コンビで赤いフィリッピ。4位M大はエンパ。


M4-は前年インカレ優勝メンバーでほとんど組んだM大M4-を、前哨戦の東日本で見事に破ったR大の主将が乗る全員未経験クルーがM大にメンバーを再考させます。M大は新たに編成したM4-トップクルーで臨むも、予選でR大に完敗。しかし敗復回りできっかけを掴み、準決勝でも当たったR大に先行策で1着上がりを果たし先着すると勢いに乗っていきます。迎えた決勝、3たびM大とR大の決戦ではM大はややミスオール、R大に先手を許します。しかしM大の真骨頂はコンスタント、中盤のミドルスパートでぐんぐん加速しR大をとらえ第3だけで1艇身もあけると、ラスト追いすがるR大を逆カンバスまでに抑えて優勝、2連覇達成。個の両者はエンパの戦いでした。
そして3位のS台大・フィリッピ、4位のK都大・桑野も、決勝ではベストパフォーマンスで一気に僅差に迫る勝負となり、インカレ決勝の舞台の不思議な力を改めて感じさせるレースでした。


M4Xは、こちらも作戦が功を奏しました。M大フィリッピが、N大エンパ、N体大フィリッピに対してコンスタント勝負で慌てず自分のペースに集中。地力の差で先頭に立ったN大を、磨いてきたコンスタントでM大がぴったり半艇身で追うと、第3で並びかけ、そしてスパート勝負をかけてようやくM大としてこの種目N大に勝ち、M4X初優勝を果たしました。2009年からずっとインカレ決勝を続け、あと少しでN大に勝てるところで2位が続き、ようやくN大に僅差ではありますが優勝を遂げたのです。M大のこちらも強固につなぐスカルチームの系譜。2009年から現在の2019年まで11年連続M大はインカレM4X決勝を継続しています。


そしてM8+。最強メンバーのN大エンパが5'44で圧倒し優勝。しかし前述のようにH橋大も史上最強メンバーで臨んでいました。H橋大の赤いフィリッピはS:F田R選手4年、7:N村S人選手4年、6:K田N隆選手4年、5:H井S一選手3年、4:A川R太選手2年、3:Y田Y祐選手4年主将、2:H木B選手4年、B:K原R誠選手3年、C:N尾S太朗選手4年という、コアなボートファンしか分からないと思いますが「おおっ」と唸らせるH橋大最強メンバーです。未経験の国立大でありながらA川選手をはじめ、5人が代表経験、4人が社会人で活躍しています。
そして3位にはW大、4位にはK應とこの年はインカレM8+決勝に久しぶりにWKが揃い踏み、どちらもエンパでした。




W1XはM大3年のT田C愛選手がフィリッピで本領発揮、7'55の好タイムで2位に12秒差つけ優勝。2位S台大N川選手フィリッピ、3位はT波大のO原選手エンパ、そして4位W大のK下選手エンパです。
W2XはT山国際大のS:N呂選手4年、B:S尾選手3年のコンビがW2X三冠の年、インカレではスタートからSR37で攻め続け2位のW大にラスト詰められるまで2艇身差をキープしました。3位S台大までフィリッピ、4位のT経大はサイクスでした。

そしてW2-です。N古屋大のインカレ初優勝です。
N古屋大のW2-はエンパ、ストロークが未経験のS原M子選手4年と、バウが経験者のS根Y佳選手3年というクルーでした。S原選手は、W大でロンドン五輪に出漕したS原H奈選手といとこにあたります。
実は予選でW大に敗れたN古屋大、バウのS根選手はかなり落ち込んだといいます。しかしそのS根選手、医学部保健学科で放射線技師をめざしておりインカレ予選が終わった30分後に電車に飛び乗り、国家試験を受験しに行ったといいます。
W大に負けても予選タイムは全体2位。敗復をぶっちぎり7'43の好タイムで準決勝に上がると再びW大と当たり、スタート出るもまたしても中盤で競り負け2位で決勝に進みます。
しかし決勝も攻めに出るN古屋大。さらに決勝で飛び出そうと決めていたのはR命館大でウィンテック、決勝のレースで出遅れたW大とM大のW2-2強はエンパ、この両者に離されてしまいます。ひたすら逃げるR命館大、半艇身でぴったり食らいつくN古屋大と、次第にこの2艇の優勝争いになっていき、予選、準決勝と違う真の力を発揮したN古屋大はラストスパートでさらに上げ、最後はスタートと同じラップでR命館大をラストで半艇身差かわし優勝のゴールへ飛び込みました。しかし夢中で漕いだ2人はその瞬間は分からず、ゴール後の判定で優勝と聞いて驚いて喜んだそうです。ストロークのS原選手はインカレ決勝の3日後、大学院試験を受けたとのことです。
勉学も大事に、文武両道を貫いたN古屋大ボート部。はじめてのインカレ優勝は自身にもチームにも大きな宝物となりました。
2014インカレW2- N古屋大 彦根東高ボート部HPより
H根東高ボート部HPより
N古屋大、インカレ初優勝!


この後、3週間後の全日本ではR命館大がスタート攻めながらも今度は逆にN古屋大を徹底マークし反対に半艇身差につけて第3で逆転という、リベンジを果たしそこから現在継続中の全日本W2-6連覇につながりますが、N古屋大とのライバル対決がそれを生み出したとも言えます。


W4X+はW大がエンパで優勝し3連覇達成。T屋選手、S原選手の最強ストロークペアに、S藤選手、T川選手のバウペア、コックスO山選手です。2位のN体大はフィリッピ、この3週間後は全日本で優勝し雪辱することになります。
そして3位T北大は久しぶりに未経験クルーがインカレW4X+決勝メダルとなりました。女子では経験者クルーが圧倒して久しいですが、この年は5位T波大の経験者と未経験のクルー、6位K戸大、8位G習院大と最終日の半数が未経験ということで躍進しました。
T北大は前年全日本W2X優勝したY川選手4年とH田選手3年をストロークペアに、I上選手2年とS村選手3年がバウペア、コックスはO花選手4年という対校女子クォド。艇は黒いウイングリガーを装着したサイクスですね。全日本のW4X+優勝するようなW大とN体大の2強を相手に、堂々とスタートでトップを奪い、コンスタントでも渡り合いました。未経験クルーのインカレW4X+決勝とメダルは、2007年G語大3位と、この2014年T北大3位の2つだけです。クォドやフォアの4人乗り種目でも未経験クルーの活躍が見られることを今後も期待します。
2014インカレW4X_ T北大ブログ
2014年インカレ3位で、最強世代のW大、N体大に堂々と渡り合ったT北大も最強世代と言えるメンバーが揃っていた。
T北大ブログより











では、またまた長くなりすぎているので前編・後編に分けてお送りしたいと思います。
後半へ続きます!









全日本選手権、メーカーの実績・後編







2015年全日本

決勝実績
エンパッハ 29艇(55%) 優勝8
フィリッピ 18艇(34%) 優勝3
ウィンテック 4艇 優勝1
桑野     1艇



M1Xでは準決勝でT田選手にまたアクシデントか、途中で大きく失速してしまいはじめて決勝進出がなりませんでした。
優勝したのはS日鐵S金のN良選手(エンパ)です。大学強力スカラーのT波大・O智選手とT経大・O澤選手が2位3位でフィリッピ。C電I井選手(エンパ)という結果でした。
M2XではIリスがこの年も6'26で好調さをアピールし4連覇。リオ五輪が近づいており、パフォーマンスをさらに上げてきていました。2位I治造船、4位S川リフラクトリーズとおなじみのM2X決勝常連チーム、すべてエンパ。3位には、JPOWERとCRIMSON/GANGのコラボダブルがフィリッピにて見参。I藤T磨選手とK谷選手ですね。普通に忙しい社会人をやりながらこの年もハードなトレーニングを続け決勝3位に輝きました。

M2-はT田中のT立選手、K林選手の黄金コンビで優勝、6'48の好タイムとともについにM2-エンパ帝国の牙城を崩しフィリッピ艇がM2-優勝を果たしました。これ以降、M2-はフィリッピのイメージも強くなっていきます。2位Tレエンパ、3位H橋大フィリッピ、4位K應大エンパです。
M2+ではW大(エンパ)がN大(フィリッピ)の追撃をしのぎきりインカレに続いて優勝。ラストはカンバス差近かったですね。W大は2010年M4+以来の全日本男子優勝、1年漕手2人と2年COXの若いクルーが貴重な全日本タイトルをW大にもたらしました。3位M大(エンパ)、4位T大(フィリッピ)。

M4-はK電がエンパ艇で逃げ切り優勝。大学3艇もついていったがインカレ優勝のR大は調子を落としておりトップ狙うも早い段階で脱落。S台大、N大は最後までK電に迫っていくが「力負け」と語ったように詰めては離される展開を覆すことが出来ず。S台大はフィリッピ、N大とR大はエンパ。ちなみにK電は高卒1年目のT田M弘選手が3番を漕いでおり、貴重なスイープ経験となったようです。
M4Xはオールエンパ。N大がスタート先行策でC大との競り合いに優位に進めるとラストT経大とM大の追撃にも冷静に対応し4連覇を達成。クルーはまだ2年のF米選手が率い、センスの溢れる1年3人という構成ですがこの年のN大のM4Xは平均170cm、69kgほどの小柄なクルーだったのも特筆でしょうか。2位のT経大は3度目の正直ならず常にN大が立ちはだかりこの4年で3度のM4X準優勝。
2015全日本M4X ローイングより
小柄なクルーでもM4X6分ひとけた出せる!
Rowing誌の写真より転載させていただきました

M4+もK電が優勝し2種目優勝。これもスタートからトップを走る王道のレースでしたが最初から最後まで差のない2番手追走で初の準優勝に輝いたのはO阪市大です。タイムも6'30をマークしており、あと一歩で全日本優勝という素晴らしいパフォーマンスでした。3位S台大までエンパが並び、4位T海大はフィリッピ。
2015全日本M4_ K電 青野さん動画より


M8+の決勝はやはりすべてエンパが揃います。
インカレでN大のV10をとめて19年ぶりのM8+優勝を果たしたW大に期待がかかりましたが、リベンジに燃えていたのはそのN大でした。C電が積極的に出ようとするもコンスタントに勝るN大は第2、第3と主導権をとってレースを進めると、MY生命をスパートで突き放し圧倒、通算6回目の全日本M8+優勝を果たしました。
このN大も近年のメンバーで最強ですね。S:S藤K選手、7:S賀選手、6:O塚選手、5:H選手、4::M選手、3:N溝選手、2:A木S太選手、B:I藤S汰選手、C:Y口J大選手。現在、◯TTとTレとN本製鉄とC電の主力ばかりですね。この年のユニバーシアードLM4-優勝とLM2X優勝のメンバーがほぼ乗っているのですから無理もないですね。
W大もストロークのN田選手はじめ歴代最強のメンバーが乗ったM8+でしたがインカレ後調子を維持するのは難しかったようでうまく流れに乗れない決勝となってしまいました。




W1Xではまだ高校2年のD門選手に注目が集まりましたが優勝したのはM大のN瀬選手。2位H田林工のD門選手、3位N体大のK本選手までフィリッピ。4位I治造船のS原選手はエンパ。
W2X、来ましたね。オールフィリッピです。W2X決勝で白い艇が揃いました。レースはT北大とT自動車が引っ張る形でスタートしていきますが、無理のないペースでコンスタント勝負に出たT山国際大と高校生のY子東高が力を発揮して進出しラストは先に出ていたT山国際が2連覇達成。メンバーもS尾選手とK山選手のコンビで万全でした。Y子東高はT島選手とN井選手、この後2人ともM大に進んで活躍しますがこの時点でやはり7'19を出していました。高校生パワー、おそるべしです。


W2-はF井選手がバウサイストロークとなりO井選手と組んで2連覇達成。この決勝は2位M大のみエンパで、優勝R命館大、3位G阜経大、4位T山国際大の決勝3艇がウィンテック使用でした。ウィンテック、いよいよ実績面でもブレイク寸前となっています。
そしてこの2015年からW4X+に代わりW4Xのなしクォドが新種目になりました。
W4X元年、初代チャンピオンはやっぱりW大でした。そしてこの大会のために特注したと思われる、桑野のA1艇での優勝です!
スタート、コンスタント、ラストとどれをとってもライバルのK電(エンパ)、MY生命(フィリッピ)、M大(フィリッピ)を一枚上回っていました。それもそのはず、S:T屋選手、3:S原選手、2:Y川選手、B:K野田選手の陣容は最強すぎますよね。エルゴ平均7'05くらいのクォドか?
2015全日本W4X W大 A1 Gooブログ花暦日記より
桑野A1とともに、W大のW4Xが日本一に!
Gooブログ花暦さんより写真転載させていただきました。


そしてW8+ではM大、R命館大、そして初の決勝R大、W大がまれにみる接戦を展開。
M大とR大が飛び出して2艇並んでいきますが第3でやや落ちたR大をR命館大がとらえスパートをかけます。やや出遅れていたW大もスパートをかけ、ラスト4艇のスパートの応酬が観客を沸かせますがM大が突き抜け3連覇達成。
しかし、R命館大、R大はW8+女王の座の奪取を誓いさらにスイープ強化を進めていくことになります。












2016年全日本

決勝実績
エンパッハ 28艇(53%) 優勝8
フィリッピ 21艇(40%) 優勝5
ウィンテック 1艇
サイクス   1艇
桑野     1艇



フィリッピがかなりエンパに迫ってきています。
じわじわとシェアを伸ばしてきて、来年どうなるのかという期待を抱かせる数字になっていますね。


M1XではT自動車のN村選手が18歳ながらT田中・T立選手、N本紙パルプ・N田選手、Dイキ・T田選手という錚々たる面々の実力者に対し果敢にスタート攻めて逃げ切り優勝。T自動車は赤い艇ですが見たところフィリッピのようなのでフィリッピ認定いたします。T立選手とT田選手はフィリッピ、N田選手はエンパ。M1Xはフィリッピ優勢が当たり前になってきました。

M2X、いつも一人旅だったIリスオーヤマに強力なライバル出現。S日鐵S金です。ストロークに前年M1X優勝のN良選手、そしてバウには◯TTから移籍してきたN野H志選手という強力ダブル。リオ五輪の直後、IリスのO元選手対N野選手というリオ五輪LM2X同士の対決ともなりました。しかしクルーの熟成度はIリスが一枚も二枚も上手というところ、スタートから一気に勝負をかけて水をあけた時点で勝負ありか、バウのS田選手の引退レースということもあって気迫がみなぎりその後は中盤の道中2艇身半ものリードを保って完勝しました。
Iリスのエンパは前年までカーボンチューブリガーでしたがこの年はカーボンバックウイングに替わっており艇の新調も勝因だったでしょうか。S日鐵S金もフィリッピのカーボンバックウイングでした。I治造船とS川リフラクトリーズはエンパです。
2016全日本M2X 日ボHP
O元選手、S田選手のコンビで5連覇達成。2016年で引退を決意したS田選手は100点満点のレース内容だったとのこと。積み重ねたM2X優勝回数は通算9回。2020年現在まで11回と優勝を伸ばしている、スーパー精密ダブルのIリスオーヤマ。


M2-はK電がエンパで優勝。2位T紡織もエンパだが、3位◯TTは珍しくフィリッピ、そして4位T北大もフィリッピ使用。T北大はK電の2番手に競りかけ優勝を狙ってのラスト4位だったが勇敢なチャレンジでした。
M2+は先行して優勝をめざすK應大が第3でN大にかわされてしまい無念の2着、フィリッピ対決でした。M2+に強いK都大は5年ぶりの決勝、桑野の艇でこの年も3位メダル。W大エンパは4位。


M4-はR大、T紡織、S台大、N大の勝負で、S台大のフィリッピ以外全部エンパです。
このM4-決勝は、R大はもちろん対校、T紡織もM8+を崩してのトップ4で来ておりY尾選手、IK田Y紀選手、A部選手、T本選手の勝利のためのクルーだったと思います。S台大もまだ若手のI瀬選手を中心におそらく対校メンバー、そしてN大は次代のM8+候補が乗るセカンドに近いクルーでしたね。
R大はしかし、この全日本M4-優勝をシーズン最初から目標に定めており、チームカラーの青に塗装したエンパッハの新艇を用意していました。前年はインカレ優勝を代償にダメージが残って全日本はベストで戦えませんでしたが、この年はインカレが故障を抱えベストが出せず何とか2位、しかし全日本は新艇も用意して調子も上げて挑むことが出来ていたのです。
全日本をとるなら今年しかない、というすべてのタイミングが結集して、ずっと2000mスパートをかけ続けるようなミラクルな漕ぎができて創部初の全日本優勝することができたのです。
2016全日本M4-優勝 立教 日ボHP
全員、大学からボートを始めたメンバーで全日本優勝。T北大も証明していますし、必ずできます。
必要なのは、人と情熱、ですが、資金や物つまり艇もやっぱり必要になりますね。しかしそれを生み出すのはやはり結局は人と情熱なのだと思います。


M4XはK電が優勝。2年連続2種目優勝は素晴らしいですね。N大は連覇が途切れてしまい2位、3位S台大で、M4X種目でも強くなってきました。上位3艇はすべてエンパ。4位T山国際はフィリッピ。
M4+優勝はS台大(フィリッピ)。M4-は3位となりましたがM4+では見事日本一です。N大(エンパッハ)が2位、そして3位には2年連続決勝のO阪市大が入りました。フィリッピだったのですが、これは借艇だったのでしょうか。4位のT大はエンパです。


M8+はここ2年、決勝の舞台から遠ざかり大変悔しい思いをしてきた◯TTが春先の不調を克服し全日本で一気に頂点へ。監督も交代され、このシーズンから現在まで続く◯TT快進撃のストーリーがはじまります。
N大も最強世代のメンバーが中心でしたが◯TTの勢いの前に2位と及びませんでした。また、M大が僅差の3位となり全日本M8+の舞台で勇躍しました。M大のM8+復活も、オールドファンには感慨深いものだったでしょう。全日本M8+決勝は何十年ぶりだったのでしょうか。しかしもう古豪とは呼ばせない、M大は唯一純白のフィリッピM8+を駆ってエンパ帝国に立ち向かいます。
優勝◯TTと4位MY生命はカーボンウイング。そして2位N大と3位M大はアルミウイングでした。
2016全日本M8_優勝 ○TTHPより
悔しさを大きな大きなバネとして、優勝の瞬間は喜びを爆発させた◯TTの9人。ボートをできない期間もあった中で長く耐える時間が、今なお長く続く栄光と飛翔につながっているのかもしれない。




W1Xは初めて全部フィリッピとなります。T山国際大3年K山選手が実力を発揮し優勝。D門選手はまたも2位ですが大変な健闘です。T自動車に移籍しているF本選手は3位。4位R谷大のO西選手でした。
W2XはMY生命(エンパ)が優勝、S木A由子選手とU田選手のコンビです。2位T自動車、3位T北大、4位W大はフィリッピ3艇。T北大は4年I上選手と2年N原K選手のダブルで、もちろん2人とも大学からボートを始めています。あと0.27秒で2位でしたが、それもボートですね。T自動車との2000mつばぜり合いで、N原選手は初めて2000mレースが楽しいと思えたそうです。楽しいと思えるレースがきっかけで、ボートに対する気持が大きく変わっていくのです。
W2-はR命館大が前年と同じくF井選手、O井選手のペアで優勝し3連覇。しかしここでエンパの新艇に替えています。ウィンテックを使い続けてほしかったですが、エンパのほうが安定感がありますかね。2位T山国際大ウィンテック、3位N体大フィリッピ、4位R谷大エンパでした。

W4Xでは、MY生命のストロークにT屋選手が加入してMY生命クォドがスピードアップ!3番S藤選手、2番U野選手、バウR木選手の組み合わせで、あのフィリッピ艇、あの先行してスピードが落ちないスタイルを築き上げスムーズに艇を滑らせていきます。W2Xとの2種目優勝はすごい!2位W大は前年の桑野から替えてサイクスを使用していますね。3位M大フィリッピ、4位K電エンパでした。
W8+は激しい2番手争いを尻目にM大(エンパ)が水をあける一人旅で快勝。M大の全日本W8+4連覇によって、W8+はM大のイメージが強くなったと思います。2位は学生と社会人の混成であるY進堂(フィリッピ)。3位R命館大(エンパ)、そして4位にはオレンジのチームカラーに塗装したH政大の艇がお目見え、これはフィリッピのようですね。












2017年全日本

決勝実績
エンパッハ 23艇(44%) 優勝7
フィリッピ 24艇(46%) 優勝6
ウィンテック 2艇
桑野     2艇
サイクス   1艇



ここへきて、ついに!!フィリッピの決勝実績がわずかにエンパを上回りました!!
優勝実績もあとわずか、ほとんど並んだといっていいでしょうか。これでもうエンパとともにフィリッピも2強と呼んで問題ないでしょう。望むのは、もっとほかのメーカーもグイグイきてほしいところですね。


M1XではS日鐵S金のN野H志選手がこの種目でははじめての優勝。TレのF井選手が2位、どちらも日本代表。そして3位はインカレM1X優勝でスターダムに駆け上がったD大3年・S間選手。バリバリ代表選手の2人に対しボート始めて2年半のS間選手が3~5秒差圏内で全日本3位というのもものすごいことです。N本紙パルプN田選手4位、会社員とボート選手の両立はなかなか大変ですがこうした選手も今後も多く頑張ってほしいところです。S間選手がエンパ、他はみなフィリッピでした。


M2Xはライバル対決再び。Iリスオーヤマは新たに◯TTから移籍したN村選手を加え、S:O元選手、B:N村選手のニューコンビで始動しています。対するS日鐵S金はS:N良選手とB:S藤K選手。N大出身同士だけあって、昨年以上にコンビの合った漕ぎが展開できそうでした。そしてK電もS:T田K樹選手、B:T田M弘選手で強力なT田コンビを形成。3強対決となっていきます。
スタートは飛ばしたS日鐵S金が頭をとりますが、第2、第3とコンスタントで強さを見せたのはIリスとK電。S日鐵は第2の遅れを挽回し目の覚めるようなラストスプリントでIリスに迫ったところでゴール。雨でタイムが出にくい中、優勝Iリス6'29、2位S日鐵6'30、3位K電6'36とハイレベルな決着となりました。K電がフィリッピで他はみなエンパでしたね。


M2-は初めてフィリッピが表彰台を独占ですね。エンパ一強だったM2-種目、小艇のフィリッピが躍進し続けています。
優勝はT田中でS:K又選手、B:T立選手のニューコンビとなりましたが、2位H政大、3位S台大も社会人を大いに脅かしました。H政大はインカレM2-3位からさらに艇速を伸ばしこの全日本M2-2位6'57のタイム、S:N見選手4年とB:N岡選手1年のコンビはH政大男子復活の狼煙を上げる大きなメダルとなりました。

M2+はN大、S台大のフィリッピ対決となり7'30で優勝N大、2秒差でS台大でした。3位にはこの全日本M2+にかけてきたO阪大が桑野の艇「飛龍」で創部初の全日本メダルを獲得。O阪大は関西選手権M8+も優勝しており、エルゴ6'18を誇るT永選手とM浦選手、そしてCOXのK本選手で対校M2+で全日本にチャレンジし優勝も可能だったと思いますが惜しくも3位。しかしこのメダルで常に上位争いを続けてほしいビッグクラブ候補チームのひとつです。
2017全日本M2+ O阪大FBより
桑野のM2+艇、惜しくも3位だったがたくさん決勝に出てきてほしい!
O阪大HPより



M4-は前年優勝のR大主力の4年3人が一気に抜けて世代交代しますが若手がうまくフィットし、予選の差を縮めながら決勝に進みました。◯TT、K電、R大、T北大の4艇は実力伯仲と見られました。◯TTはM8+に乗ってもおかしくないメンバー、そしてその他の3クルーはみな対校クルーの実力です。しかしスタート直後T北大のシートがトラブル発生により流れから脱落してしまい、◯TTが飛び出しK電が2番手、R大が後を追う展開に。パワーと技術が安定している◯TTが優勝、K電とR大はラスト僅差になりますがトップボール差2位K電、3位R大でした。この3艇はエンパ、4位T北大はフィリッピでした。

M4XはN大がまた強さを見せチャンピオンに返り咲き。N村選手とF米選手がバウペアで、新たにルーキーの実力者、Y田T人選手とE畠R斉選手がストロークペアでいきなり優勝しました。2位復活の兆しを見せるT自動車がともにエンパ、3位M大と4位N体大がフィリッピです。

M4+では大学対決。序盤は一団で進み、第2、第3と先頭を走ったM大に最後まで食らいついたのはK都大の対校クルーでした。半艇身ないくらいまで追い詰めたK都大のエンパッハですが、優勝はフィリッピのM大に軍配が上がりました。M大は3年のK池選手をリーダーに、S々木選手、S藤選手、K原選手の1年3人と、COXはT野選手という構成。M8+準優勝しているにも関わらずM4+優勝というM大の層の厚さを見せる結果でした。優勝メンバーはもちろん皆チームのリーダーへと成長していきます。
2017全日本M4+M大 日ボHP
M4+優勝のM大、対校艇はエンパからフィリッピに移行しつつあり?
日ボHPより

M8+は大学勢の強さが上がってきてMY生命、C電、Tレは順位決定、T紡織は敗復落ちという形となり形成逆転してきた大会でもありました。唯一の社会人としてM大、C大、N大の挑戦を受ける格好となった◯TTでしたが、2連覇に向けて死角はありませんでした。まずチーム最高の5連覇をめざしているというCOX・S々野選手の言葉通り、2位M大に大きな水こそあけられませんでしたが常に1艇身差をキープする完勝でV2達成。
M大の素晴らしい活躍でフィリッピはM8+最高位の2位をマーク。エンパの領域まで大艇でもあと少しですね!3位C大、4位N大で、M大以外はもちろんみなエンパでした。




W1Xはリオ後にIリスオーヤマに移籍したO石選手が今度は艇もエンパからフィリッピに替えて、予選で7'48を出すなど絶好調で優勝しました。それ以外は大学対決、2位M大・T本選手(エンパ)、3位は大健闘のT北大2年・Y吹選手(フィリッピ)、4位H政大の1年ルーキー・I垣選手(フィリッピ)となりました。
W2Xはオールフィリッピ。インカレぶっちぎり優勝したN体大の最強コンビ(S:T橋Kほ選手、B:S井選手)が全日本も優勝。2位W大、3位MY生命、4位T波大という結果でした。
W2-は昨年に続きR命館大が盤石の優勝。F井選手、T野選手のコンビです。2位W大とともにエンパ。3位S台大は青い桑野、4位T山国際大はウィンテック。
W4Xは大接戦を制したのがスタートから攻めたK電(エンパ)で、ライバル3艇のアタックを防いでの全日本の女子では初優勝。2位MY生命(フィリッピ)、3位T自動車(エンパ)はやはり早めに先頭に立っておきたかったところですね。4位W大は、このところ毎年艇を替えているようなんですが白い艇、トップの黒いくちばしがスイフトにも見えますが、サイクスとしてカウントさせていただきました。

W8+ではついにR命館大がエンパにて初優勝を果たします。それも水をあけての強い勝ち方でした。W2-の常勝チームとなり、2Xや4X+も強くなり選手が増え層が厚くなっての結果、名実ともにスイープ強豪となりました。もちろん、スカル系でも優勝争いできるでしょう。2位W大(エンパ)、3位はY進堂(フィリッピ)です。4連覇中のM大はやや精彩を欠き、4位でした。
2017全日本W8+ R命館大 日ボ
このW8+優勝とW2-実績により、次年度のインカレW4+で圧倒的な力を見せることになるR命館大
日ボHPより













2018年全日本

決勝実績
エンパッハ 28艇(53%) 優勝9
フィリッピ 21艇(39%) 優勝4
桑野    1艇
ウィンテック 1艇
サイクス   1艇



2018年、M1Xでは◯TT・A川選手の力が爆発し7'03でぶっちぎり優勝。2位K電・T田M弘選手、3位MY生命・O河原選手でここまでM1Xでは珍しくエンパが表彰台独占です。そして4位N体大のT山選手でした。
M2X、Iリスは前年よりもS日鐵S金を大きく離しM2X7連覇達成。M2Xも久しぶりに全部エンパ、カーボンウイングが主流になってきています。M1XとM2Xの小艇でエンパ復権が見られていますね。

M2-は創部3年目にしてCプロが全日本優勝。フィリッピ艇で駆け抜け栄冠を手にしています。エンパの◯TTがラスト怒涛の追い込みで2位に浮上しており、3位T北大、4位N体大はフィリッピです。
M2+はラストイヤー。といってもまだこの時点ではなくなることは決定していませんでしたし、復活を希望しています。N大とM大がエンパ同士、1000mでは並んでいましたが2000mではN大が一気に8秒も離してしまい後半圧倒して優勝。N大のM2+、これまでずっとフィリッピでこの年だけエンパなのでおそらく新艇なんですよね。最近5年の間に2+艇買ったチームも多いと思うので、その意味でもCOXの実戦のためにもM2+復活してほしいところです。3位S台フィリッピ、4位K都大が桑野です。
2018全日本M2+ N大 日ボHP
このカーボンウイングのピカピカの新しい2+艇、もっと活躍の場がほしいですね!
日ボHPより



M4-優勝のK電(エンパ)は最後方からのレースとなり、第2、第3のコンスタントでエンジンがかかり一気にスパートを決めて優勝。2位S台大はフィリッピ、3位◯TTと4位M大はエンパでした。M大はこれまで3位、2位と来ていた全日本M8+を崩してこの年は対校M4-とM4+に力を入れてきましたが、どちらも4位となりM大としては悔しさの残る結果でした。
M4XはN大とN体大が先行し、S台大とD大の強さを警戒して早めに勝負をかける作戦、結果的にN大が粘り切り優勝。S台大はインカレ優勝したスパートを武器に追い込みますがわずかに届かず2位。どちらもエンパでした。3位N体大と4位D大はフィリッピです。
M4+はT田中がフィリッピでスタートからラストまで先頭をひた走り水をあけて優勝、S:T立選手、3:K又選手、2:N本選手、B:K林選手、C:T田選手のクルーでした。COXが数多く在籍してきたT田中、全日本の付き艇種目はこれが初めての優勝でした。2位S日鐵S金フィリッピ、3位S台大フィリッピ、4位M大エンパです。
2018全日本M4_ 日ボ
T田中は名COXが集うチーム。やはりM4+で強豪になってほしい?
日ボHPより



M8+では王者◯TTにC大が果敢に攻めていく展開、1000mまで競りかけていましたがラストに社会人のTレ、T紡織の追い上げに遭い、4位とはなりましたが大変素晴らしいチャレンジでした。優勝は◯TTで不動でしたが、2位と3位は僅差で0.07秒差でTレが2位という判定でした。Tレは青いフィリッピを使用しており前年に続きM8+でフィリッピが2位を確保しました。他は全部エンパです。


W1XはIリスのO石選手(フィリッピ)とT自動車のS原選手(エンパ)のW大出身対決になると思われましたが、N体大のS井選手(フィリッピ)がトップに立とうとハイペースで先行していきます。O石選手が中盤でかわしてトップに出ると、S原選手もスパートをかけますが水は埋まらず、優勝O石選手は2連覇、2位S原選手、3位S井選手、そして4位にO阪市大のH内選手(エンパ)という結果になりました。H内選手の決勝進出も素晴らしかったですね。

W2XはMY生命、I治造船のエンパ2艇が先行する展開、T自動車とK屋体大のフィリッピ2艇がコンスタント勝負をかけていきますがエンパ2艇のペースが落ちてきて、フィリッピ2艇が前と入れ替わります。先にぐんぐん仕掛けたのはT自動車(S:F本選手、B:K本選手)で、見事に女子として初めての全日本優勝を果たしました。

W2-ではR命館大(エンパッハ)が敵なし5連覇、T野選手とU京選手のペアでした。2位はT田中で、S地選手とママさんとしてカムバックのH田選手(旧姓K倉選手)のコンビでした。3位にT山国際大はフィリッピ、そして4位にR大でこちらはウィンテックでした。

W4XはK電(エンパ)にT田C愛選手が加わってパワーアップ、MY生命のお株を奪うスタート飛び出しを見せるとそのまま落ちることなく追いかけるMY生命(フィリッピ)とDソー(赤エンパ)に対し巧みに1艇身差をキープし優勝、2連覇を達成しました。4位はM大(フィリッピ)。
2018全日本W4X、K電 日ボHP
K電、見事なレース巧者ぶりで2連覇。エンパのバックカーボンウイング、日本にもますます増えそうです
日ボHPより



W8+ではR命館大がエンパで圧倒し、2連覇達成。2位にT山国際大、3位H陸電気工業はどちらもフィリッピ。4位のW大は新しくエンジに塗装したウイングの艇、これはサイクスのようですね。WKレガッタでもこの艇でしばらく活躍してくれそうです。












2019年全日本

決勝実績
フィリッピ 27艇(42%) 優勝8
エンパッハ 31艇(48%) 優勝5
ウィンテック 5艇 優勝3
桑野     1艇



さあ、ようやくラストですよ!
艇の実績だけでなく振り返り記事にしてしまったことで思いもよらず長編小説に変わりましたが、いよいよ最終回というか現在に近づいてきました。2019年は皆さんも記憶に新しいでしょう。

そして!ここへきて、なんとフィリッピが優勝実績でエンパを初めて抜き去りました!さらに第3のメーカー、ウィンテックが優勝3種目で躍進です!風雲急を告げるメーカー勢力争い。
2019年はいつもの13種目から16種目にも増えたので、優勝艇も増えますが、やっとエンパ1強から最近になって色々な艇が出始めたかなという感じでしょうか。
決勝実績ではエンパのほうが上でしたが、優勝艇のほうがメーカーとしてはアピールできると思いますのでフィリッピを上に書かせていただきました。


M1Xではまたフィリッピが多くなり、優勝のN野選手、3位N体大T山選手、4位W大A部選手がフィリッピです。2位のT田M弘選手がエンパでしたね。
M2Xはやはり全エンパ。エンパ回帰であります。◯TTのA川選手、S間選手のM2XとIリスのN村選手、O元選手の夢の対決は昨日のことのようですよね。どちらもバックウイングのカーボンでした。I治、S川ももちろんエンパです。
2019全日本M2X ○TT O東さんより



LM2Xでは優勝N大はイメージ通りエンパ、2位D大はフィリッピ、3位T経大エンパ、4位N体大はフィリッピでE社とF社互角。
M2-、Cプロは2連覇でフィリッピの実績を高めます。2位C電、3位K應大、4位T紡織はすべてエンパでした。
LM2-については逃げるM大、追うN大のエンパ対決はラスト紙一重でM大に軍配。3位H政大フィリッピ、4位R命館大はエンパ。
2019全日本LM2- M大 日ボFB T島さん



M4-、◯TTのエンパ、R大の青エンパ、C電のエンパを一刀両断はS台大のフィリッピでした。素晴らしい、「切り裂きのフィリッピ」本領発揮で見事なコンスタントで11年ぶりM4-優勝でした。
M4Xは来ました男子クォドでも全部フィリッピの時代が。N本製鉄、T田中を鮮やかにかわしての優勝です。3位S台大、4位M大もみなフィリッピです。
2019全日本M4X N本製鉄艇の研究用 O東さん



M4+はC電、K電、O阪府大のエンパ3艇相手に逃げる逃げるH政大の白いフィリッピ。COX・A葉選手の絶妙な戦術とそれに反応した若いオレンジ4戦士が戸田に新たな伝説を作りました。
2019全日本M4_H政大優勝 日ボFB艇の研究用 T島さん



M8+は日本の最速5'40切りをめざして挑戦した◯TT、エイトのカーボンウイングでグングン加速し果てしなく伸びていき4連覇達成。しかしライバルも秘めたパワーを開放し全部エンパの強大なT紡織、Tレが1艇身圏内で猛アタックをかけ水をあけさせない意地を見せます。C大は息切れし社会人の底力に根負けしますがこの悔しさがインカレで爆発します。
2位T紡織と3位Tレは◯TTと同じくカーボンウイングの新艇で、Tレはハドソン、フィリッピと乗り継いできましたがエンパに戻ったという感じです。C大ももちろんエンパですがアルミウイングですね。
2019全日本M8_ ○TT S々野さんFB






これくらいサクサクいくほうがテンポがよさそうですね。
女子、W1XはO石選手が力を見せつけ7'48の圧勝フィリッピ、3連覇。2位のPリントパックN原選手はライトグレーの艇ですがフィリッピのようす、3位N澤選手、4位R木選手はエンパ。
W2XはT自動車とK電、N体大BCの三つ巴。K電エンパ以外はみなフィリッピ。最後はK電トップボールまで追い詰めるが冷静に対応したT自動車がクルーは変われど2連覇達成。
2019全日本W2X T自動車、K電 O東さんより



LW2XはK屋体大ウィンテックがT自動車フィリッピにリベンジ優勝。3位T田中フィリッピ、4位K電エンパ。
W2-、R命館大がT野選手、S木選手の最強コンビ結成で独走しついに6連覇のエンパ。2位は対校H橋大、赤い「Scarlet」の艇はフィリッピでしょうか。3位K電エンパ、4位C大ウィンテック。
LW2-、こちらもR命館大が優勝でウィンテック。2位T山国際がフィリッピ、3位S台大は桑野、4位N体大フィリッピ。


W4X、MY生命の白いフィリッピ、スピードクォドは誰にもとめられず優勝。2位Dソーのエンパもあと1枚も2枚も高めて今年また挑んでくるでしょう。3位S台大フィリッピ、そして4位C大はスタート攻めて後半沈むもそのスピリットがクルーをチームを強くします。C大女子はウィンテックで固めていますね。
2019全日本W4X MY生命 日ボFB T島さん



そしてW8+、6度目の挑戦にしてようやくエイト優勝、そして全日本の女子種目初優勝のR大。青い艇はウィンテックの「セントポール3」。実は私が希望した名前ですが、男女で使いながらもこの6年間、R大の8+をアピールしてきてくれています。
2位M大エンパ、3位Y進堂と4位N体大はフィリッピ。W8+もずっとエンパが制してきましたが2019年、はじめてウィンテックのエイトが日本一を獲りました。
たくさんのチームが日本一をめざし、そしてたくさんのメーカーが日本一、世界一をめざす。多くの人が、思いを乗せて、いちばんの艇速に挑むレースがこれからも始まろうとしています。
2019全日本W8_予選 R大


















では、最後に集計です!!

ここまでの長編になる予定ではなかったので、艇のメーカー実績という本来の目的を忘れそうでしたが集計結果を発表します。
過去12年間の全日本、メーカーの決勝実績はこちら。

2008~2019年全日本決勝の実績

エンパッハ 360艇 57%
フィリッピ 220艇 35%
ウィンテック 16艇 2.5%
桑野     12艇 1.9%
サイクス   12艇 1.9%
アイリングス 4艇 0.6%
スイフト    3艇 0.4%
ハドソン    2艇 0.3%


以上です。まあ、のべ艇数なので、アイリングスやハドソンなどは1艇しか使われていなかったりしますが。
決勝だけなので、全日本全出漕の艇を集計したら、もっと多くのメーカーの割合が増えることを期待したいものです。



2008~2019年全日本優勝の実績

エンパッハ 97勝 勝率61%
フィリッピ 51勝 勝率32%
ウィンテック 6勝
アイリングス 2勝
桑野     1勝
サイクス   1勝


となります。
2013年のM2+。CRIMSON/GANGクルーの艇が桑野とかだったら面白いです。
それと、2006、2007年はT田選手がM1X桑野で優勝していますので、過去14年にしたら桑野3勝です。

しかし、最初の年から予感していましたが、エンパとフィリッピの2社だけで決勝も優勝も90%以上を占める結果となりました。
独占禁止ですよ!ぜひとも多くのメーカーが奮起して日本の市場を開拓しシェアを伸ばしていただきたいですね。





それから、こちらはもっと面白いです。
艇種ごとのメーカー実績集計です。便宜上、エンパ、フィリッピの順に統一いたします。

M1X
エンパッハ 16艇 優勝3
フィリッピ 27艇 優勝9
ウィンテック 1艇
サイクス   1艇


フィリッピが圧勝!T田D作選手の貢献が多大ですが、1X艇はフィリッピの評価が高いという定説を裏付けるかもしれません。
しかしエンパも今増えてますし、他のメーカーもいい艇たくさんあります。




M2X
エンパッハ 35艇 優勝12
フィリッピ 16艇
ウィンテック 1艇 優勝1


こちらM2Xは意外にもエンパ圧勝。こちらもIリスオーヤマの影響が大きいわけですが、多くのトップチームがエンパを選んでいると。フィリッピの優勝がないのが意外ですね。
※2019年LM2Xの実績を含みます。




M2-
エンパッハ 37艇 優勝9
フィリッピ 14艇 優勝4
スイフト  1艇

エンパが強い傾向が出ていましたが、フィリッピも艇数少ない割に優勝はしていますので、性能差はないと思います。スイープではエンパを好む選手やチームが多い証拠かもしれません。フィリッピもいいと思いますがどうでしょう。
※2019年LM2-の実績を含みます。




M2+
エンパッハ 11艇 優勝1
フィリッピ 26艇 優勝8
桑野     5艇
ウィンテック 1艇


バラエティ豊かなM2+。エンパのM2+艇を持っているチームが少ないだけかもしれません。2+艇にエイトやフォア並みの予算をかけられないという本音もあるかもしれないですし。




M4-
エンパッハ 36艇 優勝10
フィリッピ 11艇 優勝2
桑野 1艇


4人乗り、8人乗りはエンパ強そうな傾向が出ていて、決勝オールエンパ、なんてことも多かったのでやはりという感じです。
フィリッピのなしフォア自体少なめかもしれませんね。




M4X
エンパッハ 28艇 優勝10
フィリッピ 19艇 優勝2
サイクス  1艇


M4Xでは以前からフィリッピがエンパと同数並みに決勝で多く見られます。4-と兼用できる艇もあるでしょうが、フィリッピだったら4Xで使うチームが多いのと、スカル系を重視するチームではフィリッピ所有率が高いのかもしれませんね。とはいえ、M4Xもエンパのほうが多いです。




M4+
エンパッハ 35艇 優勝8
フィリッピ 12艇 優勝4


M4+はエンパのイメージがありましたが、フィリッピも思ったより健闘していますね。優勝もけっこうしています。
4+はもっと多くのメーカーがあってもいいと思うのですが、90年代ならともかく2010年代になるとあまり色んなメーカーを買わない傾向まであるでしょうね。M4+対校にするチームは、頑張ってエンパやフィリッピを買って大レースで使いたいとするところもあるでしょう。でも、サイクス、ベスポリ、ウィンテック、桑野、スイフト、そして中国艇などはもう少し上位に来てもいいような気がします。




M8+
エンパッハ 41艇 優勝12
フィリッピ 5艇
ハドソン  2艇

まあ、これはしょうがないですね(笑)。
エンパ一択みたいな時代が長く続きました。しかし、エイトではベスポリやハドソンもアメリカでは当たり前ですし、今はフィリッピの大艇が再評価されている感じもあります。ウィンテックやレゾリュート、色んなメーカーがM8+決勝を華やかに飾る日も見てみたいですね!そして国産艇もいずれは!








W1X
エンパッハ 20艇 優勝4
フィリッピ 22艇 優勝7
サイクス  5艇 優勝1


そして女子を見てみましょう。女子はけっこう、男子と傾向が違ってきます。
スカル系ではフィリッピの評価が高いか。優勝回数、フィリッピがかなりエンパを上回ります。M1Xと似ていますね。
女子の強豪、W大がサイクス使用率がそれなりにある、というのがまた影響してきます。W井選手はW大出身でしたからそのへんもあったかもしれません。




W2X
エンパッハ 16艇 優勝3
フィリッピ 32艇 優勝9
ウィンテック 1艇 優勝1
桑野     1艇
スイフト   1艇
サイクス   1艇


W2Xは種類が多くなりますが、W2Xといえばフィリッピ優勢の傾向です。これは男子のM2Xと大きく異なりますね。
書いていても、全部フィリッピみたいな年が多かったです。女子に合うメーカー、男子に合うメーカーというのもあるかもしれません。ただ、この記事は固定観念を与えたくはないので、あくまで参考として見てくださいね。
※2019年LW2Xの実績を含みます。



W2-
エンパッハ 19艇 優勝5
フィリッピ 15艇 優勝3
ウィンテック 9艇 優勝3
アイリングス 4艇 優勝2
桑野      4艇
スイフト    1艇


最も分散して色んなメーカーが活躍しているのがW2-です。これくらい全体でもシェアが分かれれば、見る方も楽しいですよね。このチームはこのメーカー、みたいな特徴がもっとはっきり出ると面白いのです。
アイリングスはM大の実績のみですが、ウィンテックはR命館大だけでなくけっこう色んなチームが使用しています。ただし優勝実績は今のところR命館大だけですね。




W4X+
エンパッハ 22艇 優勝6
フィリッピ 5艇 優勝1
サイクス  1艇


W4X+はW4Xとは別種目だと思いますので、分けさせていただきました。よって7年間の実績です。
W4X+も多くのチームが2002年以降15年近くの間、多くのメーカーから買い求めたと思いますが、全日本決勝に出る艇はエンパが強いんですね。




W4X
エンパッハ 7艇 優勝2
フィリッピ 9艇 優勝2
桑野    1艇 優勝1
サイクス  2艇
ウィンテック 1艇


W4Xは新しい種目だと感じるでしょうし、まだこれから多くのチームがW4X+から買い替えていくことになるでしょう。
まだ評価は定まっていないと思われますが、W2Xのようにフィリッピ優勢になるか、それともやっぱりエンパか。あるいは別のメーカーが4X艇で評価を得るのか。桑野のA1、頑張ってほしいですね。




W8+
エンパッハ 37艇 優勝11
フィリッピ 7艇
ウィンテック 2艇 優勝1
サイクス  1艇


W8+はM8+と同じくエンパが長らく多数を占めてきましたが、男子M8+ほどのエンパ信仰は感じませんし、事実、2019年にウィンテックでも8+制覇ができるというのはかなり画期的な出来事だったと思いますので、こちらでも色んなメーカーの8+艇がコースを賑わせてくれると楽しいですね。














いかがだったでしょうか?
もう少しコンパクトにできれば良かったですが、全日本をめざすチーム向けの内容にもなってしまい振り返り要素がかなり強くなってしまいました。インカレ編も・・・やりますかね?(笑)
メーカー調査だけに絞って、コンパクトにやりたいですね。次回の企画は、いかに?






前回、前々回ではボートのメーカーを見てまいりましたので、今度はそのメーカーの艇が日本の大会でどれくらい活躍しているのかを記事にしてみました。
私にとって、記事本文を書くよりもずっと、調べと準備のほうがきついやつです。インカレ特集とかも含めて、だいたいは事前や書いている最中の調べごとが一番たいへんなんですが(笑)。
しかし、今回は記事本文も長くなってえらいことになってしまいました。


他にも並行して準備している記事がありますが、まずはこちら、全日本選手権のメーカー実績を調べて皆さんに紹介しつつ、どんなメーカーが目立っているのかをご覧いただきたいと思います。
記事の動機は、F米さんのブログのメーカー人気や、エンパッハの世界選手権勝率60%超えという事実などから、では日本で勝っているメーカーはどういう傾向があるのだろうという私個人の興味から端を発しています。
出場した全艇のメーカーを調べられれば面白いですがさすがに調べる方法がないので無理でしたね。いずれ、日ボのサイトに選手のクルー情報だけでなく艇の情報もすべて網羅されたデータが掲載されるようになれば私みたいな者がこんなことを調べなくても済むのですが、そこまでは掲載されないでしょうから、こうした記事がネタとして成立するのかと思います。


またもやとてつもないほど長くなってしまったので、5日間くらいに分けてじっくりゆっくり読んで時間をかけて楽しんでいただければと思います(笑)。





調べ方としては、過去12年間の全日本の決勝、艇のメーカーを全部調べました。(一部だけ、不明なメーカーあり)
そこからの傾向について記事を書きながら、過去の全日本を改めて振り返るような内容にいたしました。

ぜひとも、今年の全日本に向け少しでも参考になればと思います。
しかしだいたい皆さんの予想通り、黄色と白の艇ばかりが決勝に残るという結果が見えていそうな気がします。
そこに意外なメーカーが来ると、こういう記事や話は面白くなるのですが、さてどうでしょうか。

2008年からしか調べられなかったのは、私の地デジ録画してある全日本TV放映が2008年からしか保存できていないのと、A野さんのレース集Youtube動画もたくさん参考にさせていただきましたがこれは2010年からのものになるからですね。
デジタル動画を使いながらも目で見て小さく映る艇のメーカーを判別するという、めちゃくちゃアナログな方法で調査をしています(笑)。
もちろん画面を見ての判定だけでなく色々な媒体で調べてはいますが、いつも通り若干アバウトかついい加減な調査なので多少の間違いがある前提でお読みくださればと思います。

調べがつかず不明な艇はカウントしていませんが、ある程度、このチームのこの艇はこのメーカーだろうと思い込みで判断している艇もあります。また、一発決勝の5艇以上の場合、5位と6位は決勝実績としてカウントしませんでした。その点もご了承ください。








全日本選手権、メーカーの実績・前編


2008年全日本
M1X 優勝 T田選手・Dイキ(フィリッピ) フィリッピ2。(3位K都大、4位T紡織のメーカー不明)
M2X 優勝 Iリスオーヤマ(エンパッハ) エンパ3、フィリッピ1
M2- 優勝 C電(エンパッハ) エンパ4
M2+ 優勝 N大(フィリッピ) エンパ1、フィリッピ3
M4- 優勝 S台大(エンパッハ) エンパ3、フィリッピ1
M4X 優勝 R命館大(エンパッハ) エンパ3、フィリッピ1
M4+ 優勝 S台大(エンパッハ) エンパ2、フィリッピ1(4位T大のメーカー不明)
M8+ 優勝 MY生命(エンパッハ) エンパ4

W1X 優勝 K倉選手・T田中(フィリッピ) エンパ1、フィリッピ2。(4位W大のメーカー不明)
W2X 優勝 Iリスオーヤマ(フィリッピ) フィリッピ3、桑野1
W2- 優勝 S台大(フィリッピ) フィリッピ2、アイリングス1、スイフト1
W4X+優勝 C電(エンパッハ) エンパッハ2、フィリッピ1、サイクス1
W8+ 優勝 デンソー(エンパッハ) エンパ3(4位のR命館大のメーカー不明)


決勝実績
エンパッハ 27艇 (57%) 優勝8
フィリッピ 16艇 (34%) 優勝5
アイリングス 1艇
サイクス   1艇
スイフト   1艇
桑野     1艇



こんな感じで12年間をすべて調べたのです。さすがに全部の順位やデータを載せるのは自チーム関係でないと読むのもつらいと思いますので最初だけにしておき、結果中心に全日本振り返りを書いていきたいと思います。

調べていないので完全に憶測ですが、もうすでに90年代から決勝に来るのはエンパばかりでしたよ。それ以外にフィリッピが少し来て、その他のメーカー、という構図はもうずっと続いてきた感じがあります。
2000年代になると上位層だけでなく出漕する選手のほとんどが外国艇を使用しており、インカレや学生の大会では日本艇や中国艇も少し見かけますが全日本というトップの大会では完全に外国艇ばかりになりますよね。

そして決勝の艇はエンパとフィリッピでほぼ9割を占めるという2強、そしてこの2000年代は特にエンパの一人勝ちでありどこでフィリッピが追いつくのかな、ということを楽しみに私は調べていました。基本、エンパが過半数で少し離れてフィリッピです。


2008年、種目ごとに見ていきましょう。
M1Xでは世界で活躍するT田選手が敵なしであり、1997~2003年の7連覇から出場しなかった2004、2005年をはさんで再び連覇を続けてここでは3連覇。実はT田選手、2006、2007では桑野のA1、その名もTakeda Specialを提供されて優勝しており、全日本M1Xでは桑野艇は2連覇していたのですが、この年はどうやらフィリッピの赤ライン、特注に見えるフィリッピ艇にまた乗り替えていたようでした。桑野とのパートナー関係はその前年までだったのか。T田選手自身、代表でも愛用するフィリッピをどちらかといえば好んでいたのかもしれません。ただ、有名選手にはスポーツメーカーからはさまざまな恩恵もあるかとも思いますのでさまざまな理由があったのでしょう。
M2XのIリスは、一貫してエンパを使用。年式のモールドが変わっても使い続けており日本最速ダブルはエンパを評価しているのでしょう。
M2-はエンパが強いのですが、M2+はフィリッピが目立ちます。過去12年、実に8回のM2+優勝を誇るN大がずっとフィリッピを使い続けており、フィリッピ実績を上げています。M2+自体、持っているチームが限られているので使い分けているチームはないと思います。

M4-、M4X、M4+の男子4人乗りはエンパッハが強いですね。フィリッピも何とか対抗したいところですが、これについては後々ふれたいと思います。

ちなみに2008年のM4-は、S台大とT北大の歴史に残る東北優勝争いでした。
先頭を走っていたT北大はラストレースにかける対校メンバー4人とも4年生、これに対しやはり対校メンバーで挑みW邊選手とN村選手のストロークペアなど錚々たる精鋭のS台大が最後の200mで一気にT北大をとらえます。このときのA部さんの解説「エネルギーを振り絞って、獣のように漕いでほしいですね」のコメントともにあの鋭いスプリントを参考にされた方は多いのではないでしょうか。
このS台大の青い艇、実は2005年世界選手権でエンパッハ社が予備艇のいくつかを払い下げることになり、そのとき購入したエンパのK40なのだそうです。当時まだ珍しかった艇の塗装、A部監督の希望で桑野に依頼して青く塗装してもらったそうです。
2008全日本M4-優勝 仙台大青エンパ NHK
S台大、元祖・青い稲妻スプリントが炸裂!!
今回、Eテレの放映から画像を転載させていただきました


M4XはR命館大がエンパッハで制覇、M4+ではS台大がM4-とともにエンパッハで優勝。4人乗りは大学クルーが強さを見せており、この年から全日本開催が6月からインカレ後の9月中旬に移行したのですが大学勢には追い風になったかもしれません。

そしてM8+もエンパが圧倒的です。この年のように決勝全部エンパというのが多かったりします。エンパ以外の対抗勢力は出てくるか。
2008全日本M8_優勝 MY生命エンパ NHK
前年、TレにM8+4連覇でストップさせられた借りを返し、中盤の見事な仕掛けで接戦を制したMY生命




女子は、北京五輪で日本女子最高位LW2X9位入賞したT田中のK倉選手がW1X、IリスのI本選手がW2Xでそれぞれ優勝。
どちらもフィリッピ使用で、日本代表のスカラーは代表で使用のフィリッピがやはりしっくりくるのでしょうか。
W2-、W4X+はエンパ、フィリッピだけではありませんでした。全日本W4X+5連覇中のW大は混戦の中でラストのペースアップに飲まれてまさかの4位と敗れてしまいますが、長くサイクスを使っていましたね。しかし、翌年からエンパに乗り替えています。
W8+Dソーは4連覇、この年はほとんどがDソーの所属選手で組めていますが、W8+種目はまだ社会人混成クルーが強い時代でした。












2009年全日本
決勝実績
エンパッハ 31艇(60%) 優勝10
フィリッピ 15艇(29%) 優勝2
スイフト   2艇
アイリングス 1艇 優勝1
ウィンテック 1艇
ハドソン   1艇



M1XではT田選手が6'57の好タイムをマークし圧勝。少し離れて、ベテランの域に達してきていた2位MY生命BCのK保選手(現・N体大コーチ)、3位C電のY崎選手(現・C電コーチ)、そしてインカレではじめてウィンテック艇を優勝に導いたN大のS崎選手(現・◯TT)が4位でした。
M2XはIリス3連覇、M2-はH橋大の躍進がはじまる初年度でしたが500mで頭をとるもMY生命に1艇身届かず準優勝、いずれもエンパ。M2-4位のK都大はスイフト艇みたいでしたね。M2+決勝は優勝のR命館大を含め全部フィリッピでした。

M4-、M4Xは依然エンパが強いですがフィリッピも決勝来ています。M4+は全部エンパ、初優勝したS金鹿島(現・N本製鉄)はメンバーがI城大、T波大出身と、I来高出身でN大とS台大の出身とで構成された茨城県メンバー。N大、H橋大、S台大に堂々逃げ切り優勝しました。T波大出身のS井選手は、大学1年の冬で未経験ながら軽量級なのにエルゴ6'27を出して当時話題になりましたね。U23、シニア代表と活躍された名選手です。

注目のM8+は、MY生命、◯TT、Tレの社会人3強を相手に何度も全日本決勝に挑んでようやく優勝を果たしたのはN大でした。1997年のC大以来、この2009年は12年ぶりに大学勢が全日本M8+を制し、学生でもM8+種目で社会人トップチームに勝てると証明したシーズンとなりました。スタートからハイペースでトップをとると攻め続け、緩めることなく逃げ切りました。
ちなみに、Tレの使用艇はハドソンでした。おそらく日本のM8+ではじめてハドソンを使用したチームではないかと思います。




女子種目はバラエティにあふれたチームと艇が活躍。
W1XはH田高の高校生、A尾選手がなんと五輪代表のI本選手らを相手にスタートからラストまで堂々と首位を譲らず優勝しました。強豪高校も、自艇としてたいへんグレードの高い艇を所有しておりA尾選手は最新のエンパッハで全日本を制しました。
W2XではT経大が全日本の女子種目初優勝。全日本の優勝自体も、1952年M4+以来57年ぶりとのことでした。M本選手、F田選手のコンビは現・日ボ強化委員長のN畑さんコーチのもと、W大、N本女子体育大、Dソーを相手に優勝しました。
T経大とずっと競って優勝争いをしたのはN本女子体育大で、こちらはU野選手、S田選手の1年コンビ。U野選手はY口水産高出身で当時エルゴ7'30を誇り、MY生命でも長く活躍されました。S田選手は前年、A尾選手とともにH田高W2Xで全日本3位。最後は落ちたところをW大に差されての3位となりますが、N女体大は1年ながら堂々の全日本3位であり、当時まだ珍しいスイフトの黒い艇を使用していました。
2009全日本W2X優勝 T経大 NHK
2009年、T経大の劇的な全日本W2X優勝の瞬間。エンパのこれはカーボンチューブのバックリガーですね

W2-優勝はM大です。大学生対決となりましたが、M大の2-艇はアイリングスです。
M大はインカレよりも早く全日本級大会の初優勝を果たしたのは2002年全日本W2-です。このアイリングスの艇で5回も全日本W2-種目を優勝して自信をつけ、W2X、W4X+、W8+とステップアップしていったのです。
W4X+はこの年全部エンパッハが揃いました。この年はエンパで臨んだW大はスタートから飛び出すと、MY生命、C電、Dソーの社会人3強を振り切り前年の雪辱を晴らしました。
この年のメイン種目は、同じように社会人3強相手に逃げ切ったM8+とW4X+の学生クルーが印象的で、男女13種目で大学6勝、高校1勝と社会人の壁を少しずつ崩し始めていたのです。
2009全日本W4X_優勝 早稲田大 NHK
エンパッハに乗り替えたW大のW4X+、この年も7分を切り女子においては大学と社会人がほぼ拮抗する状況を作りつつあった

W8+はMY生命が、MY生命7人にT田中のK倉選手ら2人が加わり混成で優勝。これに互角の勝負を挑んだのは、混成クルーの流れを変えようと単独クルーにこだわって全日本W8+優勝をめざしてきたH政大でした。W大も単独の走りでW8+実績豊富でしたが、先に飛び出したW大を1500mで並びかけMY生命とH政大のぎりぎりの勝負はMY生命がわずかに勝りました。
そしてR命館大はまだ十分な女子選手がいませんでしたが、前年に続いて混成で出漕し2年連続4位。多くのチームが、W8+の状況を変えようとタイトルを狙っていました。












2010年全日本

決勝実績
エンパッハ 32艇(61%) 優勝8
フィリッピ 13艇(25%) 優勝3
サイクス   3艇 優勝1
桑野     2艇
アイリングス 1艇 優勝1
ハドソン   1艇



M1XはT田選手が強い逆のコンディションでも強さを見せつけ、7連覇から2年不出漕をはさんでの5連覇目を達成。K都大からTレに進んだY久選手はエンパ、K都府立医科大のI上選手はエンパと関西のK都大出身選手が強さを見せる中、M大からT大大学院に進んだI藤T磨選手も3位と健闘します。I藤選手はサイクス艇、これはなんと1993年製造の17年目の艇だったそうですね。
M2XはIリス4連覇、おなじみエンパ。M2-もオールエンパでS金鹿島が前年M4+に続いて優勝。M2+はN大優勝。

そして4人乗りです。一昨年M4+2位でS台大にやられ、前年M4-でも2位で◯TTの強さにしてやられたT田中央総合病院RCが3度目の正直、M4-で今度こそリベンジを期していきます。T田中といえばフィリッピのイメージがあり、前年もフィリッピM4-で惜しくも準優勝でしたが、この年はエンパに替わっていました。これは借艇なのか、自艇なのか。
ライバルはすべて学生とはいえインカレでレベルの高いレースで1、2を果たしたN大とS台大、いずれもエンパッハ。そしてK都大は桑野の4-艇で決勝に駒を進めました。ここでエンパのT田中、スタートから渾身の気合で爆漕し、ストロークペアのT立選手とN村選手(H橋大ヘッドコーチ)が引っ張りバウペアのM塚選手とY田選手も最高のパフォーマンスでN大の追撃ものともせずに初優勝を果たしました。3番のN村選手、インタビューで最後一気に行きましたねの問いかけに「気合ですね、あそこは。今までの負けた悔しさを、いっぺんに出しました!!」が印象的であり、この当時47歳という全日本優勝最長年齢の記録は今後破られることがあるのでしょうか。47歳でも怒涛のラストスパート!!が武器であります。
2010全日本M4-優勝 T田中央総合病院RC NHK
T田中、創部9年目にして全日本男子種目で初優勝の瞬間!
N村さんはこの年限りで漕手の一線から退いて指導者に専念されることになるが、熱く燃える闘魂の血は、このレッドエンジェルスT田中RCとレッドブレードH橋大の中で今も真っ赤に燃え続けている。



M4XはN大、M大がどちらもエンパ、ワンツーフィニッシュ。全日本M4X決勝を舞台に、N大とM大の雌雄を決する争いはこの年から長きにわたって繰り広げられることになります。
M4+はやはり全部エンパ。W大が全日本対校クルーをM4+に設定。厳しい逆風の中、大逃げを打つN大を追うW大、さらに後ろにK電も虎視眈々と追走していましたがW大パワーが発揮され後半の勝負どころで一気に逆転、力強く優勝しました。メンバーはエースのS:U谷選手、のちにC電でエルゴ6'12を記録する3:S水選手、U23のLM4-銀メダルの2:T中H誠選手、バウは164cm65kgで相当小柄なのに努力でエルゴ6'36を回したB:N村選手、C:I瀬選手、と最強メンバーが揃っていました。
私、このレース伴走してましたのでよく憶えています。(まだ伴走規制される前ですね)
こちらも、全日本男子としてはW大にとって13年ぶりとなる貴重なタイトルをもたらしました。女子はナンバーワンといえる実績を築いていますが、W大はもちろん男子も常に優勝を獲りたいのです。

M8+はこの年も社会人の◯TT、MY生命、Tレを相手に堂々とスタートから抜け出し主導権を握ったまま優勝したN大。トップ3チームはエンパで、Tレはこの年もハドソン。




女子については、W1XではW大出身のW井選手がTAKAOドリームというチーム名で優勝。前年女王のA尾選手を大きく離しての鮮やかな勝利でしたが、サイクス艇で優勝を果たしています。このサイクス1Xは、ウイングリガーでありW井選手の愛艇として活躍します。
2010 全日本W1X優勝 TAKAOドリーム若井選手 NHK


W2X優勝のIリスオーヤマはフィリッピ。そしてW2-で2連覇のM大は前年に続きアイリングス艇です。
そしてW4X+、前年優勝のW大とM大らを撃破し創部20年目にして初の全日本W4X+優勝を果たしたのはDソーです。赤と白のチームカラー、そして今もレギュラーとなる赤いTシャツとローイングスーツのユニフォームに一新し、愛知の赤い女子チームのイメージを築くDソーチーム。スタートから他を寄せ付けずグングン離し9秒差をつける完勝でした。この赤い艇は、どうもエンパッハを塗装したように見えますので、定かではありませんがエンパとカウントさせていただきます。

W8+は、ようやくH政大が優勝を果たします。H政大女子、初の全日本優勝です。実はH政大の女子はまだインカレ優勝がなく、全日本はこのときW8+だけにターゲットを絞って単独クルーでチーム一丸で優勝を狙い数年かけて目標を達成するという一点突破でようやく得た悲願のタイトルでした。全日本新人や軽量級では優勝があるのでかなり意外ですが、H政大も女子ができたのが2000年前後、設立10年くらいでの全日本優勝でした。
2010全日本W8+優勝 H政大












2011年全日本

決勝実績
エンパッハ 32艇(61%) 優勝7
フィリッピ 14艇(27%) 優勝5
サイクス   2艇
桑野     2艇
ウィンテック 1艇 優勝1


M1Xでは異変が起きました。IリスオーヤマのO元選手が怪我ということのようでこの年はM2X不出漕、王者・T田選手にIリスのS田選手が挑むという注目の一戦になりました。S田選手はスタートから攻め、T田選手に食らいついていきますがコンスタントではT田選手にやや分があります。第3で水があきかけますが、S田選手はこれぞ世界レベルというラストスプリントで驚異の伸びを見せると、T田選手はラスト100mで体に異変が起こったか突然失速してしまいS田選手が国内で初めてT田選手に土をつけました。このときはT田選手、S田選手ともにフィリッピ。また、当時高3で全日本M1X3位という素晴らしい力を持ったO塚選手(N津工業高)もフィリッピのウイング。M1Xはフィリッピがここまで4勝、印象としてフィリッピがエンパより優勢という形になります。

M2XはIリスが出なかったことで大学対決となりR命館大、T経大、R谷大、N体大と激しいレースを展開しますが地力に勝るR命館大がインカレに続いて優勝しました。このときのR命館M2X、グレーのウィンテック艇を使用しており日本でウィンテックの優勝実績を高めていったのはN大のS崎選手とR命館大だったといえるかもしれません。私の中ではこの頃R命館大は男子2人乗りと4人乗りで全日本もインカレも獲るトップチームというイメージでした。女子スイープのイメージは最近の話です。
2011全日本 立命館大M2X優勝 立命館大校友会HPより
I次コーチのもと、関西の大学として常に全国で存在感を示してきたR命館大。毎年のように全日本タイトルに絡んでおり、全日本優勝がなかったのは過去12年間で2回だけ。エンパも多いがウィンテックで多く優勝しているのも特徴か。
R命館大校友会HPより


M2-はHた市が優勝しこの種目はまだまだオールエンパが続きます。M2+はN大優勝。N大とK應大はフィリッピですがTレとK都大は桑野を使用。
M4-はN大優勝、全部エンパ。M4XはK電が2007年以来の優勝。K電はこの年以降、N大出身を中心にUターンしてきた大卒選手も入ってきて層が厚く毎年優勝の常連チームになっていきます。K電はフィリッピが多いですね。2位M大、3位N大はエンパですが、4位T経大は珍しいサイクス4Xを使用。
M4+は学生対決、N大優勝、2位S台大、3位T大までエンパ、そして4位T北大はフィリッピ。T大とT北大はインカレM8+後の対校M4+全日本クルーですね。

そしてM8+では◯TTが第2の強みを存分に生かし、コンスタントで主導権をとってそのまま実力で押し切る強い勝ち方でN大の3連覇を阻止。N野選手とI藤K剛選手が◯TTに加入し、新戦力の力とベテランがうまく融合したことも勝因かもしれません。久々に復活したC大、T紡織の存在も全日本M8+勢力図における新たな戦いを予感させるものでした。




W1Xでは、シマノストレッチャーのSRDを使用したMY生命のF本選手(エンパ)が終始優位にレースを進め、前年女王のW井選手(サイクス)に水をあけて優勝しました。3位のH橋大、S木A由子選手は長身のエース、赤いフィリッピに搭乗。初期のH橋大赤い艇のシリーズがお目見えです。S台大、Tレあたりが早くからチームカラーで塗装し、R大、Dソーと追随しH橋大も自チームブランドを高めるためのカラーリングだと思います。
W2Xではまたも高校生が活躍。A賀黎明高(フィリッピ)が、Dソー(赤い艇、おそらくエンパ)、MY生命(エンパ)、N体大(フィリッピ)と名だたる強豪を撃破。特にDソーの最後までもつれた展開を、天才漕手のT屋選手とY本選手のコンビA賀黎明が豊かなスピードで競り勝ちました。タイムも7'19と、順とはいえ高校生としては破格です。そしてT屋選手とA丘高のS原選手がW大に進み最強世代を作るわけですね。
2011全日本W2X優勝阿賀黎明日ボHP
高校生ながら、フィリッピの最新バックウイングを操り7'19で全日本W2X優勝。もう9年前ですね

W2-では、T経大が優勝し、インカレとの2冠達成。2年前のW2Xに続くT経大の全日本制覇はフィリッピによります。2位M大はアイリングス、3位N体大、4位G阜経大もフィリッピでした。
W4X+、W大とDソーの対決が続きます。エースO石選手を乗せたW大がDソーに対し今度は3艇身近い大差でリベンジ。3位にはK應大、力のある選手を揃え特に現在MY生命のエースU田選手が牽引しての全日本メダルでした。W4X+も全部エンパ艇です。

W8+では女王のH政大に対しリベンジして初優勝したのがM大です。前年2位の悔しさを晴らしました。何だか、前年が2位で悔しさをバネに翌年優勝を果たすパターンはけっこう多いですね。準優勝で満足するか、優勝にこだわるあまり2位は負けであり心底悔しいと思えるかの差かもしれません。以前からずっと主力をつぎ込んでダブルエントリーでW8+チャレンジを続けてきたM大、そこにはW8+種目へのこだわりをH政大と同じく感じられます。クルーは全日本W1X、W2X、W2-、W4X+の選手をフルにW8+投入してダブルエントリーしていますが、このときなぜかインカレW4X+優勝も果たしているエースA津選手がW8+のCOXをしていますね。エイトのCOXをどうしてもやってみたかったのでしょうか。
ともかく、2003年に初めてW8+を出漕して以来、ほぼ毎年W8+チャレンジを続けてきたM大、2011年にようやくW8+優勝を果たすことができました。その後W8+のイメージも築いていくことになります。2位H政大、3位R命館、4位S台大とやはりすべてエンパです。












2012年全日本

決勝実績
エンパッハ 40艇(76%) 優勝10
フィリッピ 10艇(19%) 優勝3
サイクス   2艇



うーむ、だんだん長くなってきた・・・。まだあと8年ぶんもありますよ!また駆け足でミドルスパートかけてみたいのですが、書いていくとあれもこれも詳しく紹介しなきゃ、という感じで結局長くなってしまうんですよね。そういうわけで、冒頭に「長くなったので分けて読んでください」と付け足すはめになるのです。

さて、この2012年はエンパッハの実績がピークに達していますね!
決勝52艇中40艇がエンパ。決勝全体で76%がエンパ使用、優勝は10艇であり優勝確率も76%ともう、一人勝ちもいいところです。他のメーカーの反撃が待たれます。


M1XではT田D作選手の怪我の調子が長引いているのか、ロンドン五輪後の全日本となったことで疲労とダメージが残っていたそうで課題の第4クォーターでまたも失速してしまい本来のできではなかったようです。予選タイム3位発進というのもT田選手らしからぬ不調だったでしょうか。G阜経大からC電に進んだI井選手(エンパッハ)がT田選手を1艇身圏内にピタリとマークしラスト抜き去って優勝を果たします。3位K谷選手(フィリッピ)、4位K目田選手(エンパッハ)。
M2Xは復活のIリスオーヤマが優勝し、T田中、T波大、S田ローの挑戦をしりぞけました。エンパ2、フィリッピ2でM2Xは互角。
M2-は優勝の◯TT以下、オールエンパ。M2+はN大とC電がフィリッピワンツー、3位H政大、4位W大はエンパ。


M4-も全部エンパ。良いコンディションで◯TTがN大を振り切ってハイレベルなレースを制し6'08で優勝。全日本のM4-はこの6'08が全日本レコードと思いますが、軽量級では2010年にN大のマークした6'01がM4-戸田レコードです。
M4Xも全部エンパ、N大、T経大、M大、K應大という顔ぶれであり、対校のT経大は6'06という順の中で素晴らしいタイムを出しますが6'05を出したN大に半艇身届かず大魚を逸します。
M4+も好タイム、K電が6'22で優勝、S台大、T海大、N大に水をあけて一人旅。T海大のみフィリッピ、ほかはエンパ。

この好順の2012年全日本、M8+のタイムが期待されます。◯TT、MY生命よりもこの順風に乗る巧みなスピードを見せたのはN大とC大でした。500mから1'22-2'47を刻みハイペースで流れを作ったC大、N大はライバルC大を追い落とすべく得意のミドルスパートで1000mで並びかけ第3でも勝負をかけてC大をかわし、そのまま後半も1'27-1'27でまとめ、結局5'41の当時の戸田レコードでN大が優勝しました。全日本M8+の学生ワンツーは、実に1989年のK應大とN大以来23年ぶりだったようです。
2012全日本M8_優勝 N大 NHK
2012年、戸田レコードをマークしたN大M8+。
来年以降の実業団主力となる選手が5人も乗っていた最強エイトのひとつ。バウペアからして、S上選手(現◯TT)、K林選手(現T田中)と豪華だ。





W1Xはフレッシュな面々が決勝に残りました。準決勝B組でロンドン五輪代表のIリス・I本選手とW大・S原選手が敗れる波乱があり、決勝に残ったのはW井選手を筆頭に、N女体大のU野選手、そしてN体大のI鍋選手、T自動車K川選手の4人。
N女体大のU野選手がサイクスに乗っていたので、W井選手も含めサイクス2艇でした。しかしW井選手の壮絶な追い上げを抑えて優勝したのはN体大のI鍋選手でした。I鍋選手は前年のインカレで大学ながらW2Xを制しており、このI鍋選手の加入からN体大の女子が全日本でも優勝争いをするはじまりとなっていきます。もちろん艇はフィリッピです。

W2XはR命館大がエンパの艇で女子種目初の全日本優勝。最後は接戦だったが見事に逃げ切り。午前は逆風であり、それを計算して1000mまでに大きく飛び出して早めに大きくリードをとったのが功を奏したようです。2位K電フィリッピ、3位H政大と4位M大はエンパ。特にM大はM岡選手と1年ルーキーのT田C愛選手とでインカレW2X優勝していましたが、出遅れが響きラスト猛追するもメダルならず悔しい決勝となりました。
W2-はインカレ優勝したW大がT川選手、M田選手のコンビで全日本も2冠。インカレ優勝でも課題となったタイム落ちを防ぐためシートを逆にしたのが良かったとのことです。前年優勝のT経大は怪我で練習が積めず2位となりました。W2-でもW大をはじめエンパが3艇。

そしてW4X+は前年女王のW大とDソー、そしてMY生命の3つ巴にM大も挑みます。
W大はT屋選手、O石選手を擁しながらスタート出るもDソーに中盤でかわされると失速してしまいます。MY生命はU田選手、S藤選手、U佐見選手、そしてロンドン帰りのF本選手という強力メンバー、後半Dソーに詰めますが赤いエンパ(おそらく!)のDソーは軽快に突き抜け2度目の日本一となりました。
2012全日本W4X_優勝 デンソー デンソーマネブログより
Dソーの赤い艇、レッドオルカ(Red Orca)は赤シャチの意味。愛知・名古屋といえば名古屋城のしゃちほこですね。
S:H選手、3:S廣選手、2:N山選手、B:A尾選手という代表クラスを揃え、COXは2年前の優勝と同じく大学生が務め、このときはO阪大のO崎選手が赤いシャチをリードした。
Dソーマネブログより写真転載させていただきました。



W8+はH政大が再び優勝。2位には初めてW8+出漕したH橋大、いきなり6'46を出す完成度の高いクルーでした。3位M大、4位W大でいずれもエンパ艇です。












2013年全日本

決勝実績
エンパッハ 31艇(60%) 優勝10
フィリッピ 18艇(35%) 優勝2
サイクス   1艇
桑野     1艇



決勝進出の艇数は前年ほどではありませんが、この年もエンパ艇が10種目も優勝を果たしており、エンパ強し、の印象です。


M1XはT田D作選手が復調し、先行して誰もついていけないという余人には真似できない先行力とコンスタントの破壊力を見せつけ3年ぶり13回目の全日本M1X優勝を勝ちとります。2位はK電K谷選手がT田選手とともにフィリッピ、3位N大S田選手、4位は前年優勝のC電・I井選手がともにエンパでした。
M2XはIリスがエンパで突き抜ける。6'26のタイムは国際レベル。K電、S田ロー、T波大の順ですがいずれもフィリッピ。
M2-ではここまで6年間ほぼ全部エンパ。N大、Hた市、T紡織、C電でした。

そしてM2+にドラマが。予選でトップタイムを出したS日鐵S金が本命かと誰もが思っていましたが、水をあけて突き進むS日鐵S金のフィリッピ艇を、1500mの2艇身差を逆に1艇身半差にひっくり返す2017ハンガリーM2+のような颯爽としたM2+が。
白い艇で「SHIMANE UNIV」と書かれ、トリコロールの赤・白・青の三色オールで「深紅」の要素があまり見当たらない借り物の三人三色のクルー、「CRIMSON/GANG(クリムゾン・ギャング)」が見事な初優勝を遂げたのです。
このクルーはH橋大出身のK谷Y希選手を発起人に、K都大出身のK鎌選手、そしてCOXにはH政大出身のK夏選手という社会人1年目で構成されたプロジェクトチームでした。
「実業団に所属しなくても日本一になれる」を合言葉に、社会人1年目というのに朝4時に戸田で練習後に通常通り出勤する毎日を送り、迎えた全日本。しかし、予選タイムの12秒差だけでなく、決勝1500mの5秒差をひっくり返して逆に3秒差つける驚異のラストスパート。
そしてS根大の借艇M2+と思われる謎のメーカー。分からないために優勝艇がこの年だけ13艇ではなく12艇になっています。実は2004年にもS根大のこのM2+艇をR大も借りているはずですが(インカレ7位)、いまだにメーカー分かりません。知っていたらどなたか教えてください。
2013全日本M2+優勝 CRIMSON
K谷選手はその後セーリングの選手となりますが、ブログやTwitter等で今もボート界に鋭いご意見を投げかけてくださる数少ない他競技からRowingを愛する貴重な存在です


M4-、M4XはエンパのN大が強さを見せて2種目優勝。M4-2位のT田中はフィリッピ、M4XはN大以外は皆フィリッピで、前年オールエンパだった状況から少しずつ変わりそうな気配。
M4+ではK電が、エンパ、2連覇。語呂合わせみたいになりましたね。2位T海大フィリッピ、3位にはM4+に強さを見せるT大と4位N大がともにエンパ。
そして2013年M8+、◯TTがU選手とCOX・O村選手の引退レースとして有終の美を飾る優勝を果たしました。予選では0.1秒というトップボール差でN大に先着を許し敗復回りを強いられた◯TTでしたが、決勝ではやはりN大とのぴったり並ぶマッチレースの末に第3、第4と執念を見せて前に出て最後は1艇身つけてのゴールでした。3位MY生命、4位C電で全てエンパ。




W1Xでは、波の高い難しいコンディションながらも順風に乗って高いレートを維持し続けたMY生命のS藤選手(エンパ)が作戦も漕ぎも上回り、W井選手(サイクス)に対し最後までリードを守って優勝しました。W井選手は2010年こそ優勝しましたがこれで全日本3年連続2位となりました。3位はK西アーバン銀行・A山選手(フィリッピ)、4位O垣共立銀行・H田選手(エンパ)と久しぶりに社会人のみのW1X決勝でした。

W2XはMY生命(エンパ)、S台大(フィリッピ)、R命館大(エンパ)の並み居る強豪を破って初優勝のT北大です。
T北大はS:Y川選手3年、B:H田選手2年で、この社会人とセレク私大全盛の中で大学からボートを始めた未経験でも全日本優勝できるということを証明してみせた貴重な優勝だったと思います。※最初、4年と3年と書いてしまいましたが、3年と2年でした。お詫びして訂正するとともに、未経験の3年と2年で全日本優勝、すごすぎますね!
艇は最新のフィリッピ、バックウイング。横風の吹き荒れる難しいコンディションを乗りこなし先頭で駆け抜けたレース巧者ぶりも未経験クルーとは思えない、見事なレースでした。
2013全日本W2X優勝 T北大 シドニーXローイングより
7'18の好タイムでT北大女子として初めての全日本優勝。
シドニーローイング日誌さんのブログより写真掲載させていただきました


W2-はM大が優勝。もうアイリングスは使用しておらずエンパッハでした。2位S台大は紺に塗装した艇を使用していましたが、これは桑野の艇だそうです。S台大の女子は小柄でエンパやフィリッピだと排水量が大きく、桑野に依頼して特別に作ってもらったそうです。このように、日本人に合う艇を桑野には今後も作ってほしいですね。

W4X+はS:O石選手、3:S原選手、2:Y根選手、B:T屋選手、C:O泉選手でぶっちぎり優勝。荒れた順風ながら6'53、これは強い。しかし目標は6'45だったそうです。このメンバーなら可能ですね。2位のM大もO澤選手、A津選手、M岡選手、T田C愛選手とトップ4ですがこの時のW大には離されても仕方がないですね。このWMがエンパ、3位K電、4位N体大がフィリッピです。

しかしW8+では全戦力をつぎ込むM大が優勝、またもH橋大が及ばず2位。H政大、R命館大と続きW8+はやはり全部エンパです。












2014年全日本

決勝実績
エンパッハ 28艇(53%) 優勝7
フィリッピ 23艇(44%) 優勝5
ウィンテック 1艇 優勝1


M1XはT田D作選手が14回目の全日本M1X優勝の栄冠に輝きました。40歳になったT田選手、このシーズンは愛媛国体やボート普及活動に注力していてほとんど練習できず、出漕できただけでも良かったと語っていたそうですが結果としてはいつもより差は少ないながらも貫禄の優勝です。C電・I井選手が2位、3位がK電・H上選手、4位T経大・O澤選手。この年、はじめてM1X決勝が全部フィリッピになりました。
M2XはIリス(エンパ)、K電フィリッピ、I治造船エンパ、T波大フィリッピの順です。
M2-はついにフィリッピが登場してきました。優勝N大はエンパ、2位H橋大はインカレ優勝の勢いで全日本にも挑みますが、予選では勝っていたN大に決勝は大きく先行され最後カンバスまで猛追するも届かず悔しい2位でした。2位H橋大と3位T経大はフィリッピです。4位C電エンパ。
M2+は2012年5'41を出した主将副将M2+にこの年躍進したR大が挑みますが、インカレと同じく中盤の決め手でリードを広げられて2位となりました。R大はS日鐵S金から借りたフィリッピでM2+チャレンジし、「日本一を獲ってくれ」とS金の方たちに前年の無念を晴らすべく託されていたのですが、その思いを実現させることは叶いませんでした。

M4-ではT田中が2度目の優勝。今度はフィリッピでの日本一でした。◯TT2位、3位S台大、4位N大です。
M4XはN大が3連覇。2位T経大は今回も惜しくもN大に届かず。こちら2チームはエンパ。そして3位M大と4位N体大はフィリッピです。
M4+は全部エンパ。K電優勝、2位Tレ、3位C大、4位T自動車でした。
M8+はエンパのMY生命とN大が2レーン5レーンの両翼から攻めて主導権を握り、中の3レーンはH橋大の赤いフィリッピ、4レーンはTレの青いフィリッピという鮮やかな色彩となりました。そうです、M8+種目でもフィリッピが現れたのです。
特に注目はここ近年で全日本M8+制覇なるかのH橋大が注目されましたが、やや出られてしまいレース巧者のMY生命とN大に勝つことができませんでした。優勝はMY生命、2位N大、3位H橋大、4位Tレでした。




女子です。
W1Xでは社会人1年目、当時C電に在籍していたO石選手がエンパにて優勝。しかし、S台大のN川選手も最後まで競りかけラストも1艇身差で食らいついて素晴らしい健闘を見せました。そしてT山国際大のエースになっていくK山選手もまだ1年ながら3位メダル。この2人はフィリッピですが、T山国際大のT下監督がN体大出身という関係もあってT山国際はフィリッピ派という印象です。
そのT山国際大、W2XではN呂選手とS尾選手のコンビでついに初優勝。T山国際大として女子部創設10年目を飾る女子全日本初の優勝で、ここからどんどん女子の強豪としてのイメージを築いていきます。軽量級、インカレも制しており全日本3冠を達成です。デンソー(赤エンパ)が出て、W大(フィリッピ)が第2で先頭に立ち、3、4番手だったT山国際(フィリッピ)とK電(エンパ)が最後は優勝を争うという激しい流れの決勝でしたね。

W2-では見事インカレチャンピオンになったN古屋大と、接戦に敗れたR命館大とのリターンマッチ。インカレでは先行策をとってラスト差されたR命館が、全日本では一転してN古屋大の半艇身に付いて常にプレッシャーをかける完全マークを徹底。第3でN古屋大の疲れが出たところを一気に仕掛けて全日本をとったのはR命館大(S:H本選手、B:F井選手)でした。インカレと全日本は当時2、3週間の間隔しかなかったことが多く、全日本はインカレの第2ラウンド的な意味合いも強かったですね。手の内を知って、それをふまえた仕上げと対策ができるクルーが2度目の対戦では優位となる印象です。
そして、R命館大と言えばのウィンテックでの優勝!2位N古屋大と3位W大はエンパ、4位N体大はフィリッピです。
2014全日本W2-優勝 R命館大HPより
R命館大HPより
バウのF井選手は1年目から多くはスイープ専門として活躍、この後W2-連覇していく中でペア女王の戦歴を築いていく



W4X+は前年優勝、インカレでも優勝した本命のW大がまさかの準決勝3着に敗れ、決勝はMY生命、K電の社会人とM大、N体大の大学との対決となります。他はエンパですが唯一フィリッピを使用のN体大、このときは最強メンバーを揃えていました。2年前に全日本W1X優勝したI鍋選手を中心の3番に、ストロークにルーキーのT橋Kほ選手、2番K藤選手、バウにK本選手、COXにT橋Mのり選手。
強力なライバルを相手にN体大としては珍しく果敢なスタート飛び出しを見せて積極的にレースをリード、全体がほぼ1艇身の間で推移する接戦の展開でも最後までトップ譲らず、MY生命の猛追も凌いで全日本W4X+初優勝を成し遂げました。
2014全日本W4X_ N体大
N体大初の全日本W4X+優勝とともに、フィリッピ艇も初のW4X+優勝か


W8+では決勝全部エンパ。M大がトップ8人で組んでスタートから飛び出しゴールまで水をあけたままの横綱相撲で2連覇。4番にT田C愛選手もしっかり乗っての万全の編成。H政大も最後まで追いすがりますが届かず2位。
そしてこの2014年に初めてT山国際大とR大が全日本W8+初参戦を果たします。両チーム、ようやく自前で女子エイトを出せる人数が揃ったのです。T山国際はいきなり3位メダルに輝き、R大は敗復でW大に半艇身及ばず決勝はなりませんでしたが10艇中の5位となり、K應大、N体大、H橋大、T経大なども加わって、エイトの争いも激しくなってきたのがこの頃です。












では、さすがに長くなりすぎているので前編・後編に分けてお送りしたいと思います。
後半へ続きます!