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2022年も残すところ30日を切り、師走に入っています。

巷ではもっぱらサッカーW杯で盛り上がっている日本ではないでしょうか!?
私もサッカー好きなのですが、数年来やや代表戦の観戦から遠ざかっていましたがやはり日本がいい戦いをすれば観てしまいますね。グループリーグ初戦のドイツ戦はほぼ後半しか観てませんでしたが、コスタリカ戦では攻めあぐねてシュートまで持っていけないいつもの日本だなあとストレスを溜めたものの、スペイン戦での大逆転を信じていたら後半早々の逆転劇は素晴らしかったですね。三笘の1mmであります。月並みですが、勝負は最後まであきらめてはいけないという、かの安西先生の教えが日本のアスリート全員に改めて刻まれたのではないでしょうか。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
「あきらめたらそこでレース終了ですよ」
ボート選手全員にお伝えしたいです。
ボート競技も最後の最後ゴールライン上でバウボールがかかるほんの1mmで明暗が分かれることだってあるのです。


それから、スポーツは一瞬で流れが変わり、メンバー全員の心と身体が一気に躍動することがあり格上にさえたたみかけるような怒涛の勢いがついてチャンピオンチームのようなパフォーマンスを見せることがあります。これを戦術や事前のプランでもたらすのか、その場の声かけや現場で生み出していくのか、しかし本当に重要な勝負どころで身につけたい勝利のコツであり鉄則であります。

日本サッカー、決勝トーナメントではクロアチアに三度目の正直で勝ってベスト16の壁を破り、その次はブラジルか韓国、できれば王者ブラジルとW杯ベスト4進出をかけた決戦へと進んでほしいですね。





さて、日本ボートも頑張っていますよ!

現在、12月という時期にアジアボート選手権が開催されています。場所はタイのパタヤ、タイ王立海軍ローイングセンター(Royal Thai Navy Rowing Center)というコースですね。調べてみたら、リゾート地パタヤはタイの首都バンコクから海沿いを100kmほど。そして海軍と名が付いてはいますがこのローイングセンターはパタヤのビーチから10km近く内陸で、パタヤのあるチョンブリー県とお隣のラヨーン県との間にまたがった位置となっていて特に海のコースというわけではなさそうです。

ここでシニアのAsian Rowing Championshipsと、U19のAsian Rowing Junior Championships、そしてパラも併催されています。
シニアのアジア選手権には日本は強化合宿中のため今年は特に参加していませんが、U19のアジアジュニア選手権にはしっかり狙いに遠征をしています。
JM2X、JW2X、JM1Xという日本U19のトップクルー、そしてさらにJM4X、JW4Xと5クルーでの挑戦です。このU19代表は6月の熊本・斑蛇口湖コースでの選考がすでに半年前におこなわれていました。
アジアジュニア選手権クルーのリスト
https://www.jara.or.jp/kyoka/current/2022JPNNationalTeamMemberList(AsiaJr)(1128).pdf
JM2X(S:N瀬選手、B:K上選手)、JW2X(S:T田選手、B:K松選手)、JM1X(M口選手)がトップクルーというのは、7月末にイタリアバレーゼでおこなわれたU19世界選手権にも全く同じメンバーで挑戦しているからですね。このときは世界との差を見せられていますが(JW2XはFinal Bまで進出したものの棄権)、アジアでは負けられないと、12月にも今回U19世代最後の国際大会をめざしてきたわけです。

そして、きょう12/3(土)、JW4Xが見事優勝を果たし、金メダルを獲得しました!
JW4XはS:T田N花選手、3:H野H選手、2:I本Y愛選手、B:I塚Y合子選手というメンバー、初日の予備レースではベトナムに1艇身半あけられ2着。しかし2日あいて大会4日目の今日、決勝では逆のコンディションの中でやはりスタートの強いスタイルであるベトナムに前半は半艇身から逆カンバス近く出られます。ベトナムは近年たいへん力を上げてきて、特に女子はインドネシアや香港をしのぐくらいのアジアの強豪になってきています。ベトナムは前半の攻めはたいへん安定しておりやはり強いなと感じさせていましたが、日本は前半SRも31近くに下がるくらいレートは低調だったものの粘り強く追いかけて、中盤、1000m前くらいからしっかりアタック。リズムが良くなりはじめ少しずつ詰めながら第3で攻めに転じ、中盤ながらレートも上がってきてベトナムにプレッシャーをかけると1500mで並び、あとはスパートがしっかり決まってラストはSR35近いスパートで予備レースでの鬱憤を晴らすかのような2艇身以上水をあけて優勝を果たしました。
なお、私が今回記事を書こうと思ったのはLIVE配信の動画まであったからですが、日本が少しずつ詰めて一気に抜き去る、この一番いいところで前のレースのJW2Xの表彰式、しかもカザフスタンの国歌が流れた中で小さいワイプで辛うじてレースが映っているというけっこう残念な映像にはなってしまっていますが、それでも今まで以上にWorld Rowing以外の国際レースでもこうしたレース動画がどんどん流れてくれると本当にありがたいですね!
ちなみにこのJW2Xの表彰式、ちょうど映っていたプレゼンターはH渕さんですよね・・・。さすが国際ボート連盟理事。


2022 アジアジュニア JW4X
ベトナムをあざやかに逆転しての日本JW4X、金メダル!日本の国際大会優勝はコロナ禍になってから初めてでしょうか。
Crew Japan Facebookより


大会4日目の動画。JW4X決勝は3:22:55あたりから。表彰式は最後の3:58:40あたりから。
https://www.youtube.com/watch?v=eptcbiACtHU




すでにおこなわれたJM2X(S:N瀬選手、B:K上選手)のほうは、期待されていたと思いますが、予選で香港に競り負け、敗復でタイと韓国にまさかの敗戦で3着となりFinal Bに回りました。Final Bでは悔しさを晴らして1着、総合7位。
客観的にみて、優勝のインド、2位の香港と勝負できそうな力はあったのでメダルは取れたのではと思いますが、この敗復は映像見ましたが順の流れで水が掴めないことでリズムがうまく作れずに、タイと韓国に出られた展開のまま行ってしまったという、修正できないまま終わってしまったレースだったように思います。世代トップ2のお二人、まだまだこれから経験を大いに積んでいってほしいですね。



さて、このほかあす12/4(日)に決勝が3つあります。

JM1XのM口Y希選手、インドと台湾が強いですね。インドも本当に中国に次ぐアジアのRowing強国になっているのは皆さんご存じかと思います。といっても、アジアの2番手というのはウズベキスタン、カザフスタン、イラン、インドネシア、ベトナム、香港、そのほかたくさんいてアジアRowingも群雄割拠の時代になってきています。しかし、シニアのアジア選手権には出ていましたがこのU19には不在の中国、この中国に対して日本は互角に挑むアジアの雄でなくてはいけないでしょう。

JW2X(S:T田選手、B:K松選手)は、こちらもJW4Xと同じように予選でベトナムに5秒差で敗れています。おそらくベトナムもJW2XのほうがJW4X以上にトップクルーでしょう。JW4Xでも、見た感じ170cm平均くらいのオープンで戦えそうな選手を揃えてきているベトナム。しっかりスカウティングと育成強化をして近年ボートに力を入れてきている証拠ですね。
JW2Xの日本対ベトナムの一騎打ちは見応えありそうです。

そしてJM4X(S:S崎選手、3:K本選手、2:S賀選手、B:O本選手)
ここは日本が本命で決勝に臨めそうですが、予選で2着にしりぞけたウズベキスタンが3秒差、1艇身半くらいなのでまだ決勝では一気に上げてくるでしょう。日本も全力で優勝の漕ぎをしたいところです。タイ、ベトナム、韓国、台湾ももっとギアを上げてきます。日本、ベストレースでいってほしいですね。





12月、日本の上をめざす戦いは、いよいよクライマックスに向かいます!






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最近多めの更新です。

先週土日のヘッドオブ瀬田、そして本日おこなわれた戸田6KTTが終わりました。
代表選考的なイメージがありますが、強化合宿に参加できるかどうかのトライアルです。しかしこの合宿に参加できれば代表選考への大きなアピールとなることは言うまでもありません。




まずはヘッドオブ瀬田
たくさんの関西を中心としたボートマンが瀬田に集い、約7kmという長めのヘッドレースを楽しみました。それぞれ素晴らしいRowing経験になったことでしょう。
そして、選考に挑んだクルーは最初に瀬田川を飛び出して折り返していきました。

以下は選考も入れての1日目の結果です。
2022 Head Of The SETA 記録 11月12日(土) PDF版


こちらは2日目。
2022 Head Of The SETA 記録 11月13日(日) PDF版


瀬田の選考結果 PDF版

強化合宿選考のクルーは、往路の下りではガンガン攻めて、SR30からそれを超えるような軽いリズムで前半を攻める感じで漕いで、折り返して復路の後半は川を上って戻るので上りの重さに耐えながら落とさないように艇速をコントロールする戦法がほとんどでした。ヘッドオブ瀬田での定石といえるのでしょう。
そしてなんと最初は知らなかったのですが、M1XでA川選手、W1XでY川選手がヘッドオブ瀬田に参戦しているんですね。それでいて、3日後の戸田TTでも挑戦という、まさに日本の男女ナンバーワン選手のタフさとチャレンジは、日本代表をめざす全員がそれに続いていかなければいけません。
もちろん、戸田TTでも圧倒的な存在感を見せました。



つづきまして本日、戸田の6KTTの結果は以下のとおりです。

戸田6kmTT 男子1X結果 PDF版

戸田6kmTT 女子1X結果 PDF版

戸田6kmTT 男女2-結果 PDF版


まずは選考にチャレンジされた選手の皆様、たいへんお疲れ様でした。
見てみますと、強化合宿参加のためにはかなりハードルが高いのですね・・・。今回選ばれた選手は皆すぐにでも世界選手権に出られるメンバーのみといったところです。

M2-では、1位になったO塚選手とS賀選手の2-が参加資格を得たかもしれません。
他のシニアは、追加で選ばれることがあるかどうか分かりません。
U23カテゴリーの選手は、11月中の5000mエルゴを見て決めるようです。提出は11/27まで。そしてWUGの合宿参加も、U23と一緒に12月決定とのことです。

また、U23カテゴリーの全員、つまり来年12月末まで23歳未満のボート選手は12月に5000mエルゴの記録を提出し、ここでアピールできれば合宿参加できるかもしれないということですよね。大学ランキングにもなりますので是非ご参加下さい。
高3、社会人やクラブももちろん、おもに大学生によるU23カテゴリー全員のエルゴランキングは画期的です。こちらは12月25日までに実施して、26日までの提出です。



さて今回の選考TT、瀬田のほうは正確な距離もタイム基準もよくわかりませんので論評は差し控えたいと思います。
根本的に静水の戸田コースと川のコースはタイムの比較はなかなか難しいですね。
例えば、1995年インカレM8+優勝したT北大は、7月のH海道大との定期戦で5'34の貞山堀コースレコードを叩き出し、5'47を出したH海道大に勝っています。場所は宮城県の貞山堀(ていざんぼり)コース、貞山公と呼ばれた伊達政宗が晩年の頃から築いたとされる貞山運河、名取川(名取市)と阿武隈川(岩沼市)を結ぶ太平洋に沿った約5kmの運河コース。しかし日本ではこのタイムが日本レコードと認識されたことはなく、T北大はその後インカレM8+で優勝しますが、私の推定では戸田で5'55前後のM8+だったと見ています。(インカレは逆風、東の風2mで6'08で優勝)
ちなみに2011年3月の東日本大震災の津波でT北大艇庫は壊滅してしまいこの貞山堀も津波の被害で使えなくなり、T北大は内陸の釜房湖ダムコースで活動されていましたが、約10年後の2021年2月に岩沼新艇庫が完成し再び貞山堀コースを拠点に戻ってきています。
H海道大は、このときの貞山堀の5'47というタイムを6'05~8と換算しているようです。つまり、おそらくこのときの貞山堀コースは流れや潮の影響、そしてコース自体のタイムの出やすさで戸田よりも20秒ほど速いタイムが出るコースだったということです。
それから、大阪市高石市の浜寺コース(大阪府立漕艇センター)も臨海の水路で、潮の流れにより速いタイムが出ることで知られていますよね。河川コースも、当然下りで漕ぐ際はたいへん速いタイムが出ます。折り返すともちろんタイムは全然出ないですね。

戸田コースのような静水無風のボートコースはむしろ珍しいのですが、湖や貯水池などだと似ているかもしれませんが、戸田はコンクリートで両岸を固められているのでまた独特です。





そんなわけで、さまざまなエピソードを差し込みましたが、今回の戸田6KTTではやはりといいますか、私の提示しためやすのタイムを良い形で裏切っていただきました。(一般的なタイム範囲とか言っておりましたが、当然軽く超えてほしい願望があるわけです)

男子のM1X、A川選手は22'00!!
なんと1'50ペースです。あとわずかで21分台です。えっ、これってどういうこと?という方、6000mを3で割って下さい。21分を3で割って下さい。そういうことです。21分台というのは。
2000mでいえば、7'20のペースを維持して漕破してしまったわけですが、もちろんトライアルでは流れがあるので、1'51前後で推移しながら、10~20秒オーバーしたであろうタイムをスタート直後かラストのスパートで回収しAve1'50切りに近づけたチャレンジがあったわけです。スタート直後は6kmのセオリーならスパートはかけないので、やはりラストも異常に上げたのではないかとは推測いたします。
例えばですね、S藤K選手のTTのラスト1500mくらいに及ぶSR35から40くらいに上がっていく超ロングスパートなどは春の風物詩という感じなんですよ。おなじみの伝家の宝刀です。ですので、私はTTはラストの半周が一番見ていて面白いですね。マラソンのスパートみたいな感じなんですよね。長くて。
代表選考のTTとか、SBS予選とかは、戸田にいる人はぜひ見てもらった方がいいですね。伴走禁止にしないでほしいです。事故にはじゅうぶん気をつけてください。
そんなわけで、A川選手の豪快なスカリングが今日も炸裂して、異次元のタイムを出してくださったわけです。私の予想では1'52とか言ってましたが、それを上回るAve1'50。レベルが上がると2000mタイムのラップより8秒ではなく6~7秒になるのかなとも思いますが、このタイムであれば、2000mでA川選手は戸田でも6'50を切って、コンディションが良ければ6'40に近づけることも本当に可能かもしれませんね。戸田でM1X6'40前半。これは世界一のチャンスも出てくる夢のタイムです。


そしてそれに続くのは、オープン選手では残念ながら水をあけられていますが、軽量級のMY浦選手が22'37で全体2位、軽量級で1位となっています。1'53ペース。素晴らしいです、私の記憶は怪しいのですが、過去20年ほど22'50とか22'48とかまでだったと思うので、6kmTTの軽量級レコードかもしれません。オープンレコードはもちろんA川選手の今日の22'00ですね。
MY浦選手も、無風7'00に近づいているかもしれません。あと5秒、短縮できればLM1X決勝やメダルレベルに突入できそうです。T田M弘選手、N村選手、F田選手、そして今回復活の兆しを見せたS藤K選手も含めて、22'30前後で激しく争い、パリ五輪代表の競争を高めてほしいです。I瀬選手、I政選手、もう一段階の飛躍がほしいところですが、その一段階の向上でこの代表常連の5人と肩を並べていくことができます。WUGもこの若手のお2人は有力。

U23では、A木選手が安定した強さで、シニアを窺う23'20でカテゴリーの1位。オープンのS原選手、K渕選手、O山選手らにも差をつけたので、この6kmディスタンスで強さを見せています。1'56平均というところなので、2000mのレースでは何とか7'10切りを果たしたいところですね。1'49コンスタントを実現すればあとは第1と第4のペースアップでいけるとみています。
R大のY田Y恒選手は24分はかろうじて切りましたが、軽量級2位としてはまだまだタイムが欲しいところで、さらなるテクニックとフィジカルですね。
このほか、多くは24分台で鎬を削ったU23世代。雨や風があったようですが、A川選手がこのタイムを出しているということで大きくタイムが出ないコンディションではなかったはずですので、1X技術を磨きながら、フィジカルの進化とともに3月のSBS予選で代表を狙えるように5000mエルゴ、2000エルゴでもアピールして頂きたいと思います。





女子のW1Xについては、Y川選手のパワーがこちらも炸裂ですが、振り返ればT田C愛選手が迫っており、Y川選手の24'20のタイム、2'01~2'02ペースは素晴らしいですが日本の軽量級選手の強さもさすがです。
Y川選手はあと少し、2'00でいけるようになると、1'53コンスタントが期待できるということで、7'30切りが見えてくるはずです。しかしこれは世界のFinal Bタイム。7'20のW1X五輪メダルタイムを本気で狙える選手ですので、頑張ってほしいですし、私はひそかにクルーボート挑戦やスイープ挑戦も願っています。
O石選手もどうやらオープンに本格挑戦ではないかという動向に見えますので、艇速でもさらにY川選手に拮抗できるようどんどん伸ばしてほしいです。

軽量級では、T田C愛選手とのパートナー争いというところかもしれませんが、H内選手に加えて、K谷選手がアピールして5人目の強化合宿候補となりました。K谷選手は最近エルゴベストも更新したと伝え聞いており、今回のTTではパリ五輪軽量級の争いに名乗りを挙げたことで、どんどん成長していただきたいです。女子の25分は2'05ペース、五輪でFinal Aをめざすには何とか2'02を出して2000mのコンスタント1'55のレベルへ。
T田C愛選手はエルゴベスト7'00をめざし、パートナーも7'05をめざして最強の日本女子LW2Xでパリへ乗り込みたいところですね。H内選手、K谷選手。そしてさらにY澤選手、K島選手、T本選手、N瀬選手がシニア軽量級挑戦でいくようです。ウェイトコントロールも大変なのですが、男子とともに、激しく争ってともに大きく向上していただきたいですね。
また、WUGも有力な選手が多いですね。国際経験が積めるので、ユニバも世界選手権もどちらも出たいところでしょう。

U23は、オープンではS水S選手、そして軽量級ではI上選手と、全日本新人で優勝した2人がどちらも20歳未満ながら大きくアピールしました。S水S選手に17秒差とはいえ、I上選手もいいパフォーマンスです。まだまだ2人ともシニアのタイムまで見すえてこの20歳前後の時期はフィジカルがたいへん伸びますので世界をめざしてほしいです。K舘選手もこのまま軽量級代表、一直線ですね。しかしU23もたくさん良い選手がおり、ここでも26分台で予想通り激しい競い合いで、27分台からも巻き返せるのでこの冬これがスタートというつもりで代表選考の戦線を賑わせてもらいたいですね。





最後に2-です。
O塚選手とS賀選手の2-はオープン参加だったのですね。しかし21'22で1位。1'46~47ペース。ということで、この2人のペアは、2000mコンスタントで1'39~40でいけると思われ、6'35あたりが狙えるのではないかと。
ちなみに、今シーズンワールドカップではA川選手とO塚選手のM2-でしたが、ワールドカップ第2戦の準決勝で6'30"33、ワールドカップ第3戦のFinal Bで6'30"42を出しており、これがM2-の日本ベストタイムだとみられます。
※そうではありません。2022ワールドカップ第3戦の予選でA川選手とO塚選手は6'29"55を出しています。これが日本ベストですね。A川選手、O塚選手そして関係者の皆様たいへん失礼いたしました。お詫びして訂正いたします。
6'30のM2-が4杯揃えば、M8+の5'30切りは確実に可能です。日本スイープ陣、頑張りましょう。
H選手/N選手が21'43、A井選手/S間選手が21'45、K又選手/T野選手が22'07。まだまだこれから、M2-4杯が21'00をめざして!!エルゴはまずは全員6'05で!!(O塚選手は5'59、S間選手は5'52で!!)

このほかの2-も、男女どちらもこれからというところではないでしょうか。どうでしょう、もしかすると2-の時間帯はタイム出にくかったでしょうか。ペアの2人ではありますが、フォアのような鋭くグンと伸びる艇速を2-で実現し、U23男子は6'40、女子は7'20をめざしハイレベルなスイープのスピードを。





まだまだ冬は始まったばかり、この経験を糧に、大きな飛躍のための助走にして、世界のトップで戦うことを常にイメージして、世界一のイメージをはっきりと頭に映し出して、実現に向かってください!







補足の記事です。最初に、瀬田と戸田のTTのスタートリストです。

本日、11月11日付で11/15に戸田で実施の強化合宿選考の6KTTのスタートリストが発表されましたね。
そしてヘッドオブ瀬田のスタートリストも出ていて、瀬田のほうはどうやら選考の選手はあす11/12土曜日の12時最初にスタートして一気に終わるという、先頭にスケジュールされたようですね。その後M4+、一般M1X、シニアのM8+(オープン)、シニアのM1X、女子種目、カヌーと続いていくようです。

11/12() 12:00~
ヘッドオブ瀬田1日目のスタートリスト ※最初に選考クルー

11/13() 9:00~
ヘッドオブ瀬田2日目のスタートリスト


戸田のTT、以下に掲載したスタートリストは11/14時点の確定版です。※更新しました

11/15() 9:00~
戸田6kmTT M1X、BM1X、LM1X、BLM1Xスタートリスト

11/15() 9:45~
戸田6kmTT W1X、BW1X、LW1X、BLW1Xスタートリスト

11/15() 10:30~
戸田6kmTT M2-、W2-スタートリスト

なお、時間や出漕順などは棄権その他等で変更になる場合がありますのでご注意ください。

戸田6KTTトラフィックルール、注意事項
親切な航行ルールや諸注意の通知です。後続に追いつかれた場合のレーン変更など重要ですのでご注意ください。20秒間隔は近いですからね。まさにおなじみのタテの並べ、ヘッドレースです。
転回ターンは1Xが45秒以内、2-が1分以内ということですね。それを超えると超過時間が上乗せされると。
けっこう休めるように感じますが、実際はけっこうあっという間で余裕ないですのでお気をつけ下さい。


昨日、今回のTTについての記事を書きましたので、まだの方はぜひご覧下さい。
「6KTT、代表への熱き道(ファイアーロード)」






さて、2日連続でブログ更新しようと思ったのは、本日さらに日ボのHPのお知らせに「12月 U23カテゴリー 5000mエルゴトライアル実施のお願い」というのがあったからですね。
11月9日付で冬季強化合宿に参加希望の選手に11月27日までに実施して下さい、という通知がありましたが、本日11月11日には「12月にエルゴ5000mを実施して下さい。U23有望選手を発掘するためにランキングを集計し、次世代の日本代表選手の発掘、育成にも繋げたいと考えています。是非ご参加くださいますようお願いします」と強化委員会が言ってきたのです。
来年のU23世界選手権に出漕可能な、現高3から早生まれの大学4年世代までの選手は、12月1日から12月25日までにエルゴ5000mTTを実施して、傑出した記録を提出すれば代表の強化合宿に招集するかもしれませんということなのです。
そして5000mエルゴランキングを作成して公表していくと。

U23 カテゴリー 5000 m Ergo Trial 実施のお願い
※日ボHPに提出用のExcelデータもあります

これはまあ、日本代表としても東京五輪が終わり次世代の強化育成が喫緊の課題なのだということの表れなのでしょうが、当然U23世代を世界で戦えるようにしていくことがシニアの強化に直結しますので、日本ボート界にとって重要なことなのです。

そして、U19のエルゴ20分全国ランキングのU23バージョンを新たに作るという、そういうことですね。
U23のエルゴはなぜ5000m?という疑問が私も皆さんもあると思いますが、基本あまり変わらないですね。20分エルゴも、5000mエルゴも。

シニアでは12月と2月に2000mエルゴの提出があるはずですから、U23も2000mでいいのではと思いますが、まあしかしこの5000mエルゴとか6000m水上TTとかも、たいへんトレーニングになる強度ですし、冬にフィジカル向上を図る上でも、5000mも2000mも大事な指標になると思いますので、ぜひ大学ボートの皆さん、そして大学や社会人でボートを続けようと考えている現在高3の皆さん、12月に5000mエルゴを測定して全国ランキングに挑みましょう!





そんなわけで、「U23世代から日本ボートを強くしよう!プロジェクト」での大学エルゴランキングということですが、やはり5000mエルゴはあまりなじみがないのではと思います。
でも2000mや20分はけっこう分かる感じですよね?(大学からボートを始めた選手の皆さんは20分エルゴもなじみがないかもしれませんね)

5000mエルゴって、どれくらいの目標、めやすでいけばいいのか?
ぶっちゃけ、どのタイムが速いスコアで、代表を狙えるくらいのタイムなの?


これを解説してみます。
前回のTTでもふれましたが、UTやB1、B2などのエルゴの低レートであるSR18~20でのタイムと、レースレートでハイレートつまり2000mエルゴに適したコンスタントであるSR32~36あたりのタイム。(スタイルによって、エルゴ2000mのSRはだいたい28~38くらいまでかなり個人差がありますね。ただ、最近のシニア代表のエルゴ2000mのレートは35以上の高いSRが一般的な感じがしてきています)
5000mとか、6000mとか20分というのは、レートもタイムもちょうどその中間付近にあたります。そう考えていただくと分かりやすいと思います。2000mのレースディスタンスと、60分エルゴなどのロングディスタンスの間の感じですからね。ミドルディスタンスとでもいうのでしょうか。

高校生のU19代表選考に向けて日本でスタンダードになっている20分エルゴ。
女子はたいへん分かりやすいんですよね。20分エルゴで5000mが高校の女子トップレベルです。つまり500mラップのAve(アベレージ)が2'00をずっとキープします。厳密には、SR26付近で2'00~2'02をうろうろしてラストスパートで1'55とか1'52くらいまで上げて稼いで5000mに到達するペースが、5000mスコアの選手はほとんどでしょうね。
500mあたり2'00ちょうどが、20分漕ぐと500mかける10ということで5000m。
たいへん分かりやすいです。ボートの場合、500mラップの2'00、1'55、1'50、1'45、1'40、1'35、1'30、1'25、1'20といったきりのいい数字を覚えておくといいですね。1'25コンスタントのエイトは5'40、1'40コンスタントの付きフォアは6'40、女子ダブルは1'50コンスタントで7'20などと、すぐに出てくるようにしてください。

そうすると、女子の5000mエルゴは2'00ラップで20分を出せばいいのかというと、これは高校生の全国ランキングでベスト10くらいの基準です。5000mクリアする年が、多いときは10人以上出る年もあります。ですので、もちろんU23代表になるには足りないでしょう。20分エルゴで5000mの選手は、2000mだと7'30前後が期待できますが、2000mだとうまく出せない選手もいますね。
さらには世代のトップは5100mとかもあります。これはAve1'57"5くらいです。20分エルゴのラップから7~8秒引いたくらいが2000mエルゴのラップとなります。2019年に5100mを出したU19代表の選手はAve1'57"5なので、2000mエルゴは7'23というスコアを出していました。Ave1'50"7ということになり、20分エルゴの数字から2000mエルゴの推定値もだいたい分かりますよね。あとは誤差や、その日の調子、選手により長い距離が得意か短い距離が得意かなどが絡んできます。
高校生女子の20分エルゴ歴代1位はもちろんY川選手です。高2冬の記録、5473m(Ave1'49)です。圧倒的すぎて、いま世界のFinal Aに最も近いシニアオープンの女子選手がY川選手だという事実は、このフィジカルがベースになっています。これを更新する高校生は今後果たして出るのか。Y川選手は、高校時代の2000mエルゴが6'56だったと思います。Ave1'44なので、高校の時点で6'50を切るポテンシャルはあったと思いますが、まだ2000mペースに慣れていなかったのではないかと思います。大学1年で6'49、そしてシニア代表で6'39まで現在までのベストとして伸ばしています。


さて、色々と脱線しましたが、このへんから推測します。
12月の5000mエルゴで大学上位になるには、まず20分切りが目標で間違いないでしょう。Ave2'00を目標として、ラスト上げで何とか20分を切れば、200人くらい参加していれば上位20位くらいは間違いないのでは。2000mで7'30~35の選手のイメージです。でも、U23なのでもう少しレベルが上がるといいですね、女子のエルゴも。
U23代表になるには、というかこの強化合宿に参加できるくらいのアピールにもなると思いますが、できればさらに2000mで7'20~25レベル、これはインカレ優勝レベルのエルゴですが、そうするとAve1'50~51ですので、5000mではAve1'57ペースの19'30を出せれば代表のチャンスが出るでしょう。特に軽量級なら間違いないのでは。
オープンのU23をめざすなら、2000mでやはり7'10切りを私は求めたいですが(もちろん可能なら7分カットの選手がたくさん出てほしい)、60kg~65kgの選手はまずは7'15(Ave1'49)を出しておきたい。そういうことで、5000mならAve1'55~56の19'10~20くらいですかね。
さらに19分を切れば、これはAve1'55を切ることになり、2000mで7分ひとけたが可能となり、有力なU23候補、シニアでも世界を見すえたいレベルです。60kgの選手なら軽量級で出てT田C愛選手やO石選手に続く逸材としてFinal Aをめざしたいところですが、ロサンゼルス五輪は軽量級はやはりなくなるのかどうなのか。
オープンを戦うなら、Y川選手レベルの18分(Ave1'48)という選手の登場を待ちたいところです。2000mエルゴでは6'45~50のレベルのエルゴとなりますね。

というわけで、女子5000mエルゴの大学ランキング(U23ランキング)予想です200人くらい参加を想定した場合です。
右の赤い数字は2000mで期待できる推定タイムです。カッコは500m平均Aveです。

1位  19'00切り(Ave1'55切り) 7'10(1'47"5)
~10位 19'10~30(Ave1'56~57)7'20(1'50前後)
~15位 19'30~50(Ave1'57~59)7'25~30(1'52前後)
~30位 20'00~20(Ave2'00~02)7'30~40(1'53~55)
~50位 20'20~40(Ave2'02~04)7'40~50(1'55~57)
~70位 20'40~59(Ave2'04~06)7'50~8'00(1'58~2'00)
~100位21'00~30(Ave2'06~09)8'00~8'10(2'00~02)
~150位21'30~22'30(Ave2'10~16)8'10~8'30(2'02~08)
~200位22'30~24分(Ave2'16~25)8'30~9'00(2'08~15)
24分以上 9分以上

女子はなかなかパワーが出すのが苦手でエルゴが回らない選手は男子以上に差がつきやすいので、下位は開くかもしれません。それでも艇をうまく進める選手はけっこういますが、上位にいくにはどこかでやはりエルゴにこだわらないと進めない一線が、男子と同じく存在します。W1Xの8'30切りとか、W2Xの7'50切りとかそのあたりですかね。
トップレベルで代表クラスとしては、日本はやはり5000mなら18分台が5人くらい出てくるとたいへん素晴らしいのですが、果たして。
また、1回だけでなく、高校の20分エルゴのように、2回かできれば3回くらい実施して伸ばしたいですね。しっかり冬のトレーニングを積めば、ほぼ2回目以降のほうが記録が伸びますので。
高校の20分エルゴ全国ランキングは、毎年11月と2月の2回、実施されています。




それでは、男子のほうを見ていきましょう。
女子で詳しく見たので、男子はあまり解説は要らないですね。
とはいえ、女子の高校トップレベルのめやすである20分、5000m、Ave2'00というきりのいい数字ではないので、基準値をある程度知っておくといいですよね。
男子はU23軽量級の代表には6'30切り、U23オープンの代表には6'20切りくらいは必要だという共通認識があることでしょう。この領域は、U23、つまり大学ボートの中で、10人ずついるかどうかというところだと思います。できれば、この数を増やして、トップタイムをさらに伸ばして大学ボートのレベルアップを図りたいところですね。(オープンのU23では本音では6'10前後がほしいです。)


男子5000mエルゴの大学ランキング(U23ランキング)予想です。700人くらい参加を想定した場合です。
右の赤い数字は2000m推定タイムです。カッコは500m平均Aveです。

1位  16'20切り(Ave1'38切り)6'05(1'31)
~7位 17'00~10(Ave1'42~43)6'20(1'35前後)
~20位 17'10~30(Ave1'43~45)6'20~28(1'35~37)
~70位 17'30~50(Ave1'45~47)6'30~40(1'38~40)
~100位17'50~10(Ave1'47~49)6'40~45(1'40~41)
~160位18'10~30(Ave1'49~51)6'45~6'50(1'41~43)
~240位18'30~50(Ave1'51~53)6'50~6'59(1'43~45)
~350位18'50~10(Ave1'53~55)7'00~7'10(1'45~47)
~500位19'10~40(Ave1'55~58)7'10~7'20(1'47~50)
~700位19'40~20'50(Ave1'58~2'05)7'20~7'50(1'50~1'57)
21分以上 8分以上

2000mで6'40切りをこの冬にめざす選手は、5000mで18分をしっかり切りたいところだと思います。5000mなので、これまで基準になりやすかった6000mとか20分エルゴよりも距離が短いので、あとラップ1秒詰められるかどうかも男子はポイントですね。

この6分30秒台からそれ以上良い記録の選手は、冬の初めですでに70名近くはいて、夏のインカレ時期には100名以上になっているはずですね。インカレのM1X、M4+、M4Xで15人ずつ、M8+では40人くらいは6'40切りの選手がいるでしょうから。いや、もっといそうだと思いますよね?そしてM4-、M2-、M2Xでも6'40切りは10人ずつくらいいるでしょう。いや、もっといるでしょう。そんな感じです。
しかし、O山選手用にトップで6'05を用意してみたところ、5000mでは16'20あたりのタイムが予想され、これは女子のトップと3分近い差になるというのは、計算すれば5000mは2000mより2.5倍の距離で、しかもペースは2000mほど速くはならないので当たり前と言えば当たり前なのですが、5000mという距離でエルゴTTをやると、男子が引き終わっても女子は3分近く終わらないということになってしまうんだなと。
その点、20分エルゴなど時間でやるTTは、時間が決まっているので同時に終わるメリットがありますね。
しかし漕手からすると決まった時間で漕ぐより、距離を減らしていってゴールすればそこで終わるから距離漕のほうがいいという漕手もいますよね。





さて、U23の目標のめやすということで見てきました。
ですので、男子のオープンは17分切れば代表の合宿へ大きなアピールになると思いますし、軽量級なら17'40切りくらいでもかなり上位であると思います。2000mでいえば6'35前後の記録に相当するかと思っています。


今回、大学生と競技継続予定の高3がたくさん5000mエルゴを提出すれば、女子は200名、男子は700名という試算で推定してみましたが、正直、各チーム全然エルゴを出してくれないこともあるかもしれません。
しかし、高校生の20分エルゴは全国ほとんどの高校ボート選手というかボート部員が提出します。
インカレでは上の数字よりもう少し多いくらいの選手が出漕していますので、是非とも5000mエルゴを漕いで、U23からのシニアの日本ボート強化につながるように、自分自身の大学ボートでの位置を知って、大きな飛躍と冬トレのモチベーションのために、参加していきましょう!
インカレ前には1000人以上の大学ボート選手がエルゴ2000mを漕いで参加基準クリアのために死に物狂いでエルゴスコアにかけていくわけですからね。(いや、1X、2X、2-の選手中心かもしれませんが・・・。でも、4人乗り以上の漕手のほとんども夏に1回くらいは2000mエルゴをしますよね!?)

2000mのマシンローイング大会は、コロナ前には7割以上の大学チームが参加するようになっていたと思います。
今回の5000mも、大学ボートチームは参加するものだというような風潮になれば、ライバル意識や交流にもつながっていくのではないかと思います。2000mよりもトレーニング的にさらに参加しやすいところもあるでしょう。



こうした指標を作っていって、大学ボートのレベル、インカレのレベルが上がり、U23やシニアでもFinal Aのクルーが現れることを、願っています。









以下の資料なども、エルゴに関する資料です。過去記事で掲載したものも多いですが、見たことのない方はご参考にして下さい。


※すべてPDFデータ


日本ボート協会「Crew Japanエルゴ基準の考え方」




K野造船HPコラム エルゴメーターによるトレーニングの指標

エルゴメーターによるトレーニングの指標(数値のデータ表)




「エルゴメータでハイスコアを出そう!」 全4回連載

「エルゴメータでハイスコアを出そう!第一回」

「エルゴメータでハイスコアを出そう!第二回」

「エルゴメータでハイスコアを出そう!第三回」

「エルゴメータでハイスコアを出そう!第四回」






さあ、シニアは2年後のパリ五輪をめざし、U23は来年のU23世界選手権(ブルガリア・プロブディフ)をめざす代表選考のシリーズがいよいよ幕を開けます。

シニアカテゴリーにおいては、2024パリ五輪の優先出漕権がかかる2023世界選手権(2023年9月3~10日、セルビア・ベオグラード)への代表選考がトップ争いとなりますが、これまでどおり世界で戦えるかどうかのIdeal Timeのクリアも問われることになるかと思います。しかし、とりあえず来年4月に予定されるSBS(スモール・ボート・セレクション)本戦を勝ち抜くことが求められます。
個人的には、代表コーチの目で選考してさまざまな大会で勝てる艇速を備えた出漕クルーを編成してほしいのですが、選手からの異議申し立ての例もありますのでコンプライアンス上の問題があるためか、代表選考のレースによって1Xか2-での最後の一発勝負でレース結果として示さないといけない方式が今後もとられるでしょうか。
代表をめざす選手はSBSまで勝ち抜くことが一番の目的になりやすいですが、本来は世界で勝つための日本代表クルーを作ることが日本ボートにおける国際レース参加事業として一番の目的かと思いますので、トップをめざした上での日本ボートのアピール、一定の国際競技力を備えた上での国際交流を、ぜひめざしていただきたいなと思っています。



そしてシニアは世界選手権だけではありません。代表選考の対象は、2022年にコロナで中止となり、延期での開催が予定されているアジア大会(2023年9月23~10月8日、中国・杭州)と、FISUワールドユニバーシティゲームズの資格を有する選手の選考も行われます。

アジア大会はいつも言うように、アジア版オリンピックのことですね。五輪イヤーと2年ずらしての4年ごとの開催で、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催。前回のジャカルタ・パレンバン大会ではアジアの45の国と地域が参加し選手数が1万人を超えました。次回の2026アジア大会は地元日本開催、名古屋大会です。陸上やサッカーなどをはじめとする五輪でおなじみの競技や、野球やソフトボールなどそれ以外のアジアならではの競技もあり、大会によって追加や除外を繰り返すこともありますが武術太極拳、囲碁なども行われたりします。
ボート競技については、永遠のライバル・中国との死闘を繰り返してきたわけですが、とはいえ中国には大きく水をあけられて久しく、他のアジアRowingの台頭著しく、インド、ウズベキスタン、インドネシア、香港をはじめ日本をしのぐような強さを持っているためこれらのライバル国に対して今後どう戦っていくかが問われますね。
どんな編成になるか分かりませんが、昨年の状況ですとアジア大会のクルーはLM2X、M1X、M4-、(M2-をその後選考)、LW2X、W1X、W2X、W2-でした。2023年ではLM2X、LW2Xはもちろん、ここでバシッとM8+とM4-、W4-なども出してもらい、アジアの頂点めざしてほしいですね。
2018アジア大会では小艇だけでしたが同じくらいの出漕数。(男女軽量級2X、男女1X、男女2X、男女2-の8クルー14名)
ですが、パリ、そして地元名古屋2026への強化育成も兼ねて、U23からも抜擢したりして、男女軽量級2Xはもちろんですが、男女4-、M8+を出しながら個人能力の高い1X、2-なども出していく方針になればいいなと個人的に思います。

それからワールドユニバーシティゲームズ(以下、WUG)は、これまで行われてきたユニバーシアード競技大会のことですね。こちらは奇数の年に2年ごとに開催していく、国際大学スポーツ連盟(FISU)が主催する世界の大学生による国際競技大会。しかし、前年の選考資格を見てあれ?と思った方多いと思うのですが、大学在学だけでなく前々年に卒業して26歳以下なら参加OKなんですね。これは、本来は今回のWUGは2021年開催予定でした。中国の成都(せいと、チョンツー)での開催ですが、2022年に延期して、さらに2023年に再延期なんですね。コロナで延期、再延期と来ているのです。2021年開催予定だったから2020年大学卒業でもOKだったのですが、2023再延期の大会ではまだ参加資格が未定なので、今回の代表選考での希望ではとりあえずWUG代表希望を出している2020年卒業組もけっこういますね。日ボでの強化委員会からの通知では昨年WUG内定の代表選手も改めて選考し直すとありますので、それぞれ日ボHPの強化委員会・日本代表関連の情報を確認して下さい。







さて、前置き長くなりましたが、今週末と週明けに一発目の代表選考に向けたTTが行われます。
今週末の土日(11/12-13)は瀬田の約7KTT、来週の火曜(11/15)が戸田の6KTTです。これらのトライアルは、あくまで冬季強化合宿参加へのトライアルとなります。しかし、なるべく日本トップの代表候補が集う強化合宿に参加して大きなレベルアップと競争意識を手にしたいところでしょう。



瀬田で行われるTTは、Head of the Seta、ヘッドオブ瀬田です。たぶん略称はHOSですが、カタカナ漢字のほうが分かりやすいですね。
ヘッドオブ瀬田は、文字通り瀬田川のチャンピオン(ヘッド)を決する大会ということで、なんと今年は第30回記念大会となります。秋の瀬田川を舞台に、瀬田川の大将を決めるという元日本代表ヘッドコーチにしてS田漕艇倶楽部の創設者であるF川さんが始めたヘッドオブ瀬田は、S田ローの後継の方々が連綿と続けてきた伝統の大会になっています。瀬田川大橋(国道1号線)をスタートしていわゆるセーヌの折り返しで転回、再び琵琶湖側の瀬田川大橋のゴールにのぼっていくという約7kmのTTです。もみじが舞う秋の唐橋を美しい競漕艇がくぐり抜ける光景は情緒をかきたてられますが、向き合うのは己の有酸素能力とRowing動作、そしてボートのスピードに集中であります。
ボートだけでなくカヌーも込みのヘッドレースとなっていますが、10月末の時点でエントリー数は193クルー、選手数が485名の賑やかなヘッドレースになりそうですが、代表選考としては10月末の時点で男女1Xのみ10名が挑戦という、かなり少数精鋭の参加となりそうです。昨年のヘッド(チャンピオン)でありS田ローの両エースでもある、LM1XO田R太選手(S賀レイクスターズ)とW1XN原選手(Pリントパック)も出漕予定。また、Tレ滋賀ではS賀選手、F田選手のエースに加えて、新加入S田S輔選手の名も。ほぼほぼ全員代表内定しそうな実力者ばかりです。
1Xだけのようで2-代表選考に挑戦する希望者がないようなので、土曜日のトライアルでタイム結果は出るかもしれませんが、日曜には2-、2X、4X、8+があり、8+には13クルーも参加がありますね。ATSUSHI RC、with YOU海鷹、やるしかないRC、ZRC御殿浜ローソンズなど、謎のエイトが多数出ており盛り上がりそうですね。

2022 Head Of The Seta エントリー状況

ヘッドオブ瀬田 冬季合宿参加選手選考エントリーリスト





それから戸田の6KTTです。
6000mTTとも表記できますが、昔から6kmTTという表記が主流でしたので、キロでいきます。例えば、ボートは2000m(ニセン)。エルゴ2000m(ニセン)と、「ニセン」メートルで言い表す場合がほとんどだと思いますが、エルゴなどは2k erg、2k testなんていう表記が海外のSNSなんかだと多いんですよね。2kは「ニキロ」、あるいは「ニケー」と呼ぶ感じです。6KTTは「ロッキロティーティー」でいきましょう。ロッキーのテーマとケロロ軍曹みたいですね、カタカナの見た目が。

いやー、私的にはなつかしい。6kmTT。2002年くらいから2014年くらいまで代表選考といえば6kmTTが行われることが多く、主流だった印象です。一発目がそれくらいで、だんだん3kmとか距離が短くなります。もちろん冬季トレーニングの状況にも合わせてのことでしょう。
調べてみたら2002年などは9kmTTですね。長い。U選手が35'28、H谷選手が35'31でトップ2。速い。1Xで500mラップ1'58~59で9kmを回っています。500mが18回ありますので。
そして、リオ後の2017年あたりから荒川のヘッドレース、ヘッドオブアラの参加が代表選考につながる強化合宿参加の要件に組み込まれていくのですが、2019年まで14回続いたヘッドオブアラ、運営も大変な中で主催のU家さん中心に継続されてきました。しかしコロナで中止もあり今年は再び戸田コースでのTTが準備される運びになったようですね。ヘッドオブアラも是非、コロナが落ち着いたら復活してほしいですね。

それで、今回は6kmTTの攻略法を、戸田で参戦する皆さんに参考として記事にしようと思ったのです。
ようやく本題にたどり着きました(笑)。

今回の戸田の6kmTT、熱いですよ。
ナショナルチーム冬季合宿参加選⼿選考 in 戸田6㎞TT エントリーリスト

男子が45名、女子が40名の合計85名です。

ひと頃に比べると社会人も大学生も参戦が少なくなって、特に今回は男子が少ないですよね。10年前、20年前は国立大とかも含めて力試し的にたくさんトライアルに挑戦していました。そういったチャレンジクルーが男子は今回ほぼいないようにも感じますね。その反面、女子は今回けっこう参加者数があると思います。
U23のみ行う11月エルゴ5000mと、そして今回参加できなかった代表挑戦を希望する選手も、今年も12月と2月にエルゴ2000mトライアル提出ができますので、ここで大いにエルゴスコアでアピールして3月のSBS予選出場をより多くの選手がめざしてほしいですね。

まず注目はシニアの有力選手。
世界7位のM1XA川選手を筆頭に、○TTは代表クラスがずらり。LM1Xもトップ争い間違いないですが、注目どころは他チームパートナーで結成したM2-ですね。S間選手がSサイド挑戦、そしてMY生命のエースA井選手とのM2-。それから以前相性が良かったというT野選手と、T田中のK又選手のM2-も今回どんなスピードを見せることができるか。もちろん、N選手とH選手の○TT同士のM2-も世界戦を経験しての成長を見せたいところ。残念ながら、社会人のM2-はこれだけで、MY生命は1X挑戦となっています。
大学勢のM2-では、N大、M大、K應大が活躍してほしいところですが、T国際大の全日本優勝したH口選手とK内選手のM2-が個人的にはとても楽しみですね。
W大、R大はM1Xで精鋭2人が参戦。M1XはN大ももちろんトップ争いしそうです。

女子でもW1XはT自動車のY川選手が注目度筆頭ですが、W2-ですよ、面白いのは。Dソーのイギリス帰りのC条選手と、Dソー移籍のS原選手のW2-。これは大注目ですよね。2人ともあまりスイープの印象が強くはありませんが、これからそのイメージを作ってもらって、日本W4-をぜひ。K電のT野選手とS水選手は今回1X挑戦ですが、こちらもW2-でも見たい2人です。
他にも、女子は軽量級もオープンも1X争いはたいへん面白いです。
そして女子はU23と、WUG希望も多いですよね。個人的にも注目選手が多すぎますね。Iリス、○TT、K電、C電、S立学園、S台大、T北大、M大、MY生命、R大ほかたくさんです。

先ほども言ったように、個の能力が問われる小艇のトライアルにはなりますが、世界で勝つ「クルーを組む」イメージで、多くの選手が強化合宿参加権を勝ちとり目を見はるようなスピードのクルーボートを結成してほしいと思います。




さて、6kmTTの攻略です。
めちゃくちゃ根性もつくし、有酸素能力とともに精神的タフさと常に安定した水上技術を養うために、トレーニングとしてもおすすめです。
そして、1Xや2-の安定感、バランス、艇の動かし方、レンジ、キャッチのつながり、これらをしっかりキープしながら一定のレートでリズムと艇速に乗っていきます。当然、強い水中とスムーズに走らせるテクニックを20分以上続けるという長期戦ですが、1500mを2往復キープしていく戦いです。

M1Xなら23~25分。W1Xなら25~27分。このあたりが代表選考の一般的なタイム範囲となります。学生でこれに届かない選手も多いですが、エルゴや体力不足、ペースがうまく作れなかったという原因以外に、力任せで1Xをうまく動かせないという技術レベルに課題がある選手が多い印象があります。
500mを12回ラップするので、M1Xの23分00秒は500mラップで1'55ペース、つまり2000mで7'40ペースで6kmを漕ぐ計算となります。MAXでは2000mを7'10くらいで漕ぐということで、まさしくシニア代表のレベルです。W1Xの25分00秒というのは2'05ペースですから、2000mの8'20ペースで6kmを漕ぎ続ける。これは2000mレースペースで7'40~50に相当しますから、まさにY川選手、T田C愛選手、O石選手の領域です。
2000mレースでも、500mラップでの艇速感覚を身体にしみこませているのがボート選手かと思いますが、そうしたスピード感覚、水中感覚、タイム感覚をもって、目標合計タイムからペースを割り出していって配分したりアタックをかけていくというのが私のRowing攻略法ですが、多くの選手コーチもそうした考えは共通しているのではないでしょうか。

6kmTTはまさに20分エルゴに近いHRおよび血中乳酸値の領域での強度なので、1XであればSR26~28(スーパーな選手はSR30もいけるか)、いわゆる中レートですが強度は高く、しかし有酸素能力が重要です。めやすとして、UTやB2(SR20付近)などのラップよりも8秒前後ほど速いタイム。レースレート(SR32~38)よりも8秒前後かかるタイムという低レートとレースレートの中間イメージのラップタイムで漕ぎ続けることが必要です。
ですので、これまで無風コンディションとすると23'00~23'15くらいがシニア代表クラスの基準値でしたが、ラップ1'55~1'56くらいということで、レースレートではラップ1'48くらいのトップ選手、すなわち1Xで7'10くらいを出せる選手が代表にはほぼ確定といったタイムとなっていました。このレベルは完全に日本代表ですよね。
しかし今回はA川選手がおり、戸田でもレースレートで無風6'50~55を出せる選手なので、ラップ1'44だとすると、1'52で6kmを漕破すると期待できます。つまり予想最大で6kmTTでは22'24を出せるかもしれません。
T田選手とのコンビでアテネ五輪LM2X6位となったU選手の記録で22'50という記録があったことを覚えているのですが、A川選手はオープンということもありますがもし22'24に近いタイムを叩き出せば大幅なレコードタイムかと思います。(コンディションが速ければもっと更新するともちろん思います)

戸田の6kmTTというのは、逆風で始まっても折り返せば順になるので、無風に近いタイムになりそうなところもありますが、11月の水温であることに加え、逆が強いと順で稼ぐ以上にタイムロスするので、そこそこ逆があると結局タイムは出にくくはなります。また、真横だとこれもタイムが出ないでしょうね。

意外と日ボHPでは過去の記録が多くは残っていないのですが、だいたい参考値として過去記録のいくつかだけを掲載させていただきます。

2002年
https://www.jara.or.jp/info/2002/2002nationaltrial_3th_6000_1.pdf
2005年(ややタイムが出にくかったでしょうか)
https://www.jara.or.jp/info/2005/2005nationaltrial_01th.html
2013年12月(4ページ目以降がシニア男子LM1X、M1X)
https://www.jara.or.jp/kyoka/2013/kyoka1213_record.pdf
2014年11月
https://www.jara.or.jp/kyoka/2014/3.Toda6000mTT.Result(20141116).pdf


過去の記録から私が想定する、6kmTTの代表を争う基準のめやすです。夏の無風イメージです。
シニア軽量級男子1X 23'00~23'15(平均1'55~56)
U23軽量級男子1X 23'10~23'30(平均1'56~1'58)


シニア軽量級女子1X 25'20~26'00(平均2'06~2'10)
U23軽量級女子1X 25'30~26'10(平均2'07~2'11)


時代は令和の2022年、できればこの過去の基準値を上回りたいところです。

オープンは参考値があまりありません。これまで、1Xにおいてトップ選手は軽量級のほうが速いくらいだったからです。
しかし本来なら、エルゴのぶん、オープンの方が上回っていなくてはいけません。ラップ1~2秒ほしいところですね。2000mレースペースでは、世界ベストタイムを見ても世界選手権などを見ても、軽量級よりオープンのほうがタイムはだいたい8~10秒ほどは良いからです。
また、個人的には以前の日本代表よりも今のほうが記録が伸びていてほしいので、過去の基準を上回るレベルで争ってほしいところはあります。ただ、SRは26でいくべきか28にチャレンジするかとか、ペースを掴みきれないところもあるはずなので、6kmTTとか9kmTTとかは転回も多いし最後のスパートのタイミングも難しいしで、慣れが必要なので、回数を重ねないと納得のいくTTができるまでには何度か漕いでみるべきです。ぜひリハーサルというか試しに最初の入りとコンスタントの練習をやるといいですね。
折り返しの転回もめちゃくちゃ重要で、過去では転回に時間制限があり(30~40秒くらいかうろ覚えですが)、それを過ぎてしまうと超過分としてペナルティーとみなされタイムに加算されてしまい痛すぎます。ある程度緩めずガンガンサイドローやサイドバック&サイドローでどんどん回してすぐ次の片道にいったほうがいいですね。
ちなみに、6kmTTだと有酸素ベースでスパートを開始する感じが強くなるのでスパートは長持ちします。残り500mは当たり前、SR30くらいなら頑張れば800mくらいのロングスパートも可能かもしれません。そして本当に最後200mか300mくらいで34以上とかに上げる感じですかね。




2-については、男子はオープンであり、2000mでのタイムはA川選手・O塚選手の昨年のM2-に続いてほしいので、要求を高く、2000m6'35をまずはめざすべく、コンスタント1'40が世界のシニアで戦う最低ライン。
となると、1'48を6kmでもまず目標にしたい。
つまり、21'36がオープンM2-の目標ですね。先ほどの2014年の記録だと、U23のH橋大が21'58(平均1'49~50)を出していて、2015年もH橋大が21'36を出しています。2022年のシニアなら全然狙えると思います。21'12とか21'00くらいまでくれば相当素晴らしく、日本人スイープには夢の2000mで6'30切りが見えてきます。世界一には6'18は絶対必要なのですが、あとはひたすらエルゴということで。
M2-なので、6kmの20分ちょっとの時間といっても、SR30で漕ぎ通すことは可能かもしれません。かなりタフです。

W2-は、シニアのスイープはまだまだこれからかと思いますが、7'20はまず出してほしいところですので、2000m最大1'50とすると、6kmでは1'58ペース、つまり23'36が出ると日本のW2-としてはおおっ!!となります。そのへんがスタートで、あとは世界トップは7分切る争いなのでひたすらエルゴとスイープテクニックですね。





さて、色々と6kmTTの作戦や攻略法、タイム、ペースについて見てきましたが、代表選考なのでもっと緻密に戦略を立てつつ、また日本の過去の基準にもとらわれず自分たちの世代が歴史を変えるというつもりでお願いできればと思います。
今の現役世代は、エルゴだけなら今でも過去の日本代表の記録をどんどん塗り替えています。技術もエルゴもまだまだ伸びます。そのようにして、水上タイムも、そして実際に走るスピード感も、大きくこれまでをはるかに超えて世界のトップを見すえてチャレンジしてほしいと思います。
いざ、タイムトライアル!炎のように燃えて6kmの道を突き進んで!







インカレ、全日本新人も終わり、2022年の公式2000mレースは終了。
息つく暇もなく、2023シーズンの戦いの幕が切って落とされるということになります。

11月には早くも(といいますか例年通りの日程で)、代表選考の一環となる強化合宿参加への選考TTがおこなわれます。(11月12~13日が瀬田TT、11月15日が戸田TT)
2023年への戦いはすでに始まっています。





さて、基本的にはまたしても例年と同じ内容となります。昨年あまり読んでいない方向けかもしれません。

私がこのブログでは以前からずっと大学からボートを始めた選手、いわゆる「未経験者」をひいきする記事をたくさん書いていることはご存じではないかと思います。わずか2、3年でたいへん強い経験者の皆さんに追いつき追い越さなければ大学ボートで勝負することができないからです。できれば大学3年目シーズンまでには対等に戦い4年目で自他認めるような結果を残す。もちろん、自分自身で納得できる成長の頂点に達するところへです。そのために、必要な知識と、それを使ってボートを誰よりも考える思考、その知識を求め日々考えるための意識。この3つがボートで強くなるために欠かせません。そのお手伝いを少しでもしていかなければ、わずか2年ほどでの急速な成長はできませんし、経験者の成長には決して追いつけないからです。

変わらず未経験中心チーム応援の立場をとりつつ、もちろん経験者の皆さんに対しても精一杯応援しつつ、未経験を応援することで経験者の方々はおごることなく謙虚にレベルアップに励んでいただきたいと思います。
ともに上をめざして、ボート競技を通じて大きな成長と自信、そして人として大切なものを手にしてください。

今回の記事では少し厳しい話もしつつ、「インカレ優勝するために」と題して、未経験チームがインカレ優勝するための話をしていきたいと思います。まあ、私のよく書く未経験向けチームへの記事は、経験者の人もけっこう読んでくださっている気がしますが(苦笑)。全部だだ洩れです。筒抜けです。



あっという間に駆け抜けた2022年。2023年はすぐそこ。オフシーズンとはすなわち最重要の準備期。ここでの大幅な個人のレベルアップと、チームのコミュニケーションや結束がなければ、シーズンで強大なライバルと競ることなど到底できず、「インカレ入賞、最終日」さえ絵空事となります。

とはいえ、インカレ優勝するための話は、このブログをずっと読んできていただいた方ならばこれまでに十分なお話をしてきているんですね。今の現役学生の方々はこのブログ開設当初をご存じないでしょうから、チーム強化、トレーニング、技術、ボートの意識などに関する記事を以下にご紹介します。

このブログは、レースレポートやレビュー記事が本来はメインではないのです。実は国内レビュー記事はそんなに積極的に書きたいわけではないんですよね(そろそろ海外、世界挑戦もメインに書きたい・・・)。調べ物が大変ですし、そういうのはボートマスコミがもしいれば全部お願いしたいのですが、やる人がいないから勝手に私がやってるだけなんですよ。
Rowing専門誌、Rowing専門ブログやサイトの誕生を求めています。

ここは独り言。(例えばスポーツ雑誌N○mberなどがRowing特集を毎月やってくれれば私の労力を他にもっと注げるのですが。以前、Rowingが取り上げられたことも何度かありましたので。
芸能ゴシップや政治ゴシップの文春砲打ってる場合じゃないんですよ、文藝○秋社は。芥川賞と直木賞を創設し文藝○秋社の創業者である文学者・菊池寛が泣いてますよ!)

本音はこのブログ内容は、もっとモチベーションアップと、世界Rowing研究と、技術研究に特化したいくらいだという気持もあります。こちらの研究はまだまだ相変わらず全然進んでいませんね。
ほぼほぼ7月~10月のレースシーズンは、大会のプレビューとレビューの記事ばかりになりましたが、もっとRowingを究める方向に向かいつつ、学生のモチベーションに貢献するような記事を書けたらいいなと考えているわけです。ですが、大会の良い写真がありすぎるので、当面はレースの特集記事は続きそうですね。
皆さん、いつでもRowingブログやRowingサイトを開設してくださいね!情報発信や交流はTwitterばかりでなく、もっと大会やレースシーンを色んな媒体で特集してください!








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モチベーションアップ
「全員がボートに全力なチーム」
「みんなのために」
「熱い思いのあふれた文章や言葉が、Rowingを動かし発展させる」
「おすすめのRowing動画、参考動画」


新人勧誘、新人指導・育成について
「ボート未経験者を育てる」
「強くなりたいボート初心者へ①」
「強くなりたいボート初心者へ②」
「体力を、エルゴにつなげる!」


「新勧プロジェクト①~新勧とマネジメントのスタートは秋から」
「新勧プロジェクト②~チーム設計のシミュレーション」
「新勧プロジェクト③~新勧はチームにとって最重要の事業」
「新勧プロジェクト④~新勧の意義」
「新勧プロジェクト⑤~新勧戦略」
「新勧プロジェクト⑥~理想のチーム作り」
「新勧プロジェクト⑦~新勧の流れ」
「新勧プロジェクト⑧~入部を決める要因」
「新勧プロジェクト⑨~コミュニケーション力アップ!」
「新勧プロジェクト⑩~PV研究」
「最強の新勧」
「新勧で強く大きなチームを作る」
「オンライン新勧を制する」
「シンカするシンカン―コロナ禍の中で―」


退部者を減らし、継続力とチーム意識を高める
「Rowingの魅力発信。退部率の激減に挑む!」
「冬をこえて、逆境をこえる2018」


エルゴ記録について(マシンローイング大会に向けた情報)
「めざせ、エルゴベスト!」
「めざせ、エルゴベスト!2」
「めざせ、エルゴベスト!3」
「2016マシンローイング大会 運営編」
「2016マシンローイング大会 記録編①」
「2016マシンローイング大会 記録編②」
「エルゴやボートに関する貴重な資料」
「エルゴとボート、体格と筋トレの話」
「エルゴの季節」
「エルゴ7分の壁、8分の壁~前編」
「エルゴ7分の壁、8分の壁~後編」
「瀬田からの風、大会運営の極意を学ぶ」
「エルゴ記録、世界標準をめざす」


強化のヒント
「タイムは絶対の指標だが、数字を信用しすぎてはいけない」
「勝負はコンスタント」
「選手選考について」
「シーズン序盤戦、大事な3点について」
「クルー編成論~人を活かす磁場をつくるための、人事とポジション考察」一部修正した2018年記事です
「ボート競技におけるタイムの考察①~タイムマネジメント」
「ボート競技におけるタイムの考察②~タイムの世界基準、日本基準」
「強いチームをつくるために」
「汗のストロークサイド、涙のバウサイド」
「1X必勝のための虎の巻~3カ月でインカレを制する!」
「並べのすすめ」


大学ボート部のマネジメント
「マネージャー論① もしドラ・パート1」
「マネージャー論② もしドラ・パート2」
「マネージャー論③ マネジメントについて」
「マネージャー論④ マネージャーの仕事」
「マネージャー論⑤ スタッフ」
「G・T・T~ガクレン・タイム・トライアル」
「How to ビデオ撮り①」
「How to ビデオ撮り②」
「ホームページやSNSでの広報・PR活動」
「Rowing経済学」
「NRM三大学レガッタ、間近!~対校戦の意義」
「年間戦略のはじまり」
「リーダーシップと人間性」
「Rowing組織の運営モデル①~前編」
「Rowing組織の運営モデル②~後編」
「チームカラーとブレードカラー、ボート部の歴史」(2016年版)
「大学ボート、新たな輝き」
「ブログ革命!~チームブログの可能性~」
「無観客レースをオンラインで満員御礼に!」


「コックス技術論」シリーズと、「漕手技術論」シリーズ
「Rowingの技術考察」


Rowingの動作イメージをまじえて8+やクルーボートを研究。
漕手技術論とCOX技術論の融合記事、「8+技術論」シリーズ

「8+技術論①~エイトとは」
「8+技術論②~個人技術」
「8+技術論③~クルー技術」
「8+技術論④~クルーの完成に向けた目標とプラン」
「8+技術論⑤~レース技術とCOX・前編」
「8+技術論⑥~レース技術とCOX・後編」
「8+技術論⑦~日本代表ドリームクルー、夢のエイト編成」




このほか、「艇の研究シリーズ」、「監督インタビューシリーズ」、「Rowing文学」、「世界ジュニア50年史」、「インカレの時代」、「Rising Stars」などRowingを考えたりチームマネジメントのヒントだったり知識や選手情報などさまざまな記事はRowingへの関心を深めるきっかけになればと思っています。






ざっとこのあたりでしょうか。

技術論だけでもトレーニングやRowingイメージに役立つ部分はあるかと思いますが、それだけではインカレ優勝できません。
私は以前、勝つために重要なのは「エルゴ、人材獲得、チーム運営」の3点だということを書きました。インカレ優勝するためにはこの3つが必要です。技術やメンタルはいいのかというと、これはもちろん必要ですが、チーム運営上、モチベーションとボート意識の高い運営が行えていれば知識・情報の重要性を知っており、エルゴ強化と同じく技術・メンタルの研究も行うはずです。

優秀な人材を多数確保し、支援力も人材なので拡大し人を得ていく。人という基本資源は、物、金、情報という次の資源をもたらしてくれます。味方や賛同者を増やし仲間にしていく「人を増やす営業力」は社会において豊かさをもたらすスキルになります。純粋にマンパワーが大きくなり役割分担と高度な専門化、組織として可能性と行動力が大きくなります。優秀で鍛えられた選手が多くなれば、4+はメダルでも4Xは優勝できるかもしれません。勝つ確率を高め、エースの存在を多くすることでボートのチームスポーツとしての価値を高めることができます。
また、未経験チームは選手が未経験でも、指導者が未経験だとなかなか勝つのは難しい時代です。ボートを見る目が確かな指導者、アドバイザーを味方に招くのはたいへん重要だと考えています。先輩や若手OBも、自分の経験だけでなくさまざまなボート研究をしなければ後輩を強く育てることはかないません。

そして、ボートを進めるのに「数字」として最も分かりやすく比較が容易なエルゴを伸ばす。エルゴに徹底的に向き合える選手は、必ず技術とメンタルと艇速にも徹底して向き合うことができます。さらにチームへの意識も高める資質があるでしょう。

チーム運営は、大学ボート部チームをひとつの目標に向かい高い意識のもとにまとめ、モチベーションを高めることがすべてです。選手、マネージャー、スタッフと役割は異なれど目標は一つ。また、お互い広い知識と深いコミュニケーションが必要なので、お互いを理解し合い目標への意欲を高め合う毎日が必要です。運営というのは経営と同義であり、毎日のモチベーションと資源を継続し発展させることにあります。その元となるのは常に人です。全体と個を伸ばし続ける、明日へと全力で向かう毎日は活力と結束をもたらし、どんな困難な目標も実現に導いてくれます。しかしチームという組織は、必ず果たすべき目的を明確にします。

これらは、インカレ優勝するために必要なだけでなく、日本ボートの永遠の課題でもある、と以前に言っています。どれもまだまだ足りないからこそ、日本のボートは発展途上だと言えるでしょう。日本はエルゴも人材獲得もチーム運営も、世界トップとは大きな差があるので、負けてばかりいるのです。逆にこれらが勝てれば世界一も近づくでしょう。インカレで勝つチームも、世界で勝つ国も、レベルに差はあれ基本は同じことです。
これら3点を向上させるには時間がかかります。年間通じての努力が必要で、だからこそシーズンはじめの今から準備と行動を進めることが重要です。

これらがまず分かっていないと、おそらくインカレ優勝はさすがに可能性がないと言い切れるでしょう。






さて、今年もなぜこのような記事を書くかといいますと、インカレなどレースレビュー記事を書く際に調べたり参考にさせてもらう色んな大学ブログやサイトにおいて、まず「負けてくやしい」というような学生の素直で率直な思いが目に付いてしまうのがあったからでしょうか。
学生時代、ありったけの努力を傾けて、それでぶつかった結果負けてしまってさまざまな感情が残った、という経験をするのも人生において大切で忘れられない思い出となるでしょう。勝敗や成績は抜きにして、心技体を仲間とともに高め合い、自分自身や仲間と真摯に向き合ってきた4年間は間違いなく将来に役立つ経験になると思います。しかし、負けてもいいと思ってレースに出る選手など一人もいません。

レースに勝つ、それをめざすことで得られるもっと大きな経験を、過程を、今後の財産を、得ていただき納得と満足の学生時代にしていただきたいのです。もちろん、優勝となると定員が決まっており、必ず敗者は毎年たくさん作られます。
しかし、もっと勝てる機会を増やし、自分もチームも確実に成長できたと実感するためにもっと多くの工夫が存在します。できることがあります。
そのために、微力ながら私のブログではさまざまな方法や考えを提案し、その中で少しでも皆さんのチーム発展、戦績向上、そして優勝のためのわずかなきっかけになればという思いです。

「インカレ優勝」と言っていますので、私のめざすところは常に優勝です。
ボートは1着をめざして一斉にスタートしトップでゴールすることを争う競技です。1着、1着、1着で優勝です。
それをめざすからこそ、誰よりも努力し工夫しアイデアと資源を集め、ボートに力を伝え1番の速度へと変換しそれが1番継続できるような方法を身につける。意識の上で優勝していないと、目標が優勝していないと、優勝はできないのです。優勝をめざしてはいないクルーの集まる小さい大会でなら相対的に練習量の多いクルーが優勝できるかもしれませんが、インカレのように毎日ボートのために練習しているクルーしか集まらない大会では、日頃の質、そしてエルゴと人材とチームによって勝敗が決まります。それは優勝するための日々を送っていたかどうかの差であり、言い換えれば最初から優勝をめざしそれを具体化・実現化していたかの差なのです。

だから日本代表がもし優勝をめざしていないなら、私はあまりそこには興味も持てません。是非、日本は世界で優勝するために世界一をめざす国であってほしいと思っています。目標がメダルでは、メダルもとれないだろうと以前から言い続けています。どの国も優勝をめざしているからです。優勝をめざしてスタートから飛ばしコンスタントをトレーニングし尽くしスプリント技術を磨き上げて戦略もそのための資金も投入してブレーンを雇ってきた国に、メダル狙いで勝負に行っては運に頼るしかないのではないでしょうか。
日本代表についてはまた記事にできればいいですね。まだまだ大いに強くなれる、変われると思っています。






なぜインカレ優勝にこだわるか。
メダル目標や、最終日が目標でもいいのでは?これは、選手個々のポテンシャルがある時期にさしかかり具体的にクルー目標を定める段階であれば、当然こういう目標になるのはむしろ必然です。男子エルゴ平均6'50のクルーであれば、インカレ優勝は厳しい。艇速向上のポテンシャル、体力向上の見込みを考えてメダルや最終日、あるいはタイム目標へと切り替えるでしょう。

しかし、インカレ優勝は可能な目標です。
実は未経験とか経験者とか関係ないのです。優勝できるエルゴと艇速があれば可能なのですから。そして、最初はできないことができるようになる。それがあるからスポーツは面白いのであって、人間の可能性というものを証明するという純粋な面白さがあります。
私は、インカレに出場する大学が現状せいぜい100弱であり(先日のブレードカラーの記事でも確認しましたね。現在は80チーム前後がインカレに出場する見込みのある大学の数であり、2022年もコロナの影響で66大学の参加にとどまりましたが、ボート部のある大学は医歯薬を含めて140近くはありますからもっとチャレンジしてほしいですね)、インカレ優勝するのは12クルーが可能なのですから、出場すべてが優勝をめざしてインカレに挑むくらいの状況が望ましいと思うのです。例えば高校野球では、全国4000校の中で多くの高校が甲子園をめざします。半分くらいは「甲子園」を口にしていると思いますが、その中でも300~400くらいは本気で甲子園をめざしていますよね。47の各都道府県で少なくとも5~8校くらいは本気で甲子園を現実目標にしている(もっと多いでしょう)。ボートでも80前後のすべての大学が12クルーに与えられるインカレ優勝をめざしてほしい、とはなかなか難しい話でしょうか。




エルゴ、そしてボートタイムを優勝レベルに設定
「優勝する」という決意と意志があり、それをすべて具体化していくことが面白い。まず数字と、数字を表すイメージが必要です。
インカレM8+優勝タイムはだいたい5'45。○TTが5'38"2の日本最高タイムをもっているので学生の目標がやや上がることも考慮すると、もう少し上方修正することも必要かもしれない。ライバルは仮想○TTだ。○TTのエルゴ平均は2022年でついに6'10くらいに達しただろうか。重量級も多くいるだろうが、インカレ優勝の5'45を切るにはやはりエルゴ平均6'20に近い数字を出す必要がある。現在は漕手トップ8が平均するとがんばっても6'27なので大幅なエルゴトレーニングが必要だ。あとは艇の走らせる技術とタイム落ちの要素を減らし、しっかりとタイムを作って、勝負所のスパート力をトレーニングにも入れていく。
艇の動かし方は、世界のM8+を参考に、うちはNZをイメージしていこう。彼らは後半の体重の乗せ方と加速が素晴らしいが、しかしキャッチに関してはより固定的に、正確さをめざしていく。8人のキャッチ感覚を高めるには何度もブレードを入れてからの艇の固定感と浮き上がりをマスターしなくてはならない。このイメージを毎回ミーティングと感覚で確認しよう。エイト全体をキビキビとかつ滑らかに一気に動かす統一性とテクニックでは必ず○TTさえ上回ってみせる。

このようなイメージを作っておき、決勝レース展開はすでに想定しておきます。それを実現するための途方もない準備、すなわち冬からのエルゴ強化トレーニング、エルゴを高め身体能力をトータルに向上するフィジカルの陸トレやウェイト、乗艇、そして乗艇では編成を細かく決めます。
夏にベストの編成をするには、冬場に下級生の育成をすることがどうしても必要です。意識と、技術と、取り組み方の姿勢とを、一気に変える経験が1年生には必要です。ボートに座って漕いでいたのが、ボートをより力強く動かすために体重を生かすフォームとして身体の使い方に気づくようになるし、高いレベルの乗艇タイムとエルゴタイムをめざすようになります。先輩との差を肌で感じ、しかしそれに慣れていくことで気づかないうちに短期間での大幅なレベルアップができます。何より意識が引き上げられ、先輩とのやりとりでボートの語彙を増やしていき、その言葉の語彙力が感覚の語彙力となりコミュニケーションにも表れるようになってくるでしょう。
1年の戦力化、特に上位層は確実に対校選手候補として、この冬にやっておくべきであり、どんどん色々な環境にチャレンジさせたりボート経験を積ませることが大切です。エルゴの大幅な伸びとともに、この1年冬の進化が、夏の勝負の行方を左右します。これは私大、国立大に限らずインカレ上位校がやっていることです。そしてそれは1年生だけに有効なのではなく、2年や3年も後輩と乗ることで、いったんレベルや艇速が落ちるクルーを高いレベルに持っていくためのクルービルディング法の学びになりますし、技術や体力や感覚やイメージを教えることで、自らも分析し学ぶ機会になるからです。いくつかのクルーで編成を変えていくやり方で、いざインカレや大きな大会のクルーを組んだ際、どんなメンバーでも優勝レベルに持っていくのはボートでは必要なスキルなのです。

固定メンバーも良いのですが、チームとしてインカレ優勝に向かうならば、全体でレベルアップし優勝できるクルーよりも前に優勝できるチームを作ることです。冬こそ、優勝するチームを作る季節。

冬場はこのように最重要の時期となります。ここが最もホットレースでなくては、春から出遅れ夏に挽回することは叶いません。
「モチベーションが上がらない・・・」「退部したいという部員がいて・・・」というチーム状況をそのままにしておいては、そもそも優勝は難しいでしょう。これは多くは上級生の行動で改善できます。下級生と一緒にトレーニングをし、下級生と色んなコミュニケーションをとって意識の向上をともにめざしましょう。
個人の事情や悩みによる退部希望は粘り強く交渉して必要だということを説いていきたいですが、完全に価値観が異なる場合は心が離れているので引き留めは難しい。そうなる前に、しっかりとした人間関係作りとボートが面白いと思える働きかけをしていくことが、1年生に対しては必要ですね。


最初に話したM8+のエルゴ必要値は、現在の大学ボートからすれば高めですが、しかしM8+はエルゴが重要です。他の艇種は例えば6'30平均やあるいは6'40くらいでも優勝可能な種目も現状ではあります。とにかく、優勝タイムに必要なエルゴ値を定めてトレーニング目標に掲げて達成することが重要です。







人材獲得
それから、インカレ優勝するために、人材獲得が必須です。
この点においてセレクション私大とはおのずからハンデがあります。大学ボートで勝ちたいと思って、ボート競技をより究めたいと考え、大学側からエルゴや戦績等で優秀な選手のみを選んだ経験者を一定数揃えたチーム。さらに今年、来年と推薦で一定数獲得した経験者チームと、コロナの影響でまともに入部者を得られなかった未経験チームとでは人数的にも大きな不利を強いられることになります。これは年数が経つとさらに今年の部員不足がのしかかることになるでしょう。
未経験チームがハンデを負っているのは自明です。しかし同時に、セレク私大にはこうした新勧術がない。推薦枠も限られているので、むしろ新勧ができることは強みであり武器にすべきなのです。やりようによっては、セレク私大を超える素材を、超える人数を、揃えるチャンスでもあります。とにかく今年の秋と来年春が生き残りをかけた勝負となります。

新勧準備は、今からです。しっかりと動き出し、最もボートに高い意識を持つ部員を選んでリーダーに据えていく必要があります。「新勧に興味がある」、というレベルではなく「チームを強くしたい」という部員が適任だと思います。
そもそも、新勧は優勝できる人材を得るためのスカウトであり、次代の戦力のすべてがここで決まります。仲間集め、気の合う後輩が欲しい、というところを超えて、「インカレ優勝する」ということを考えれば、できるだけボートに適した人材を、たくさん勧誘し入部してほしいところです。新勧ノウハウは、当ブログの「新勧プロジェクト」シリーズもご参考にしてください。

優勝できないチームはここに最も課題があるといっても過言ではありません。
強いチームは、新勧が強いのです。その後の育成に課題を持つチームもあるにはあるでしょうが、新勧でやみくもに数だけ入れても強くならない場合には、もう少し性格、体格、人格の条件にもこだわってもいいかもしれません。新入生が強いボート選手に育つかどうかは、本人に理由がある場合もありますが、環境も大きいです。

大切なのは、「新入生の中で引っ張れる存在が何人かいるかどうか」、「上級生のボート意識と関わりの深さ」、この辺がポイントです。全員パワーがあって体が大きい、などということはほとんどないのですが、体力とやる気とで最初から意欲が高くすぐに上級生とクルーが組める存在は何人か欲しいところです。それから、下級生のボート意識は、上級生のボート意識そのものです。鏡のように反映されているので、上級生にやる気や実力がなかったら下級生はこれを軽蔑しつつも同じようにやる気が持てずにいるでしょう。その中で先輩を反面教師に見て改革をめざす後輩も出現しますが、それよりも上級生がまず強くあろうと意志を持つべきです。
誇りを持ち、全力をぶつけてレースで結果を出す先輩は、それをさらに学んで追いつき追い越したいとめざす意欲的な後輩を育てます。ただし、先輩ほどの技術や体力を持てない後輩も中にはいますので、しっかりコミュニケーションをとり、時には同じクルーを組んだり勝つ経験をどこかでさせて、見守り育てていきたいものです。

他にもさまざまな人材が必要です。コーチ、アドバイザー、メディカルスタッフ、色んな専門家やOB・OG。また、支援者としてOB・OGもそうですが、父母、大学関係、友人やその他多くの参加者がいるとチームの交流と活気が増えます。
物や資金のサポートは不可欠ですし、それ以上に「心の支え」となり、自分のためだけでなく人のため、応援してくれる人たちのためという素晴らしいモチベーションが贈られます。

そうした支援を得るのも、「インカレ優勝」という多くの人を求心させうる大きな目標と夢があるからであり、「がんばってボートを漕いでいる学生」に対して地道な支援をしてくれる善意の方が少しはいても、それが高い目標を掲げていなければ大きなムーブメントにはなりえません。優勝をめざすことは、大学や周囲のサポートが得られる、巻き込みのトルネードを作るから、大きなチームを作れるから推奨するのです。「一人で見る夢はただの夢、皆で見る夢は現実になる夢」、ということです。
個人的な応援はその人個人の満足や楽しみのためにやってくださることですが、大きな応援は、応援する側にもより大きな夢と生きがい、パワーやメリットまで得られるからであり、応援したくなるようなチームになることはスポーツにおいてこの上ない幸福であるかもしれません。時に期待はプレッシャーになるかもしれませんが、そうしなくては資源や応援が得られず注目がなされない時代になってきています。応援者は過度に選手やチームを責めることはせず、理解しやはり見守る姿勢が必要と考えます。
そして応援される側は、しっかりと情報発信を心がけ、絶えず関心を寄せてもらう働きかけも必要になってきます。SNSだけでなく、応援する人が実は最も求めているのは直接の人のふれあいや交流でもあると思いますので、さまざまな形で応援してくれる人と関わることは大切かもしれません。






チーム運営
そしてチーム運営。
「インカレ優勝するチーム」になること。言い換えれば、「日本一のチーム」になる意志。
個人でも素晴らしいボート活動をされている方は何人もいらっしゃると思いますが、やはりボートはチームで戦う競技だと思います。そもそも私はCOXだったので、チームにおいてでないと力が発揮できないどころか必要とされないポジションでしたので、このへんはご理解ください。
先の人材獲得と関連し、資源を集めることもチーム運営にあてはまります。資源を増やすことが優勝への道ではありますが、ここではむしろその資源をいかに運用するかということですね。
限られた資源でも、運用のやり方次第で優勝できるようになります。少人数チームなら少人数チームの方法で。大所帯なら、大所帯の方法でそれぞれ日本一になることが可能です。

レースに向けてのチーム運営で言えば、これも先ほど言ったように、選手を編成し能力と意欲を高めるアプローチによって、優勝レベルへと強化していきます。素質と意識の高いものを中心に据え、重点種目を決めてインカレに照準を絞ります。

この重点種目がポイントです。
インカレには現在男子7種目女子5種目の12種目があり、インカレ優勝は12クルーが達成できます。1チームがすべて独占する可能性もありはしますが、12チームで栄誉を分かち合う可能性もあります。
実際、強豪チームでは全クルー優勝したいと本気で考えてインカレに臨むでしょうが、本当に全クルー優勝したら学生スポーツでもありますし内心複雑ではあるでしょう。1チームによる完全勝利なんて、本音で言えば競技にとって望ましいことではないでしょうね。しかし、そうなってもおかしくない状況も生まれつつあります。
できればインカレ優勝を全チームがめざすことで、より多くのチームが優勝のタイトルを手にし、大きな発展と将来への財産にしてほしい。そして次の年にはまた違うチームが勢いをもって打倒していき、年々レベルアップがなされる。そうなれば望ましいことだと言えると思いますがどうでしょうか。

インカレM8+とインカレW4X、メイン種目とみなされるのは当然ではありますが、優勝と考えたら現実には各チーム重点種目を定めてタイトルを獲りに行くことを考えており、強豪チームほどしっかり計算をして特定種目を狙ってきます。
優勝から遠ざかっているチーム、まだ優勝していないチームは、優勝確率が高い種目を選んで強化することが必要かもしれません。そう言いながらも、私もM8+へのロマンはありますし実際のところ艇種の好みもあるでしょう。これはインカレ戦略でもあると同時に競技への哲学でもありますから、多様な価値を否定するわけにもいきません。
また、年によってさまざまな要素によって、種目のレベルが上がることも起こりますし、現在からしてどの種目も強豪チームが一定以上のクルーを出してきますので優勝はどの種目が簡単とは全く言えません。
しっかりと優勝タイムを想定して、代表レベルが出てきたりライバルクルーが突然激増することも想定しながら戦略を立ててください。


マネジメント面です。
主将や主務など部のリーダーを筆頭に、ボートの意識を優勝へと変えていくことが最大のマネジメントです。
マネージャーというと連想される食事、事務、ビデオ、伴走、広報、OB会等後援会の諸仕事、学連、渉外、対校戦幹事、その他もろもろの仕事は、「優勝する」ということが目的として具体的な役割分担が派生します。それぞれ専門化され、エキスパートとしてカテゴリー化されるのですが、それ自体が目的ではなく、「チームで優勝して感動を分かち合う」という目的を果たすことがすべての出発点です。優勝するために必要かどうか、しっかり考えてください。優勝するためにこの仕事はどこまで究めていく必要があるのか、考えてください。

これは漕手も同じです。漕ぐことが目的ではありません。優勝することが目的です。漕手なのにインカレで漕ぐことが出来なくて存在意義が分からない、いや、漕ぐことが目的ではないのだから乗れないとなったときは別の役割において全力で優勝に向かってください。COXだけど付き艇に選ばれなかった、いや、チームを勝たせるために優勝のためにCOXやマネジメントの能力をチームやクルーにすべて出し尽くしてください。

第一の役割だけで、専門の役割だけでチームは成り立っていません。人ができないこと、あるいは優勝するために必要な仕事を生み出すのは必ず求められます。
クルーの艇速を高める。優勝できるチームになるためのモチベーション、資源(人、物、資金、情報)の増加や質の強化に関わる。人手が足りないポジションの代わりやサポートに回る。

ボートに高い意識が持てていれば、どんなことでも優勝するためのマネジメントが可能なはずです。
このブログでも初期に「マネージャー論」でさまざまな役割があるとお伝えしていますが、それぞれ漕手やCOXが兼任してもいいですし、より発展させることも可能です。
そのように、優勝のためのマネジメントや全力でサポートに回る姿が、チーム全体のモチベーションを高めてくれるのです。
マネージャーが選手の頑張る姿にいつもモチベーションを与えられているのと同じで、選手もマネージャーのどこまでも優勝のためにマネジメントに全力な姿を見たら大きな勇気と感謝によってモチベーションを与えられるのです。
それこそが、ともに優勝に向かうチームだということ。

選手だけで成り立っているチームなど、今やほとんど存在しません。
実際には選手だけが練習しているチームもあるでしょうが、それにおいてさえ監督のような方が外で選手の環境整備のために仕事を持ちながら奔走していたり、何かサポートの存在は必ずあるでしょう。
選手が、食事と環境整備と資金作りや管理と大会遠征準備などなど多く一人でやっていたとしても、ではその食事はどこから食材を仕入れているか、資金はどこから、大会は誰が運営するか、知識は自分で思いついたのか、1人で完結することは決してあり得ません。



優勝するためのチーム作り、そしてボートにおいて築く社会性。役割は違えど最高の仲間、応援者、ひとつの最も高い目標に向け、同じように高い目標を持つライバルに対して1番でゴールするために。
レースは一瞬であり、優勝した事実はすぐに過ぎ去ってしまいますが、そこで得た仲間や応援者との絆、感動、信頼、結束はいつまでも残りますし、高い目標によって大きな人の和を得たことが、その人個人の心と身体の成長とともに、大きな財産として残るのです。そしてチームの勲章として歴史として、優勝のタイトルがいつまでも最高に生きた証として刻まれる。






何よりも。優勝する艇の飛ぶような速さ、ハイスピードでぐんぐん進む艇は漕いでいて、乗っていて楽しい!!それが艇と一体感、クルーと一体感を感じること自体がすべてのボートマンにとって最高の喜びです。マネージャー、コーチ、応援する人にとっては、そこに一緒に乗っているような共有感と、速く進む艇、トップで進む艇、喜ぶクルーの姿、それを見るのがまた最高の喜びなのです。感情がともに乗って、ともに戦っているのですから。